株式会社TIMEWELLの濱本です。
黒田翔太さんは、野村不動産でのキャリアを背景に、自らが主導する社内起業事業「TOMORE(トモア)」を立ち上げました。この新しい事業では、次世代に向けた革新的なライフスタイルの創造を目指しています。本インタビューでは、、彼がどのようにしてこの事業を立ち上げ、将来何を実現したいと考えているのかを掘り下げます。
社内起業を通じ、新しいライフスタイル創造に挑む 社内起業家としての課題と工夫: 経営層との連携とチームビルディングの重要性 将来展望と始動プログラムへのメッセージ
黒田翔太(くろだ しょうた)
野村不動産株式会社所属
マンション分譲事業、戸建分譲事業、投資・開発事業、ビルディング事業、建築・設計事業、資産運用事業
2010年に野村不動産株式会社に新卒入社し、以後約10年間に渡り国内外の不動産ファンドの商品組成・運用業務を担当。その後、同社従業員組合委員長としてイノベーティブな会社風土への変革に取り組む。この経験を経て、「本気のイノベーションを自ら生み出したい」という強い意志のもと、約3年かけて同社初の社内起業を実現した。
現在は、「TOMORE(トモア)」という新規事業を推進しており、次世代の一人暮らし体験のアップデートを目指すこのプロジェクトは、経済産業省主催「始動 Next Innovator 2023」に採択されるなど、その革新性と社会的意義を高く評価されている。
社内起業を通じ、新しいライフスタイル創造に挑む
ーーーーー簡単に自己紹介をお願いします。
始動9期の黒田翔太と申します。
野村不動産に2010年に入社し、リーマンショック直後の厳しい時代を経験しながら、国内外の不動産ファンド事業に約10年間携わってきました。
31歳で会社の労働組合委員長を務めたことが私にとって大きな転機となりました。会社をもっと挑戦を許容する風土へと変えていくためには、自分自身もイノベーティブな活動を進めていかなければならないと感じ、4年前から現在の社内起業活動を開始しました。
コロナ禍では非常に苦しい時期もありましたが、何とかPoC(Proof of Concept)を乗り越え、事業化フェーズに至るまでにこぎつけ、現在は新しいライフスタイルの創造に向けて、日々活動を続けています。
ーーーーー社内起業の事業概要を教えてください。
詳細を細かく話すことは難しいのですが、特に日本において若者や次世代がもっと生き生きと挑戦を楽しめる世界にしていきたいという思いがあり、そのためにもまず不変的な生活基盤自体をアップデートする事が必要だと考えました。
ライフスタイルやワークスタイルが、特にコロナパンデミックを経て変化する一方で、若い世代の一人暮らしのあり方は長年変わっていません。たとえば、ワンルームで25平米、使用しない空間や設備が存在する一方で、それ以上の体験価値を提供できていないという状況です。
そこで、私たちの事業は、野村不動産のリソースを活用しながら、建物ごと、住む空間自体をアップデートし、そこにネットワークを作り、人とのつながりから新しい活動をサポートするコミュニティ機能を備えた新しいライフスタイルモデルの創造を目指しています。
社内起業家としての課題と工夫: 経営層との連携とチームビルディングの重要性
ーーーーー事業を始めたきっかけは?
僕自身、元々はそんなに起業家志向が強かったわけではなく、ただ、自分がやりたいことを追求してきた結果、今のこの状況にたどり着いたと感じています。
特に、労働組合の活動を通じて会社を変える試みに取り組んだ経験から、自分で新しい事業を作る際には、課題ドリブンで取り組むことが大切だと考えました。次世代のために何ができるのか、どう貢献できるのかを考えていた時、2019年頃にWeWorkが日本に参入し、フリーランスや起業家として活動する人が増えている中、そうした人々がさらに社会で活躍し、日本を面白い国にしていくためには、新しい働き方や生活様式をサポートするための生活基盤を提供することが、次世代のために私にできることではないかと思ったのです。
そこから現在の事業アイデアへと繋がっていきました。
ーーーーー始動プログラムはいかがでしたか?
