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AI時代の情報共有:属人化を防ぐナレッジ蓄積戦略

2026-01-18濱本
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AI時代における情報共有のあり方を考察し、属人化を防ぐナレッジ蓄積戦略を解説します。

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AI時代の情報共有:属人化を防ぐナレッジ蓄積戦略

はじめに:「あの人がいないと回らない」問題

「〇〇さんがいないと、この業務は回らない」という状況は、多くの組織で見られます。特定の社員に知識やノウハウが集中し、その人がいなければ業務が滞ってしまう。これが「属人化」の問題です。

属人化は、短期的には効率的に見えることもあります。〇〇さんに聞けばすぐ解決する、〇〇さんに任せておけば安心。しかし、〇〇さんが休暇を取ったとき、病気で欠勤したとき、そして退職したとき、組織は大きなダメージを受けることになります。

私たちTIMEWELLでは、多くの企業から「属人化を解消したい」という相談を受けてきました。そして、ZEROCKを通じて、その解決を支援してきました。本記事では、AI時代における属人化解消の戦略をお伝えします。

属人化が起きる構造的要因

暗黙知の存在

属人化の最大の要因は、知識が「暗黙知」として個人の中に留まっていることです。長年の経験から培われたノウハウ、「カンと経験」による判断、「こうすればうまくいく」という勘所。これらは言語化されにくく、共有されにくい性質を持っています。

ベテラン社員ほど暗黙知を多く持っており、その知識への依存度が高まります。しかし、本人も自分が何を知っているのかを明確に認識していないことが多く、引き継ぎが困難になります。

知識共有のインセンティブ不足

もう一つの要因は、知識を共有するインセンティブが働きにくいことです。自分だけが知っている情報は、ある種の「権力」になります。「〇〇さんに聞かないとわからない」という状況は、〇〇さんの存在価値を高めます。

また、知識を文書化する作業は手間がかかり、日常業務に追われている中では後回しにされがちです。結果として、知識は個人の中に蓄積され続けます。

共有の仕組みの不備

知識を共有しようとしても、適切な仕組みがなければうまくいきません。社内Wikiを立ち上げても更新されない、ファイルサーバーに資料を置いても見つけられない。こうした「仕組みの不備」が、属人化を助長しています。

AI時代の新しいアプローチ

業務の過程で自然と蓄積

従来の知識共有は、「わざわざ文書化する」という追加作業が必要でした。しかし、AI時代には新しいアプローチが可能になっています。それは、業務の過程で自然と知識が蓄積される仕組みです。

ZEROCKの「AIナレッジ」機能では、チャットでの質問と回答、リサーチ結果、業務の中での発見などを、ワンクリックでナレッジベースに保存できます。「文書を書く」という意識なく、日常業務の延長線上で知識が蓄積されていくのです。

暗黙知の抽出

AIを活用することで、暗黙知を抽出することも容易になっています。ベテラン社員がAIと対話する中で、その対話ログから知識を抽出し、ナレッジとして保存する。あるいは、ベテラン社員の業務プロセスをAIが観察し、パターンを抽出する。

こうした手法により、本人も意識していなかった暗黙知を形式知化することが可能になります。

知識の自動更新

蓄積された知識は、時間とともに陳腐化します。従来のナレッジマネジメントでは、定期的なレビューと更新が必要でしたが、この作業は負担が大きく、往々にして形骸化していました。

AIを活用することで、知識の自動更新も可能になります。新しい情報がナレッジベースに追加されると、AIが既存の知識との整合性をチェックし、矛盾があればアラートを上げる。あるいは、一定期間参照されていない知識を自動的に「要レビュー」としてフラグ付けする。こうした仕組みにより、知識の鮮度を維持できます。

属人化解消の実践ステップ

ステップ1:属人化の現状把握

まず、組織のどこに属人化が存在しているかを把握します。特定の業務を特定の人しかできない状況はないか、その人がいないと困る業務は何か。部門ごとにヒアリングを行い、属人化のマップを作成します。

ステップ2:優先順位の決定

すべての属人化を一度に解消することは困難です。影響度(その人がいなくなったときのダメージ)と緊急度(その人が離脱するリスクの高さ)をマトリクス化し、優先順位を決定します。

ステップ3:知識の抽出と蓄積

優先順位の高い領域から、知識の抽出と蓄積を進めます。ベテラン社員へのインタビュー、業務観察、ドキュメントレビューなどを通じて、暗黙知を形式知化し、ナレッジベースに蓄積します。

ZEROCKを活用する場合、この過程でAIとの対話を活用することで、効率的に知識を抽出できます。

ステップ4:検証と展開

蓄積した知識が実際に使えるものかを検証します。属人化していた業務を、ナレッジを参照しながら別の人が実行できるかをテストします。問題があれば、ナレッジを改善します。

ステップ5:継続的なメンテナンス

属人化解消は、一度やって終わりではありません。新しい業務が発生すれば新しい知識が必要になり、既存の知識も時間とともに更新が必要になります。継続的にナレッジをメンテナンスする体制を構築することが重要です。

成功のための組織的な取り組み

経営層のコミットメント

属人化解消は、組織文化の変革を伴う取り組みです。経営層が「知識を共有することが当たり前」というメッセージを発し続けることが、成功の鍵となります。

インセンティブ設計

知識共有にポジティブなインセンティブを設けることも効果的です。ナレッジへの貢献を評価項目に含める、優れたナレッジ貢献者を表彰するなどの取り組みにより、知識共有を促進できます。

心理的安全性の確保

「知識を共有したら自分の価値がなくなる」という不安を払拭することも重要です。知識を共有することで評価が上がる、より高度な仕事に挑戦できるようになるというメッセージを伝え、心理的安全性を確保します。

まとめ:知識は組織の資産である

属人化の解消は、単なる「リスク対策」ではありません。それは、個人の知識を組織の資産に変え、組織全体の能力を向上させる取り組みです。

AI時代には、従来は困難だった暗黙知の形式知化や、知識の自動更新が可能になっています。ZEROCKは、こうしたAI時代のナレッジマネジメントを支援するツールです。

属人化にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちTIMEWELLが、御社の知識資産の構築を支援いたします。

次回の記事では、RAG構築入門として、社内文書をAIに学習させる方法を解説します。

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