株式会社TIMEWELLの濱本です。
「ChatGPTやClaudeは使えないけど、Google Workspaceなら使える」——そんな法人のお客様に朗報です。
2025年1月、GoogleはGemini AIをGoogle Workspace Business/Enterpriseプランに標準搭載しました。追加料金なしで、Gmail、Docs、Sheets、Slides、DriveでAIアシスタントが使えるようになったのです。
本記事では、Google Workspace内のAI機能だけで実現できる業務効率化を徹底解説します。
Google Workspace AIの全体像
2025年1月の大型アップデート
Googleは2025年1月、Google AIの主要機能をWorkspace Business/Enterpriseプランに追加料金なしで統合しました。
主な変更点:
- Geminiサイドパネルが標準搭載(Gmail、Docs、Sheets、Slides、Drive、Chat)
- NotebookLMが利用可能に
- Google Vidsの生成AI機能が利用可能(2026年5月末まで)
- 以前Gemini for Workspaceアドオンを購入していたユーザーは2025年1月31日以降課金なし
料金の変化:
| 以前 | 現在 |
|---|---|
| Business Standard + Gemini = $32/月 | Business Standard(AI込み)= $14/月 |
利用可能なAI機能一覧
| 機能 | 説明 | 対象プラン |
|---|---|---|
| Geminiサイドパネル | Gmail、Docs等でのAI支援 | Business/Enterprise全プラン |
| NotebookLM | 資料からのインサイト抽出 | Business/Enterprise全プラン |
| Google Vids | AI動画作成 | 全プラン(2026年5月まで) |
| Flows | ノーコード自動化 | アルファ版(順次展開) |
| AppSheet + Gemini | ノーコードアプリ + AI | Enterprise Plus |
Geminiサイドパネル:アプリ別活用法
Gmail:メール処理の効率化
できること:
- メールの要約・整理
- 返信文の下書き作成
- トーンの調整
- スレッド全体の把握
プロンプト例:
「このスレッドの要点を3行でまとめて」
「丁寧なトーンで断りのメールを作成して」
「今週受信した未返信メールをリストアップして」
Google Docs:ドキュメント作成
できること:
- 文章の下書き生成
- 既存文書のリライト・要約
- トーンや文体の変換
- 構成の提案
プロンプト例:
「この議事録をもとに、経営報告書の下書きを作成」
「フォーマルなビジネス文書に書き換えて」
「この長文を3つのセクションに整理して」
Google Sheets:データ分析
できること:
- 数式の自動生成
- データの分析・可視化
- テーブルの整形
- 傾向の説明
プロンプト例:
「売上の前年同月比を計算する数式を追加」
「このデータから月次トレンドをグラフ化」
「上位10件をハイライトして」
Google Slides:プレゼン作成
できること:
- スライドの自動生成
- デザインの提案
- スピーカーノートの作成
- 画像の提案
プロンプト例:
「このDocsの内容から15枚のプレゼンを作成」
「各スライドにスピーカーノートを追加」
「デザインを統一感のあるものに」
Google Drive:ファイル検索・整理
できること:
- 自然言語でのファイル検索
- ファイル内容の要約
- 関連ファイルの発見
プロンプト例:
「先月の営業会議に関するファイルを探して」
「このフォルダ内のPDFの内容を要約して」
NotebookLM:社内ナレッジ活用の革命
NotebookLMとは
NotebookLMは、アップロードした資料をもとにAIが質問に回答する「ソース指定型AI」です。ハルシネーション(誤情報生成)を大幅に削減し、信頼性の高い回答を得られます。
NotebookLMの特徴:
- 最大50個のソースをアップロード可能
- ソースに基づいた回答(引用付き)
- Audio Overview(ポッドキャスト風音声要約)の生成
- チーム共有機能
活用シナリオ
1. 社内規定・マニュアルの即時検索
人事規定、就業規則、福利厚生ガイドをアップロード
→「育児休暇の取得条件は?」「在宅勤務の申請方法は?」
2. プロジェクトナレッジの集約
議事録、仕様書、進捗報告をアップロード
→「このプロジェクトの主要な課題は?」「過去の決定事項を時系列で」
3. 競合調査・市場分析
競合資料、市場レポートをアップロード
→「競合A社の主要製品の特徴は?」「市場トレンドをまとめて」
4. Audio Overviewの活用
長文レポートをアップロード
→ ポッドキャスト形式の音声要約を生成
→ 移動中や作業中に「聴く」インプット
AI Ultra for Business
高度な研究ニーズを持つ組織向けに、AI Ultra for Businessプランが用意されています。
AI Ultraの特徴:
- Geminiモデルへの最高レベルアクセス
- Audio/Video Overviewの上限拡大
- Slide Decks生成(Long版含む)
- ノートブックサイズ・ソース数の拡大
- 新機能への優先アクセス
Google Workspace Flows:ノーコード自動化
Flowsとは
