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【2026年版】輸出管理違反のペナルティ完全解説|刑事罰・行政制裁・倒産リスクを回避するために

2026-01-23

外為法違反の刑事罰(10年拘禁・10億円罰金)、行政制裁(3年輸出禁止・企業名公表)、レピュテーションリスク、倒産リスクを事例とともに解説。違反を防ぐための具体的な対策。

【2026年版】輸出管理違反のペナルティ完全解説|刑事罰・行政制裁・倒産リスクを回避するために
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【2026年版】輸出管理違反のペナルティ完全解説|刑事罰・行政制裁・倒産リスクを回避するために

株式会社TIMEWELLの濱本です。

「輸出管理なんて、うっかりミスでも大した問題にならないでしょ?」

そう思っている方に、厳しい現実をお伝えします。

外為法違反は、最大10年の拘禁刑法人には10億円以下の罰金という非常に重い罰則が科される可能性があります。さらに、行政制裁として3年間の輸出禁止企業名の公表が行われることもあります。

そして最も深刻なのは、罰則そのものよりも、社会的信用の失墜による取引先離れ、最悪の場合は倒産に至るリスクです。

本記事では、輸出管理違反のペナルティを網羅的に解説し、実際の違反事例から学ぶ教訓と、違反を防ぐための具体的な対策を紹介します。


要約(この記事でわかること)

  • 刑事罰:最大10年の拘禁、10億円の罰金(法人)、3,000万円(個人)
  • 行政制裁:3年以内の輸出禁止、警告・企業名公表、時効なし
  • 過失でも対象:「知らなかった」は通用しない
  • 社会的影響:レピュテーション損害、取引停止、株主訴訟
  • 倒産リスク:最悪の場合、経営存続が困難に

目次

  1. 外為法違反の罰則体系
  2. 刑事罰の詳細と適用条件
  3. 行政制裁の種類と影響
  4. レピュテーションリスクと経営への影響
  5. 実際の違反事例と処分内容
  6. 違反の主な原因と傾向
  7. 違反を防ぐための対策

外為法違反の罰則体系

外為法の罰則概要

外為法(外国為替及び外国貿易法)違反に対する罰則は、刑事罰行政制裁の2種類があります。

種類 内容 特徴
刑事罰 拘禁刑、罰金 故意の場合が主な対象
行政制裁 輸出禁止、警告等 過失でも対象、時効なし

なぜこれほど重い罰則なのか

輸出管理違反は、単なる「貿易上のルール違反」ではありません。

国家安全保障に関わる問題だからこそ、これほど重い罰則が設けられています。

懸念されるリスク 内容
大量破壊兵器の拡散 核兵器、化学兵器、生物兵器の開発支援
通常兵器の蓄積 紛争地域での武力増強
テロ支援 テロ組織への技術・物資供給
安全保障環境の悪化 国際秩序の不安定化

刑事罰の詳細と適用条件

刑事罰の内容

外為法違反に対する刑事罰は、以下の通りです。

対象 罰則
拘禁刑 10年以下
罰金(法人) 10億円以下、または違反貨物価格の5倍以下
罰金(個人) 3,000万円以下、または違反貨物価格の5倍以下

両罰規定

外為法には「両罰規定」があります。

規定 内容
両罰規定 違反行為者(従業員等)と法人の両方を処罰
法人の処罰 従業員が違反した場合、法人も罰金の対象

つまり、担当者個人だけでなく、会社も罰則の対象になります。

刑事罰の適用条件

刑事罰は主に「故意」の場合に適用されます。

条件
故意 規制を知りながら無許可輸出
重過失 確認すべきことを確認せず輸出

ただし、悪質な場合は経済産業省が刑事告発することがあります。

刑事罰の流れ

【違反発覚】
    ↓
【経産省の調査】
    ↓
【警察への情報提供または刑事告発】
    ↓
【警察の捜査・立件】
    ↓
【検察への送致】
    ↓
【起訴】
    ↓
【裁判】
    ↓
【判決(有罪の場合は拘禁刑・罰金)】

