株式会社TIMEWELLの濱本です。
2026年、Google Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは「推論AI」の頂点に立ちました。
Humanity's Last Exam(HLE)で34.8%を達成し、xAIのGrok 4(25.4%)やOpenAIのo3(20.3%)を大きく上回りました。さらに、国際数学オリンピック(IMO)2025で金メダルレベルの成績を収め、LiveCodeBench 6でも最高スコアを記録。並列思考とマルチエージェントアーキテクチャにより、複雑な問題を多角的に分析する能力を実現しています。
本記事では、Gemini 2.5 Pro Deep Thinkの技術詳細、ベンチマーク結果、競合との比較、そしてビジネス活用を解説します。
Gemini 2.5 Pro 2026年最新情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | Gemini 2.5 Pro Deep Think |
| リリース | 2025年8月1日(一般提供) |
| アーキテクチャ | Sparse Mixture-of-Experts Transformer |
| 入力トークン | 最大100万トークン |
| 出力トークン | 最大19.2万トークン |
| Humanity's Last Exam | 34.8%(ツールなし) |
| IMO 2025 | 金メダルレベル |
| 価格 | Ultra $250/月 |
| 特徴 | 並列思考、マルチエージェント |
Deep Think——並列思考の革命
複数のアイデアを同時に探索
Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは、人間が複雑な問題を解くときのように、複数のアプローチを同時に検討します。
並列思考(Parallel Thinking)の仕組み:
- 複数のアイデアを同時に生成
- 異なるアプローチを並行して検討
- 時間をかけて異なるアイデアを修正・統合
- 最終的に最適な答えを選択
従来のAIが「1つの思考経路を順番に追う」のに対し、Deep Thinkは「複数の思考経路を同時に走らせ、最良の結果を選ぶ」アプローチを取ります。
マルチエージェントアーキテクチャ
Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは、Googleが公開した初のマルチエージェントモデルです。
マルチエージェントの特徴:
- 1つの質問に対して複数のAIエージェントを生成
- 各エージェントが並行して問題を解決
- 通常のシングルエージェントより計算リソースを消費
- より高品質な回答を生成
活用シーン:
- 反復的な設計・開発
- 科学・数学研究
- 複雑なコーディング問題
- 多角的な分析が必要なビジネス課題
ベンチマーク結果——史上最高スコア
Humanity's Last Exam(HLE)
HLEは、数学、人文科学、科学など幅広い分野の難問を集めたベンチマークです。
| モデル | スコア(ツールなし) |
|---|---|
| Gemini 2.5 Pro Deep Think | 34.8% |
| xAI Grok 4 | 25.4% |
| OpenAI o3 | 20.3% |
Googleによると、これは現時点で最先端の性能です。
国際数学オリンピック(IMO)2025
Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは、2025年IMOで金メダルレベルの成績を達成しました。
IMO性能:
- 研究版モデル:金メダルレベル
- 一般公開版:Bronze(銅)レベル(一部機能を省略)
一般公開版では、数時間かかる複雑な推論機能を省略し、日常的な応答性を優先しています。
その他のベンチマーク
| ベンチマーク | 結果 |
|---|---|
| 2025 USAMO | 最高スコア(数学) |
| LiveCodeBench 6 | 最高スコア(競技プログラミング) |
| MMMU | 84.0%(マルチモーダル推論) |
技術仕様
アーキテクチャ
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 基盤 | Sparse Mixture-of-Experts Transformer |
| 入力モダリティ | テキスト、画像、音声 |
| 最大入力トークン | 100万 |
| 最大出力トークン | 19.2万 |
安全性
テスト結果:
- コンテンツセーフティ:Gemini 2.5 Proより向上
- トーンの客観性:向上
- 注意点:無害なリクエストを拒否する傾向がやや高い
料金・利用方法
アクセス方法
| プラン | 価格 | Deep Think利用 |
|---|---|---|
| Google Ultra | $250/月 | 利用可能 |
| 通常Gemini | 無料〜 | 制限あり |
利用手順
- Geminiアプリ(Web、Android、iOS)にアクセス
- モデルドロップダウンで「Gemini 2.5 Pro」を選択
- プロンプトバーで「Deep Think」をトグルON
- 1日あたりのプロンプト数に制限あり
API利用
Gemini APIを通じて、開発者もDeep Thinkを利用可能です。
API特徴:
- Vertex AI、Google AI Studioで利用可能
- 計算リソース消費が大きいため、コストに注意
