株式会社TIMEWELLの濱本です。
2025年12月、OpenAIはGPT-5.2をリリースし、AI業界の新たな基準を打ち立てました。
GPT-5(2025年8月公開)から約4ヶ月でのメジャーアップデート——Googleの Gemini 3 との競争が加速する中、OpenAIは「Instant」「Thinking」「Pro」の3モデル体制で市場を席巻しています。
本記事では、GPT-5.2の各モデルの特徴、ベンチマーク結果、料金体系、そして企業での活用方法を解説します。
GPT-5.2 2026年最新情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GPT-5リリース | 2025年8月7日 |
| GPT-5.2リリース | 2025年12月 |
| モデル体制 | Instant・Thinking・Pro の3種 |
| ARC-AGI-1スコア | 90%超(業界初) |
| AIME 2025スコア | 100%(満点) |
| コンテキスト長 | 400,000トークン |
| 出力トークン | 最大128,000トークン |
GPT-5からGPT-5.2への進化
GPT-5の登場(2025年8月)
2025年8月7日、OpenAIはGPT-5を正式リリースしました。GPT-4oから約1年半ぶりのメジャーバージョンアップとして、以下の特徴を持っていました。
GPT-5の主な特徴:
- マルチモーダル統合の強化
- 推論能力の大幅向上
- コンテキスト長の拡大
- 知識カットオフの更新(2025年8月)
Gemini 3との競争
Googleが2025年後半にGemini 3を発表したことで、OpenAIは当初2026年予定だったGPT-5.2のリリースを前倒し。2025年12月に緊急リリースとなりました。
この競争激化により、ユーザーは予想より早く次世代AIの恩恵を受けることができるようになりました。
GPT-5.2の3モデル体制
モデル比較
GPT-5.2は、用途に応じた3つのバリアントで提供されています。
| モデル | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| GPT-5.2 Instant | 高速・低コスト | 日常的なタスク、チャット |
| GPT-5.2 Thinking | 推論特化 | 複雑な分析、問題解決 |
| GPT-5.2 Pro | 最高性能 | 研究、高度な専門タスク |
GPT-5.2 Instant
日常的な利用に最適化されたモデルです。
特徴:
- 応答速度を重視
- コストパフォーマンスに優れる
- 一般的な質問・会話に最適
- API利用時のレイテンシが低い
GPT-5.2 Thinking
推論能力に特化したモデルで、旧o1/o3シリーズの後継です。
特徴:
- Chain-of-Thought(思考連鎖)推論
- 複雑な数学・論理問題に強い
- ステップバイステップの説明が得意
- プログラミングタスクでの高精度
GPT-5.2 Pro
OpenAIの最高性能モデルで、ChatGPT Proプラン($200/月)で利用可能です。
特徴:
- 全ベンチマークで最高スコア
- 最長のコンテキスト処理
- 最も高度な推論能力
- 研究・専門分野での利用に最適
ベンチマーク結果——業界初の記録
ARC-AGI-1で90%超え
GPT-5.2は、汎用人工知能の指標であるARC-AGI-1ベンチマークで、業界初となる90%超えを達成しました。
| モデル | ARC-AGI-1スコア |
|---|---|
| GPT-4o | 5% |
| o1 | 約25% |
| o3(高計算量版) | 87.5% |
| GPT-5.2 Pro | 90%超 |
| 人間基準値 | 85% |
ARC-AGI(Abstraction and Reasoning Corpus for Artificial General Intelligence)は、AIの汎用的推論能力を測定するベンチマークです。GPT-5.2は人間の基準値を大幅に超え、汎用人工知能への重要なマイルストーンを達成しました。
AIME 2025で満点
米国招待数学試験(AIME 2025)では、GPT-5.2 Proが100%の正答率を記録しました。
数学ベンチマーク比較:
| モデル | AIME 2025 |
|---|---|
| GPT-4o | 約50% |
| o3 | 96.7% |
| GPT-5.2 Pro | 100% |
この結果は、GPT-5.2が数学的推論において人間の専門家レベルに到達したことを示しています。
その他のベンチマーク
主要ベンチマーク結果:
- GPQA(大学院レベル科学試験): 92%以上
- MMMU(マルチモーダル理解): 新記録
- SWE-bench(ソフトウェアエンジニアリング): 最高性能
- Codeforces: 上位ランカー相当
技術仕様の進化
400Kコンテキストウィンドウ
GPT-5.2は、400,000トークンという大規模なコンテキストウィンドウを持っています。
コンテキスト長の比較:
| モデル | コンテキスト長 |
|---|---|
| GPT-4 | 8K / 32K |
| GPT-4 Turbo | 128K |
| GPT-5 | 256K |
| GPT-5.2 | 400K |
400Kトークンは、約300,000語、つまり一般的な書籍5-6冊分に相当します。これにより、長大な文書の分析や、複数の資料を一度に処理することが可能になりました。
128K出力トークン
出力トークン数も大幅に拡大され、最大128,000トークンの出力が可能です。
活用例:
- 長編レポートの一括生成
- 詳細な技術ドキュメントの作成
- 大規模なコードベースの生成
- 書籍レベルの長文コンテンツ作成
GPT-5.2-Codex——エージェント型コーディング
