この記事のポイント
- gogとは: Gmail、カレンダー、ドライブ、スプレッドシートなど、ほぼ全てのGoogle Workspaceサービスを統一的に操作できるコマンドラインツール
- 革新性: JSON出力によりAIエージェントとの連携が容易で、高度な業務自動化を実現
- セキュリティ: OAuth 2.0採用、OSの暗号化ストレージを活用した堅牢な認証設計
- 実用性: マルチアカウント対応、統一されたコマンド体系で学習コストを大幅削減
- 未来: 自然言語でAIに指示を出すだけでGoogle Workspace上のタスクを自動実行する時代へ
こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。皆さんは日々の業務でGoogle Workspaceをどのようにお使いでしょうか?Gmailでのコミュニケーション、Googleカレンダーでのスケジュール調整、Google Driveでの資料共有など、今やビジネスに不可欠なツール群です。しかし、これらのサービスを横断して、もっと効率的に、もっと自動化できたら、と思ったことはありませんか?
本日ご紹介するのは、そんな願いを現実にする可能性を秘めた、まさに革命的なツール「gog (gogcli)」です。2026年1月頃に登場して以来、感度の高い開発者やITプロフェッショナルの間で急速に注目を集めているこのツールは、あなたのGoogle Workspace体験を根底から覆すかもしれません。
gogとは何か?Google Workspaceのための「万能ナイフ」
gogとは、一言で言えば「Google Workspaceをターミナル(CUI)から統一的に操作するためのコマンドラインインターフェース(CLI)ツール」です。オーストリアの著名な開発者Peter Steinberger氏によって開発され、MITライセンスのオープンソースソフトウェアとして公開されています。
gog unifies Gmail, Calendar, Drive, Contacts, Tasks, Sheets, Docs, Slides, and People under one CLI — with JSON output and sane defaults.
(gogは、Gmail、カレンダー、ドライブ、連絡先、タスク、スプレッドシート、ドキュメント、スライド、そしてPeopleを、JSON出力と気の利いたデフォルト設定を備えた単一のCLIの下に統合します。)
これまでも、gcalcliのように特定のGoogleサービスを操作するCLIツールは存在しました。しかし、gogの革新性は、ほぼ全てのGoogle Workspaceサービスを、単一のツール、統一されたコマンド体系で操作できる点にあります。これは単なるツールの集合体ではなく、Google Workspaceという広大なデジタル空間を自在に操るための、いわば「万能ナイフ」を手に入れるようなものです。
gog対応サービスと主な操作
| 対応サービス | 主な操作 |
|---|---|
| Gmail | メールの検索、送信、ラベル管理、フィルタ設定、下書き操作 |
| Calendar | 予定のリスト化、作成、更新、招待への返信、空き時間確認 |
| Drive | ファイルの検索、アップロード・ダウンロード、権限管理、形式変換 |
| Sheets/Docs/Slides | スプレッドシートの読み書き、各種ドキュメントのエクスポート |
| Contacts/People | 個人連絡先、Workspaceディレクトリの検索・管理 |
| Tasks | タスクリストとタスクのCRUD(作成、読み取り、更新、削除)操作 |
なぜgogは革命的なのか?4つの核心的特徴
gogが単なる便利なツールに留まらない理由は、その設計思想にあります。ここでは、gogを真に革命的な存在たらしめている4つの特徴を深掘りします。
1. JSON-first設計:自動化とAI連携への扉
gogの最大の特徴は、すべてのコマンドが--jsonフラグをサポートし、構造化されたJSON形式で結果を出力できることです。これは、ターミナル上で人間が結果を視認するためだけでなく、機械(スクリプトや他のプログラム)が結果を容易に解釈し、再利用できることを意味します。この設計思想こそが、gogを高度な自動化や、後述するAIエージェントとの連携を実現するための鍵となっています。
2. 統一された操作性:学習コストの劇的な削減
サービスごとに異なるコマンドや作法を覚える必要はもうありません。gogはgog <サービス名> <操作>という一貫したコマンド体系を提供します。これにより、一度gogの基本的な使い方を覚えれば、GmailからDrive、Calendarまで、直感的に操作を拡張していくことが可能です。この学習コストの低さは、多忙なプロフェッショナルにとって計り知れない価値を持ちます。
3. 堅牢なセキュリティ:エンタープライズ利用にも耐えうる設計
gogは、Googleの標準的な認証プロトコルであるOAuth 2.0を採用しています。ユーザーの認証情報は、macOSの「キーチェーン」やLinuxの「Secret Service」といったOS標準のセキュアなストレージに暗号化されて保存され、平文でどこかに残ることはありません。また、認証時に要求する権限(スコープ)をサービスごとに最小限に留める設計になっており、セキュリティを重視する企業環境でも安心して導入を検討できます。
4. シームレスなマルチアカウント対応
多くのビジネスパーソンが、仕事用のGoogle Workspaceアカウントと個人用のGmailアカウントを併用しています。gogは、このマルチアカウント環境を完璧にサポートします。簡単なコマンドでアカウントを切り替えたり、エイリアスを設定して「work」「private」といった分かりやすい名前で管理したりできます。これにより、コンテキストの切り替えに伴うストレスから解放されます。
実践!gog導入ガイド
gogの導入は驚くほど簡単です。ここではmacOSのHomebrewを使ったインストールと、初期設定の要点を紹介します。
インストール
ターミナルで以下のコマンドを実行するだけです。
brew install steipete/tap/gogcli
OAuth認証設定(初回のみ)
