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BASE

PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド

2026-03-23安藤 義記
PassMarketチケット販売イベント管理BASE

PassMarketが2026年6月30日にサービス終了。移行前にやるべきこと、代替サービスの比較、具体的な乗り換え手順をわかりやすく解説します。

PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド
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PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド

株式会社TIMEWELLの安藤です。

2025年12月17日、LINEヤフーからひとつの発表がありました。Yahoo! JAPANが運営するデジタルチケットサービス「PassMarket」が、2026年6月30日をもってサービスを終了する、と。手数料3.564%(税込)という業界屈指の安さで、小規模イベントから大型フェスまで幅広い主催者に支持されてきたサービスです。正直なところ、この価格帯でここまで使いやすいチケットプラットフォームは他にありませんでした。

終了の発表から約3ヶ月が経ち、サービス終了まで残り約3ヶ月。「そろそろ動かないと」と思いつつ、移行先の候補が多すぎて手が止まっている。そんな主催者の方も少なくないのではないでしょうか。私自身、複数のイベント主催者から「結局どこに移ればいいの?」という相談を受ける機会が増えています。データのバックアップから移行先選び、具体的な乗り換え手順まで、ひと通りまとめました。


サービス終了のタイムラインと「本当の」デッドライン

まず押さえておきたいのは、「6月30日にサービスが終わる」と「6月30日までに全部やらなきゃいけない」はイコールではないということです。LINEヤフーが公式ブログ [1] で発表したスケジュールを整理すると、実はいくつかの猶予期間が設けられています。

時期 内容
2025年12月18日 常設チケットの有効期間・日数設定機能が停止
2026年6月30日 PassMarketサービス終了(イベントの作成・販売・開催機能の提供終了)
2026年8月31日 管理ツール利用期限(この日までにデータのダウンロードが可能)
2026年9月1日〜 購入履歴・管理画面へのアクセスが完全に不可

ここで見落としがちなのが、**8月31日という「真のデッドライン」**の存在です。サービス自体は6月末で終了しますが、管理ツールには8月末までアクセスできます。つまり、参加者一覧のダウンロードやアンケートデータの取得は8月末まで可能です。ただし、これを「まだ余裕がある」と解釈するのは危険です。

PassMarketのメッセージ機能、つまり過去の参加者に直接連絡できる唯一の手段は、サービス終了日の6月30日で使えなくなる可能性が高い。参加者への移行案内を送る手段を失ったら、せっかく築いた関係がそこで途切れます。データのダウンロードよりも、参加者への連絡こそが最優先のタスクだと考えてください。

もうひとつ注意点があります。PassMarketのプライバシー方針では、参加者のメールアドレスは主催者に直接開示されません。ダウンロードできる参加者一覧(Excel形式)にも、参加者名・チケット名・注文番号・価格・受付状況などは含まれますが、メールアドレスは入っていないのです。もしアンケート機能でメールアドレスを収集していたなら、そのCSVデータは移行後に参加者と再びつながるための貴重な資産になります。8月末を待たず、今すぐダウンロードしておくべきです。


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移行前に済ませるべき準備

移行先のサービスを比較検討する前に、やるべきことがあります。PassMarketから持ち出せるデータには期限があり、一度期限を過ぎると二度と取得できません。後から「あのデータ、取っておけばよかった」と後悔しないために、次の4つを早めに片づけてください。

参加者への移行先案内(6月30日まで・最優先)。 PassMarket上のメッセージ送信機能を使い、過去の参加者全員に移行先のURLを案内します。繰り返しになりますが、これが参加者に直接連絡できる唯一のチャネルです。メッセージは簡潔に、「PassMarketが6月末で終了すること」「今後のイベントは新しいプラットフォームで開催すること」「新しいイベントページのURL」の3点を伝えれば十分です。なお、「注文リスト」で参加者情報を確認できるのはイベント終了後約4日間のみなので、直近のイベントがある方は特に注意してください。

参加者一覧のダウンロード(8月31日まで)。 イベント管理メニューから「参加者一覧ダウンロード」を選択すると、Excel形式で参加者リストを取得できます。PC限定の機能です。前述の通りメールアドレスは含まれませんが、参加者数の把握やチケット販売実績の記録として、必ず保存しておきましょう。

アンケートデータのダウンロード(8月31日まで)。 アンケート機能を利用していた場合、回答データをCSV形式でダウンロードできます。メールアドレスを収集項目に含めていた方にとっては、このCSVが移行後のコミュニケーション基盤になります。

イベントページのバックアップ(6月30日まで推奨)。 PassMarketにはイベントページをまるごとエクスポートする機能がありません。イベントタイトル、概要文、画像、チケット設定などは、手動でスクリーンショットやテキストコピーで保存する必要があります。地味な作業ですが、移行先でイベントを再作成する際に「前はどんな文面だったっけ?」と困らないために、やっておいて損はありません。売上・振込履歴のスクリーンショットも忘れずに。


