株式会社TIMEWELLの濱本です。
「V7は単なるアップデートではない。完全に異なるアーキテクチャだ」——MidjourneyのCEO、David Holz氏はこう述べました。
2025年4月にリリースされたMidjourney V7は、V6からの漸進的な改良ではなく、ゼロから再構築された全く新しいモデルです。パーソナライゼーションがデフォルトで有効化され、動画生成機能「V1 Video」も登場。Midjourneyは「画像生成AI」から「ビジュアルコンテンツ生成プラットフォーム」へと進化しました。
本記事では、Midjourney V7の新機能、料金体系、そしてビジネス活用法を解説します。
Midjourney V7とは:完全新設計のアーキテクチャ
V7の革新点
2025年4月にリリースされたV7は、V6とは根本的に異なるモデルです。
V7の主要な特徴:
- 完全新設計: 新しいデータセット、新しいアーキテクチャで訓練
- プロンプト解釈の向上: より正確に意図を理解
- 写実性の向上: 光の加減、肌の質感、細部の表現が大幅改善
- 高速処理: 生成時間の短縮
- パーソナライゼーション: ユーザーの好みを学習
V7は2025年6月16日からデフォルトモデルとなり、すべてのサブスクリプションプランで利用可能です。
パーソナライゼーション機能
V7の最大の特徴が「パーソナライゼーション」——ユーザーの美的感覚を学習し、好みに合わせた画像を生成する機能です。
パーソナライゼーションの仕組み:
- 約200枚の画像を評価(15-20分)
- Midjourneyがあなたの好みのプロファイルを構築
- 以降の生成がすべてあなたの好みに最適化
これにより、同じプロンプトでもユーザーごとに異なるスタイルの画像が生成されるようになりました。
NeRF風3Dモデリング
V7には、没入型コンテンツのための「NeRF風3Dモデリング」機能も搭載されています。これにより、2D画像から3D的な視点変化を表現することが可能になりました。
V1 Video:画像から動画を生成
動画生成の概要
Midjourneyは、V1 Videoという動画生成モデルをリリースしました。
V1 Videoの仕様:
- 画像をアップロード、またはMidjourney V7で生成した画像を使用
- 5-21秒の動画クリップを生成
- ロー・モーション/ハイ・モーションの2種類の速度設定
CEO David Holz氏は、V1 Videoを「everyoneのための最初の動画モデル」と表現しています。
動画生成の制限
V1 Videoには、現時点でいくつかの制限があります。
注意点:
- テキストプロンプトのみからの動画生成は不可(画像が必要)
- 動画生成は画像生成の8倍のクレジットを消費
- 無制限の動画生成(Relax Mode)はPro/Megaプランのみ
競合のSora 2がテキストから直接動画を生成できることと比較すると、Midjourneyの動画機能はまだ発展途上と言えます。
動画の活用例
1. SNSコンテンツ
- 静止画をアニメーション化
- 目を引く広告素材の作成
2. プレゼンテーション
- スライドに動きを追加
- コンセプトの可視化
3. プロトタイピング
- 映像制作の絵コンテ確認
- ゲームやアニメのコンセプト検証
Niji 7:アニメ特化モデル
2026年1月リリース
2026年1月9日、アニメ特化モデル「Niji 7」がリリースされました。
Niji 7の特徴:
- アニメ・イラスト表現に最適化
- コヒーレンシー(一貫性)の大幅向上
- キャラクターの表情、ポーズの正確な表現
- 日本のアニメスタイルに特化
アニメ風のコンテンツを生成する場合は、通常のV7ではなくNiji 7を使用することで、より高品質な結果が得られます。
料金プラン(2026年1月時点)
プラン比較
| プラン | 月額 | 年払い(月あたり) | GPU時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Basic | $10 | $8 | ~3.3時間 | 約200枚/月 |
| Standard | $30 | $24 | 15時間 | Relax Mode対応 |
| Pro | $60 | $48 | 30時間 | Stealth Mode対応 |
| Mega | $120 | $96 | 60時間 | 大量生成向け |
注意: Midjourneyは現在、無料トライアルを提供していません。利用するには有料プランへの加入が必要です。
プラン選択のポイント
1. Basic($10/月)
- 趣味での利用
- 月200枚程度の生成
- 生成した画像は公開される
2. Standard($30/月)
- 定期的に利用するクリエイター
- Relax Modeで時間制限なく生成可能
- コストパフォーマンスが高い
3. Pro($60/月)
- ビジネス利用
- Stealth Modeで非公開生成
- 画像・プロンプトが他ユーザーに見られない
4. Mega($120/月)
- 大量生成が必要な企業
- 制作会社、広告代理店向け
- 最大の生成容量
基本的な使い方
アカウント作成
- midjourney.comにアクセス
- GoogleアカウントまたはDiscordでログイン
- プランを選択して支払い
- すぐに生成開始可能
プロンプトの入力
Web版の操作:
- チャット欄にプロンプトを入力
- Submitボタンをクリック
- 約30秒〜1分で4枚の画像が生成
- 気に入った画像を選んでアップスケールまたはバリエーション生成
プロンプトのコツ
1. シンプルに始める
A Japanese woman in a white shirt
