株式会社TIMEWELLの濱本です。
「ChatGPTやClaudeは社内規定で使えないけど、Microsoft 365 Copilotなら使える」——そんな法人のお客様は多いのではないでしょうか。
実は、Microsoft 365 Copilotは2025年後半に大幅な機能強化が行われ、GPT-5.2対応、Agent機能、Workflows自動化など、「Copilotだけでここまでできるのか」と驚くほどの進化を遂げています。
本記事では、Copilotのみを利用できる環境の方向けに、その最新機能と具体的な活用方法を解説します。
Microsoft 365 Copilotとは
基本概要
Microsoft 365 Copilotは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、Microsoft 365アプリに統合されたAIアシスタントです。OpenAIのGPTモデルを基盤としながら、Microsoft Graphを通じて組織内のデータと連携します。
Copilotの特徴:
- Microsoft 365アプリへのネイティブ統合
- 組織内データ(メール、ファイル、会議)との連携
- エンタープライズグレードのセキュリティ
- データはLLMの学習に使用されない
料金プラン
| プラン | 月額(ユーザーあたり) | 対象 |
|---|---|---|
| Copilot Business | $21 | 中小企業 |
| Copilot for Microsoft 365 | $30 | エンタープライズ |
2025年後半の大型アップデート
GPT-5.2対応
2025年12月、Microsoft 365 CopilotがGPT-5.2に対応しました。
GPT-5.2の改善点:
- コード生成能力の向上
- 多言語対応の強化
- より高度な推論能力
- 長文コンテキストの処理改善
Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーは、2025年12月11日から優先的にGPT-5.2を利用できるようになっています。
Agent 365:エンタープライズAIの統合管理
Agent 365は、企業内のAIエージェントを一元管理するプラットフォームです。
Agent 365の機能:
- ガバナンス・ポリシー管理の一元化
- コンプライアンスと監査のサポート
- MCPサーバーによるアプリ連携
- 会議のスケジュール
- ドキュメント生成
- メール送信
- CRMレコードの更新
Workflows agent:ノーコード自動化
Workflows agentは、Microsoft 365アプリ間の繰り返しタスクを自然言語で自動化できる機能です。
自動化の例:
- 「毎週金曜日に今週の会議サマリーをまとめてメール送信」
- 「新しいSharePointファイルがアップロードされたらTeamsに通知」
- 「タスクの期限が近づいたらリマインダーを送信」
プロンプトを入力するだけで、エンタープライズグレードのセキュリティを備えた自動化フローを作成できます。
Work IQ:コンテキスト記憶
Work IQの「記憶」機能により、Copilotが過去の会話を記憶し、よりパーソナライズされた応答を返すようになりました。
Work IQの特徴:
- 過去の会話からのコンテキスト継続
- ユーザーの好みや作業スタイルの学習
- 記憶の管理・削除機能
アプリ別:Copilotの具体的な活用法
Word:ドキュメント作成
できること:
- 下書きの自動生成
- 文書の要約・リライト
- トーンの調整(フォーマル⇔カジュアル)
- 既存ドキュメントからの内容抽出・統合
プロンプト例:
「先月の営業会議の議事録をもとに、今月の営業戦略レポートの下書きを作成してください。フォーマルなトーンで、3ページ程度にまとめてください。」
Excel:データ分析
できること:
- 数式の自動生成
- データの傾向分析
- グラフ・チャートの作成
- 異常値の検出
プロンプト例:
「この売上データから、前年同月比の成長率を計算する列を追加し、成長率が10%を超える月をハイライトしてください。」
PowerPoint:プレゼン作成
できること:
- Wordドキュメントからスライド生成
- デザインの自動調整
- スピーカーノートの作成
- 画像の提案・挿入
プロンプト例:
「このWordの企画書から、経営会議向けの15枚程度のプレゼンを作成してください。各スライドにスピーカーノートも追加してください。」
Outlook:メール管理
できること:
- メールの下書き作成
- 長文メールの要約
- 返信の提案
- スケジュール調整
プロンプト例:
「このスレッドの内容を3行で要約し、次のアクションを提案してください。」
Teams:会議・コラボレーション
できること:
- 会議の文字起こし・要約
- アクションアイテムの抽出
- 遅れて参加した場合のキャッチアップ
- チャットの要約
プロンプト例:
「この会議の議論ポイントと決定事項を箇条書きでまとめ、担当者とToDoを整理してください。」
