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【CHANGE2024 Day2講演より 後編】濱本隆太さんに学ぶ、新規事業を成功に導くための7つの秘訣|TIMEWELL

2026-01-21濱本

前編では、濱本隆太さんが新規事業に携わるきっかけとなった3人のキーマンとの出会いや、新規事業を成功させるために必要な心構えについて語っていただきました。後半では、具体的な新規事業立ち上げの手法や、顧客理解の深め方、AIの活用法など、実践的な秘訣を7つのポイントに絞ってお伝えします。

【CHANGE2024 Day2講演より 後編】濱本隆太さんに学ぶ、新規事業を成功に導くための7つの秘訣|TIMEWELL
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株式会社TIMEWELLの濱本です。

【前編はこちら】

 前編では、濱本隆太さんが新規事業に携わるきっかけとなった3人のキーマンとの出会いや、新規事業を成功させるために必要な心構えについて語っていただきました。後半では、具体的な新規事業立ち上げの手法や、顧客理解の深め方、AIの活用法など、実践的な秘訣を7つのポイントに絞ってお伝えします。

1.顧客とは何か? 2.顧客のセグメントを切る 3.顧客の課題の解き明かし方 4.顧客の課題の構造化 5.生成AIを活用する 6.質問力、現場観察力をあげる 7.値付けのポイント -最後に-講演よりメッセージ 1.顧客とは何か?

 クライアントから支払いを受ける顧客こそが、私たちが真っ先に向き合うべき対象です。特にプラットフォーム事業においては、サプライサイドとデマンドサイドの両方の課題を解決する必要がありますが、お金を払ってでも解決したい課題を抱えている顧客を優先すべきなのです。

例えば、副業をしたい大企業の社員にプラットフォームを提供するケースを考えてみましょう。この場合、多くの人は副業をしたい社員を顧客だと考えがちです。しかし、本当に向き合うべきなのは、副業人材を受け入れる企業側なのです。なぜなら、プラットフォームの利用料を支払うのは企業側だからです。つまり、企業側の課題解決なくしては、ビジネスとして成立しないのです。お金を払う側の課題解決を優先することで、サービスの価値を高め、事業を成長させることができます。

一方で、お金を払わない側の顧客、この場合は副業をしたい社員ですが、彼らの課題解決も重要です。ただし、優先順位としては、お金を払う企業側の課題解決が先になります。ここで皆さんに問いたいのは、自分の事業において、誰がお金を払ってくれる顧客なのか。プラットフォーム事業をお考えの方も、この点を改めて見つめ直してみてください。真の顧客を見極め、その課題解決に注力することが、事業成功の鍵となるでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

2.顧客のセグメントを切る

 顧客セグメントを細かく切ることは、非常に重要です。「20代前半〜30代前半の大企業社員」といった大まかなセグメント分けでは、解像度が低すぎます。理想的には、会いに行けるぐらいの解像度まで、顧客セグメントを細分化すべきです。初めは狭いセグメントから始め、徐々に市場を広げていくのが賢明な戦略といえます。

セグメントを細かく切ることで、市場規模が小さくなるのではないかと不安に感じるかもしれません。しかし、実際には、それでいいのです。初期の想定市場を起点に、セグメントを少しずつ広げていけばよいのです。一番刺さりやすい、あるいは広げやすい市場はどこかを見極めるためにも、顧客セグメントの細分化は欠かせません。これにはいくつかのアプローチがあります。

例えば、左脳的なアプローチでは、属性や課題、行動などの軸でセグメントを切り分けていきます。一方、右脳的なアプローチでは、ペルソナ像を設定し、インタビューを重ねながらそのペルソナ像を精緻化していきます。どちらのアプローチを取るにせよ、顧客セグメントを細かく切り、ペルソナ像を明確にすることが大切です。そうすることで、どの顧客から攻めていくべきかが見えてきます。狙っている市場のイメージが鮮明になれば、事業を進めるスピードも上がるでしょう。まずは、顧客セグメントを可能な限り細分化することから始めてみてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

3.顧客の課題の解き明かし方

 顧客の課題を正しく理解することは、事業成功のカギを握ります。しかし、顧客の本当の課題を引き出すのは簡単ではありません。95%の人は自分の本音を言語化できないからです。インタビューの際、顧客は嘘をつくこともあります。例えば、「冷蔵庫は綺麗ですか?」と聞けば、汚い冷蔵庫を持つ人でも「まあ、ちょっと汚いぐらいかな」と濁すかもしれません。