行政制裁の種類と影響

行政制裁の種類

行政制裁には、以下の種類があります。

制裁 内容
輸出禁止 3年以内の貨物輸出・技術提供の禁止
警告 違反企業への警告(原則公表)
経緯書・報告書の提出 違反の経緯と再発防止策の報告
包括許可の取消 簡易な許可制度の利用停止

行政制裁の特徴

行政制裁には、刑事罰と異なる重要な特徴があります。

特徴 内容
過失でも対象 うっかりミスでも制裁を受ける
時効がない 何年前の違反でも対象になりうる
不起訴でも対象 刑事罰が科されなくても行政制裁は可能
原則公表 企業名が公表される

輸出禁止の影響

「3年間の輸出禁止」がどれほど深刻か、具体的に考えてみましょう。

影響 詳細
売上の喪失 海外向け売上がゼロに
サプライチェーンの崩壊 海外拠点への部品供給が停止
顧客の離反 既存顧客が競合に流出
信用の喪失 輸出禁止の事実が取引先に伝わる

製造業や商社にとって、3年間の輸出禁止は事業の存続に関わる問題です。

企業名公表の影響

行政制裁を受けた場合、原則として企業名が公表されます。

公表される情報 詳細
企業名 社名
所在地 本社所在地
代表者名 代表取締役等
違反内容 何をどこに輸出したか
制裁内容 輸出禁止期間等

この情報は経済産業省のウェブサイトで公開され、マスコミ報道の対象にもなります。


レピュテーションリスクと経営への影響

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクとは、企業の評判・信用が損なわれるリスクです。

輸出管理違反の場合、法的な罰則以上にレピュテーション損害が深刻なケースが多いです。

具体的な影響

影響 詳細
マスコミ報道 テレビ、新聞、ネットニュースで報道
SNSでの拡散 「この会社、不正輸出した」という情報が拡散
取引先の離反 主要顧客からの取引停止
株価下落 上場企業の場合、株価が急落
人材流出 優秀な従業員が退職
採用難 新規採用に悪影響

取引先への影響

輸出管理違反を起こした企業との取引は、取引先にとってもリスクです。

取引先の懸念 内容
連帯リスク 違反企業と取引していることのイメージダウン
供給リスク 輸出禁止で供給が止まる可能性
コンプライアンスリスク 自社の管理体制を疑われる

そのため、「違反企業との取引を停止する」という判断が行われることがあります。

株主訴訟のリスク

上場企業の場合、以下のリスクがあります。

リスク 内容
株主代表訴訟 経営者の責任を問う訴訟
損害賠償請求 違反による損害の賠償請求
役員の個人責任 取締役等の個人資産への請求

倒産リスク

最悪の場合、輸出管理違反は倒産につながります。

倒産に至る要因 詳細
売上の喪失 輸出禁止による収益悪化
取引先離反 主要顧客との取引停止
資金繰り悪化 銀行の融資引き上げ
信用喪失 事業継続の困難

特に、海外売上比率の高い企業、特定の大口顧客に依存している企業は、リスクが高いです。


実際の違反事例と処分内容

事例1:東芝機械ココム違反事件(1987年)

項目 内容
概要 高精度工作機械をソ連に不正輸出
転用先 ソ連海軍の原子力潜水艦スクリュー加工
処分 輸出禁止処分、担当者逮捕
社会的影響 米国で東芝製品不買運動、日米関係悪化

この事件は、輸出管理違反が国家間の外交問題に発展した例です。

事例2:炭素繊維不正輸出事件

項目 内容
概要 炭素繊維を中国に無許可輸出
処分 刑事告発、輸出禁止3年
影響 企業名公表、マスコミ報道

事例3:ロシア向け水上バイク不正輸出(2024年)

項目 内容
概要 経済制裁下でロシアに水上バイク等を不正輸出
経緯 大阪から韓国経由でロシアへ
処分 外為法違反で逮捕(初の逮捕事例)