Security Copilot:セキュリティチーム向け
Microsoft 365 E5ユーザーには、Security Copilotが提供されます。
Security Copilotの機能:
- Microsoft Defender、Entra、Intune、Purviewとの統合
- 70以上のMicrosoft・パートナー製エージェント
- セキュリティインシデントの分析・対応支援
- 脅威インテリジェンスの要約
セキュリティチームは、複雑なログや脅威情報を自然言語で照会し、インシデント対応を迅速化できます。
Copilot Studioでカスタムエージェント作成
Copilot Studioとは
Copilot Studioは、ノーコード・ローコードでカスタムAIエージェントを作成できるプラットフォームです。
Copilot Studio 2025年11月の新機能:
- Copilot Knowledge from SharePoint Agents(プレビュー)
- 会話の開始体験の改善
- 翻訳のカスタマイズ
- セキュリティとガバナンスの強化
活用例
- 社内FAQエージェント: SharePointの社内規定を参照して回答
- 営業支援エージェント: CRMデータと連携して顧客情報を提供
- ITヘルプデスク: トラブルシューティングを自動化
2026年の展望
エージェント型AIへの進化
2026年、Microsoft 365 Copilotは「単発のプロンプト応答」から「自律的なエージェント」へと進化します。
2026年の方向性:
- 単発プロンプトから自律エージェントへ
- カスタムエージェント作成の標準化
- Copilotがデフォルトの働き方に統合
価格改定
2026年7月1日より、Microsoft 365の価格改定が予定されています。この改定には、Copilot AI機能の拡張、セキュリティ強化、Intuneエンドポイント管理ツールの追加が含まれます。
Copilotを最大限活用するためのTips
効果的なプロンプトの書き方
- 具体的に指示する: 「良いレポートを書いて」ではなく「Q4の売上データを分析し、3つの改善提案を含む2ページのレポートを作成」
- コンテキストを提供する: 「このメールスレッドを参照して」「添付ファイルの内容をもとに」
- 出力形式を指定する: 「箇条書きで」「表形式で」「3段落で」
- トーンを指定する: 「フォーマルに」「簡潔に」「説得力のある」
組織での展開ポイント
- パイロットから始める: 特定部門で効果を検証
- ユースケースを特定: 効果の高い業務から優先
- トレーニング実施: プロンプトの書き方を教育
- ガバナンス設計: Agent 365でポリシーを設定
Copilot以外のAIツールとの比較
「Copilotだけで十分か?」という疑問もあるかもしれません。
| 観点 | Copilot | ChatGPT/Claude |
|---|---|---|
| Microsoft 365統合 | ネイティブ | 制限あり |
| 社内データ連携 | Microsoft Graph | 別途設定必要 |
| エンタープライズセキュリティ | 標準搭載 | 契約による |
| カスタマイズ性 | Copilot Studio | API連携 |
| 価格 | $21-30/月 | $20-25/月 |
多くの法人では、セキュリティとコンプライアンスの観点からCopilotが選ばれています。特に、データがLLMの学習に使用されない点は、機密情報を扱う企業にとって重要です。
より高度なAI活用を検討する場合
Copilotで基本的なAI活用を進めた後、「もっと高度な活用をしたい」というニーズが出てくることもあります。
TIMEWELLでは、ZEROCKを通じて、Copilotとは異なるアプローチでのエンタープライズAI活用を支援しています。GraphRAGによる高精度な社内情報検索、独自のナレッジコントロール、プロンプトライブラリの組織共有など、Copilotを補完する形でのAI活用基盤を提供しています。
また、AIの組織浸透を支援するWARPコンサルティングでは、Copilotを含むAIツールの効果的な導入・活用方法を、月次更新でサポートしています。
まとめ
Microsoft 365 Copilotは、2025年後半の大型アップデートにより、「Copilotだけでここまでできる」レベルに進化しています。
本記事のポイント:
- GPT-5.2対応でAI性能が大幅向上
- Agent 365でエンタープライズガバナンスを実現
- Workflows agentでノーコード自動化が可能
- Word/Excel/PowerPoint/Outlook/Teams全てでAI活用
- Security CopilotでセキュリティチームもAI活用
- 2026年は自律エージェント型への進化
「ChatGPTは使えないけど、Copilotなら使える」という環境でも、Copilotの機能をフル活用することで、業務効率の大幅な向上が期待できます。まずはWordやOutlookでの日常タスクから始めて、徐々に活用範囲を広げていくことをお勧めします。
