AIコンサルのコラム一覧に戻る
AIコンサル

ペットの歯周病予防に革命を!―實廣亜希子氏が本気で挑む、1100万頭のペットを救うイノベーション―

2026-01-21濱本

家族であるペットの健康課題に取り組む〜大手飲料メーカーで知財戦略に携わりながら、副業でペット向けデンタルケア事業を起業した實廣亜希子氏。クラウドファンディングで目標を早々に達成し、多くの飼い主から注目を集めている同氏に、事業への思いと挑戦の軌跡について伺いました。

ペットの歯周病予防に革命を!―實廣亜希子氏が本気で挑む、1100万頭のペットを救うイノベーション―
シェア

株式会社TIMEWELLの濱本です。

家族であるペットの健康課題に取り組む〜大手飲料メーカーで知財戦略に携わりながら、副業でペット向けデンタルケア事業を起業した實廣亜希子氏。クラウドファンディングで目標を早々に達成し、多くの飼い主から注目を集めている同氏に、事業への思いと挑戦の軌跡について伺いました。

【ネクストゴールに向けて挑戦中!】實廣氏のクラウドファンディングはこちら!

プロフィール:

實尋 亜希子(じつひろ あきこ)

大手飲料メーカー所属

株式会社Ani-lience(アニリエンス)代表取締役

大手飲料メーカーで知財戦略に携わる傍ら、2024年5月に株式会社Ani-lienceを創業。ペットの歯周病予防のための唾液検査キットを開発中。200名以上の飼い主へのヒアリングと特許出願技術を基に、従来品の成功率20%に対し90%以上の検査成功率を実現。女性起業チャレンジ大賞グランプリ、よこはまアイデアチャレンジ最優秀賞など多数受賞。副業起業を通し、日本の歯周病予備軍のペット1,100万頭を救うことを目指して奮闘中。​​​​​​​​​​​​​​​​

Instagram:https://www.instagram.com/pepregum/

プロフィール: 研究者から起業家へ ― 社内ビジコン落選が開いた新たな道 200名の飼い主の声から生まれた「9割成功」の検査キット AI技術との出会いが実現した色判定の自動化 挫折を乗り越えて ― 「諦めない」と「見極める」のバランス まとめ 研究者から起業家へ ― 社内ビジコン落選が開いた新たな道

------ まず簡単に實廣さんの自己紹介をお願いいたします。

實廣氏:現在、株式会社アニリエンスという会社を立ち上げております 實廣(じつひろ)と申します。普段は飲料メーカーの知財戦略部で働いています。本業の会社には新卒で2017年に入って、今八年目です。最初は研究所の研究員でしたが、その後二年ほど化粧品メーカーに出向して化粧品の開発などを行っていました。戻ってきてからは再度一年間研究所にいて、今の部署へという感じになってます。

株式会社アニリエンスについては、今年5月にちょうど一年経ちましたが昨年2024年5月に法人登記し、ペットの歯周病と馬などの疝痛の早期発見や対策ケアの事業をやってるというところになります。

------ 現在アニリエンスさんでクラウドファンディングの挑戦をされてますが、まず第一段階の目標達成を早々にされているというところで、お気持ちをお伺いできますか。

實廣氏: 本当にありがたいの一言ですね。購入型のクラウドファンディングではあるのですが、現在まだ物が完成していなくて、来春にその販売しますという予定の中研究開発してるのですが、そこに期待をいただいているというところが目に見えて、本当にありがたいですし、嬉しいなと思っています。

------ そもそもなぜペットの口腔ケアに注目されたのですか?

實廣氏: もともと化粧品メーカーにいた時にこのアイデアを思いつきました。はじめは化粧品で皮膚のアレルギー等を治せないかと思っていました。それが人用で「バリアジェルオイル」というものだったかと思うのですが、そういったアレルギーがある方向けの製品があり、人にも良いならワンちゃんにもいいんじゃないかなと思ってヒアリングを開始しました。

ただ、獣医さんなどに聞いてみると、シャンプーなどの化粧品であまり効果があった話はないことが分かり、なかなかちょっとそれだと難しいですし、他にも似たような製品がすでに市場にあったということもありピボットしました。

その際、飼い主さんにヒアリングする中で、皮膚のお悩みもたくさんありましたが、皮膚のお悩み以外には「歯磨きができないんだよね」っていうお話を伺う事が多く、それを解決するには?というところで考えて現在の口腔ケアに至りました。

------ 副業起業すると決意されたきっかけはどんなものでしたか。

實廣氏: 本業の社内の中のビジネスコンテストがあり、実は二回応募してるんですよ。一年に一回あるので、二年間同じような企画で応募してるんですけど、そこで落選したっていうのが一番のきっかけですね。

