株式会社TIMEWELLの濱本です。
「AIでコードを書く」——この言葉の意味が、2025年に根本から変わりました。
Cursorは、VS Codeをベースに開発されたAIコードエディタで、2025年には評価額293億ドル(約4.4兆円)、年間収益10億ドルを突破。Fortune 500企業の50%以上が採用するなど、AIコーディングツールの代名詞となりました。
本記事では、Cursorの最新機能、競合との比較、そして企業での活用方法を解説します。
Cursor 2026年最新情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価額 | 293億ドル(2025年12月) |
| 年間収益 | 10億ドル以上 |
| 採用企業 | Fortune 500の50%以上 |
| 主要機能 | Background Agents、Bugbot、Visual Web Editor |
| 最新買収 | Graphite(コードレビュー) |
| 2026年予測 | AIがエンジニア作業の20%を担う |
| 料金 | Pro $20/月、Ultra $200/月 |
Cursorとは:AIネイティブなコードエディタ
基本概要
Cursorは、Anysphere社(2022年設立、サンフランシスコ)が開発するAIコードエディタです。
基本情報:
- 開発元: Anysphere(2022年設立)
- ベース: VS Code(フォーク)
- 対応OS: Windows、macOS、Linux
- 評価額: 293億ドル(2025年12月)
- 年間収益: 10億ドル以上(2025年)
- 採用企業: Fortune 500の50%以上
資金調達の推移
| 時期 | ラウンド | 調達額 | 評価額 |
|---|---|---|---|
| 2023年 | Seed | $8M | - |
| 2024年12月 | Series B | $100M | $2.6B |
| 2025年6月 | Series C | $900M | $9.9B |
| 2025年12月 | Series D | $2.3B | $29.3B |
わずか2年で評価額が10倍以上に成長した、AIスタートアップの象徴的な存在です。
2025年の主要アップデート
Background Agents(v0.50)
2025年最大の機能追加が「Background Agents」です。
Background Agentsの特徴:
- タスクをバックグラウンドで自律実行
- 開発者は別の作業に集中可能
- 複数タスクの並行処理
- 完了時に通知
従来は1つのタスクが完了するまで待つ必要がありましたが、Background Agentsにより、AIが自律的にコードを生成・修正する間、開発者は他の作業を進められるようになりました。
Bugbot
2025年中盤にリリースされた「Bugbot」は、GitHub連携のデバッグアシスタントです。
Bugbotの機能:
- コード変更(人間・AI問わず)を監視
- 潜在的なバグやリグレッションを自動検出
- GitHub PRとの統合
- 月額約$40/人のアドオン
Debug Mode(v2.2)
v2.2で追加された「Debug Mode」は、デバッグ作業を革新しました。
Debug Modeの流れ:
- 開発者がバグの症状を説明
- AIがコードにログ文を自動挿入
- 原因の仮説を提示
- 修正案を提案
- 再テストを促す
従来のデバッグ作業の1/3程度の時間で問題解決が可能になっています。
Visual Web Editor
2025年12月には、「Visual Web Editor」が追加されました。
Visual Web Editorの特徴:
- ブラウザサイドバー内蔵のビジュアルエディタ
- ページ要素のドラッグ&ドロップ
- サイズ、色、配置の視覚的調整
- コードとビジュアルの同期
フロントエンド開発において、コードを書かずにUIを調整できる機能です。ただし、一部開発者からはバグや頻繁なUI変更への不満も報告されています。
CLI機能強化(2026年1月)
2026年1月8日のアップデートでは、CLI機能が大幅に強化されました。
新CLI機能:
- モデルの一覧表示・切り替え
- MCP(Model Context Protocol)サーバーの管理
- ルールの作成・編集
- コマンドの管理
MCPサーバーをコマンドラインから有効・無効化できるようになり、開発フローがさらに柔軟になりました。
その他の主要機能
| バージョン | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| v1.6 | Custom Slash Commands | .cursor/commands/*.mdでカスタムコマンド定義 |
| v1.7 | Agent Autocomplete | エージェントによる高度な補完 |
| v1.7 | Hooks(β) | エージェント動作の制御 |
| v1.7 | Team Rules | 組織全体のポリシー設定 |
Graphite買収:コードレビューの統合
2025年、AnysphereはコードレビューツールのGraphiteを買収しました。
Graphite統合のメリット:
- 「Stacked Pull Request」機能の追加
- 複数の依存する変更を同時に作業可能
- コードレビュープロセスの効率化
- GitHub連携の強化
これにより、コーディングからレビューまでをCursor内で完結できる環境が整いつつあります。
競合比較:Cursor vs Claude Code vs GitHub Copilot