コーディング専用モデル
GPT-5.2-Codexは、ソフトウェア開発に特化したモデルとして同時にリリースされました。
GPT-5.2-Codexの特徴:
- エージェント型の自律コーディング
- リポジトリ全体の理解と修正
- テスト駆動開発のサポート
- 複数ファイルにまたがるリファクタリング
エージェント型開発
従来のコード補完とは異なり、GPT-5.2-Codexは「エージェント」として動作します。
従来のコード補完:
- ユーザーがコードを書く
- AIが次の行を提案
- ユーザーが承認/修正
GPT-5.2-Codexのエージェント型開発:
- ユーザーが要件を説明
- Codexがコードベース全体を分析
- 必要なファイルを自動で特定・修正
- テストを実行して検証
- 完成したコードを提出
この違いにより、開発者はより高いレベルの指示を出すだけで、実装の詳細はAIに任せることができます。
料金体系
ChatGPTプラン
| プラン | 月額 | GPT-5.2アクセス |
|---|---|---|
| Free | 無料 | Instant(制限あり) |
| Plus | $20 | Instant + Thinking(制限あり) |
| Pro | $200 | 全モデル無制限 |
| Team | カスタム | チーム向け設定 |
| Enterprise | カスタム | 企業向け設定 |
API料金(概算)
| モデル | インプット | アウトプット |
|---|---|---|
| GPT-5.2 Instant | $5/1M tokens | $15/1M tokens |
| GPT-5.2 Thinking | $15/1M tokens | $60/1M tokens |
| GPT-5.2 Pro | $30/1M tokens | $120/1M tokens |
GPT-4時代と比較すると、性能あたりのコストは大幅に改善されています。
当時と現在:OpenAIモデルの進化
| 項目 | 当時(2024年9月 o1発表時) | 現在(2026年1月) |
|---|---|---|
| 最新モデル | o1-preview | GPT-5.2(Instant/Thinking/Pro) |
| 推論モデル | o1シリーズ | GPT-5.2 Thinkingに統合 |
| ARC-AGIスコア | 約25%(o1) | 90%超(GPT-5.2 Pro) |
| AIME数学 | 83%(o1) | 100%(GPT-5.2 Pro) |
| コンテキスト | 128K | 400K |
| 出力トークン | 4K〜32K | 128K |
| コーディング | Codex(旧世代) | GPT-5.2-Codex(エージェント型) |
実用的な活用シーン
1. 高度なリサーチ・分析
400Kコンテキストを活用した大規模文書分析が可能です。
活用例:
- 複数の論文を一度に分析して総合レポート作成
- 法務文書のデューデリジェンス
- 市場調査レポートの自動生成
- 特許分析・競合調査
2. ソフトウェア開発
GPT-5.2-Codexによるエージェント型開発が本格化しています。
活用例:
- 新機能の自動実装
- バグの自動検出・修正
- コードレビューの自動化
- テストコードの自動生成
3. 複雑な問題解決
GPT-5.2 Thinkingの推論能力を活用した高度な問題解決。
活用例:
- 財務モデリングと予測
- 科学的仮説の検証
- 戦略立案の支援
- 複雑な意思決定の分析
競合との比較
Google Gemini 3との競争
| 項目 | GPT-5.2 Pro | Gemini 3 Ultra |
|---|---|---|
| ARC-AGI-1 | 90%超 | 約85% |
| コンテキスト | 400K | 1M+ |
| マルチモーダル | 強力 | 最強 |
| コーディング | GPT-5.2-Codex | Gemini Code Assist |
両社の競争により、AIの進化速度は加速しています。
Anthropic Claudeとの比較
Claudeは安全性と長文処理に強みを持ち、GPT-5.2とは異なるポジショニングを取っています。企業は用途に応じて使い分けることが推奨されます。
企業での導入戦略
導入すべき企業
- 大量の文書処理が必要な企業
- ソフトウェア開発を頻繁に行う企業
- 高度な分析・リサーチが業務の中心
- グローバルなコミュニケーションが多い企業
段階的な導入アプローチ
Phase 1: 評価
- Plus($20/月)で基本機能を試用
- 主要ユースケースでの効果測定
Phase 2: パイロット
- Pro($200/月)で高度な機能を検証
- ROIの測定と最適化
Phase 3: 本格導入
- API連携で業務システムに統合
- Team/Enterpriseプランへの移行
まとめ
GPT-5.2は、OpenAIが打ち出した2026年のAI新基準です。
本記事のポイント:
- GPT-5.2は2025年12月にリリース、Gemini 3との競争で前倒し
- Instant・Thinking・Proの3モデル体制で用途別に最適化
- ARC-AGI-1で90%超え、AIME 2025で100%を達成
- 400Kコンテキスト、128K出力トークンで大規模処理が可能
- GPT-5.2-Codexでエージェント型コーディングが実現
- ChatGPT Pro($200/月)で全機能無制限利用
GPT-5.2の登場により、AIは「ツール」から「パートナー」へと進化しつつあります。特にGPT-5.2-Codexのエージェント型開発は、ソフトウェア開発の在り方を根本から変える可能性を秘めています。
企業にとって、GPT-5.2をいかに戦略的に活用するかが、2026年の競争力を左右する重要な要素となるでしょう。
