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Claude Code「Agent Teams」完全ガイド:AIエージェント同士が対話し、品質を高め合う新時代の協働とは

2026-02-08濱本隆太
Claude CodeAgent TeamsAIエージェントマルチエージェントAnthropicチーム協働

Claude Codeの新機能「Agent Teams」の仕組み・セットアップ方法・活用パターンを徹底解説。サブエージェントとの違い、品質がどう変わるのか、実践的な注意点まで網羅した完全ガイドです。

Claude Code「Agent Teams」完全ガイド:AIエージェント同士が対話し、品質を高め合う新時代の協働とは
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Claude Code「Agent Teams」完全ガイド:AIエージェント同士が対話し、品質を高め合う新時代の協働とは

株式会社TIMEWELLの濱本です。

2026年2月5日、AnthropicがClaude Opus 4.6と同時にリリースした「Agent Teams」は、Claude Codeの使い方を根本から変える可能性を秘めた新機能です。これまでAIエージェントは「1体で1タスク」が基本でしたが、Agent Teamsでは複数のClaudeセッションがチームとして協働し、互いに対話しながら仕事を進めます。

私自身、この機能を触ってまず驚いたのは「AIエージェント同士が議論している」という光景でした。調査担当が集めたデータに対して、分析担当が「この数値の前提条件は何ですか?」と問いかけ、レビュー担当が「その仮定は楽観的すぎませんか?」と指摘する。人間のチームミーティングとほぼ同じことが、AIの世界で起きていたのです。

本記事では、Agent Teamsの仕組みからセットアップ方法、実践的な活用パターン、そして最も重要な「品質がどう変わるのか」まで、徹底的に解説します。


この記事でわかること

  • Agent Teamsの基本概念と従来のサブエージェントとの本質的な違い
  • ゼロからのセットアップ手順(非エンジニアでも再現可能)
  • 品質を劇的に高める「相互レビュー」の仕組み
  • 実践で使える5つのオーケストレーションパターン
  • コストや制約を含む現実的な注意点

1. Agent Teamsとは何か? ── 「使い捨て」から「チーム」へ

基本構造

Agent Teamsは、Claude Code内で複数のClaudeインスタンスをチームとして並列に協調させる仕組みです。構成要素は4つあります。

構成要素 役割
チームリード メインのClaudeセッション。チームの作成、メンバーの管理、全体の指揮を担当
チームメイト 個別のタスクを担当する独立したClaudeインスタンス。それぞれが専門的な役割を持つ
タスクリスト チーム全体で共有される作業リスト。メンバーが自律的にタスクを取得・完了する
メールボックス エージェント間のメッセージングシステム。個別連絡と全体通知の2種類がある

従来のサブエージェント(Task Tool)との本質的な違い

Agent Teamsを理解するには、既存の「サブエージェント」との違いを知ることが不可欠です。

比較項目 サブエージェント(従来) Agent Teams(新機能)
寿命 タスク完了で消滅(使い捨て) 明示的にシャットダウンするまで存続
コミュニケーション メインエージェントにのみ報告 メンバー同士が直接対話可能
コーディネーション メインが全てを管理 共有タスクリストで自律的に分業
コンテキスト保持 タスクごとにリセット セッション中は文脈を維持
修正指示 ゼロから再起動が必要 そのまま修正依頼が可能
最適な用途 結果だけが重要な集中タスク 議論・レビュー・反復的な改善

ポイントは**「修正指示がそのまま通る」**という点です。従来のサブエージェントは、タスクが終わったら文字通り「消えて」しまうため、「ここ直して」と言いたくても、新しいエージェントを起動して一から説明し直す必要がありました。Agent Teamsでは、同じメンバーにそのまま修正を依頼できます。この差は、品質を追求する作業において非常に大きな意味を持ちます。


2. セットアップ手順 ── 10分で始めるAgent Teams

Agent TeamsはResearch Preview(実験段階) の機能で、デフォルトでは無効です。以下の手順で有効化できます。

ステップ1:tmuxのインストール(推奨)

Agent Teamsは各チームメイトに個別のターミナルペインを割り当てることができます。この分割表示にはtmuxが必要です。

# macOSの場合
brew install tmux

# インストール確認
tmux -V

ステップ2:設定ファイルの編集

~/.claude/settings.json(グローバル設定)に以下を追加します。

{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS": "1"
  },
  "teammateMode": "tmux"
}

表示モードの選択肢は3つあります。

モード 説明 要件
"auto"(デフォルト) tmux内ならペイン分割、それ以外はインプロセス なし
"in-process" 全メンバーがメインターミナル内で動作 なし
"tmux" 各メンバーに専用のtmuxペインを割り当て tmuxが必要

注意: VS Codeの統合ターミナルやWindows Terminal、Ghosttyでは分割ペインが正しく表示されません。tmuxを使う場合は、macOSのターミナルやiTerm2で起動してください。