3大AIコーディングツールの比較
| 項目 | Cursor | Claude Code | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | IDE(VS Code fork) | CLI/ターミナル | IDE拡張機能 |
| 主なモデル | Claude、GPT-4、Gemini等 | Claude Opus 4.5 | GPT-5.2 |
| 特徴 | ビジュアルエディタ、Background Agents | コードベース全体理解、CLAUDE.md | Microsoft/GitHub連携 |
| 価格 | $20/月(Pro) | API使用量ベース | $19/月(Individual) |
| 対象ユーザー | 全開発者 | コマンドライン熟練者 | Microsoft環境ユーザー |
どれを選ぶべきか
Cursorが適している場合:
- VS Code環境に慣れている
- ビジュアルエディタを活用したい
- Background Agentsで並行作業したい
- 複数のAIモデルを使い分けたい
Claude Codeが適している場合:
- ターミナルでの作業を好む
- 大規模コードベースの理解が必要
- CLAUDE.mdでプロジェクト知識を共有したい
- Opus 4.5の高度な推論を活用したい
GitHub Copilotが適している場合:
- GitHub/Microsoftエコシステムを使用
- チームでの標準化を重視
- Copilot Workspaceを活用したい
主要採用企業
Cursorは、テクノロジー企業から非テック企業まで幅広く採用されています。
テック企業:
- OpenAI
- Nvidia
- Uber
- Adobe
- Spotify
- Instacart
非テック企業:
- Major League Baseball(MLB)
- 金融機関
- ヘルスケア企業
Fortune 500企業の50%以上が採用しているという事実は、Cursorがエンタープライズレベルで信頼されていることを示しています。
当時と現在:Cursorの進化
| 項目 | 当時(2024年初頭) | 現在(2026年1月) |
|---|---|---|
| 評価額 | 約26億ドル | 293億ドル(約10倍) |
| 年間収益 | 非公開 | 10億ドル以上 |
| 採用企業 | 限定的 | Fortune 500の50%以上 |
| 主な機能 | コード補完・生成 | Background Agents、Bugbot、Visual Web Editor |
| コードレビュー | なし | Graphite買収で統合 |
| 外部連携 | 限定的 | MCPサポート |
| CLI機能 | 基本的 | モデル管理、MCP管理 |
| デバッグ | 手動 | Debug Mode自動化 |
| プラン | Pro $20/月のみ | Pro $20/月、Ultra $200/月 |
わずか2年で、AIコーディングツールの「スタンダード」としての地位を確立しました。
企業でのCursor活用
導入のメリット
1. 開発速度の向上
- コード生成の自動化
- デバッグ時間の短縮(1/3程度)
- Background Agentsによる並行作業
2. コード品質の向上
- Bugbotによる自動バグ検出
- リアルタイムのエラー検出
- パフォーマンス最適化の提案
3. チーム生産性の向上
- Team Rulesによる組織ポリシー
- Graphite統合によるレビュー効率化
- 知識の共有と標準化
導入の考慮点
1. コスト
- Pro: $20/月/人
- Bugbot: $40/月/人(オプション)
- 大規模チームでは総コストを検討
2. セキュリティ
- コードがクラウドに送信される点
- 機密性の高いプロジェクトでの運用ポリシー
- Enterprise向けセキュリティ機能の確認
3. 学習曲線
- 既存のVS Codeユーザーは移行が容易
- AIとの効果的な協働には慣れが必要
- プロンプトエンジニアリングのスキル
AIコーディングツールの組織活用
Cursor、Claude Code、GitHub Copilotといったツールは、それぞれの強みがあります。組織でのAI活用を進めるには、以下の観点が重要です。
- ツール選定: チームの特性に合ったツールを選ぶ
- ガバナンス: セキュリティポリシーの策定
- 教育: AIとの効果的な協働方法のトレーニング
- 評価: 生産性向上の測定と改善
TIMEWELLでは、WARPコンサルティングを通じて、Cursorを含むAIコーディングツールの効果的な導入・活用方法を支援しています。元大手企業のDX・データ戦略専門家が、月次更新で最新のAIツール活用をサポートします。
まとめ
Cursorは、AIコーディングツールの代名詞として、2025年に爆発的な成長を遂げました。
本記事のポイント:
- 評価額293億ドル、年間収益10億ドル超
- Fortune 500の50%以上が採用
- Background Agents: バックグラウンドで自律実行
- Bugbot: GitHub連携の自動バグ検出
- Visual Web Editor: ビジュアルでUI編集
- Graphite買収: コードレビュー統合
- MCPサポート: 外部ツール連携
AIコーディングの時代において、Cursorは「VS Codeの次」を担うIDEとしての地位を確立しています。開発者にとって、Cursorを使いこなすスキルは、今後ますます重要になるでしょう。