また、掃除機の紐がらみに苛立ちを感じていても、「困ったことは特にない」と答えるユーザーもいるでしょう。彼らは無意識のうちに不便を受け入れ、それが当たり前になっているのです。だからこそ、インタビュアーは観察力を磨き、言葉の背後にある真意を汲み取る必要があります。顧客の表情、仕草、言葉のニュアンスから、本当の課題を見抜く洞察力が問われるのです。

さらに、インタビューは万能ではありません。現場に出向き、ユーザーの行動を観察することも重要です。現場では、インタビューでは見えなかった課題が浮かび上がってくるものです。あるいは、自分自身が顧客になりきるのも一つの方法でしょう。サービスを実際に利用し、不便な点や改善点を見つけ出す。これが、顧客の立場に立った課題発見につながります。

顧客の課題解明は、仮説検証の連続です。インタビューや観察から仮説を立て、その仮説を検証するためにまた顧客の元へ足を運ぶ。この地道な活動の積み重ねが、真の課題解決への道筋となるのです。課題解決は一朝一夕にはいきません。しかし、顧客の声に真摯に耳を傾け、現場に飛び込み、自ら体験することで、必ずや課題の本質が見えてくるはずです。そこから、真に価値あるソリューションが生まれるのだと、私は確信しています。​​​​​​​​​​​​​​​​

4.顧客の課題の構造化

 顧客の課題を正しく理解するためには、課題の構造化が欠かせません。課題の構造化とは、課題の全体像を俯瞰し、その本質を見抜くことです。まず、課題が発生した背景を探ります。なぜその課題が生じたのか、その根本的な原因は何かを考えるのです。次に、具体的な課題発生シーンを特定します。時間軸で切り分け、どのシーンで最も頻繁に課題が発生するのかを見極めます。そこに、最もクリティカルな課題が潜んでいる可能性が高いでしょう。

さらに、課題発生のメカニズムを紐解きます。顧客の心理的な障壁や、構造的なハードルがないか、注意深く観察します。例えば、高齢者向けのデジタルサービスを考えるとします。操作に不安を感じるのは、心理的な障壁かもしれません。一方で、小さなボタンが物理的な操作を難しくしているとすれば、それは構造的なハードルといえるでしょう。

こうした心理的・構造的な障壁を一つ一つ紐解いていくことで、課題の全貌が見えてきます。課題の構造化は、一人で行うのは難しい作業です。チームで知恵を出し合い、様々な角度から課題を眺めることが大切です。また、現場の声に真摯に耳を傾けることも忘れてはなりません。

構造化された課題は、解決策を導く指針となります。漠然とした課題では、的確なソリューションを生み出すことはできません。課題の本質を見抜き、その構造を明らかにすることで初めて、真に価値あるソリューションへの道が拓けるのです。課題の構造化は、一朝一夕には成しえない難しい作業ですが、その先にこそ、イノベーションの種が眠っています。じっくりと課題と向き合い、その構造に切り込んでいく。それが、新規事業成功への王道だと、私は考えています。​​​​​​​​​​​​​​​​

5.生成AIを活用する

 生成AIは、新規事業立ち上げにおいて強力な味方になります。特に、仮説検証の段階では、生成AIとの相性が抜群です。例えば、事業仮説やペルソナ設定、競合企業の分析、課題仮説の設定など、様々な場面で生成AIを活用できます。自分で何パターンもの仮説を出すのは大変ですが、生成AIを使えば効率的に多様なアイデアを生み出すことができるのです。

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを活用することで、自分の発想の幅を大きく広げられます。固定観念に囚われず、柔軟な発想でアイデアを練ることが可能になるでしょう。ただし、生成AIはあくまでもツールです。出てきたアイデアをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の頭で咀嚼し、取捨選択することが重要です。生成AIを使いこなすには、ある程度の経験と知見が必要不可欠です。

また、生成AIに頼りすぎるのも禁物です。アイデア出しの補助としては有効ですが、最終的な意思決定は人間が行う必要があります。AIの提案を参考にしつつ、自分の判断で方向性を決めていくことが求められるのです。

生成AIは、新規事業立ち上げに革命をもたらす可能性を秘めています。しかし、それを有効に活用するには、使い手の創造性と判断力が問われます。AIの力を借りつつ、自分の頭で考え抜く。そのバランス感覚が、これからの新規事業立ち上げには不可欠だと、私は考えています。皆さんも、ぜひ生成AIを味方につけて、新規事業の可能性を広げてみてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

