株式会社TIMEWELLの濱本です。
大田区の町工場として、高精度の(他社では満たせない要求精度も満たす)ヘラ絞り加工を専門とし、常に技術革新を追求しています。同社の強みは、難易度の高い材料への挑戦や、生産管理のDX化、そして次世代を見据えた人材育成にあります。
難加工材への挑戦
通常、ヘラ絞り加工が難しいとされるレアメタル、例えばタングステンといった高硬度素材のヘラ絞り加工に挑戦しています。切削加工が一般的とされるこの材料を、あえてヘラ絞りで加工するという、業界でも唯一無二の加工技術の開発にも積極的に取り組んでいます。これは単に新しい設備を導入するだけでなく、その設備を活かし、限界を超えた技術力を築こうとする意志の表れです。また、将来的には水素用圧力容器の量産など特殊な用途への応用も視野に入れており、次世代の製造業を支える新たな価値の創出に取り組んでいます。業界としては多品種少量生産が一般的である中、量産体制の構築に取り組む企業は非常に貴重な存在となっています。
職人技術のデジタル化と次世代への伝承
さらに、技術と知識の伝承にも注力し、職人たちが蓄積した「暗黙知」をデジタルの力で形式知化することで、北嶋絞製作所の技術が次世代へ確実に引き継がれる体制を整えています。中小企業としては画期的なこの取り組みは、東京都や地元大田区からも注目され、他の企業の模範となる存在です。
また、北嶋絞製作所は伝統技術の啓蒙活動にも力を入れています。小学校の教科書への写真提供を通じて、未来の世代にものづくりの魅力や日本の製造技術を伝え、地域社会と若者の成長を支えています。
(今回取材に協力してくれた左:高橋輝雄さん、右:安彦聡さん)
フラットな関係から生み出すチーム力
北嶋絞製作所は、社長以下は役職なしのフラットな組織です。社長と社員が対等な立場で技術や仕事の進め方について議論し、それぞれが自発的に意見を出し合うことで、個々の技術力が磨かれ、チーム全体の成長が促されています。このような自由でオープンな環境が、北嶋絞製作所の強みである高いチーム力を支えています。
「業界のさらなる発展を狙い、筒や円板など回転対称の部品製造が得意とされるヘラ絞り加工の領域を超え、ヘラ絞りには向いていない材質の部品加工にも果敢に挑戦するなど、新たな可能性を追求し続ける。」このチャレンジ精神が、デジタル化や自動化が進む現代のモノづくりにおいても北嶋絞製作所の唯一無二の存在価値を築いているのです。
