株式会社TIMEWELLの濱本です。
先日、人気YouTuberのMark Rober氏が投稿した「Tesla自動運転技術vsLiDAR技術」の比較実験動画が大きな話題となりました。動画では、LiDAR搭載車両がさまざまな障害物を正確に検知する一方で、Tesla車両はほとんどの障害物に衝突してしまう様子が映し出されていました。しかし動画公開後、Tesla支持者を中心に実験方法に疑問を呈する声が相次ぎ、Mark Rober氏の信頼性にも影を落とす事態となっています。果たして、今回の実験動画には何か問題があったのでしょうか。
Mark Rober氏の実験動画の概要と反響 浮上した5つの疑惑と専門家の見解 Mark Rober氏に求められる今後の対応 まとめ Mark Rober氏の実験動画の概要と反響
Mark Rober氏は、NASAの研究所で火星探査車開発などに携わった経歴を持つエンジニアで、2011からYouTuber活動を行っています。チャンネル登録者数 6,550万人で、科学系・イタズラ系動画を中心にアップする人気YouTuberと言えます。
そのMark Rober氏は3月20日、「Tesla自動運転技術vsLiDAR技術」と題した動画を投稿しました。動画は、LiDAR搭載車両とTesla車両を同じコースに走らせるというもの。用意されたのは「ダミー人形」「飛び出すダミー人形」「霧」「雨」「光」「偽の壁」の6種の状況です。ダミー人形のみが置いてある場合や、ダミー人形が飛び出してくるシチュエーション、「光」が視界を遮る状況でも、双方が停車したのでクリアすることができました。しかし「霧」「雨」があってダミー人形が見えづらい状況下では、LiDAR搭載車両が障害物を的確に検知して停止したのに対し、Tesla車両は障害物に衝突する結果となりました。また、「偽の壁」ではLiDAR搭載車両がしっかりと認識できていたのに対し、Tesla車両は搭載されたカメラが壁の画像に騙されて、停止できませんでした。
動画はわずか数日で1000万回以上再生され、大きな注目を集めました。しかしその一方で、Tesla支持者を中心に実験方法への疑問の声が続出。Mark Rober氏とLiDAR企業Luminar社のCEOとの親交や、実験時のTesla車両の設定、編集時の不自然なカットなど、さまざまな観点から動画の信ぴょう性に疑義が呈されることとなりました。
浮上した5つの疑惑と専門家の見解
Mark Rober氏の実験動画をめぐっては、以下のような疑惑が指摘されています。
・Rober氏とLuminar社CEOとの親密な関係が実験に影響を及ぼした可能性
・Tesla車両で用いられた「オートパイロット」は自動運転機能「FSD」とは別物
・実験時に障害物が意図的に配置された形跡がある
・同じ実験を複数回行った上で都合の良い映像だけを使用した可能性
・動画の編集時に不自然なカットが見られる
これらの指摘に対し、Rober氏は「Luminar社から資金提供は受けておらず、実験結果に影響はない」「オートパイロットとFSDの違いは把握していなかった」と釈明。しかし一連の疑惑に対する説明は不十分で、むしろ矛盾点が浮き彫りになっているのが現状です。
自動運転技術に詳しい専門家からは、「オートパイロットとFSDでは障害物の検知精度が大きく異なる」「複数回の実験で同じ結果が出たとは考えにくい」など、Rober氏の実験方法を疑問視する声が上がっています。Tesla社もRober氏の主張を全面的に否定しており、再検証の必要性を訴えています。
Mark Rober氏に求められる今後の対応
今回の一連の騒動で、Mark Rober氏の科学者としての信頼性は大きく揺らいでいます。実験方法の不備を認めた上で、より厳密な条件下での再検証が求められるでしょう。具体的には、以下のような対応が考えられます。
・Tesla社の協力を仰ぎ、FSD機能を使用した実験を再度行う
・Luminar社以外のLiDAR企業の製品も実験に加える
・実験の様子を編集なしで公開し、透明性を確保する
・専門家を交えた議論の場を設け、実験方法の妥当性を検証する
科学系YouTuberとして多くの信奉者を持つRober氏だけに、今回の騒動は大きな痛手となるはずです。しかし、自らの非を認め、より厳密な実験を行うことで、信頼の回復につなげることも可能でしょう。Rober氏の真摯な対応が期待されます。
まとめ
Mark Rober氏による「Tesla自動運転技術vsLiDAR技術」の実験動画をめぐり、その信ぴょう性に疑問の目が向けられています。Rober氏とLiDAR企業の関係性、実験時のTesla車両の設定、動画の編集方法など、複数の観点から疑惑が指摘されており、再検証の必要性が叫ばれています。
自動運転技術は日進月歩で進化を遂げている分野だけに、こうした比較実験には高い精度と透明性が求められます。Rober氏には実験方法の不備を認め、より厳密な条件下で再検証を行うことが求められるでしょう。科学者としての信頼回復に向け、Rober氏の真摯な対応に期待が寄せられています。
参考:https://www.youtube.com/watch?v=BvrrMzAB2B0 https://www.businessinsider.jp/article/2503-tesla-autopilot-vs-lidar-test-youtube-test-mark-rober-video/