gogを利用するには、Google Cloud Platform (GCP) で「OAuthクライアントID」を取得し、gogに登録する必要があります。ここが唯一のハードルかもしれませんが、一度設定すれば後は快適なgogライフが待っています。
手順概要:
- GCPでプロジェクトを作成し、利用したいサービスのAPI(Gmail API, Google Calendar APIなど)を有効化
- OAuth同意画面を設定し、アプリケーションの種類で「デスクトップアプリ」を選択して「OAuthクライアントID」を作成
client_secret_....jsonというファイルがダウンロードされる- gogに認証情報を登録
# ダウンロードしたJSONファイルを登録
gog auth credentials ~/Downloads/client_secret_....json
# ブラウザが起動し、アカウント認証を行う
gog auth add your-email@gmail.com
gogで実現する未来のワークフロー
gogの真価は、日々の業務をどのように変革できるかにあります。具体的なコマンド例と共に、その可能性を見ていきましょう。
サービス別活用シナリオ
Gmail: 特定の条件に合致するメールを瞬時に検索
gog gmail search 'is:unread newer_than:7d from:boss@company.com'
jqと組み合わせれば、未読メールの件名だけを抽出して一覧化することも朝飯前です。
Calendar: 今日の予定確認と新規予定の登録
# 今日の予定を確認
gog calendar events --today
# 瞬時に予定を登録
gog calendar create --summary "開発定例" --start "tomorrow 14:00" --duration 1h
Drive: ファイル検索とエクスポート
# 必要なファイルを一発検索
gog drive search "name contains '月次報告書'"
# GoogleドキュメントをPDFとしてダウンロード
gog drive export <fileId> --format pdf
サービス間連携による相乗効果
gogの魔法は、これらの操作を組み合わせることでさらに強力になります。例えば、以下のような高度な自動化スクリプトを組むことが可能です。
「特定のキーワード(例:'請求書')を含む未読メールを毎時チェックし、件名と送信者をSlackに通知。同時に、そのメールに『要対応』ラベルを付け、自分のGoogle Tasksに『請求書処理』というタスクを自動で追加する」
このようなワークフローを一度構築すれば、面倒な定型業務から解放され、より創造的な仕事に集中できるようになります。
AIと共に働く新時代へ - gogとAIエージェントの融合
そして、gogが切り拓く未来の最もエキサイティングな側面が、AIエージェントとの連携です。
gogのJSON-first設計は、AIがその出力を理解し、次のアクションを決定するのに最適です。現在、Claude CodeやMoltbotといったAIエージェントがgogを「手足」として利用する動きが活発化しています。これは、私たちがAIに対して自然言語で指示を出すだけで、AIが自律的にgogコマンドを組み立てて実行し、Google Workspace上でタスクを遂行してくれる未来を意味します。
想像してみてください。
あなたがAIアシスタントにこう話しかけます。「来週、Aさんとプロジェクトの進捗会議を設定したい。関係者全員が参加できる1時間の枠を探して、Google Meetのリンク付きで招待を送って。あと、前回の議事録をDriveから探して添付しておいて。」
AIはあなたの指示を解釈し、gog calendar eventsで全員の空き時間を照会し、gog drive searchで議事録を探し出し、そしてgog calendar createで参加者、Meetリンク、添付ファイル付きの招待を作成・送信します。あなたはただ、結果を待つだけです。
これはもはやSFの世界ではありません。gogの登場により、このようなインテリジェントな業務自動化が、現実的な選択肢として私たちの目の前に現れたのです。
「ツールを知っている」と「使いこなせる」の差を埋める
gogのようなツールが登場し、AIエージェントとの連携が現実になりつつある今、多くの方が「すごいツールがあるのは分かるけど、実際にどう活用すればいいのか分からない」「自社の業務にどう適用すればいいのか見当がつかない」という状況ではないでしょうか。
これは、まさにTIMEWELLがWARPプログラムで解決しようとしている課題です。
WARPは、最新のAIツールや技術を単に紹介するだけでなく、御社の具体的な業務課題に対してどう適用すべきかを、元大手企業のDX戦略・データ活用専門家が伴走しながら設計します。gogとAIエージェントを組み合わせた業務自動化、社内ナレッジのAI活用、データ分析基盤の構築まで、「知っている」を「できる」に変えるための実践的なサポートを提供しています。
「AI活用を進めたいが、どこから手をつければいいか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:今すぐgogで未来を体験しよう
gogは、単なるCLIツールという枠を超え、Google Workspaceの利用体験を根本から変革し、AIとの協業を加速させるプラットフォームとしての可能性を秘めています。
ポイントおさらい
- 統一された操作性: 9つ以上のGoogleサービスを単一のコマンド体系で操作
- JSON-first設計: AIエージェントとの連携、高度な自動化に最適
- 堅牢なセキュリティ: OAuth 2.0、OS暗号化ストレージ活用で企業利用も安心
- マルチアカウント対応: 仕事用と個人用の切り替えがストレスフリー
- AIとの融合: 自然言語での指示だけでGoogle Workspace上のタスクを自動実行する時代へ
確かに、初回のOAuth設定には少し手間がかかるかもしれません。しかし、その小さな投資は、その後の業務効率の飛躍的な向上によって、何倍にもなって返ってくるはずです。gogがもたらすのは、時間という最も貴重な資源の創出に他なりません。
ターミナルを開き、コマンドを一つ打ち込むだけで、あなたの働き方の未来が、今日、ここから始まります。