途中で落選したということは、あまり経営層の中でもやる意義を感じていただけなかったのだと思いました。また、よくよく考えたら市場規模から考えて、売上も10億とかそこまで大きな規模になるようなビジネスではないというのは分かっていたので、大企業の中でやるビジネスではないなというところは思ってたんです。

ただヒアリングや調査をする中でペットの歯のお困りごとはとてもたくさんありまして、ソリューションとして私たちの考えているものが有効かもしれないということは、半ば確証を得ていました。しかもあまり研究コストはかからないところだったので、個人でできるようだったら個人でやってみようかなと思い、最初は個人の趣味の範疇としてその研究を進めていました。そういったことをしている中で大学との共同研究が必要になるかもというタイミングがあり、その時に法人登記したという流れです。

200名の飼い主の声から生まれた「9割成功」の検査キット

------ 200名以上の飼い主さんとお話された中で見えたことはどのような事ですか。

實廣氏: 結構皆さん悩み事が同じで、何パターンかに分類できると気づきました。デンタルケアができないっていうことを結構皆さんおっしゃるんですけれども、そこはもちろん大事な課題ではありますが、そこじゃなくて、歯周病のリスクや早期発見ができずに気づかないうちに見逃してるという事が起きていました。

あまりデンタルケアもせずに過ごしてしまい、予防もできてないことがよくあるんです。そういった原因から重度の歯周病のワンちゃん猫ちゃんが生まれていくという構造が分かったのが一番大きいかなと思います。

いくつかのアプローチがある中で、私たちが開発したキットを使ってお口の健康度合いを測定していただくことで、ペットの口腔内の衛生状態がどの程度悪化しているかを飼い主さんに実際に認識していただけます。実際に70名以上の飼い主さんにキットを使用していただいた結果、口腔内の状態を数値で確認することで飼い主さんの行動に変化が見られることが分かりました。この経験から、このキットは予防の分野で有効活用できる可能性があるとが考えました。​​​​​​​​​​​​​​​​

------ 予防ももちろんですけど、早期発見もペットのお口の病気に関して何か重要なポイントだったりするのですか?

實廣氏: そうですね。早めに、かつ適切に対処すれば治すことができます。ただし重症になってしまう場合、例えば歯石がびっしり付いて悪くなった歯は抜くしか対処方法がないのです。ですので、本当に悪い状態になる前に対処していれば、重症化は避けられたはずという意味で、早期発見は非常に大事なのです。

------ どれぐらいの頻度で使うのがベストですか?

實廣氏: 今は月一回を想定しています。こちらとしても毎月お送りするとなるとお互いコストがかかるので、まとめてお送りして一ヶ月ごとに使ってもらうというのが一番いいかなと思います。

------ 特許出願されている技術もおありだということで、おすすめのポイントを教えてください。

實廣氏: 一番は、飼い主様にとってもペットにとっても、使いやすいところですね。今すでに競合品があるのですが、競合品自体はコロナの検査のように綿棒で歯垢を取り郵送検査するというものでしたり、動物病院で売られている試験紙型のキットも、同じように口を開けて歯茎のねばねばの歯垢を採取し色が変わるのを見るというものです。

どちらもお口を開けて歯垢を取らなければいけないので結構ワンちゃん嫌がってしまうのですが、私たちのキットは唾液を使って検査できるものなので、どんなものからも取れたり…例えばペット用のデンタルガムを噛んでもらってそこに付いた唾液でも検査できるので、かなりワンちゃんが受け入れやすいというのが分かっています。

具体的に数値で言うと、先程お話しした競合のキットは2割程度の飼い主さんしか正しく実施できないのですが、同じわんちゃん、猫ちゃんに使って頂いた場合、私たちのキットは9割以上が正しく検査できたという結果が出ていて、かなり使いやすいものになってるというのがお分かりいただけるかと思います。

------ ここは實廣さんのこだわりで実現してきた部分なんでしょうか?

實廣氏: そうですね。かなりの回数ペットを

飼われている友人に使って頂いて、フィードバック頂き仕様を変えてきたので、そこはとてもこだわったところかなと思います。

------ この事業を通して、最終的にどんな世界を実現したいですか?

