コミュニティ運営用語集|DAU・エンゲージメント・NPS等40語を初心者向けに解説
株式会社TIMEWELLの濱本です。コミュニティ運営を任されたものの、「DAU」「チャーンレート」「ゲーミフィケーション」といったカタカナ語の洪水に圧倒されていませんか。コミュニティ運営は、メンバーとの関係を深め、ブランドの価値を高める手段として注目が集まっている領域です。この用語集では、コミュニティの立ち上げから成長フェーズまでに知っておきたい40の基本用語を、具体例を交えてわかりやすく解説します。
目次
指標・KPI編
DAU(Daily Active Users / 日間アクティブユーザー数) — コミュニティの「体温計」。1日に訪れて何らかの行動(閲覧、投稿、いいね等)をしたユーザーの数で、毎日チェックする基本の指標です。DAUが急に下がったら「何かが起きた」サイン。
WAU(Weekly Active Users / 週間アクティブユーザー数) — 1週間にコミュニティで行動したユーザーの数です。DAUだと曜日によるブレが大きい場合に、WAUで傾向を把握するのが有効です。
MAU(Monthly Active Users / 月間アクティブユーザー数) — 月次報告の定番。「先月のMAUは5,000でした」のように使われ、広告やイベントの効果測定で最も登場頻度の高い指標です。
DAU/MAU比率(Stickiness / スティッキネス) — DAUをMAUで割った数値で、ユーザーがどれくらい頻繁にコミュニティを利用しているかを示します。たとえばDAU/MAUが30%なら、月間利用者の約3割が毎日訪問している計算です。この数値が高いほど「離れがたい場」になっていることを意味します。
エンゲージメント率(Engagement Rate) — メンバー全体のうち、投稿・コメント・リアクションなど能動的なアクションを取った人の割合です。「見ているだけ」の人が多いのか、「参加している」人が多いのかを判断する指標です。BASEではダッシュボードでリアルタイムに確認できます。
チャーンレート(Churn Rate / 解約率・離脱率) — 一定期間内にコミュニティを離れた(退会・非アクティブ化した)メンバーの割合です。新規メンバーをどれだけ獲得しても、チャーンが高ければ水をバケツに入れても底から漏れている状態です。
リテンション率(Retention Rate / 継続率) — 一定期間後もコミュニティに留まっているメンバーの割合です。チャーンレートの裏返しの概念で、「1か月後に何%のメンバーがまだ活動しているか」を追跡します。
NPS(Net Promoter Score / ネットプロモータースコア) — 質問はたった一つ。「このコミュニティを友人にすすめたいですか?」と0〜10で答えてもらい、推奨者の割合から批判者の割合を引くだけ。シンプルなのに、メンバー満足度を驚くほど的確に映し出します。
CSAT(Customer Satisfaction Score / 顧客満足度スコア) — 特定のイベントやサポート体験について、メンバーに直接満足度を聞いて数値化した指標です。NPSが全体的な推奨度を測るのに対し、CSATは個別の体験に焦点を当てます。
LTV(Life Time Value / 生涯価値) — そのメンバーが「入ってから抜けるまで」にもたらしてくれた価値の合計。有料コミュニティなら累計課金額、無料なら投稿数や紹介数で換算します。LTVの高いメンバーがどこから来ているかを知れば、集客の優先順位が見えてきます。
数字の話が続きましたが、ここからはメンバーとの関係づくりに焦点を移します。コミュニティの生死を分けるのは、結局「人」の話です。
メンバー管理・成長編
オンボーディング(Onboarding) — 第一印象がすべて、と言っても過言ではありません。新しいメンバーが参加した直後に行う案内・導入プロセスです。自己紹介の場を設ける、使い方ガイドを送る、歓迎メッセージを表示するなどの施策が含まれます。最初の体験がその後の継続率を大きく左右します。
アクティベーション(Activation) — 新規メンバーが「登録しただけ」の状態から、初めて意味のある行動を取る瞬間のことです。初回投稿、プロフィール完成、他メンバーへのリアクションなどがアクティベーションのポイントになります。
リテンション(Retention) — メンバーがコミュニティに定着し、継続的に利用し続ける状態のことです。新規獲得以上にリテンションの改善が重要とされるのは、既存メンバーの維持コストは新規獲得の数分の一だからです。
