株式会社TIMEWELLの濱本です。
2026年、OpenAIのProject Mercuryが投資銀行業務のAI自動化を本格化させています。
OpenAIは元投資銀行員100人以上を時給150ドル(約2万円)で採用し、財務モデリング、DCF分析、ピッチブック作成などのトレーニングデータを作成しています。Goldman Sachs、JPMorgan、Morgan Stanley出身者がAIを訓練し、年収2000万円クラスの業務を年間500万円のAIサービスで代替することを目指しています。金融業界のエントリーレベル業務の50%が5年以内に自動化される可能性があり、JPMorganはAIに年間20億ドルを投資しています。
本記事では、Project Mercuryと2026年のAIツール最新動向を解説します。
OpenAI Mercury / AI革命 2026年最新情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Project Mercury | 投資銀行業務のAI自動化プロジェクト |
| 採用規模 | 元バンカー100人以上(Goldman、JPMorgan、MS出身) |
| 報酬 | 時給150ドル(約2万円) |
| 対象業務 | DCF分析、財務モデリング、ピッチブック作成 |
| 自動化予測 | エントリーレベル業務50%が5年以内に自動化 |
| JPMorgan投資 | AIに年間20億ドル投資 |
| OpenAI評価額 | 5000億ドル超(ただし未黒字化) |
| 影響範囲 | 監査、税務、法務、保険、医療実務等に波及 |
Project Mercuryとは——投資銀行業務のAI化
プロジェクトの概要
Project MercuryはOpenAIが進める極秘プロジェクトで、投資銀行業務の自動化を目指しています。
採用と訓練:
- 元投資銀行員100人以上を採用
- 時給150ドル(約2万円)という高額報酬
- JPMorgan、Goldman Sachs、Morgan Stanley出身者が中心
- Harvard、MIT等のMBA取得者も参加
採用プロセス:
- AIチャットボットによる20分の初回面接
- 財務諸表・モデリングのテスト
- 週1回のExcel財務モデル提出
- 業界標準に沿ったモデル作成
自動化対象の業務
Project Mercuryがターゲットとする「グラントワーク」(単純作業)は多岐にわたります。
具体的な業務:
- DCF(割引キャッシュフロー)分析
- 財務モデリング
- ピッチブック作成
- 取引の財務的根拠の策定
- リストラクチャリングのモデル作成
- IPO関連資料の作成
現状の課題:
- ジュニアアナリストは週100時間以上の労働
- 反復的なモデリング・PowerPoint編集
- レポート生成の単純作業
金融業界への影響
Goldman Sachsレポート:
- 今後10年で3億人の雇用がAI自動化の影響を受ける
- 金融業界のエントリーレベル業務50%が5年以内に自動化
業界の対応:
- JPMorgan:AIに年間20億ドル投資、採用鈍化
- 各社がAI導入を加速
専門家の見解:
「AIが完全にジュニアバンカーを置き換えるという考えは誇張されている。我々が見ているのは、エントリーレベルの役割の排除ではなく進化である」——CFA Institute Rob Langrick
AIツールの最新アップデート2026
NotebookLMの革新
GoogleのNotebookLMは学習支援機能を大幅に強化しました。
主要アップデート:
- スマートフォン版でテスト・フラッシュカード機能
- 難解な論文を4択クイズ形式で確認
- Gemini 1.5 Pro → 2.0 Flashへアップグレード
- トークン数大幅増加
- 自動保存機能(今後実装)
Geminiの実務直結型進化
キャンバス機能強化:
- Googleスライドへの直接エクスポート
- AIコンテンツの実務活用が可能に
ディープリサーチ連携:
- Googleドライブ・Gmail連携
- 社内データを活用した高度分析
- 過去3ヶ月分の資料から自動ピックアップ
ChatGPTの思考プロセス最適化
新機能:
- 中断機能:長時間処理中に追加指示
- 思考プロセスの動的調整
- センシティブな会話への対応強化
ユーザー規模:
- 週間8億人のアクティブユーザー
- 約0.07%(60万人)が精神的問題に関する相談
- 170人以上の専門家と協力して対応改善
その他のAIツール進化
Google AI Studio「ビルド」機能:
- 言葉で依頼するだけで画像処理アプリ作成
- 「アノテート」機能で視覚的にコメント・修正
- プログラミング知識不要でアプリ開発
Adobe Firefly:
- オールインワンAIクリエイティブスタジオ
- 写真を自動パーツ分解、レイヤー編集
Canva:
- Creative Operating System発表
- Canva Design Model開発
- Affinityを完全無料提供
AIエージェント時代の到来
Cursor 2.0の開発パラダイム転換
従来の開発スタイル:
- メイン開発画面 + AIチャット(補助)