實廣氏:  日本国内で飼われているペット(犬猫)が約1,600万頭いるのですが、そのうちの約1,100万頭が、すでに軽度~重度の歯周病にかかっていると言われています。

その中でも、現在軽度から中程度、リスクが低めの子を重症化させないというのがミッションとしてあります。重度の歯周病になる子を一頭でも減らす、限りなくゼロに近づけたいというのが私が実現したいことです。

AI技術との出会いが実現した色判定の自動化

------ 實廣さんタイムウェル社のテクニカルアントレプレナー育成プログラム「WARP」にご参加いただいておりますが、そもそもWARPは何で知られたのですか。

實廣氏: 確か濱本さんのFacebook投稿だったような気がしますね。

------ 実際に参加してみて、實廣さんの中で起きた一番大きな変化は何でしたか?

實廣氏: 思い描いていたお口の健康チェックキットは、試験紙に唾液をつけると色が変わるというものだったんですよね。その色がカラーチャートのどこになるか、例えば白から濃い紫に変わるっていう中でどこに当てはまるかというので歯周病のリスクレベルを判断する想定でいたのですが、その色分析を自動化をしたかったのです。

それで、そういったことがAIで作れないかなというアイディアを持っていました。WARPのプログラムでAWSの方に相談した際にAIでできることがわかり、それで最終的にはやろうかなと背中を押されたのです。その相談がなければ実現できなかったので、大変ありがたいなと思っています。

------ 他にWARPの良かったところはありますか。

實廣氏: 講師の方がTIMEWELLの方で、30分〜1時間メンタリングなどやっていただけるんですよね。毎回課題が出されて、わからない点を講師の方に聞いたりできましたし、あとはAWSの方との壁打ち相談があり、その時に実現したい構想を相談したら実現方法を一緒に考えてくださってその場で答えが出たりしたので、そういったテクノロジー面での疑問の解決スピードが早いのも良かったですね。

挫折を乗り越えて ― 「諦めない」と「見極める」のバランス

------ 最後に、挑戦している方にメッセージをいただけたらなと思います!

實廣氏: まず挫折の話をするのですが、私もお口の健康チェックキットの開発で結構ダメかもしれないと思う時期がありました。一旦止まったというか、開発を中止したことがあったのです。むしろそこで一旦頭を冷やして止まれたのが逆に良かったなと今振り返って感じています。

やめようかと本気で悩んだ時に、改めてやっぱりこれは大事なことなのだから、手法を変えて取り組んでみようと考え直して今に至ります。

もし一回ちょっとダメかもなと心が折れたとしても、諦めなければ道が見つかる時もあるので、取り組み続けていれば、本当にやりたいことならずっと続けていけるんですよね。

ただその反面、「ここまでやってダメだったら諦めよう」みたいな線引きも設定しておくのも大事かなと思います。

ちょっと矛盾したことを言っているみたいですが(笑)、でもそういうところも考えとくのは大事かなと思うので、ゴールに向かうには様々なルートがあるので、自分のやりたいことを常に見つけて続けてみるのはどうですか?と思います!

------ ちなみにちょっと興味があるのですが、ダメかもしれないなって思った時にどうやって乗り越えられたのですか。

實廣氏: そうですね。その時は、今のキットを開発するっていうのは大事なことだなというのは分かってたので、どういうふうにやればできるかなと考えたんですよね。いくつかの道が全てNO GOの判断で塞がった時に、選択肢を途中で足して可能性が広げられたという感じです。

そこが見えてきて、今まではパターン①の道で行ったけど、新たなパターン②の道でやってみようかなと思えたのが立ち直れたきっかけでした。

そんなふうに、ゴールに向けて活動し続けるというのは、一つの道を諦めたとしても、たどり着く道が新たに見えてくるという事なのだと思います!

まとめ

 大企業でお仕事をしながらも、ペットの健康という社会課題に真摯に向き合い、副業として事業を立ち上げた實廣氏。200名を超える飼い主へのヒアリングから見えてきた課題を、特許出願技術を活用した使いやすいキットで解決しようとする姿勢は、まさに現代の起業家精神を体現されていました。

特に印象的だったのは、一度は開発を中止するほどの挫折を経験しながらも、「大事なことだから」という信念のもと、異なるアプローチで再挑戦した点です。WARPでの学びを通じてAI技術の活用という新たな可能性を見出し、事業をさらに前進させているところも素敵だと思いました。

「本当にやりたいことなら取り組み続けてほしい。でも、諦めるラインも設定しておくことが大事。」という實廣氏のメッセージは、挑戦者にとって現実的でありながらも希望に満ちたものだと思います。ペットの歯周病という身近な課題から始まった挑戦が、多くの愛犬家・愛猫家の願いを叶えていく、そんな實廣さんのご活躍が見えたインタビューでした。

WARPプログラム参加ご希望者向けウエイティングリストの登録・詳細はこちら

この記事が参考になったらシェア

シェア

AIコンサルについてもっと詳しく

AIコンサルの機能や導入事例について、詳しくご紹介しています。