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ILM xLabが語る没入型ストーリーテリングの10年の進化と未来への展望

2026-01-21濱本

2025年のサウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)で、LucasfilmのILM xLabのチームが、没入型ストーリーテリングの10年の進化と未来への展望について語りました。ILM xLabは、Lucasfilm傘下のスタジオで、「物語の中に入り込む」没入型体験の開発に特化したチームです。  VRの黎明期から現在に至るまでの10年間で、ILM xLabは『Trials on Tatooine』や『Vader Immortal』、『Carne y Arena』など、数々の画期的なVRコンテンツを生み出してきました。これらのプロジェクトを通して、キャラクターとの感情的なつながりや、ストーリーの中心にいるような没入感を生み出すノウハウを蓄積してきたのです。

ILM xLabが語る没入型ストーリーテリングの10年の進化と未来への展望
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株式会社TIMEWELLの濱本です。

2025年のサウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)で、LucasfilmのILM xLabのチームが、没入型ストーリーテリングの10年の進化と未来への展望について語りました。ILM xLabは、Lucasfilm傘下のスタジオで、「物語の中に入り込む」没入型体験の開発に特化したチームです。

VRの黎明期から現在に至るまでの10年間で、ILM xLabは『Trials on Tatooine』や『Vader Immortal』、『Carne y Arena』など、数々の画期的なVRコンテンツを生み出してきました。これらのプロジェクトを通して、キャラクターとの感情的なつながりや、ストーリーの中心にいるような没入感を生み出すノウハウを蓄積してきたのです。

VRの可能性を切り拓いてきた10年 『Vader Immortal』が示したVRストーリーテリングの未来 現実とバーチャルが融合する世界 キャラクターとの新しいインタラクションの形 より多くの人々にVR/MRストーリーを届けるために まとめ VRの可能性を切り拓いてきた10年

 ILM xLabの設立は、Lucasfilmの長年の夢でした。90年代には「Lucasfilm Learning」という教育コンテンツ開発チームがあり、ストーリーテリング、インタラクティビティ、高品質のビジュアルを組み合わせた先駆的な取り組みを行っていました。しかし当時は技術的な制約から、その構想を十分に実現することはできませんでした。

2013年頃、Oculus RiftのDK2が登場し、ついにその夢を実現するチャンスが訪れます。Lucasfilmは、インタラクティブな没入型体験の開発に特化した新しいスタジオ「ILM xLab」を立ち上げました。以来10年間、ILM xLabは様々なVRプロジェクトに取り組み、ストーリーテリングの新しい可能性を切り拓いてきたのです。

『Vader Immortal』が示したVRストーリーテリングの未来

 ILM xLabの代表作の一つが、『Vader Immortal』シリーズです。これは、ダース・ベイダーを主人公としたVR体験で、ユーザーはベイダーの弟子となり、ライトセーバーを使ったり、フォースを習得したりします。

『Vader Immortal』の制作にあたっては、「ユーザーを物語の中心に置く」ことに徹底的にこだわりました。当初は映画のようにストーリーを展開させる方向で開発を進めていましたが、VRの真の強みを生かすために大幅な方向転換を行ったのです。

ベイダーの圧倒的な存在感を感じさせるシーンでは、ユーザーの視線を追跡し、ベイダーが直接語りかけてくるようにしました。セリフの内容は聞き取れないほどの迫力だったと言います。こうした工夫の積み重ねにより、ユーザーとベイダーとの強い絆を生み出すことに成功しました。

現実とバーチャルが融合する世界

 ILM xLabが手掛けたもう一つの野心作が、『Carne y Arena』です。これは、映画監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ氏との共同プロジェクトで、メキシコとアメリカの国境を越える移民の体験を描いたVRインスタレーションです。

『Carne y Arena』では、VRの持つ感情移入の強さを存分に生かしています。砂漠を歩く移民グループに同行し、彼らの会話を盗み聞きするようなシーンでは、まるで自分がその場にいるかのような感覚を覚えます。ラストシーンで国境警備隊に拘束される場面は、あまりにリアルで、恐怖のあまり膝をつく観客もいたほどです。

『Carne y Arena』は、VRによって「歩くことのできる映画」を実現した画期的な作品であり、「新しいメディアにおける力強いストーリーテリング」を称えるアカデミー特別賞を受賞しました。現実とバーチャルが融合した没入型体験は、人々の記憶に強く残る感動を生み出したのです。

キャラクターとの新しいインタラクションの形

 ILM xLabは、VRだけでなく複合現実(MR)の分野でも意欲的な取り組みを行っています。その一つが、『Avengers: Damage Control』というアトラクションです。これは、4人一組でアベンジャーズの一員となり、敵と戦うというコンテンツで、VRヘッドセットとハプティックスーツを装着して体験します。

MRの技術を使うことで、仮想世界のキャラクターたちが現実世界に存在しているかのように感じられます。例えば、アイアンマンが目の前に現れ、ユーザーの動きに合わせてリアルタイムで反応してくれるのです。

こうしたキャラクターとの新しいインタラクションは、VR/MRならではの大きな魅力です。ILM xLabは、『Avengers: Damage Control』で得たノウハウを生かし、今後もキャラクターとの絆を深められる没入型体験を追求していくでしょう。

より多くの人々にVR/MRストーリーを届けるために

 VR/MRは、まだ黎明期の技術であり、一般への普及はこれからです。その障壁の一つが、ヘッドセットの装着の煩わしさです。この問題に対し、ILM xLabは軽量で使いやすいヘッドセットの開発に取り組んでいます。

また、VR/MRをテーマパークなどの施設に設置することで、より多くの人々に没入型体験を提供する取り組みも進めています。ILM xLabは、ディズニーのテーマパークとも連携し、『Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge』というVRアトラクションを開発しました。

『Star Wars: Tales from the Galaxy's Edge』は、映画『スター・ウォーズ』の舞台であるバトゥーを再現したVR体験です。ユーザーは、バトゥーの未開の地を探検したり、映画のキャラクターたちと交流したりできます。これは、VRならではの「物語の中に入り込む」体験であり、テーマパークの新しいエンターテインメントの形と言えるでしょう。

今後、5Gの普及によって、クラウドストリーミング型のVRコンテンツ配信が可能になれば、さらに多くの人々がVR/MRストーリーを楽しめるようになるはずです。ILM xLabは、VR/MRの可能性を追求し続け、誰もが没入型ストーリーを体験できる世界の実現を目指しています。

まとめ

 ILM xLabの10年の歩みは、VRストーリーテリングの可能性を切り拓いてきた挑戦の歴史でした。VRは、ユーザーを物語の中心に置き、キャラクターとの深い絆を生み出すことができるメディアです。ILM xLabは、VRの特性を存分に生かしたコンテンツを作り出すことで、新しいエンターテイメントの地平を切り拓いてきました。

今後、VR/MR技術のさらなる進化によって、より多くの人々が没入型ストーリーを楽しめるようになるでしょう。ILM xLabは、ハードウェアメーカーやテーマパークとも連携し、VR/MRの普及に向けて尽力していきます。

10年後、VR/MRは私たちの生活に欠かせないメディアになっているかもしれません。ILM xLabは、これからもVR/MRの可能性を追求し、誰もが感動できる没入型ストーリーを生み出し続けることでしょう。私たちは、ILM xLabが切り拓く新しいエンターテインメントの未来に大きな期待を寄せています。

参考:https://www.youtube.com/watch?v=-LQ6f_VIG2o 参考:https://www.lucasfilm.com/what-we-do/immersive-entertainment/

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