チャーン(Churn / 離脱) — メンバーがコミュニティから離れること全般を指します。退会だけでなく、ログインしなくなる「サイレントチャーン」も含まれます。
アンバサダー(Ambassador) — コミュニティの外部に対して自発的に魅力を伝えてくれる熱心なメンバーのことです。公式に任命する場合もあります。SNSで活動を紹介してくれたり、知人を招待してくれたりする貴重な存在です。
エバンジェリスト(Evangelist) — アンバサダーと似た概念ですが、より広い範囲で製品やコミュニティの価値を伝道する役割です。ブログ執筆、登壇、メディア露出など、影響力の大きい活動を行います。
スーパーユーザー(Super User / パワーユーザー) — コミュニティの「エンジン」。全体の5%ほどしかいませんが、他のメンバーを助け、話題を提供し、場の温度を保ってくれる存在です。この5%が離脱すると、驚くほどコミュニティは静まります。
ROM(Read Only Member / 閲覧専用メンバー) — 読むだけで書かない人。「ROM専」とも呼ばれます。コミュニティの大半はROMで、これは悪いことではありません。問題は「ROMのまま離脱される」こと。小さなリアクション機能で参加のハードルを下げるなど、ROM→発言者への転換設計が運営の腕の見せどころです。
余談ですが、ROM比率を下げたいあまりに「全員自己紹介必須!」とルールを厳しくすると、そもそも参加しない人が増えます。ハードルは段階的に上げるのが鉄則です。最初はスタンプ1個でOK、慣れてきたらコメント、という設計のほうがうまくいきます。
エンゲージメント施策編
ゲーミフィケーション(Gamification) — 「投稿10回でブロンズバッジ」——ゲームの仕組みをコミュニティに持ち込んで参加意欲を高める手法です。ポイント、バッジ、ランキングが典型的な施策。多くのコミュニティプラットフォームがこの機能を標準搭載するようになっており、もはや珍しい施策ではなくなりました。
UGC(User Generated Content / ユーザー生成コンテンツ) — メンバーが自ら作成した投稿、レビュー、写真、動画などのコンテンツです。運営が作るコンテンツより信頼性が高いとされ、コミュニティの価値を最も高める要素の一つです。
モデレーション(Moderation) — コミュニティ内の投稿やコメントを監視し、ルール違反や不適切な内容を管理する活動です。荒らし投稿の削除、スパムの排除、炎上の初動対応などが含まれます。健全な場を維持するために不可欠な業務です。
コミュニティガイドライン(Community Guidelines) — コミュニティ内で守るべきルールを明文化したものです。禁止事項だけでなく、「こういう行動を歓迎します」というポジティブな指針も盛り込むのが効果的です。
ファンマーケティング(Fan Marketing) — 既存のファンやロイヤルカスタマーを起点にして、口コミや紹介でブランドを広げるマーケティング手法です。コミュニティはファンマーケティングの実践の場として最適です。
コミュニティイベント(Community Event) — オンライン・オフラインを問わず、メンバーが集まる交流機会のことです。勉強会、交流会、ハンズオンワークショップなどがあります。BASEでは60秒でイベントページを作成でき、参加管理まで一気通貫で行えます。
ウェルカムシリーズ(Welcome Series) — 新規メンバーに対して段階的に送るメッセージの一連の流れです。参加直後に歓迎メール、3日後に使い方ガイド、1週間後に人気コンテンツ紹介といった設計が典型的です。
リエンゲージメント(Re-engagement) — 活動が止まったメンバーに対して、再びコミュニティに戻ってきてもらうための施策です。「最近見かけませんが、こんな話題が盛り上がっています」といった通知を送るのが代表的な手法です。
施策の話が終わったところで、次は「誰がどう動かすか」という体制の話に入ります。
運営体制・戦略編
コミュニティマネージャー(Community Manager) — 「顔」であり「黒子」でもある存在。メンバー対応、コンテンツ企画、データ分析、イベント運営——守備範囲は驚くほど広く、一人で何役もこなすのがこの職種の宿命です。
コミュニティ・オブ・プラクティス(CoP / Community of Practice) — 共通の関心テーマや業務領域を持つ人が自発的に集まり、知識を共有し合うコミュニティの形態です。企業内の技術者コミュニティや、業界横断の勉強会などがこれにあたります。