- 複雑なタスクに最適化
当時と現在:Google Geminiの進化
| 項目 | 当時(2024年2月 Gemini 1.0 Ultra時) | 現在(2026年1月) |
|---|---|---|
| 最上位モデル | Gemini 1.0 Ultra | Gemini 2.5 Pro Deep Think |
| 推論方式 | シングルパス | 並列思考・マルチエージェント |
| HLE | 未測定 | 34.8%(最高スコア) |
| IMO | 参加なし | 金メダルレベル |
| 入力トークン | 128K | 100万 |
| 出力トークン | 8K | 19.2万 |
| マルチモーダル | 限定的 | テキスト・画像・音声 |
| 価格 | Gemini Advanced $20/月 | Ultra $250/月 |
| NotebookLM連携 | なし | Gemini 3 Flash搭載 |
競合との比較
Gemini 2.5 Pro Deep Think vs OpenAI o3
| 項目 | Gemini 2.5 Pro Deep Think | OpenAI o3 |
|---|---|---|
| HLE | 34.8% | 20.3% |
| IMO | 金メダルレベル | 非公開 |
| アプローチ | マルチエージェント | シングルエージェント推論 |
| 入力トークン | 100万 | 20万 |
| 出力トークン | 19.2万 | 10万 |
| 価格帯 | Ultra $250/月 | Pro $200/月 |
Gemini 2.5 Pro Deep Think vs Claude Opus 4.5
| 項目 | Gemini 2.5 Pro Deep Think | Claude Opus 4.5 |
|---|---|---|
| 強み | 数学・科学的推論 | 長時間タスク・コード生成 |
| アーキテクチャ | マルチエージェント | 拡張思考 |
| 入力トークン | 100万 | 100万 |
| マルチモーダル | テキスト・画像・音声 | テキスト・画像 |
| エコシステム | Google Workspace | Claude Code |
使い分けの指針
Gemini 2.5 Pro Deep Thinkが適している場合:
- 複雑な数学・科学的問題
- 多角的な分析が必要な課題
- 競技プログラミングレベルのコーディング
- Google Workspaceとの統合
他モデルが適している場合:
- 長時間の自律型タスク(Claude Opus 4.5)
- 汎用的な対話(GPT-5.2)
- コスト効率優先(Gemini 2.5 Flash)
Google Workspace連携
Geminiのビジネス活用
Gemini 2.5 Proは、Google Workspace全体と深く統合されています。
連携機能:
- Gmail: AI支援のメール作成・返信
- Google Docs: 文書の要約・生成・編集
- Google Sheets: データ分析・関数生成
- Google Slides: プレゼンテーション自動生成
- Google Meet: 会議要約・アクションアイテム抽出
Deep Thinkのビジネス活用
活用シーン:
- 複雑な分析レポート: 財務データの多角的分析
- 技術設計: アーキテクチャの複数案検討
- 戦略立案: 競合分析と戦略オプションの評価
- 研究開発: 科学的仮説の検証
導入の考慮点
メリット
1. 最高水準の推論能力
- HLE、IMO、LiveCodeBenchで最高スコア
- 複雑な問題での高い信頼性
2. マルチエージェントの柔軟性
- 複数の視点からの分析
- より包括的な回答
3. Google連携
- Workspaceとのシームレスな統合
- NotebookLMとの連携
注意点
1. コスト
- Ultra $250/月は他社より高額
- 計算リソース消費が大きい
2. 応答速度
- Deep Thinkは処理時間が長い
- 即時性が必要な用途には不向き
3. 過剰拒否
- 無害なリクエストを拒否する傾向
- プロンプト調整が必要な場合あり
まとめ
Google Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは、2026年に推論AIの頂点に立ちました。
本記事のポイント:
- Humanity's Last Exam 34.8%でGrok 4(25.4%)、o3(20.3%)を上回る
- 国際数学オリンピック2025で金メダルレベルを達成
- LiveCodeBench 6、2025 USAMOでも最高スコア
- 並列思考:複数のアイデアを同時に生成・検討
- マルチエージェント:Googleが公開した初のマルチエージェントモデル
- 入力100万トークン、出力19.2万トークンの大容量
- Google Ultra $250/月で利用可能
- Google Workspaceとの深い統合
2024年2月のGemini 1.0 Ultraから約2年——Googleは「推論」という領域でAI競争の先頭に立ちました。マルチエージェントと並列思考というアーキテクチャの革新により、複雑な問題を多角的に分析する能力を実現しています。
数学、科学、競技プログラミングなど、高度な推論が必要なタスクにおいて、Gemini 2.5 Pro Deep Thinkは現時点で最良の選択肢の一つです。Google Workspaceとの統合を活かしたビジネス活用も、今後さらに広がっていくでしょう。