ステップ3:tmuxセッションを作成してClaude Codeを起動

# プロジェクトディレクトリに移動
cd your-project

# tmuxセッションを作成
tmux new -s my-team

# Claude Codeを起動
claude

ステップ4:チームを起動するプロンプトを入力

エージェントチームを3人作成してください。
- researcher:市場調査担当
- analyst:データ分析担当
- reviewer:品質レビュー担当

docs/analysis.md に市場分析レポートを作成してください。

これだけで、Claude Codeがチームリードとなり、3人のチームメイトを起動して並列作業を開始します。最初はリードが一人で思考を整理しますが、途中からtmuxのペインが分割され、複数のエージェントが同時に作業を始める様子が確認できます。


3. 品質はどう変わるのか ── Agent Teamsの最大の価値

Agent Teamsの真価は「並列で速くなる」ことではありません。エージェント同士の対話によって、アウトプットの品質が上がることです。

3-1. 「相互レビュー」が品質を高めるメカニズム

従来、一つのAIに「自分の回答を批判的に見直して」と指示しても、自分自身にバイアスがかかっているため、根本的な前提の見直しは起きにくい構造がありました。

Agent Teamsでは、完全に独立したコンテキストを持つ別のClaudeインスタンスがレビューを行います。これにより、以下が実現します。

  • 前提条件の検証:分析者が「当然」と思った仮定に対して、レビュー担当が「その根拠は?」と問い返す
  • 独自調査による裏付け:レビュー担当が自らWeb検索を行い、業界ベンチマークや競合データを引っ張ってきて検証する
  • 修正サイクルの自動化:指摘 → 修正 → 再レビューのループが、人間の介入なしに回り続ける

ある実践例では、財務分析を担当したエージェントが「粗利率15%」を前提に試算したところ、レビュー担当が「この仮定は実績値と乖離する可能性がある」「リピート率の目標値は業界ベンチマークに照らして楽観的」と指摘を出しました。しかも、自分でWeb検索して業界データを取得した上での指摘です。結果として、保守シナリオの追加や前提条件の明記といった改善が加わり、分析の信頼性が格段に向上しました。

3-2. 「CONDITIONAL-GO」── 段階的な品質ゲート

Agent Teamsでは、レビュー担当が以下のような段階的な判定を出すパターンが自然に生まれます。

判定 意味
GO 問題なし、そのまま進行
CONDITIONAL-GO 条件付き承認。Must Fix(必須修正)項目をクリアすれば承認
NO-GO 根本的な問題あり。アプローチの再検討が必要

この仕組みが強力なのは、レビュー担当が直接修正担当にフィードバックを送れる点です。従来なら人間が仲介する必要があった「指摘 → 修正 → 再レビュー」のループが、エージェント同士で自律的に回ります。

3-3. 品質向上の3つのパターン

実践を通じて見えてきた、品質が上がる典型的なパターンを整理します。

パターン1:競合仮説の検証 複数のエージェントが異なる仮説を立て、互いの仮説を検証・反証する。科学的ディベートのような形式で、最も説得力のある結論に収束していく。

パターン2:専門分業によるレイヤードレビュー セキュリティ、パフォーマンス、テストカバレッジなど、異なる専門視点を持つエージェントがそれぞれの観点でレビューする。一人では見落とす盲点をカバーできる。

パターン3:パイプライン型の段階的品質向上 調査 → 分析 → 戦略立案 → レビューと、各段階で前工程のアウトプットを次工程が検証・発展させる。タスクの依存関係を設定することで、自然な順序制御が実現する。


4. メッセージングの仕組み ── write と broadcast

チームメイト間のコミュニケーションは2種類あります。

write(個別メッセージ)

特定のチームメイトに直接メッセージを送る方法です。「researcherが集めたデータをanalystに渡す」といった1対1のやり取りに使います。

broadcast(全体通知)

全チームメイトに同時にメッセージを送る方法です。ただし、チームメンバーの人数分だけトークンコストが発生するため、使用は慎重に。重大な方針変更や緊急の問題発見時など、全員が即座に知るべき情報に限定することをお勧めします。

メッセージタイプ

システムが内部的に使うメッセージタイプも複数あります。

メッセージタイプ 用途
通常テキスト エージェント同士の一般的な対話
shutdown_request リーダーがメンバーに終了を要請
idle_notification メンバーが作業完了を通知
task_completed タスク完了通知
plan_approval_request 計画モードのメンバーが承認を要請

5. 実践的な活用パターン5選

パターン1:パラレル専門家レビュー

エージェントチームを3人作成してPR #142をレビューしてください。
- セキュリティ観点のレビュー担当
- パフォーマンス影響の確認担当
- テストカバレッジの検証担当
それぞれの観点で問題を洗い出してください。

パターン2:調査 → 分析パイプライン

エージェントチームを作成して市場分析を実施してください。
1. researcher:まず業界データを収集
2. analyst:researcherのデータを基に定量分析
3. strategist:分析結果から戦略オプションを設計
4. red-team:全体を批判的にレビュー
依存関係を設定し、順番に進めてください。

パターン3:競合仮説デバッグ

ユーザーからWebSocket接続が1メッセージで切断される報告があります。
5人のエージェントチームを作成し、それぞれ異なる仮説で調査してください。
互いの仮説を検証・反証し、最も有力な原因を特定してください。