- 人間がコードを書き、AIが支援
エージェントモード:
- エージェントへの依頼がメイン
- コード確認は補助的位置づけ
- AIがコードを書き、人間が確認・調整
GitHub Agent HQ
新機能:
- エージェントを管理するプラットフォームへ進化
- ミッションコントロール:複数エージェントの並行管理
- リアルタイムで処理状況を俯瞰
ホワイトカラーの未来:
- PowerPointを開いてCopilotに相談 → Copilotに相談してアウトプット確認
- 主従関係の逆転
企業のAI活用事例
三井不動産グループ「バックtoフロント」:
- DX本部長エージェント:思考をAI化、Teams上で壁打ち
- 営業伴走AI:顧客データ×経験知で最適アプローチ提示
- FM支援AI:議事録・総会資料を自動構造化
SB OAI Japan(ソフトバンク×OpenAI):
- クリスタルインテリジェンス展開
- 年間4000〜5000億円投資
- 250万個のカスタムGPT運用
- 「1人1000体のAIエージェント」ビジョン
Anthropic日本法人:
- 2028年売上見込み700億ドル(約10兆円)
- API利用でOpenAIの2倍の売上
- 楽天、みずほ銀行、メルカリ、クラスメソッド導入
労働市場の歴史的転換
ブルーカラービリオネア現象
AI化による職業価値の逆転:
- 配管工、整備士、電気技師の時給:200〜300ドル
- 弁護士・会計士と同等の報酬
経済理論:
- ジェボンズのパラドックス:生産性向上→消費増加
- ボーモル効果:AI化困難な分野の相対的価値上昇
フォワードデプロイドエンジニア(FDE)
新職種の台頭:
- 技術とビジネスを橋渡し
- 現場に入り込んで企業固有の課題を解決
- AnthropicやOpenAIが採用を急速に拡大
- 2025年1月〜9月でFDE関連ポジション大幅増加
労働市場の価値再定義
価値が低下する領域:
- AI化可能な知的労働
価値が上昇する領域:
- AIにできない判断・調整業務
- 物理的な現場作業・対人サービス
- AIエージェントの効果的活用・管理
- 創造性、共感力、複雑な問題解決
当時と現在:AI革命の進化
| 項目 | 当時(2023年頃) | 現在(2026年) |
|---|---|---|
| AIの位置づけ | 効率化ツール | 知的労働の代替 |
| 金融業界AI | 実験段階 | Project Mercuryで本格自動化 |
| 投資規模 | 限定的 | JPMorgan年間20億ドル |
| OpenAI評価額 | 数百億ドル | 5000億ドル超 |
| NotebookLM | 基本機能 | Gemini 2.0、学習支援機能 |
| 開発パラダイム | AIが補助 | AIがメイン、人間が確認 |
| 企業導入 | 先進企業のみ | SB×OpenAI、Anthropic等本格展開 |
| 労働市場 | ホワイトカラー優位 | ブルーカラー価値上昇 |
導入の考慮点
メリット
1. 業務効率の劇的向上
- 週100時間の単純作業を自動化
- 高付加価値業務への集中
2. コスト削減
- 年収2000万円の業務を500万円で代替
- 人件費の最適化
3. 品質の標準化
- ヒューマンエラーの削減
- 一貫性のある出力
注意点
1. 雇用への影響
- エントリーレベルの採用減少
- キャリアパスの変化
2. 完全代替は困難
- 最終判断は人間が必要
- 複雑な問題解決には介入必須
3. 移行期間の課題
- AIとの協働スキル習得
- 組織文化の変革
まとめ
OpenAI Project Mercuryは2026年、投資銀行業務のAI自動化を本格化し、金融業界に変革をもたらしています。
本記事のポイント:
- Project Mercury:元バンカー100人以上を時給150ドル(約2万円)で採用
- Goldman Sachs、JPMorgan、Morgan Stanley出身者がAIを訓練
- 対象業務:DCF分析、財務モデリング、ピッチブック作成
- 金融エントリーレベル業務50%が5年以内に自動化予測
- JPMorganはAIに年間20億ドル投資、採用鈍化
- OpenAI評価額5000億ドル超(ただし未黒字化)
- NotebookLM:Gemini 2.0 Flash、学習支援機能強化
- Cursor 2.0:AIがメイン、人間が確認する新パラダイム
- SB×OpenAI:250万個のカスタムGPT、年間4000〜5000億円投資
- ブルーカラービリオネア:技能職の時給が弁護士・会計士と同等に
- FDE(フォワードデプロイドエンジニア)の台頭
2023年の「AIは効率化ツール」という認識から約3年——AIは「知的労働の代替」へと進化しました。Project Mercuryは金融業界だけでなく、監査、税務、法務、保険、医療実務など幅広い専門職に波及する可能性があります。
AIエージェント時代の到来により、労働市場の価値観は根本から変化しています。この変化を恐れるのではなく、AIとの協働能力、継続的な学習姿勢、そして人間にしかできない創造性と共感力を磨くことが、新時代を生き抜く鍵となるでしょう。
