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PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド

公開2026-03-23更新2026-07-30安藤 義記

PassMarketは2026年6月30日にサービスを終了しました。いま生きている期限は、チケット管理ツールが使える2026年8月31日まで。期限内に退避すべきデータ、参加者との繋ぎ直し、移行先の実質コストの計算、乗り換え手順をわかりやすく解説します。

PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド
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PassMarket終了 — 移行先の選び方と乗り換え手順を完全ガイド

株式会社TIMEWELLの安藤です。

2025年12月17日、LINEヤフーからひとつの発表がありました。Yahoo! JAPANが運営するデジタルチケットサービス「PassMarket」が、2026年6月30日をもってサービスを終了する、と。手数料3.564%(税込)という業界屈指の安さで、小規模イベントから大型フェスまで幅広い主催者に支持されてきたサービスです。正直なところ、この価格帯でここまで使いやすいチケットプラットフォームは他にありませんでした。

その6月30日は、すでに過ぎました。(この記事は2026年7月30日に現況へ更新しています。)新しくイベントを作ることも、チケットを売ることもできません。ただ、まだ終わっていない作業がひとつ残っています。チケット管理ツールが使える2026年8月31日までに、参加者の記録や売上の記録を手元へ移すことです。ここを逃すと、9月1日以降は購入履歴にもアクセスできなくなります。

移行先がまだ決まっていない方も、決めたけれど作業が止まっている方も、まずはこの「期限のある作業」から片づけるのが安全です。以下、データの退避から移行先選び、具体的な乗り換え手順まで、順にまとめました。

移行・データ退避チェックシート(記入式・A4 8ページ): 8月31日までに退避するもの(参加者の記録・アンケート回答・売上と振込の記録・イベントページの文面・チケット設定)を、取れたものにチェックを入れながら潰せる形にしました。参加者と繋ぎ直すための連絡経路の棚卸し、移行先の実質コストを自分で計算する式と記入欄、移行後の初回イベント立ち上げ手順まで入っています。公式告知に記載が無い項目は「要確認」として断定していません。 → イベント主催者のための 移行・データ退避チェックシートをダウンロード(無料。会社名とお勤め先のメールアドレスのご登録が必要です)


サービス終了のタイムラインと「本当の」デッドライン

まず押さえておきたいのは、「6月30日にサービスが終わった」と「6月30日で全部終わった」はイコールではないということです。LINEヤフーが公式ブログ [1] で発表したスケジュールを整理すると、猶予期間が設けられており、いまはその猶予の中にいます

時期 内容
2025年12月18日 常設チケットの有効期間・日数設定機能が停止
2026年6月30日 PassMarketサービス終了(イベントの作成・販売・開催機能の提供終了)
2026年8月31日 管理ツール利用期限(この日までにデータのダウンロードが可能)
2026年9月1日〜 購入履歴・管理画面へのアクセスが完全に不可

いま効いているのが、**8月31日という「真のデッドライン」**です。サービス自体は6月末で終了しましたが、チケット管理ツールには8月末まで(予定)アクセスできると案内されています。残された作業は、この期間内にデータを手元へ移すことです。「まだ1ヶ月ある」と解釈するのは危険で、公式の案内でも「予定」と書かれている以上、前倒しの可能性は見込んでおくべきです。

そしてもうひとつ。過去の参加者に直接連絡できる手段は、サービス終了とともに失われている可能性が高いです。メッセージ機能がいつ停止するかは公式告知に明記が無いため、まだ使えるかどうかを実際に確認したうえで、使えないなら別の経路を組み立てる必要があります。データはあと1ヶ月取れますが、参加者とのつながりは取り戻すのが難しい。ここが移行のいちばん痛いところです。なお、移行を機に参加者コミュニティの運営状態そのものを見直したい方は、コミュニティ健全度の無料診断で現状を整理してから移行計画を立てると迷いが減ります。