国内プログラムのピッチを経て、その後シリコンバレーでのプログラムに選抜される過程では、自分の事業に対する理解を深めると同時に、異なる文化圏での価値観や受け入れられ方についても学ぶ機会となりました。
また、たまたま話しかけたピッチイベントのオーディエンスの方とは、私が滞在していた8日間のうち3日間を、その方のホームパーティに招待いただき、そこでさらに多くの人々と繋がることができました。
現地で起業している方々や、現地の企業で働く日本人とのネットワークに触れることができたのは、普通に仕事で現地に行ってもなかなか得られない経験です。
この繋がりは、帰国後も続いており、日本に帰ってきたときには、様々な集まりに呼んでいただいたり、新しい起業家や経営者層とのネットワークが広がっていることを実感しています。
ーーーーー社内起業ならではの苦労や工夫はありますか?
私が特に重視したのは、どれだけ良い事業を考えても、最終的には会社がそれを受け入れ、支持してくれるかどうか、という事です。
そのため、経営層やキーマンの方々と何度も協議を重ね、経営層が事業に対して自分ごととして捉えてもらえるよう、プロジェクトの進捗、計画の調整、そして達成すべき目標について継続的にコミュニケーションを取りました。最低でも1時間、時には夜遅くまで議論を重ねることもありました。
経営層の方々の時間を確保するのは容易ではありませんが、直接フィードバックをもらい、課題に対してしっかりと応えていくことで、事業リスクへの感度や事業計画のバランスを調整できました。
また、経営層にとっては現場からのダイレクトなアプローチは日常的にはあまりなく、逆に新鮮で興味を持ってもらえたのではないかとも考えています。まずは行動あるのみですね。
そして、チーム作りの際には、一緒に活動したいと思える人、そしてそれぞれが異なる部門で声を大きく発言できるメンバーを選び、チームアップしました。
チームのネットワークを最大限に活用し、経営層へのアプローチを効果的に行うことが、新規事業の成功に向けた基盤を作る上で非常に重要だと思っています。
将来展望と始動プログラムへのメッセージ
ーーーーー黒田さんの今後の展望を教えてください。
今後については、まず現在進めている「TOMORE(トモア)」事業を確立し、拡大していくことが私の最優先事項です。
現在、この事業はローンチ準備の段階にあり、今後施設数を段階的に増やしていく事で、住んでいただける方だけでなく、その周囲の人々にまで影響を与える事で、さらなる社会的変化を促すことができると信じています。
シリコンバレーでの経験を通じて、日本特有の課題だけでなく、世界中の多様な文化や価値観を理解し、それぞれに合ったソリューションを提供することができれば更に夢が広がります。
そのためには、まず現在の事業を成功させ、安定した基盤を築くことが不可欠です。足元の課題に集中しつつも、将来的にはより大きなスケールでの影響を目指して、日々の活動を進めていきたいと思っています。
ーーーーーこれから始動を受ける方へのメッセージをお願いします。
始動プログラムに参加しようと考えている方々へ、私からのメッセージは、「迷っているなら、ぜひチャレンジしてみてください」というものです。
実際、私自身も始動に申し込む際には迷いがありましたが、最終的には「今回しかない」という思いで申し込みを決断しました。
そして、実際に踏み出すことで、数多くの貴重な経験と出会いが得られました。
何よりも、価値あるコミュニティに参加できることが、このプログラムの最大の魅力だと思います。始動を通じて出会った仲間やアルムナイは、今も私の活動を支え、励ましてくれる存在です。このような強固なサポートシステムがあるからこそ、私は新たな挑戦を続けることができています。
プログラムを通じて、自身のアイデアを形にするための具体的なスキルや知識を学べるだけでなく、他の参加者やメンターからのフィードバックが自己成長につながります。
もしちょっとでも気になるなら、エントリーしてみてください。
まずはエントリーして参加のアクションを起こすことから全てが始まると思っています。
担当ライター:木村ひとみ/本間由美子