移行先選びで本当に重視すべきこと

PassMarketの代替サービスを探すとき、多くの主催者が最初に比較するのは手数料率でしょう。気持ちはわかります。PassMarketの3.564%は本当に破格でしたから。ただ、正直に言うと、手数料率だけで移行先を決めるのはおすすめしません。

理由はシンプルで、PassMarketの3.564%を完全に再現できるサービスが現時点で存在しないからです。どこに移っても手数料は上がります。であれば、「手数料が上がる分、何を得られるか」で判断したほうが建設的ではないでしょうか。

私が移行先選びで特に重視すべきだと考えるのは、次の5つの観点です。

実質コスト。 表面的な手数料率だけでなく、1枚あたりの固定手数料(「99円/枚」のような課金)や月額利用料を含めたトータルコストで比較してください。特に1,000〜2,000円台の低価格チケットを扱う方は、固定手数料の影響が大きくなります。5,000円のチケットに99円の固定手数料がかかる場合、それだけで実質手数料率が約2%上乗せされる計算です。

決済手段の対応範囲。 Visa・Mastercardへの対応は当然として、日本市場ではJCB対応が事実上の必須条件です。JCBのシェアは国内クレジットカードの約22%を占めており [2]、JCB非対応というだけで約2割の潜在参加者を取りこぼすリスクがあります。

参加者管理とデータの自由度。 参加者リストのCSVエクスポート、タグ付け、過去参加者への再案内、そしてPassMarketからの参加者データのインポート対応。移行の手間を減らし、移行後の運営を効率化するには、このあたりの機能が充実しているかが重要になります。

当日運営の機能。 QRチェックインは今やどのサービスでも対応していますが、その深さには差があります。会場別・セッション別のリアルタイム来場集計、スマホウォレットへのチケット追加(TIMEWELL BASEとDoorkeeperはApple Walletに対応)など、大規模イベントを運営する方は機能の粒度まで確認しておくべきです。

イベント後のフォローアップ。 イベントは「当日が本番」ではなく、「当日の後が本番」だと私は思っています。参加者への事後アンケート、お礼メール、次回イベントの案内。この一連のフォローアップがスムーズにできるかどうかが、リピーター獲得率に直結します。PassMarketはこの領域が弱かったので、移行をきっかけに強化できるとベストです。


主要サービスの比較

具体的な数字で比較します。PassMarketの代替として名前が挙がることが多いTIMEWELL BASE、Peatix、Doorkeeperの3つを並べてみました。

項目 PassMarket(参考) TIMEWELL BASE Peatix Doorkeeper
初期費用 無料 無料 無料 無料
月額 ¥0 ¥0〜 ¥0 ¥1,650〜(税込)
決済手数料 3.564% 4.8% 4.9% + 99円/枚 2.5% + 99円/枚 + Stripe 3.6%
実質手数料率* 3.564%(終了) 4.8% 6.88%〜 8.08%〜
JCB対応 ○ ○(Stripe経由) ○ ○(Stripe経由・要設定)
参加者データ出力 ○(Excel) ○(CSV・全プラン) ○ ○
QRチェックイン ○ ○(会場別設定・リアルタイム集計) ○ ○
コミュニティ機能 × ○ △ ○
メール配信 △ ○(全プラン・Freeはスポット課金) ○ ○
抽選イベント ○ ○(公正な抽選アルゴリズム・繰り上げ対応) △(有料オプション・現在停止中) ×
AI機能 × ○ × ×
無料イベント手数料 0% 0% 0% 0%

*実質手数料率は、5,000円のチケットを100枚販売した場合の概算

数字だけ見ると、TIMEWELL BASEの4.8%が最もPassMarketに近い水準です。Peatixは4.9%に加えて1枚あたり99円の固定手数料がかかるため、実質的な負担率は6.88%まで上がります。Doorkeeperはチケット手数料に加えてStripeの決済手数料(約3.6%)が別途発生し、さらに月額¥1,650〜のサブスクリプションが必要です。

もう少し具体的にイメージするために、月1回、5,000円×100名(売上50万円)のイベントを年間12回開催するケースでシミュレーションしてみます。

サービス 月額 手数料/回 年間合計コスト 年間手取り
PassMarket(参考) ¥0 ¥17,820 ¥213,840 ¥5,786,160
TIMEWELL BASE (Free) ¥0 ¥24,000 ¥288,000 ¥5,712,000
Peatix ¥0 ¥34,400 ¥412,800 ¥5,587,200
Doorkeeper (Starter) ¥1,650 ¥40,400 ¥504,600 ¥5,495,400