もうひとつ注意点があります。PassMarketのプライバシー方針では、参加者のメールアドレスは主催者に直接開示されません。ダウンロードできる参加者一覧(Excel形式)にも、参加者名・チケット名・注文番号・価格・受付状況などは含まれますが、メールアドレスは入っていないのです。もしアンケート機能でメールアドレスを収集していたなら、そのCSVデータは移行後に参加者と再びつながるための貴重な資産になります。8月末を待たず、今すぐダウンロードしておくべきです。


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移行前に済ませるべき準備

移行先のサービスを比較検討する前に、やるべきことがあります。PassMarketから持ち出せるデータには期限があり、一度期限を過ぎると二度と取得できません。後から「あのデータ、取っておけばよかった」と後悔しないために、次の4つを早めに片づけてください。

参加者への移行先案内(サービス終了済み・要確認)。 サービス内のメッセージ送信機能は、終了に伴い使えなくなっている可能性が高い経路です。停止時期は公式告知に明記が無いため、まず使えるかどうかを実際に確認してください。使えるなら、「今後のイベントは新しいプラットフォームで開催すること」「新しいイベントページのURL」を簡潔に送ります。使えない場合は、アンケートで取得した連絡先、自社で保有する名簿、SNS、自社サイトでの告知を組み合わせて補います。どの経路も使えるのは、取得時に示した利用目的の範囲内であることが前提です。

参加者一覧のダウンロード(8月31日まで)。 イベント管理メニューから「参加者一覧ダウンロード」を選択すると、Excel形式で参加者リストを取得できます。PC限定の機能です。前述の通りメールアドレスは含まれませんが、参加者数の把握やチケット販売実績の記録として、必ず保存しておきましょう。

アンケートデータのダウンロード(8月31日まで)。 アンケート機能を利用していた場合、回答データをCSV形式でダウンロードできます。メールアドレスを収集項目に含めていた方にとっては、このCSVが移行後のコミュニケーション基盤になります。

イベントページのバックアップ(管理ツールが閉じる前に)。 PassMarketにはイベントページをまるごとエクスポートする機能がありません。イベントタイトル、概要文、画像、チケット設定などは、手動でスクリーンショットやテキストコピーで保存する必要があります。地味な作業ですが、移行先でイベントを再作成する際に「前はどんな文面だったっけ?」と困らないために、やっておいて損はありません。売上・振込履歴のスクリーンショットも忘れずに。


移行先選びで本当に重視すべきこと

PassMarketの代替サービスを探すとき、多くの主催者が最初に比較するのは手数料率でしょう。気持ちはわかります。PassMarketの3.564%は本当に破格でしたから。ただ、正直に言うと、手数料率だけで移行先を決めるのはおすすめしません。

理由はシンプルで、PassMarketの3.564%を完全に再現できるサービスが現時点で存在しないからです。どこに移っても手数料は上がります。であれば、「手数料が上がる分、何を得られるか」で判断したほうが建設的ではないでしょうか。

私が移行先選びで特に重視すべきだと考えるのは、次の5つの観点です。

実質コスト。 表面的な手数料率だけでなく、1枚あたりの固定手数料(「99円/枚」のような課金)や月額利用料を含めたトータルコストで比較してください。特に1,000〜2,000円台の低価格チケットを扱う方は、固定手数料の影響が大きくなります。5,000円のチケットに99円の固定手数料がかかる場合、それだけで実質手数料率が約2%上乗せされる計算です。手数料が何重にもかかる仕組みの詳細は、大手チケット販売サービスの「多重課金」はなぜ成立するのかで分解して解説しています。

決済手段の対応範囲。 Visa・Mastercardへの対応は当然として、日本市場ではJCB対応の有無も必ず確認してください。JCBを主に使っている参加者が決済で弾かれると、その分の申込がまるごと消えます。