コミュニティ戦略(Community Strategy) — 「なぜこのコミュニティを運営するのか?」——この問いに即答できないなら、戦略が足りていません。目的、ターゲット、運営方針、成功指標を定めた計画のことで、ここが曖昧なまま始めると方向性がぶれて衰退しやすくなります。
ペルソナ(Persona) — コミュニティの典型的なメンバー像を具体化したものです。「入社3年目のマーケター、30歳、情報収集目的で参加」のように詳細に設定することで、コンテンツや施策の方向性が定まります。
カスタマーサクセス(Customer Success) — メンバーが望む成果を達成できるよう、能動的に支援する考え方・活動です。問題が起きてから対応する「サポート」と異なり、問題が起きる前に先回りして働きかけるのが特徴です。
ヘルススコア(Health Score) — メンバーの活動状況を複数の指標から総合的に数値化したものです。ログイン頻度、投稿数、イベント参加率などを組み合わせて算出し、離脱リスクの高いメンバーを早期に発見するのに役立ちます。
コホート分析(Cohort Analysis) — 「入学年度別の同窓会」のイメージ。メンバーを参加時期ごとのグループ(コホート)に分け、時間経過に伴う行動変化を追跡する分析手法です。「12月入会組の3か月後継続率は65%だが、1月入会組は72%」のように比較すると、施策の効果が見えてきます。
最後は技術寄りの話ですが、プラットフォーム選びはコミュニティの使い勝手を直接左右するので、運営者こそ知っておくべき用語が揃っています。
プラットフォーム・技術編
コミュニティプラットフォーム(Community Platform) — コミュニティの運営基盤となるソフトウェアやサービスのことです。掲示板機能、メンバー管理、分析ダッシュボードなどが統合されています。TIMEWELLの「BASE」は、AIネイティブ設計で60秒でページが作れるコミュニティプラットフォームです。
CRM連携(CRM Integration) — コミュニティのデータをCRM(顧客関係管理)システムと連動させることです。メンバーの活動データを営業やサポートの情報と結びつけることで、一人ひとりに適した対応が可能になります。
プッシュ通知(Push Notification) — メンバーのスマートフォンやブラウザに直接届ける通知のことです。新着投稿や返信のお知らせに使われます。ただし、送りすぎると「うるさい」と通知をオフにされ、逆効果に。頻度とタイミングの設計が命です。
ここで一つ、運営の現場でよくある失敗パターンを共有します。「通知を増やせばDAUが上がるはず」と安易に通知頻度を上げた結果、アプリの通知権限を切られてしまい、以降いっさいリーチできなくなった——という話は珍しくありません。通知は「最後の切り札」くらいの気持ちで設計するのがちょうどいいと思います。
SSO(Single Sign-On / シングルサインオン) — 一度のログインで複数のサービスにアクセスできる仕組みです。企業が運営するコミュニティで、既存の社員IDやGoogle IDでそのまま参加できるようにする場合に使います。
API連携(API Integration) — コミュニティプラットフォームと外部ツール(Slack、メール配信、CRM等)をプログラム経由で接続することです。手作業でのデータ転記が不要になり、運用効率が飛躍的に上がります。
まとめ
コミュニティ運営の用語は、大きく「指標系」「施策系」「体制系」の3つに分けて捉えると整理しやすくなります。
覚えておきたいポイントをまとめます。
- DAU/MAU比率がコミュニティの「粘着度」を測るもっとも基本的な指標
- オンボーディングの質が、その後のリテンション率を大きく左右する
- ゲーミフィケーションやUGCの促進がエンゲージメント向上の鍵
- モデレーションとコミュニティガイドラインで安全な場を維持する
- データに基づいた運営改善(コホート分析、ヘルススコア)が成長を加速させる
コミュニティは「作って終わり」ではなく、「育てて、変わり続ける」ものです。AIがモデレーションを補助し、メンバーの行動データから最適なタイミングで施策を打てる時代が来ています。この用語集で紹介した指標や施策が「当たり前」になった先に、コミュニティ運営のさらに面白いフェーズが待っているはずです。TIMEWELLの「BASE」はその一歩を60秒で踏み出せるプラットフォームとして設計されています。