パターン4:プラン承認型リファクタリング

チームメイトに「計画モード」を要求できます。実装前にリーダーの承認を必須にすることで、意図しない変更を防げます。

認証モジュールをリファクタリングするチームを作成してください。
各メンバーは必ず計画を提出し、承認を得てから実装に入ること。

パターン5:新規プロダクト企画

エージェントチームを3人作成して開始してください。
新規プロダクト企画書を docs/product-plan.md に作成してください。
不足条件は仮定で進め、仮定は先頭に明記してください。
5分ごとに進捗共有し、30分で1案に統合してください。

6. 知っておくべき注意点と制約

Agent TeamsはまだResearch Previewです。実運用に入る前に、以下の制約を理解しておく必要があります。

コスト面

各チームメイトは独立したClaudeインスタンスです。チーム人数に比例してAPIコストが増加します。Anthropicが社内テストとして16並列のClaudeで大規模プロジェクトを実行した際、APIコストは約$20,000に達したという報告もあります。まずは2〜3人の小規模チームから始めることを推奨します。

ファイル競合

同じファイルを複数のチームメイトが同時に編集すると、上書きが発生する可能性があります。 タスクを設計する際は、各メンバーが担当するファイルを明確に分けることが重要です。人間のチーム開発でブランチを分けるのと同じ考え方です。

技術的な制約

制約 内容
セッション復元不可 /resume/rewindでチームメイトは復元されない
チームのネスト不可 チームメイトがさらにサブチームを作ることはできない
リーダー固定 チームリーダーの交代はできない
1セッション1チーム 同時に複数のチームは管理できない
ハートビート 5分間応答がないメンバーは自動的に非アクティブになる

使い分けの判断基準

Agent Teamsは万能ではありません。以下の基準で従来のサブエージェントと使い分けてください。

Agent Teamsが向いているケース:

  • メンバー間の議論・レビューが必要な作業
  • 複数の視点からの検証が品質に直結する作業
  • 「指摘 → 修正 → 再レビュー」のサイクルが想定される作業

従来のサブエージェントが向いているケース:

  • 結果だけが重要で、議論が不要な集中タスク
  • 同一ファイルの編集が多い作業(競合リスクが高い)
  • トークンコストを抑えたい場合

7. キーボードショートカット

Agent Teamsを操作する際に知っておくと便利なショートカットです。

ショートカット 動作
Shift+↑/↓ チームメイトを選択(インプロセスモード)
Enter 選択したチームメイトのセッションを表示
Escape チームメイトの現在のターンを中断
Ctrl+T タスクリストの表示/非表示を切り替え
Shift+Tab デリゲートモードに切り替え(リーダーが自分で実装しないよう制限)

8. 企業利用における課題と展望

Agent Teamsは非常に強力ですが、企業で本格的に活用するには考慮すべき点があります。

セキュリティとガバナンス:チームメイトはリーダーの権限設定を継承します。つまり、リーダーがファイル操作の権限を持っていれば、全てのチームメイトも同じ権限を持ちます。機密情報を扱うプロジェクトでは、権限の範囲を慎重に設定する必要があります。

品質管理のフック:Agent TeamsにはTeammateIdleTaskCompletedという2つのフックイベントが用意されています。これらを活用すれば、タスク完了時に自動テストを実行する、品質基準を満たさないアウトプットを差し戻す、といったカスタムの品質ゲートを構築できます。

コスト管理:各チームメイトに使用するモデルを指定できます(Opus / Sonnet / Haiku)。レビュー担当にはOpus、調査担当にはSonnetなど、タスクの重要度に応じてモデルを使い分けることで、コストを最適化できます。

こうした企業レベルでのAIエージェント運用を安全かつ効率的に行うために、私たちTIMEWELLではZEROCKを提供しています。ZEROCKは、GraphRAGによるナレッジコントロール、AWS国内サーバーでのデータ管理、プロンプトライブラリなど、エンタープライズAIの基盤として必要な機能を備えたプラットフォームです。Agent Teamsのような先端技術を業務に取り入れる際の「安全な土台」として、ぜひご検討ください。


まとめ

Agent Teamsがもたらす最大の変化は、AIの品質管理がAI自身によって行われるようになることです。

  • 相互レビュー:独立したコンテキストを持つエージェントが互いの前提を検証する
  • 修正サイクルの自動化:「指摘 → 修正 → 再レビュー」が人間の介入なしに回る
  • 段階的な品質ゲート:GO / CONDITIONAL-GO / NO-GOの判定が自然に生まれる
  • 競合仮説の検証:複数の視点から最も説得力のある結論に収束する

人間の役割は「作業者」から「最終判断者」へとシフトします。AIチームが分析と品質管理を担い、人間はAIが出した選択肢から意思決定をする。この役割分担は、Agent Teamsの登場によって、いよいよ現実的なものになりました。

まだResearch Previewの段階ではありますが、方向性は明確です。AIエージェントが1体で働く時代から、AIエージェントがチームとして協働する時代へ。まずは小さなタスクから試してみて、その「品質の違い」を体感してみてください。

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