こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本隆太です。
「見えない部分にこそ、お金をかける」。東京都大田区蒲田で70年以上にわたり地域の建築を支え続ける藤田建設の言葉です。建物の基礎は、完成すれば二度と目に触れることのない部分。しかし、建物の寿命と安全性を左右する最も重要な構造体でもあります。
本記事では、藤田建設のマンション建築プロジェクトを通じて、地域密着型の建築会社が大切にする「お客様の財産を預かる責任」と、丁寧な施工へのこだわりをお伝えします。
藤田建設とは:蒲田で70余年の歴史を刻む建築会社
藤田建設株式会社は、東京都大田区蒲田に本社を置く建設会社です。1947年(昭和22年)に創業し、蒲田の地で70年以上にわたって建築事業を営んでいます。
会社の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都大田区蒲田 |
| 創業 | 1947年(昭和22年) |
| 事業内容 | 賃貸マンション・ビル等の建築工事 |
| 資格 | 一級建築士事務所 |
| 強み | 地域密着、基礎工事へのこだわり |
藤田建設は、一級建築士事務所としての設計力と、自社施工による品質管理を両立しています。大手ゼネコンのように全国展開するのではなく、地域のお客様との「顔の見える関係」の中で、一棟一棟に責任を持って施工する姿勢が評価されています。
「基礎が違う」と言われた施工品質
藤田建設がマンション4棟の建築を依頼されたきっかけは、あるオーナーの目に留まった施工品質でした。
蒲田に複数の土地を所有する地主の方が、藤田建設が近隣で行っていた新築工事の現場を見て、こう感じたそうです。
「他の工事現場と基礎が違う。見えない基礎にしっかりお金をかけている。」
なぜ基礎にこだわるのか
建物を支える基礎の部分には、建築基準法で強度の最低レベルが定められています。しかし、その最低レベルからどの程度余裕を持たせるかは、ある程度施工者の判断に委ねられています。
| 観点 | 最低基準での施工 | 藤田建設の施工 |
|---|---|---|
| コスト | 低い | やや高い |
| 建物の耐久性 | 基準を満たす | 基準を大きく上回る |
| 将来の修繕リスク | 高い | 低い |
| 手直しの可否 | 不可能(基礎は後から修繕できない) | 不要な品質を目指す |
基礎は完成後に見えなくなるため、コスト削減の対象にされやすい部分です。しかし、一度建ててしまえば手直しができない基礎こそ、最も品質を重視すべき部分。藤田建設はこの信念を貫いています。
10年にわたるマンション建築プロジェクト
この基礎へのこだわりが評価され、2009年から約10年間にわたって4棟のマンション建築を任されることになりました。
プロジェクトの経緯
老朽化した木造アパートの建て替えからスタートしたプロジェクトは、以下のような流れで進みました。
- 1棟目~3棟目:立ち退きの関係などで時期をずらしながら建築
- 4棟目:当初は3棟で終了予定だったが、仕上がりに満足されたオーナーから「生きているうちにもう一棟」との依頼
- 段取りと図面作り:4棟の経験を積み重ね、最後の4棟目ではスムーズな施工を実現
スムーズな施工を支える事前準備
4棟目の施工が「現段階でのベスト」と評価された背景には、徹底した事前準備があります。
- 大型機械の搬入計画:道路の形状を見ながら搬入動線を検討
- ガードマンの配置計画:安全確保と近隣住民への配慮
- 近隣への事前告知:工事現場周囲への適切なアピール
- 段取りの徹底:すべての工程を事前に考え抜き、ほぼ段取り通りに施工を完了
施工管理のプロフェッショナルとして、事前準備にどれだけ時間をかけるかが、現場のスムーズさと最終的な品質を左右します。
建設業におけるDXとAIの最新動向
藤田建設のような地域密着型の建設会社が大切にしてきた「丁寧な施工」は、2026年のDX時代においても変わらず重要です。一方で、建設業界全体ではデジタル技術の導入が加速しています。
建設DXの市場規模
2024年度の建設現場DX市場は586億円と推計され、2030年度には1,250億円に達する見込みです。
AI活用が進む施工管理
| AI活用領域 | 具体例 |
|---|---|
| 品質管理 | AI画像認識によるコンクリート打継面の良否判定(大成建設、判定時間わずか1秒) |
| 安全管理 | ドローン・監視カメラ映像のAI解析による危険箇所の自動検出 |
| 設備点検 | 画像異常検知AIによる設備点検の97%自動化(NTTファシリティーズ) |
| 工程管理 | BIMとクラウドツールの連携による進捗の可視化 |
ただし、AIやデジタルツールはあくまで「道具」です。建物の基礎に対するこだわりや、お客様の財産を預かる責任感は、技術では代替できない建設業の根幹です。デジタル技術を活用しながらも、職人の経験と判断力を生かした施工が、これからも求められ続けるでしょう。
お客様の財産を預かるということ
マンション4棟の建築を完了し、引き渡し前にオーナーに完成した建物を見てもらった際、「良かった、ありがとうね」と満足の言葉をいただきました。
しかし、その数日後にオーナーは倒れ、そのまま意識が戻ることなく亡くなられました。80歳を超えるお客様で、「これで最後だ」とおっしゃりながらも最後の4棟目を依頼してくださった経緯がありました。
「最後に、お客様が建てたかった建物を、自分の持てるベストのパフォーマンスで建てることができて良かった」。この言葉には、建物がお客様の財産であり、その財産を作る立場の重みが凝縮されています。
地域密着の建設会社が大切にすべきこと
- 見えない部分も丁寧に:基礎や配管など、完成後に見えなくなる部分こそ品質を追求する
- 財産を作る自覚:建物はお客様の財産であり、その責任を常に意識する
- 長期的な関係:建てて終わりではなく、お客様と一緒に建物を手入れしていく
- 顔の見える関係:地域のお客様との信頼関係の中で仕事を続ける
中小企業のDX・AI活用をTIMEWELL WARPが支援
建設業をはじめとする中小企業にとって、DXやAI活用は「やらなければいけない」とわかっていても、何から始めればよいかわからないという課題があります。
株式会社TIMEWELLが提供するAIコンサルティングサービス「WARP」は、中小企業のDX推進を専門家が伴走支援します。
- WARP:業務プロセスの分析からAI導入の戦略策定まで一貫支援
- WARP NEXT:既存業務への段階的なAI導入計画を策定
- WARP BASIC:経営層から現場スタッフまで、AI活用リテラシーを底上げする研修
施工管理のデジタル化、見積作成の効率化、顧客管理のシステム化など、建設業に特有の課題にも対応しています。
まとめ
- 藤田建設は蒲田で70年以上の歴史を持つ地域密着型の建設会社
- 見えない基礎にこだわる施工品質が評価され、10年にわたるマンション4棟の建築を受注
- 基礎は完成後に手直しができないため、最初から高品質な施工を行うことが重要
- 徹底した事前準備(搬入計画、安全管理、近隣配慮)がスムーズな施工を支える
- 建設DX市場は2030年に1,250億円規模へ成長見込み、AI活用も加速している
- 建物は「お客様の財産」であり、その財産を作る責任と長期的なケアが地域建設会社の使命
参考文献
- 藤田建設株式会社
- 藤田建設 - JR蒲田駅東口商店街
- 施工管理におけるAI活用 - KENTEM
- 建設DXとは?現状や市場規模 - RPA Technologies
- 施工管理におけるAI活用とは?- ANDPAD