PassMarketからTIMEWELL BASEへの移行で増えるコストは年間約7.4万円。月あたりに換算すると約6,200円です。一方、Peatixとの差額は年間約12.5万円、Doorkeeperとは約21.7万円の開きがあります。

個人的には、年間7.4万円の差額でコミュニティ運営機能やAIによるイベント作成支援、公正な抽選システムなど、PassMarketにはなかった機能群が手に入るなら、むしろ安い投資だと感じています。月1回程度の小規模な無料イベントだけなら、どのサービスでも手数料はゼロ。純粋に使い勝手で選べばいいでしょう。


TIMEWELL BASEへの具体的な乗り換え手順

移行先が決まったら、実際の乗り換え作業に入ります。ここではTIMEWELL BASEを例に、4つのステップで手順を紹介します。他のサービスに移行する場合でも、基本的な流れは同じです。

ステップ1 アカウント作成(約2分)。 TIMEWELL BASEにアクセスし、メールアドレスでアカウントを作成します。組織名やロゴの設定を済ませれば準備完了。Freeプランなら初期費用も月額もかかりません。まずは使い勝手を試す感覚で始めてみてください。

ステップ2 イベントを作成(約10分)。 PassMarketでバックアップしておいた情報をもとに、イベントページを作成します。タイトル、概要、チケット種別、定員、申込期限を設定していく流れです。TIMEWELL BASEにはAIサポート機能があり、イベントの基本情報からタイトルや説明文を自動で提案してくれます。AIフライヤー生成機能を使えばSNS告知用の画像も作れる。PassMarketでは毎回手作業だったページ作成と告知素材の準備が、かなり楽になるはずです。

ステップ3 既存の参加者に告知する。 ここが移行作業の中で最も重要なステップです。告知チャネルは複数を組み合わせてください。まず最優先は、PassMarketのメッセージ機能(6月30日まで利用可能)で過去の参加者に直接連絡すること。これが唯一、PassMarket経由で参加者にリーチできる手段です。並行して、SNSやWebサイトでの告知、アンケートで収集していたメールアドレスへの案内も行いましょう。

メッセージの文面は、あまり凝る必要はありません。「PassMarketが6月末で終了するため、今後のイベントは〇〇で開催します。次回イベントのお申し込みはこちらから」とURLを添えるだけで十分伝わります。大事なのは早く送ること。

ステップ4 運用を開始する。 QRチェックイン、参加者管理、メール配信など、実際にイベントを1回運営してみると、PassMarketとの機能差を実感できると思います。特にコミュニティ機能は、イベント単発ではなく「参加者との継続的なつながり」を作りたい主催者にとって、大きな武器になるでしょう。


残り3ヶ月、移行を「アップグレード」の機会に変える

PassMarketの終了は、率直に言って痛いニュースです。3.564%という手数料率はもう二度と出てこないかもしれません。ただ、振り返ってみると、PassMarketはチケット販売と受付管理に特化したシンプルなサービスでした。コミュニティ機能はなく、参加者への事後フォローも限定的で、イベントページのデザイン自由度も高くはなかった。

だからこそ、この移行を「仕方なくやる引っ越し」ではなく、イベント運営をアップグレードするきっかけとして捉えてほしいと思っています。手数料が数%上がる代わりに、AIによるイベントページ作成支援、コミュニティを通じたリピーター育成、公正な抽選システムによる大規模イベント対応。PassMarket時代にはできなかったことが、移行先では可能になります。

ただし、何よりも大切なのは、6月30日までに参加者への告知を済ませることです。データはあとからでも取れますが、参加者とのつながりは一度切れたら取り戻せません。まだ移行先が決まっていなくても、「PassMarketが終了すること」「今後の連絡先」だけでも先に伝えておく。これだけで、移行のリスクは大幅に減ります。

TIMEWELL BASEは初期費用0円・月額0円のFreeプランから始められます。まずは1つテストイベントを作ってみて、操作感を確かめてみてください。

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参考文献

[1] PassMarket公式ブログ. "【重要】PassMarketサービスの終了について." https://blog-passmarket.yahoo.co.jp/archives/post_15.html (2025-12-17)

[2] JCB. "クレジットカードに関する総合調査 2025年度版." https://www.jcb.co.jp/; theapps.jp「クレジットカード保有率」 https://theapps.jp/media/3557 (2025)

[3] Peatix公式. "ピーティックスご利用料金." https://services.peatix.com/ja/pricing (2026-03-23閲覧)

[4] Doorkeeper公式. "料金プラン." https://www.doorkeeper.jp/pricing (2026-03-23閲覧)

[5] TIMEWELL BASE公式. "料金プラン." https://timewell.jp/base (2026-03-23閲覧)

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