はじめに ── プレスリリースから読み解くビジネスの潮流
こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本隆太です。
PR TIMESは日本最大級のプレスリリース配信サービスであり、国内外の企業が発信する最新情報の宝庫です。PR TIMESの分析によれば、2025年の急上昇キーワード1位は「AI」で前年比1.68倍、「AIエージェント」に至っては前年比57倍の2,580件と爆発的に増加しました。
本記事では、PR TIMESに掲載された3つの注目プレスリリースを取り上げ、それぞれの事業背景と現在の進捗、そして2026年のビジネストレンドとの関連を考察します。
Sound ART ── NFTアートとオフライン体験の融合
プレスリリースの概要
小室哲哉氏、寺田てら氏、popman3580氏など個性豊かなクリエイターが生み出すSound ARTの体感イベントが、東京タワーの新施設「RED TOKYO TOWER」にて開催されました。NFTプラットフォーム「OVO」にて5作品を5日間連続でオークションする企画も実施されました。
NFT市場の「当時と現在」
| 項目 | 当時(2022年頃) | 現在(2026年) |
|---|---|---|
| 市場状況 | NFTブーム最盛期、投機的な売買が活発 | バブル崩壊後、実用的なユースケースに集約 |
| 主な用途 | デジタルアート売買、投機 | チケット認証、会員権、ブランド体験 |
| 技術基盤 | Ethereum中心 | マルチチェーン対応、ガス代低減 |
| 消費者認知 | 高い関心だが理解は限定的 | 体験を通じた実感レベルでの理解が進む |
NFT市場は投機的なブームを経て、オフラインイベントとの融合やブランド体験への活用など、より実用的な方向へ進化しています。Sound ARTのようなオフラインでの「体感」を伴う取り組みは、NFTの価値を一般消費者に伝えるうえで重要な試みでした。
ハコベル ── セイノーHD×ラクスルの物流DXプラットフォーム
プレスリリースの概要
セイノーホールディングスとラクスルが「ハコベル」事業をジョイントベンチャー「ハコベル株式会社」へ移管し、物流業界のオープンパブリックプラットフォームの構築を目指すことが発表されました。
ハコベルの事業構造
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 設立 | 2022年8月1日 |
| 株主構成 | セイノーHD 50.1%、ラクスル 49.9% |
| 代表取締役CEO | 狭間健志 |
| 売上規模 | 34億円(設立時、その後右肩上がりで成長) |
| 目標 | 数年で売上高を数百億円規模まで拡大 |
物流業界が抱える課題
ハコベルが設立された背景には、物流業界の構造的な課題があります。
- トラックドライバー不足: 2024年問題(時間外労働の上限規制)により深刻化
- カーボンニュートラルへの要請: CO2排出削減の社会的要請が強まる
- 物流コストの上昇: 燃料費、人件費の高騰が続く
- 業界のデジタル化の遅れ: 会社独自の内製システムが多く、業界横断的な効率化が困難
両社の強みの相乗効果
ラクスルが持つIT技術によるプラットフォーム構築力と、セイノーHDが持つ商業物流No.1の顧客基盤・営業ネットワークを組み合わせることで、業界・企業間の垣根を超えた「オープンパブリックプラットフォーム」の実現を目指しています。
2026年現在、ハコベルは「第2創業期」としてブランドを刷新し、事業拡大を加速させています。
WASSHA ── アフリカ最大の小売店プラットフォームを目指す
プレスリリースの概要
アフリカ最大の小売店プラットフォーム構築を目指すWASSHA株式会社が、シリーズCラウンドで総額11.4億円の資金調達を完了しました。
WASSHAのビジネスモデル
WASSHAは東京大学発のスタートアップで、アフリカの未電化地域で以下のサービスを展開しています。
- ソーラーLEDランタンレンタル: 太陽光充電式のLEDランタンを一般消費者にレンタル
- 小売店プラットフォーム: 現地の購買行動の起点である小売店(キオスク)を活用
- フィンテック連携: モバイルマネーを活用した決済基盤
資金調達の推移
| ラウンド | 金額 | 投資家 |
|---|---|---|
| シリーズC(2022年) | 11.4億円 | 第一生命保険、ダイキン工業、Mistletoe Japan、ヤマハ発動機、UTEC |
| 追加調達(2025年) | 3億円 | 詳細非公開 |
| 累計調達額 | 約35億円 | - |
アフリカ市場の可能性
アフリカ大陸では約6億人が電力にアクセスできない環境に暮らしています。WASSHAのように、先進技術と現地のインフラを組み合わせたサービスは、巨大な市場ポテンシャルを持っています。日本企業がアフリカ市場で社会課題を解決しながらビジネスを展開する好例です。
3つのプレスリリースに共通するテーマ
これら3つのプレスリリースには、共通するビジネステーマが読み取れます。
共通点
- テクノロジーを活用した既存産業の変革: NFT×アート体験、IT×物流、IoT×未電化地域
- プラットフォーム型ビジネスモデル: 単一サービスではなく、エコシステムとして価値を提供
- 社会課題の解決と事業成長の両立: 環境配慮、物流効率化、エネルギーアクセス
2026年現在、PR TIMESの分析でも「AI」「AIエージェント」「ステーブルコイン」が急上昇キーワードとなっており、テクノロジーによる産業変革のトレンドはさらに加速しています。
WARP AIコンサルティング ── テクノロジー活用戦略を支援
ハコベルやWASSHAのように、テクノロジーを活用して既存産業を変革したい。しかし、自社にテクノロジーの知見が不足している。そんな企業の課題を解決するのが、TIMEWELLのWARP AIコンサルティングです。
- WARP: AI・テクノロジー活用の総合戦略策定から実装まで一貫支援
- WARP NEXT: 月次での継続コンサルティングと効果測定
- WARP BASIC: 社員のテクノロジーリテラシー向上研修
プレスリリースに登場するような先進事例を参考にしながら、自社に最適なテクノロジー活用戦略を策定します。
まとめ
- PR TIMESの急上昇キーワード1位は「AI」で前年比1.68倍、「AIエージェント」は前年比57倍に急増
- Sound ARTのNFT体感イベントはデジタルアートとオフライン体験を融合する先駆的な取り組み
- ハコベルはセイノーHDとラクスルのJVとして物流DXプラットフォームを構築、第2創業期に突入
- WASSHAはアフリカの未電化地域で小売店プラットフォームを展開、累計35億円を調達
- 3つの事例に共通するのは「テクノロジーによる既存産業の変革」と「社会課題解決の両立」
- 2026年はAIエージェントやステーブルコインなど、新たなテクノロジートレンドが台頭している
参考文献
- PR TIMES キーワードランキング2025 - AI Smiley
- 2025年下半期&2026年トレンド予想 - PR TIMES MAGAZINE
- ハコベル事業 - ラクスル採用情報
- WASSHA株式会社 - UTEC
- WASSHA公式サイト