参加者管理とデータの自由度。 参加者リストのCSVエクスポート、タグ付け、過去参加者への再案内、そしてPassMarketからの参加者データのインポート対応。移行の手間を減らし、移行後の運営を効率化するには、このあたりの機能が充実しているかが重要になります。

当日運営の機能。 QRチェックインは今やどのサービスでも対応していますが、その深さには差があります。会場別・セッション別のリアルタイム来場集計、スマホウォレットへのチケット追加(TIMEWELL BASEとC社はApple Walletに対応)など、大規模イベントを運営する方は機能の粒度まで確認しておくべきです。

イベント後のフォローアップ。 イベントは「当日が本番」ではなく、「当日の後が本番」だと私は思っています。参加者への事後アンケート、お礼メール、次回イベントの案内。この一連のフォローアップがスムーズにできるかどうかが、リピーター獲得率に直結します。PassMarketはこの領域が弱かったので、移行をきっかけに強化できるとベストです。


主要サービスの比較

具体的な数字で比較します。PassMarketの代替として名前が挙がることが多いTIMEWELL BASE、A社、C社の3つを並べてみました。

項目 PassMarket(参考) TIMEWELL BASE A社 C社
初期費用 無料 無料 無料 無料
月額 ¥0 ¥0〜 ¥0 ¥1,650〜(税込)
決済手数料 3.564% 4.8% 4.9% + 99円/枚 2.5% + 99円/枚 + Stripe 3.6%
実質手数料率* 3.564%(終了) 4.8% 6.88%〜 8.08%〜
JCB対応 ○(Stripe経由) ○(Stripe経由・要設定)
参加者データ出力 ○(Excel) ○(CSV・全プラン)
QRチェックイン ○(会場別設定・リアルタイム集計)
コミュニティ機能 ×
メール配信 ○(全プラン・Freeはスポット課金)
抽選イベント ○(公正な抽選アルゴリズム・繰り上げ対応) △(有料オプション・現在停止中) ×
AI機能 × × ×
無料イベント手数料 0% 0% 0% 0%

*実質手数料率は、5,000円のチケットを100枚販売した場合の概算

数字だけ見ると、TIMEWELL BASEの4.8%が最もPassMarketに近い水準です。A社は4.9%に加えて1枚あたり99円の固定手数料がかかるため、実質的な負担率は6.88%まで上がります。C社はチケット手数料に加えてStripeの決済手数料(約3.6%)が別途発生し、さらに月額¥1,650〜のサブスクリプションが必要です。

もう少し具体的にイメージするために、月1回、5,000円×100名(売上50万円)のイベントを年間12回開催するケースでシミュレーションしてみます。

サービス 月額 手数料/回 年間合計コスト 年間手取り
PassMarket(参考) ¥0 ¥17,820 ¥213,840 ¥5,786,160
TIMEWELL BASE (Free) ¥0 ¥24,000 ¥288,000 ¥5,712,000
A社 ¥0 ¥34,400 ¥412,800 ¥5,587,200
C社 (Starter) ¥1,650 ¥40,400 ¥504,600 ¥5,495,400

PassMarketからTIMEWELL BASEへの移行で増えるコストは年間約7.4万円。月あたりに換算すると約6,200円です。一方、A社との差額は年間約12.5万円、C社とは約21.7万円の開きがあります。

個人的には、年間7.4万円の差額でコミュニティ運営機能やAIによるイベント作成支援、公正な抽選システムなど、PassMarketにはなかった機能群が手に入るなら、むしろ安い投資だと感じています。TIMEWELL BASEはチケット販売だけでなく、AIネイティブのコミュニティ/イベントプラットフォームとして設計されています。機能の全体像はBASEのサービスページにまとめています。月1回程度の小規模な無料イベントだけなら、どのサービスでも手数料はゼロ。純粋に使い勝手で選べばいいでしょう。