Flowsは、2025年4月にアルファ版として発表された、Google Workspaceのノーコード自動化ツールです。
Flowsの特徴:
- 自然言語でワークフローを定義
- Gmail、Drive、Docs、Sheets間の自動連携
- Apps ScriptやAppSheetの知識不要
- Gems(カスタムAIエージェント)との連携
Flowsの活用例
1. 承認フローの自動化
「見積依頼のメールが来たら、添付ファイルをDriveに保存し、
承認依頼をマネージャーに送信」
2. レポート自動化
「毎週月曜日に、Sheetsの売上データを集計し、
サマリーをDocsで作成してチームに共有」
3. 問い合わせ対応の効率化
「サポートメールを分類し、
カテゴリごとに担当者にアサイン」
Gemsとの連携
Gemsは、Geminiで作成できるカスタムAIエージェントです。Flowsと組み合わせることで、専門的なタスクを自動化できます。
Gems活用例:
- 「契約書レビューGem」:契約書のリスク箇所を自動チェック
- 「翻訳Gem」:特定の用語集に基づいた翻訳
- 「議事録Gem」:会議音声から構造化された議事録を生成
AppSheet + Gemini:ノーコードアプリ開発
AppSheetとは
AppSheetは、Googleのノーコードアプリ開発プラットフォームです。Geminiとの統合により、さらに強力なツールになりました。
Gemini for AppSheetの機能:
- 自然言語でアプリ作成(Gemini for App Creation)
- 写真からの情報抽出(AI Task)
- PDFの自動解析
- リクエストの自動分類・ルーティング
活用シナリオ
1. 経費精算アプリ
「領収書の写真をアップロードすると、
日付、金額、カテゴリを自動抽出して経費申請」
2. 在庫管理アプリ
「製品写真から品番を認識し、
在庫数を自動更新」
3. 問い合わせ管理
「メールの内容を自動分類し、
優先度と担当者を割り当て」
Gemini 3 Flash:最新モデル
2025年後半、GoogleはGemini 3 Flashをリリースしました。
Gemini 3 Flashの特徴:
- Gemini 3(最も高度なモデル)をベースに高速化
- 日常タスクの軽快な処理
- リアルワールドとの連携強化
Workspace内のGemini機能も、順次Gemini 3 Flashに移行しています。
データプライバシーとセキュリティ
Google Workspaceは、エンタープライズグレードのデータ保護を提供します。
Googleのコミットメント:
- ユーザーデータはGeminiモデルの学習に使用されない(許可なし)
- データの販売や広告ターゲティングへの利用なし
- エンタープライズ向けのセキュリティ・コンプライアンス対応
NotebookLMとGeminiアプリは、教育機関向けにもCore Services(最高レベルのデータ保護)として提供されています。
Google Workspace AI vs 他のAIツール
「Google Workspaceだけで十分か?」という疑問もあるかもしれません。
| 観点 | Google Workspace AI | ChatGPT/Claude |
|---|---|---|
| Workspace統合 | ネイティブ | 制限あり |
| 料金 | 追加料金なし(Business/Enterprise) | 別途契約 |
| ソース指定AI | NotebookLM | 一部対応 |
| 自動化 | Flows/AppSheet | API連携 |
| データ保護 | エンタープライズグレード | 契約による |
多くの法人では、既存のWorkspace環境との統合と追加コストなしという点でGoogle Workspace AIが選ばれています。
より高度なAI活用を検討する場合
Google Workspace AIで基本的な活用を進めた後、「もっと高度な活用をしたい」というニーズが出てくることもあります。
TIMEWELLでは、ZEROCKを通じて、Google Workspaceとは異なるアプローチでのエンタープライズAI活用を支援しています。GraphRAGによる高精度な社内情報検索、独自のナレッジコントロール、プロンプトライブラリの組織共有など、NotebookLMを補完する形でのAI活用基盤を提供しています。
また、AIの組織浸透を支援するWARPコンサルティングでは、Google Workspaceを含むAIツールの効果的な導入・活用方法を、月次更新でサポートしています。
まとめ
Google Workspace AIは、2025年1月の大型アップデートにより、「追加料金なしでここまでできる」レベルに進化しています。
本記事のポイント:
- GeminiがWorkspace Business/Enterpriseに標準搭載(追加料金なし)
- NotebookLMでソース指定型AIによる信頼性の高い回答
- Flowsでノーコード自動化(Apps Script不要)
- AppSheet + Geminiでノーコードアプリ開発
- Gemini 3 Flashで処理速度向上
- エンタープライズグレードのデータ保護
「ChatGPTは使えないけど、Google Workspaceなら使える」という環境でも、これらの機能をフル活用することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。まずはGmailやDocsのサイドパネルから始めて、徐々にNotebookLMやFlowsへと活用範囲を広げていくことをお勧めします。