2. 詳細を追加
A Japanese woman in a white shirt, standing in a meadow,
soft morning light, photorealistic, 8K
3. スタイルを指定
--style raw(加工少なめ)
--ar 16:9(アスペクト比)
--v 7(バージョン指定)
日本語対応
Midjourneyは日本語プロンプトにも対応していますが、英語プロンプトの方がより正確な結果が得られる傾向があります。
日本語例:
スーツを着た日本人男性が腕組みをして笑っている、オフィスビル背景
他の画像生成AIとの比較
競合比較(2026年1月)
| 項目 | Midjourney V7 | DALL-E 3 | Stable Diffusion 3 | Adobe Firefly |
|---|---|---|---|---|
| 写実性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
| 動画生成 | ○(画像から) | × | △ | × |
| 料金 | $10-120/月 | GPT-4契約に含む | 無料/有料 | $4.99-22.99/月 |
| 商用利用 | ○ | ○ | ○ | ◎(著作権クリア) |
| パーソナライゼーション | ◎ | × | × | × |
Midjourneyの強み
1. 写実性
- 他のAIと比較して最もリアルな画像を生成
- 光、影、質感の表現が秀逸
2. 美的センス
- 「美しい」画像を生成する傾向
- アート性の高い出力
3. パーソナライゼーション
- ユーザーの好みを学習
- 他のAIにはない機能
Midjourneyの弱み
1. 動画生成
- 画像からのみ生成可能
- Sora 2のようなテキスト→動画は未対応
2. 価格
- 無料トライアルなし
- 最低$10/月が必要
3. テキスト生成
- 画像内のテキストはまだ不正確な場合がある
当時と現在:Midjourneyの進化
本記事の元となった情報と比較して、Midjourneyは大きく進化しています。
当時(2024年後半):
- V6が最新モデル
- 動画生成は未リリース
- パーソナライゼーションは限定的
- Discord中心の利用
現在(2026年1月):
- V7(完全新設計アーキテクチャ)
- V1 Video(画像→動画生成)
- パーソナライゼーションがデフォルト
- Web版がメインプラットフォームに
- Niji 7(アニメ特化モデル)
- 無料トライアル廃止
画像生成AIの競争が激化する中、Midjourneyは「美的センス」と「パーソナライゼーション」で差別化を図っています。
ビジネス活用シナリオ
1. マーケティング・広告
活用例:
- SNS広告のビジュアル作成
- バナー広告のバリエーション生成
- キャンペーンビジュアルのプロトタイピング
メリット:
- 素材制作コストの削減
- 高速なイテレーション
- 多様なバリエーション検証
2. 商品企画・デザイン
活用例:
- 製品コンセプトの可視化
- パッケージデザインの検討
- プレゼン資料用イメージ作成
メリット:
- デザイナーの負担軽減
- アイデア検証の高速化
- クライアントとのコミュニケーション円滑化
3. コンテンツ制作
活用例:
- ブログ記事のサムネイル
- オウンドメディアのビジュアル
- 電子書籍のカバー画像
メリット:
- ストックフォト不要
- オリジナリティの高い素材
- ブランド一貫性の維持
4. 採用・HR
活用例:
- 採用バナーの作成
- 社内報のビジュアル
- 会社紹介資料のイメージ
メリット:
- 人物写真のプライバシー問題回避
- 多様性のあるビジュアル作成
- 企業イメージに合った素材
導入時の注意点
1. 著作権・法的リスク
確認事項:
- 生成した画像の商用利用条件
- 既存の著作物との類似性チェック
- クライアントワークでの利用規約
2. ブランドガイドライン
考慮事項:
- AI生成であることの開示要否
- 企業ブランドとの整合性
- 品質基準の設定
3. セキュリティ
Pro/Megaプランの推奨理由:
- Stealth Modeで非公開生成
- 機密性の高いプロジェクトに対応
- プロンプト・画像の漏洩防止
企業でのAI活用支援
Midjourneyをはじめとする画像生成AIは、ビジネスの様々な場面で活用可能です。しかし、効果的に活用するには、ツールの特性理解とワークフローへの統合が重要です。
TIMEWELLでは、WARPコンサルティングを通じて、Midjourneyを含む最新のAIツールの効果的な導入・活用方法を支援しています。元大手企業のDX・データ戦略専門家が、月次更新で最新のAIツール活用をサポートします。
また、ZEROCKでは、エンタープライズ向けのAI活用基盤を提供し、画像生成AIを含むさまざまなAIツールとの連携を可能にしています。
まとめ
Midjourney V7は、画像生成AIの新時代を切り開くモデルです。
本記事のポイント:
- V7は完全新設計のアーキテクチャ(2025年4月リリース)
- パーソナライゼーションがデフォルトで有効化
- V1 Videoで画像から5-21秒の動画生成
- Niji 7はアニメ特化モデル(2026年1月)
- 料金:Basic $10/月〜Mega $120/月
- 無料トライアルは廃止
Midjourneyは、単なる「画像生成ツール」から「ビジュアルコンテンツ生成プラットフォーム」へと進化しました。写実性、美的センス、パーソナライゼーションという強みを活かし、ビジネスの様々な場面で活用できる可能性を秘めています。