TIMEWELL BASEへの具体的な乗り換え手順

移行先が決まったら、実際の乗り換え作業に入ります。ここではTIMEWELL BASEを例に、4つのステップで手順を紹介します。他のサービスに移行する場合でも、基本的な流れは同じです。

ステップ1 アカウント作成(約2分)。 TIMEWELL BASEにアクセスし、メールアドレスでアカウントを作成します。組織名やロゴの設定を済ませれば準備完了。Freeプランなら初期費用も月額もかかりません。まずは使い勝手を試す感覚で始めてみてください。

ステップ2 イベントを作成(約10分)。 PassMarketでバックアップしておいた情報をもとに、イベントページを作成します。タイトル、概要、チケット種別、定員、申込期限を設定していく流れです。TIMEWELL BASEにはAIサポート機能があり、イベントの基本情報からタイトルや説明文を自動で提案してくれます。AIフライヤー生成機能を使えばSNS告知用の画像も作れる。PassMarketでは毎回手作業だったページ作成と告知素材の準備が、かなり楽になるはずです。

ステップ3 既存の参加者に告知する。 ここが移行作業の中で最も重要なステップです。サービス終了後のいま、PassMarket経由で参加者に届ける手段は失われている可能性が高いので、自分の手元にある経路を組み合わせることになります。アンケートで収集していた連絡先、自社で保有する名簿、SNS、自社サイトでの告知。旧イベントページのURLから辿り着く人のために、移行先を案内するページを1枚用意しておくのも有効です。

メッセージの文面は、あまり凝る必要はありません。「PassMarketが6月末で終了するため、今後のイベントは〇〇で開催します。次回イベントのお申し込みはこちらから」とURLを添えるだけで十分伝わります。大事なのは早く送ること

ステップ4 運用を開始する。 QRチェックイン、参加者管理、メール配信など、実際にイベントを1回運営してみると、PassMarketとの機能差を実感できると思います。特にコミュニティ機能は、イベント単発ではなく「参加者との継続的なつながり」を作りたい主催者にとって、大きな武器になるでしょう。


残り1ヶ月、移行を「アップグレード」の機会に変える

PassMarketの終了は、率直に言って痛いニュースです。3.564%という手数料率はもう二度と出てこないかもしれません。ただ、振り返ってみると、PassMarketはチケット販売と受付管理に特化したシンプルなサービスでした。コミュニティ機能はなく、参加者への事後フォローも限定的で、イベントページのデザイン自由度も高くはなかった。

だからこそ、この移行を「仕方なくやる引っ越し」ではなく、イベント運営をアップグレードするきっかけとして捉えてほしいと思っています。手数料が数%上がる代わりに、AIによるイベントページ作成支援、コミュニティを通じたリピーター育成、公正な抽選システムによる大規模イベント対応。PassMarket時代にはできなかったことが、移行先では可能になります。

ただし、いま何よりも急ぐのは、8月31日までにデータを退避することです。管理ツールが閉じたあとでは、参加者の記録も売上の記録も取り戻せません。移行先がまだ決まっていなくても、データの退避だけは先に済ませられます。そして、退避したデータを手掛かりに参加者へ「今後の連絡先」を伝えておく。この2つを片づけておけば、移行先の選定にはもう少し時間をかけられます。

TIMEWELL BASEは初期費用0円・月額0円のFreeプランから始められます。まずは1つテストイベントを作ってみて、操作感を確かめてみてください。

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移行スケジュールやデータの引き継ぎについて個別に相談したい方は、個別相談からお問い合わせください。


参考文献

[1] PassMarket公式ブログ. "【重要】PassMarketサービスの終了について." https://blog-passmarket.yahoo.co.jp/archives/post_15.html (2025-12-17)

[3] A社 公式料金ページ(2026-03閲覧)

[4] C社 公式料金ページ(2026-03閲覧)

[5] TIMEWELL BASE公式. "料金プラン." https://timewell.jp/base (2026-03-23閲覧)

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