6.質問力、現場観察力をあげる

 インタビューは、顧客の課題を理解するための重要な手段です。しかし、質問の仕方によっては、本当の課題が見えてこないこともあります。

良い質問のポイントは以下の5つです。

  1. 未来ではなく、今起きている行動に注目する

 2. 抽象ではなく具象の質問をする 

 3. 結果ではなくプロセスに関しての質問をする

 4. 解決策でなく課題について質問する

 5. 時間・空間に関する質問を投げる

 特に、「そのときどこにいましたか?」「その前の作業は何をしましたか?」といった時間と空間に関する質問は、顧客の具体的な行動を引き出すのに効果的です。

また、質問の例としては以下のようなものがあります。

  1. 現在〇〇するのにどのように行なっているか?具体的な流れを教えて。再現して。

  2. 〇〇はどのくらいの期間続けているか?

  

 3. 〇〇をするときに何か課題や面倒くさいこと、非効率なことら不満なことはあるか?

 4. Aさん流のやり方はあるか? 

 5. この〇〇に関わる人は誰か

 6. なぜ〇〇に痛みや苦痛を感じるのか 

 7. その〇〇を完遂するために現在どのように対応しているのか

 8. その〇〇(対応策) の具体的な手順を教えてもらえるのか? 

 9. どのくらいの時間とコストがかかってどういったところが一番不便に感じるか?

 これらの質問を通じて、顧客の行動パターンや課題の本質に迫ることができるでしょう。一方で、インタビューだけでは見えない課題もあります。そこで重要になるのが、現場観察です。

現場観察のポイントは以下の3つです。

  1. いろいろと質問してきて課題対応に対する情熱を見せてくれる

 2. 話しているときに前のめりに勢いがある(ボディーランゲージからもわかる)

 3. 課題の解決にお金を払っても良いという態度を示す

 現場の観察から、顧客の本当の課題や、サービスに対する期待が見えてくるはずです。質問と観察、この両輪を回すことで、より深い顧客理解が可能になります。表面的な回答に惑わされることなく、課題の本質に迫る。それが、新規事業成功への第一歩なのです。​​​​​​​​​​​​​​​​

7.値付けのポイント

 事業を成功させるには、適切な値付けが不可欠です。値付けは、サービスの価値を決める重要な要素ですが、同時に顧客との関係性に大きな影響を与えます。まず理解すべきは、値付けがサービス開発において、唯一顧客と相反するプロセスだということです。顧客は当然、安い方を望みます。安ければ安いほど良いのです。しかし、安さを追求するあまり、サービスの価値を損ねてしまっては本末転倒です。事業者としては、提供する価値に見合った対価を得る必要があります。

そこで重要になるのが、理論上設定可能な最高の金額を付けることです。迷ったら高い方を選ぶのが賢明です。なぜなら、値下げは可能でも、値上げは困難だからです。値下げを安易に選択するのは、自社のプロダクトに自信がないか、提供価値が十分でないかのどちらかです。値下げで顧客を獲得するのは、一時的には有効かもしれません。しかし、長期的な顧客との関係構築を考えれば、適正価格を設定し、その価値を顧客に伝えていくことが肝要です。

また、単価の重要性も忘れてはなりません。単価を下げれば、より多くの顧客を獲得する必要があります。それは、営業活動のコストを押し上げ、事業の効率性を損ねかねません。顧客を1人獲得するのは容易ではありません。だからこそ、1人1人の顧客を大切にし、長期的な関係性を築くことが重要なのです。その意味でも、適正な価格設定は欠かせません。値付けは、事業者の覚悟が問われる局面です。自社のサービスに自信を持ち、その価値を正当に評価する勇気が求められます。安易な値下げに頼ることなく、顧客に真の価値を提供し続ける。それが、事業を持続的に成長させる道だと、私は確信しています。​​​​​​​​​​​​​​​​

-最後に-講演よりメッセージ

 いかがでしたでしょうか。新規事業の道のりは決して平坦ではありません。挫折や失敗もあるでしょう。しかし、その先にこそイノベーションの種が眠っています。新しい価値を生み出し、世の中を変えていく。それは起業家の皆さんの特権であり、使命なのです。何事も、行動あるのみです。失敗を恐れず、一歩を踏み出しましょう。そこから、全ては始まります。

皆さんの新規事業の成功を心から祈っています。

担当ライター:本間由美子

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