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NVIDIA GPU完全解説|Vera Rubin NVL72・50 PFLOPs・HBM4・2026年AIコンピューティング革命

2026-01-21濱本

NVIDIAがCES 2026で発表したVera Rubinプラットフォームを徹底解説。Rubin GPUは50 PFLOPsの推論性能、288GB HBM4メモリ、Blackwell比5倍の性能を実現。NVL72は72 GPU・36 CPUで3.6 EFLOPsを達成。2027年にはRubin Ultraで100 PFLOPs、NVL576へ進化予定。AIファクトリー戦略と「当時→現在」の進化を解説します。

NVIDIA GPU完全解説|Vera Rubin NVL72・50 PFLOPs・HBM4・2026年AIコンピューティング革命
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株式会社TIMEWELLの濱本です。

2026年1月、NVIDIAはCES 2026でAIコンピューティングの新時代を告げました。

Vera Rubinプラットフォームは、Rubin GPU(336億トランジスタ)とVera CPU(227億トランジスタ)を組み合わせた次世代AIシステムです。単体GPUで50 PFLOPsの推論性能を実現し、Blackwell比で5倍のパフォーマンスを達成。HBM4メモリは最大288GB、帯域幅22 TB/sという圧倒的なスペックで、推論トークンコストを10分の1に削減します。

本記事では、NVIDIA GPUの歴史からVera Rubinの詳細仕様、そして2027年のRubin Ultraまで、AIコンピューティングの全貌を解説します。

NVIDIA GPU 2026年最新情報

項目 内容
Rubin GPU 336億トランジスタ、TSMC 3nm
推論性能 50 PFLOPs(NVFP4)、Blackwell比5倍
トレーニング性能 35 PFLOPs(NVFP4)、Blackwell比3.5倍
メモリ HBM4 288GB、22 TB/s帯域幅
Vera CPU 227億トランジスタ、88コア176スレッド
NVL72 72 GPU + 36 CPU、3.6 EFLOPs
推論コスト Blackwell比10分の1
出荷時期 2026年下半期(パートナー経由)

Vera Rubinプラットフォーム——CES 2026発表

Rubin GPU

Rubin GPUは、NVIDIAの次世代AIアクセラレーターです。

Rubin GPUの特徴:

  • 336億トランジスタ(2つのレチクルサイズダイ)
  • TSMC 3nmプロセス製造
  • 50 PFLOPs NVFP4推論性能
  • 35 PFLOPs NVFP4トレーニング性能
  • HBM4メモリ最大288GB
  • メモリ帯域幅22 TB/s

天文学者ヴェラ・ルービンにちなんで命名されたRubinは、Blackwellを大幅に上回る性能を実現しています。

Vera CPU

Vera CPUは、Rubin GPUと組み合わせて使用するコンパニオンプロセッサーです。

Vera CPUの特徴:

  • 227億トランジスタ
  • カスタムArm「Olympus」コア
  • 88コア、176スレッド(Spatial Multi-Threading)
  • LPDDR5xメモリ最大1.5TB
  • メモリ帯域幅1.2 TB/s
  • NVLink-C2C帯域幅1.8 TB/s

NVL72——ラックスケールシステム

NVL72は、Vera Rubinプラットフォームのフラッグシップ構成です。

NVL72の構成:

  • 72 Rubin GPU + 36 Vera CPU
  • NVLink 6接続
  • 3.6 EFLOPs NVFP4推論性能
  • 2.5 EFLOPs トレーニング性能
  • HBM4容量20.7TB
  • LPDDR5x容量54TB
  • HBM帯域幅1.6 PB/s
  • スケールアップ帯域幅260 TB/s

効率性の飛躍

Vera Rubinは、ハードウェアとソフトウェアの極限の共同設計により、驚異的な効率性を実現しています。

Blackwell比での改善:

  • 推論トークンコスト:10分の1
  • MoEモデルトレーニングに必要なGPU数:4分の1
  • 性能:5倍(推論)、3.5倍(トレーニング)

NVIDIAの歴史——GPUからAIファクトリーへ

1993年:創業とGPUの発明

NVIDIAの歴史は、1993年のシリコンバレーでの創業から始まります。

創業期の戦略的決断:

  • CPUの限界を認識し、特定の計算問題に特化
  • グラフィックスプロセッサ(GPU)という新カテゴリを創出
  • 3Dグラフィックス市場の創造
  • セコイア・キャピタルなどから投資を獲得

2006年:CUDA技術

CUDAは、GPUを汎用計算に利用可能にした革新的な技術です。

CUDAの意義:

  • GPUを一般的な計算処理装置として利用可能に
  • 研究者・開発者がアクセスしやすいプラットフォーム
  • 後のディープラーニング革命の基盤

2012年:ディープラーニング革命

AlexNetによるコンピュータビジョンのブレイクスルーが、AI時代の幕開けとなりました。

ディープラーニングとGPU:

  • 高い計算能力がディープラーニングを加速
  • 「CUDA Everywhere」戦略で学術界に普及
  • CPUの限界を超える新しい計算基盤を確立

2016年:DGX-1とAIファクトリー

DGX-1は、AIファクトリーの象徴的な製品です。

DGX-1の特徴:

