株式会社TIMEWELLの濱本です。
2026年、企業のAI活用は「導入するかどうか」から「どのAIを選ぶか」というフェーズに移行しています。
特に注目されているのが「AIエージェント」——単なるチャットボットではなく、自律的にタスクを実行し、業務を自動化するAIです。しかし、企業でAIを導入する際には、セキュリティ、コンプライアンス、既存システムとの連携など、様々な要件を満たす必要があります。
本記事では、法人向けAIエージェントの主要4サービス——ZEROCK、Microsoft Copilot for M365、JAPAN AI CHAT、ChatGPT Enterprise——を徹底比較し、企業の用途に応じた最適な選び方を解説します。
比較サマリー
| 項目 | ZEROCK | Copilot for M365 | JAPAN AI CHAT | ChatGPT Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 月額費用 | 要問合せ | 4,497円/ユーザー | 要問合せ | 要問合せ |
| データ所在地 | 国内サーバー | グローバル | 国内 | グローバル |
| RAG機能 | ◎(自社開発) | ○ | ◎(自社開発) | ○ |
| 自律的タスク実行 | ◎ | ○ | △ | △ |
| M365連携 | △ | ◎ | △ | △ |
| デスクトップアプリ | ◎ | △ | × | × |
| マルチLLM対応 | ○ | × | ◎ | × |
各サービスの詳細
ZEROCK(ゼロック)
概要
ZEROCKは、株式会社TIMEWELLが開発した国内初の高セキュリティ自律型AIエージェントです。「100のミニエージェント」が連携して業務を自動化するという独自のアーキテクチャを採用しており、NVIDIA Inception Programにも採択されています。
主な特徴
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 国内サーバー運用 | AWS国内サーバーでデータを国内に保持、国内法に準拠 |
| ISO27001準拠 | 上場企業水準のセキュリティ基盤 |
| 自社開発RAG | 社内ナレッジに特化した検索拡張生成 |
| AIスライド | 指示内容に応じたプレゼン資料を自動生成 |
| AIシート | Excelデータの自動生成・分析 |
| AI秘書 | 日程調整、会議室予約などを自動代行 |
| デスクトップアプリ | Mac/Windows対応のネイティブアプリ |
セキュリティ
- データの国外持ち出しなし
- 入力データがAI学習に使用されない
- 企業専用の隔離環境
- ISO27001準拠の運用体制
こんな企業におすすめ
- 機密情報を扱うためセキュリティを最重視
- 国内法準拠が必須要件
- 業務の自律的な自動化を実現したい
- デスクトップアプリでの利用を希望
Microsoft Copilot for Microsoft 365
概要
Microsoft Copilot for M365は、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、Microsoft 365アプリに統合されたAIアシスタントです。既存のMicrosoft 365環境にシームレスに組み込まれるため、導入のハードルが低いのが特徴です。
主な特徴
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| Office連携 | Word、Excel、PowerPoint、Outlookに統合 |
| Teams連携 | 会議の要約、議事録作成 |
| Graph連携 | 組織内のデータを横断的に活用 |
| Copilot Studio | カスタムエージェントの作成 |
| エンタープライズセキュリティ | テナント内でのデータ保護 |
料金(2026年1月時点)
| プラン | 月額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| Copilot for M365 | 4,497円/ユーザー | M365ライセンス別途必要 |
| Copilot Pro(個人) | 3,200円 | 参考 |
| Copilot Chat | 無料 | M365契約者向け基本機能 |
※2026年7月に価格改定予定
前提条件
Microsoft 365 Business Standard、Business Premium、E3、E5のいずれかのライセンスが必要です。
こんな企業におすすめ
- Microsoft 365を全社で利用している
- Word、Excel、PowerPointの業務が多い
- Teamsでの会議が頻繁
- 既存環境への追加で導入したい
JAPAN AI CHAT
概要
JAPAN AI CHATは、JAPAN AI株式会社が提供する法人向けAIチャットサービスです。自社開発の高精度RAG技術と、ChatGPT、Gemini、Claudeなど複数のLLMに対応している点が特徴です。
主な特徴
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 自社開発RAG | 高精度な社内データ検索・回答生成 |
| マルチLLM | ChatGPT、Gemini、Claude対応 |
| データ連携 | Excel、PDF、URL、Slack、Google Drive等 |
| プロンプトテンプレート | 業務別テンプレートを提供 |
| カスタマーサクセス | 専属サポートによる導入・活用支援 |