ロシア向け経済制裁違反での初の逮捕事例として注目されました。

事例4:少額特例の悪用

項目 内容
概要 少額特例を悪用し、分割輸出を繰り返した
処分 刑事告発、会社に罰金50万円、管理部長に罰金20万円
教訓 少額でも継続的な違反は重く見られる

違反事例から学ぶ教訓

教訓 内容
「バレない」は通用しない 国際的な情報共有が進んでいる
中継地経由も追跡される 迂回輸出も摘発される
少額でも違反は違反 金額に関係なく処罰対象
「知らなかった」は言い訳にならない 確認義務がある

違反の主な原因と傾向

経済産業省の調査結果

経済産業省の調査によると、輸出法令違反の原因は以下の通りです。

原因 割合
法令知識の欠如 26%
社内連携ミス等の過失による見落とし 14%
法令・運用の解釈誤認・変更の見落とし 12%
その他 48%

違反企業の特徴

違反を起こしやすい企業の特徴も明らかになっています。

特徴 内容
CP未届出 輸出管理内部規程を経産省に届けていない企業が半数以上
専任担当者不在 輸出管理の専門担当者がいない
教育不足 従業員への輸出管理教育が不十分
チェック体制の不備 ダブルチェック等の仕組みがない

典型的な違反パターン

パターン 詳細
該非判定の誤り 規制品を非該当と誤判定
取引審査の不備 懸念のある需要者を見逃す
規制変更の見落とし 法改正を知らずに違反
組織変更時の引継ぎミス 担当者交代時に知識が引き継がれない

違反を防ぐための対策

対策1:社内体制の整備

対策 内容
輸出管理規程(CP)の策定 社内ルールを文書化
責任者の明確化 統括責任者、実務担当者を指名
承認フローの整備 出荷前に必ず確認するプロセス
経産省へのCP届出 包括許可等の利用が可能に

対策2:該非判定の徹底

対策 内容
全製品の該非判定 新製品は必ず判定
判定記録の保管 判定根拠を文書化
定期的な見直し 規制変更時に再判定
不明点は専門家に相談 グレーゾーンは無理に判断しない

対策3:取引審査の強化

対策 内容
リスト照合 外国ユーザーリスト等との照合
需要者調査 取引先の事業内容、最終用途の確認
誓約書の取得 用途・再輸出に関する誓約
レッドフラグの教育 不自然な取引の見分け方

対策4:社内教育の実施

対策 内容
定期研修 年1回以上の輸出管理研修
新入社員教育 入社時に輸出管理の基本を教育
事例共有 違反事例から学ぶ
規制変更の周知 法改正情報を速やかに共有

対策5:AIツールの活用

膨大な確認作業をAIで効率化し、ヒューマンエラーを削減します。

ZEROCK EX-Checkは、以下の機能で違反リスクを低減します。

機能 効果
該非判定支援 判定ミスを防止
取引先スクリーニング 確認漏れを防止
規制変更の自動反映 見落としを防止
記録の自動管理 証跡を確実に保管

まとめ

外為法違反のペナルティ

種類 内容
刑事罰 10年以下の拘禁、10億円以下の罰金(法人)
行政制裁 3年以内の輸出禁止、企業名公表
レピュテーション損害 取引停止、株価下落、人材流出
倒産リスク 最悪の場合、経営存続困難に

違反を防ぐための鉄則

  1. 「知らなかった」は通用しない:確認義務がある
  2. 過失でも制裁対象:うっかりミスでも責任を問われる
  3. 時効がない:過去の違反も対象になりうる
  4. 社会的影響が最も深刻:罰則以上にレピュテーション損害が大きい
  5. 予防が最善:違反してからでは遅い

経営層へのメッセージ

輸出管理は「コスト」ではなく「リスク管理投資」です。

適切な体制を整備することで、以下のメリットがあります。

  • 法令違反リスクの回避
  • 取引先からの信頼獲得
  • 国際取引での競争力強化
  • 経営の安定性向上

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