株式会社TIMEWELLの濱本です。
この1週間、ストリーミング市場を巡る企業の決算が相次いで発表された。ディズニー、ワーナー・ブラザーズ、パラマウントなどの大手メディア企業が、従来のリニアテレビ事業の縮小とストリーミング事業の拡大という共通の課題に直面する中、各社の戦略や業績に注目が集まっている。
アナリストのローラ・マーティン氏は、これらの企業の決算を分析し、ストリーミング市場における競争の行方を占う上で重要なポイントを指摘した。本記事では、マーティン氏の見解を交えながら、ストリーミング市場の現状と将来について探っていく。
ストリーミング事業の成長がリニアテレビの縮小を補う日は近い アマゾンやアップルの参入がストリーミング市場の競争を激化させる 勝ち残りの鍵を握るのは「規模」と「バンドル」 まとめ ストリーミング事業の成長がリニアテレビの縮小を補う日は近い
決算発表によると、大手メディア企業のリニアテレビ事業は軒並み縮小傾向にある一方で、ストリーミング事業は着実に成長を続けている。ディズニーやワーナー・ブラザーズでは、ストリーミング事業の規模がリニアテレビの縮小を補うまでに拡大しつつあり、パラマウントもその臨界点に近づいているという。
マーティン氏は、「2025年までには、これらの企業のストリーミング事業が十分な規模に達し、リニアテレビの縮小を完全に補うことができるだろう」と予測する。つまり、ストリーミングがテレビ事業の主軸となる日が目前に迫っているのだ。
ただし、そのためには多額の投資と時間が必要であり、コンテンツ制作や顧客獲得に向けた努力を怠れないと氏は警鐘を鳴らす。特にスポーツコンテンツの獲得競争が激化する中、コンテンツ費用の高騰がストリーミング事業の収益性を圧迫する可能性があるという。
アマゾンやアップルの参入がストリーミング市場の競争を激化させる
マーティン氏が指摘するもう一つの重要なポイントは、アマゾンやアップルといったIT大手のストリーミング市場への本格参入だ。これらの企業は、巨額の資金力を背景に、コンテンツ獲得や価格競争で優位に立つ可能性がある。
実際、アマゾンはプライム・ビデオをプライム会員特典の一部として提供することで、他社に比べて圧倒的に低い月額料金を実現している。アップルも、豊富な資金力を活かしてコンテンツ制作に力を入れており、今後の動向が注目される。
一方で、ネットフリックスやディズニーなどの既存勢力も、広告付き低価格プランの導入や、他サービスとのバンドル提供など、様々な戦略で対抗している。マーティン氏は、「広告付きプランへの誘導は、ユーザーの選択肢を増やし、解約率を下げる効果がある」と指摘する。
勝ち残りの鍵を握るのは「規模」と「バンドル」
熾烈な競争が繰り広げられるストリーミング市場で勝ち残るためには、何が必要なのだろうか。マーティン氏は、「規模」と「バンドル」がカギを握ると指摘する。
規模については、ネットフリックスの時価総額が約2,500億ドルであるのに対し、パラマウントは80億ドル、ワーナー・ブラザーズは260億ドルにとどまっている。「1,000億ドル以下の企業が、アマゾンやアップルといった巨大企業と競争できるのか」と氏は疑問を呈する。
一方、バンドルについては、ディズニーがストリーミングサービスとテーマパークを組み合わせたり、ウルとディズニープラスをセット提供したりするなど、自社の強みを活かした戦略を取っている。アマゾンもプライム会員特典としてプライム・ビデオを提供するなど、バンドル戦略で優位に立っている。
マーティン氏は、「バンドルは解約率を下げる効果があり、規模の大きな企業ほど有利だ」と述べる。パラマウントやワーナー・ブラザーズにとって、いかにしてバンドルを実現するかが課題となりそうだ。
まとめ
ストリーミング市場を巡る競争が激化する中、コンテンツ、価格、スケールの三要素が勝敗を分けるポイントになりそうだ。リニアテレビの縮小を補うほどにストリーミング事業が成長しつつある一方で、コンテンツ獲得費用の高騰が収益性を圧迫するリスクもはらんでいる。
アマゾンやアップルの参入で競争はさらに激しさを増すと予想されるが、既存勢力も広告付き低価格プランやバンドル戦略で対抗している。規模とバンドルがカギを握る中、業界再編の可能性も浮上している。
ストリーミング市場の覇権争いは、コンテンツ、価格、スケールを軸に、今後も目が離せない展開が続きそうだ。
参考:https://www.youtube.com/watch?v=W5lZBoB7H9I https://www.aboutamazon.com/about-us