セキュリティ
- 入力データがAI学習に使用されない
- 企業専用環境での運用
- 上場企業水準のセキュリティ
料金
具体的な金額は非公開(要問合せ)。業界最安値水準を謳っています。
こんな企業におすすめ
- 複数のLLMを用途に応じて使い分けたい
- 高精度なRAGで社内データを活用したい
- 導入・活用のサポートを受けたい
- 既存のクラウドストレージと連携したい
ChatGPT Enterprise
概要
ChatGPT Enterpriseは、OpenAIが提供する企業向けChatGPTサービスです。NTTデータなどのパートナーを通じて日本企業への導入支援も行われています。GPT-4への無制限アクセスと、エンタープライズグレードのセキュリティが特徴です。
主な特徴
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| GPT-4無制限 | 使用量制限なしでGPT-4を利用可能 |
| 32Kコンテキスト | 長文入力に対応 |
| Advanced Data Analysis | データ分析機能 |
| カスタムGPTs | 企業専用のGPTを作成 |
| 管理コンソール | ユーザー管理、使用状況分析 |
| SSO/SCIM対応 | 企業認証システムとの連携 |
セキュリティ
- SOC 2 Type 2準拠
- 入力データがAI学習に使用されない
- データ暗号化(転送時・保存時)
料金
具体的な金額は非公開(要問合せ)。
こんな企業におすすめ
- GPT-4を制限なく活用したい
- OpenAIの最新機能をいち早く使いたい
- グローバル企業で統一的に導入したい
- カスタムGPTsで業務特化のAIを作りたい
用途別おすすめ
1. セキュリティ最重視の企業
おすすめ:ZEROCK
理由:
- 国内サーバーでデータを国外に持ち出さない
- ISO27001準拠の運用体制
- 企業専用の隔離環境
- 金融・医療・官公庁など規制の厳しい業界に適合
2. Microsoft 365を活用している企業
おすすめ:Microsoft Copilot for M365
理由:
- Word、Excel、PowerPointに直接統合
- 既存のM365環境に追加するだけ
- Teamsとの連携で会議効率化
- Microsoft Graphで組織データを横断活用
3. 複数のAIモデルを使い分けたい企業
おすすめ:JAPAN AI CHAT
理由:
- ChatGPT、Gemini、Claude対応
- 用途に応じた最適なモデル選択
- 高精度な自社開発RAG
- 手厚いカスタマーサクセス
4. GPT-4を本格活用したいグローバル企業
おすすめ:ChatGPT Enterprise
理由:
- GPT-4への無制限アクセス
- OpenAIの最新機能を利用可能
- グローバル展開に対応
- カスタムGPTsで業務特化AI
5. 業務の自律的な自動化を実現したい企業
おすすめ:ZEROCK
理由:
- 「AIエージェント」として自律的にタスク実行
- 100のミニエージェントが連携
- AIスライド、AIシート、AI秘書で業務自動化
- デスクトップアプリで日常業務に統合
導入時のチェックポイント
1. セキュリティ要件
- データの保管場所(国内/海外)
- AI学習へのデータ利用の有無
- 認証基準(ISO27001、SOC 2等)
- SSO/SCIM対応
2. 既存システムとの連携
- Microsoft 365との連携
- Google Workspaceとの連携
- Slack、Teamsとの連携
- 社内データベースとの連携
3. コスト
- 初期導入費用
- ユーザーあたり月額
- 前提となるライセンス費用
- カスタマイズ・サポート費用
4. 機能要件
- RAG(社内データ活用)の精度
- 対応LLMモデル
- 自律的タスク実行の可否
- カスタマイズ性
AIエージェント時代の企業戦略
2026年、AIは「チャットボット」から「エージェント」へと進化しています。単に質問に答えるだけでなく、自律的にタスクを計画・実行し、業務を自動化するAIエージェントが、企業の競争力を左右する時代が到来しています。
AIエージェント導入のメリット
- 業務効率化: 定型業務の自動化で人的リソースを解放
- 品質向上: AIによる一貫した処理で品質のばらつきを削減
- スピード: 24時間稼働で業務処理速度を向上
- コスト削減: 中長期的な人件費・運用コストの最適化
導入成功のポイント
- 小さく始めて成功体験を積む
- セキュリティ要件を最初に明確化
- 現場の声を反映した機能選定
- 導入後の活用促進施策を計画
まとめ
法人向けAIエージェントは、それぞれ異なる強みを持っています。
| サービス | 最大の強み |
|---|---|
| ZEROCK | 国内サーバー・高セキュリティ・自律的業務自動化 |
| Copilot for M365 | Microsoft 365との完全統合 |
| JAPAN AI CHAT | マルチLLM・高精度RAG・手厚いサポート |
| ChatGPT Enterprise | GPT-4無制限・OpenAI最新機能 |
選定のポイントは、自社のセキュリティ要件、既存システムとの親和性、必要な機能の3点です。
特にセキュリティを重視する日本企業にとって、国内サーバーでデータを保持し、ISO27001準拠の運用体制を持つZEROCKは、安心してAIエージェントを導入できる選択肢となります。
まずは各サービスの資料請求やトライアルを通じて、自社の要件に最も適したAIエージェントを見つけてください。AIエージェントの導入は、企業のDX推進における重要な一歩となるはずです。