  • AI専用コンピュータの先駆け
  • OpenAIなど研究機関で採用
  • AIインフラストラクチャの新時代を開始

AIファクトリー——企業のROI向上

AIファクトリーとは

AIファクトリーは、AIの開発から実運用までを統合的に最適化する新しい形のコンピューティング基盤です。

AIファクトリーの特徴:

  • GPU + ネットワーク + ソフトウェアの統合
  • ラックスケールコンピューティング
  • 同一ソフトウェアスタックでの継続的進化
  • 毎年の性能向上を吸収

企業の投資効果

Meta社の事例が、AIインフラ投資の効果を示しています。

Meta社の成果:

  • 広告最適化にNVIDIA GPUを活用
  • 機械学習による改善を実現
  • 業績と市場評価の回復
  • ROI300%超えの事例も

生成AIの台頭

従来の「検索」から「生成」へのシフトが進んでいます。

生成AIの影響:

  • リアルタイムでコンテンツを生成
  • レコメンドシステムの高度化
  • 金融取引のアルゴリズム化
  • 医療診断の支援

次世代ロードマップ

Rubin Ultra(2027年)

Rubin Ultraは、2027年後半に登場予定の次世代プラットフォームです。

Rubin Ultraの予定スペック:

  • 100 PFLOPs(Rubinの2倍)
  • HBM4eメモリ採用
  • NVL576構成(576 GPU)
  • さらなる効率性向上

Feynman(2028年以降)

NVIDIAのロードマップには、Feynmanアーキテクチャも追加されています。

物理AIとロボティクス

Omniverse

Omniverseは、仮想空間での学習と現実世界での実装を連携させるプラットフォームです。

Omniverseの活用:

  • 数兆回のシミュレーション
  • ロボットの動作学習
  • 自動運転車の訓練
  • デジタルツインの構築

産業ロボティクス

物理AIは、産業ロボティクスの成長を支える鍵となります。

応用分野:

  • 製造業の自動化
  • 物流・倉庫管理
  • 医療・手術支援
  • 農業・インフラ点検

当時と現在:NVIDIA GPUの進化

項目 当時(2024年 Blackwell発表) 現在(2026年1月)
最新GPU Blackwell B200 Rubin
推論性能 10 PFLOPs 50 PFLOPs
メモリ HBM3e 192GB HBM4 288GB
メモリ帯域 8 TB/s 22 TB/s
ラック構成 NVL72(Blackwell) NVL72(Rubin)
製造プロセス TSMC 4nm TSMC 3nm
次世代予告 Rubin(2026年) Rubin Ultra(2027年)
主な用途 トレーニング中心 推論最適化へシフト

競合との比較

NVIDIA vs AMD

項目 NVIDIA Rubin AMD Instinct MI450
推論性能 50 PFLOPs 非公開
メモリ HBM4 288GB HBM3e 192GB
エコシステム CUDA(圧倒的シェア) ROCm
市場シェア 80%以上 約15%

NVIDIA vs Google TPU

項目 NVIDIA Rubin Google TPU v7 Ironwood
性能 50 PFLOPs 4.6 PFLOPs/chip
スケール NVL72(72 GPU) 9,216-chip Pod
提供形態 ハードウェア販売 クラウドサービス
用途 汎用AI Google内部最適化

導入の考慮点

メリット

1. 圧倒的な性能

  • 業界最高の推論・トレーニング性能
  • Blackwell比5倍の性能向上

2. エコシステムの成熟

  • CUDAによる開発者サポート
  • 豊富なライブラリとツール

3. コスト効率

  • 推論トークンコスト10分の1
  • 電力効率の大幅改善

注意点

1. 導入コスト

  • 高価格帯の製品
  • データセンター規模の投資が必要

2. 供給制約

  • 需要に対して供給が追いつかない可能性
  • 長期的な調達計画が必要

3. 国際規制

  • 輸出規制の影響
  • 地域によるアクセス制限

まとめ

NVIDIAは、Vera Rubinプラットフォームで2026年のAIコンピューティングを再定義しました。

本記事のポイント:

  • Rubin GPU:336億トランジスタ、TSMC 3nm、50 PFLOPs推論
  • HBM4メモリ288GB、帯域幅22 TB/sでBlackwell比2.75倍
  • Vera CPU:88コア176スレッド、カスタムArm「Olympus」コア
  • NVL72:72 GPU + 36 CPUで3.6 EFLOPs、世界最高クラスのAIシステム
  • 推論トークンコストがBlackwell比10分の1に削減
  • 2027年にRubin Ultra(100 PFLOPs)とNVL576が登場予定
  • 物理AI・ロボティクスでOmniverseが産業応用を加速

1993年のGPU発明から30年以上——NVIDIAは「アクセラレーテッドコンピューティング」というビジョンを一貫して追求し、今やAI革命の中核技術を提供する企業へと成長しました。Vera Rubinは、その進化の最新章であり、AIが社会のあらゆる領域に浸透する時代の基盤となるでしょう。

企業にとって、NVIDIAのAIインフラへの投資は、競争力を左右する戦略的決断です。推論コストの劇的な削減と性能向上は、AIの実用化を加速し、新たなビジネス機会を創出します。

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