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コミュニティのエンゲージメントを高める15の施策|KPI設定から実践まで

2026-02-12濱本竜太

コミュニティのエンゲージメントを高める施策15選を表形式で整理。KPI設定ガイドと成功パターン3事例付きで、メンバーの参加率低迷を打開します。

コミュニティのエンゲージメントを高める15の施策|KPI設定から実践まで
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コミュニティのエンゲージメントを高める15の施策|KPI設定から実践まで

株式会社TIMEWELLの濱本です。

コミュニティを運営していると、ある日ふと気づくことがあります。「最近、投稿しているのは運営メンバーだけだな」と。メンバー数は増えているのに、実際に発言する人は一握り。大半がROM(読むだけ)の状態で、コミュニティというより一方通行のメディアに近くなっている。

これは珍しい話ではありません。オンラインコミュニティにおけるアクティブ率(月1回以上投稿する人の割合)は、平均で10〜20%と言われています。つまり、8割のメンバーは「見ているだけ」です。

ただ、これを「仕方ない」で片付けてしまうと、コミュニティは徐々に活力を失っていきます。この記事では、エンゲージメントを高める具体的な施策15個と、効果を測定するためのKPI設定ガイド、実際に成果を出した3つの事例を紹介します。

そもそもエンゲージメントとは何か

「エンゲージメント」という言葉は便利ですが曖昧でもあります。コミュニティ運営におけるエンゲージメントとは、メンバーがコミュニティに対して能動的に関わっている度合いのことです。

もう少し分解すると、以下の3つのレベルに分けられます。

レベル 行動の例 全体に占める割合の目安
閲覧のみ ログインして投稿を読む、イベント告知を見る 60〜70%
リアクション いいね、スタンプ、コメント、アンケート回答 20〜30%
能動的な貢献 投稿の作成、質問への回答、イベント登壇、他メンバーの紹介 5〜10%

全員を「能動的な貢献」レベルに引き上げるのは現実的ではありません。目指すべきは「閲覧のみ」から「リアクション」への移行を促すこと。この層を厚くすることで、コミュニティ全体の活気が変わります。

KPI設定ガイド:何を測ればいいのか

施策を打つ前に、まず現状を把握するための指標を設定します。「なんとなく盛り上がっている」では改善のしようがありません。

コミュニティ運営で追うべきKPI

KPI 計算方法 健全な目安 測定頻度
MAU(月間アクティブ率) 月1回以上ログインした人 ÷ 全メンバー 40%以上 月次
投稿アクティブ率 月1回以上投稿した人 ÷ 全メンバー 15%以上 月次
リアクション率 リアクションがついた投稿数 ÷ 全投稿数 70%以上 週次
7日以内アクション率 新規参加7日以内に何かアクションした人の割合 50%以上 月次
イベント参加率 イベント参加者 ÷ イベント申込者 60%以上 イベント毎
NPS(推奨度) 「このコミュニティを人に勧めたいか」の10段階評価 +30以上 四半期
離脱率 当月退会者 ÷ 前月末メンバー数 5%以下 月次

特に重要なのは「7日以内アクション率」です。新規メンバーが最初の1週間で何もアクションしなかった場合、その後アクティブになる確率は極めて低い。オンボーディングの成否がコミュニティの命運を分けます。

KPIの組み合わせで状態を診断する

単一のKPIだけでは状況を正しく把握できません。組み合わせで見ることが重要です。

状態 MAU 投稿アクティブ率 離脱率 診断
健全 高い 高い 低い 理想的な状態。現状維持しつつ規模拡大
ROM化 高い 低い 低い 見てはいるが参加していない。投稿のハードルを下げる施策が必要
流出 低い 低い 高い コンテンツの魅力不足。根本的な見直しが必要
濃い少数 低い 高い 低い コアメンバーは活発だが新規が定着しない。オンボーディング改善

エンゲージメント向上施策15選

施策を「すぐできるもの」から「仕組みとして整えるもの」まで、難易度別にまとめました。

No. 施策 難易度 効果の大きさ カテゴリ
1 ウェルカムメッセージの自動化 オンボーディング
2 自己紹介テンプレートの用意 オンボーディング
3 週1回の「お題」投稿 定期コンテンツ
4 リアクションスタンプの活用促進 参加ハードル低下
5 メンバー紹介コーナー 承認欲求
6 アンケート / 投票の定期実施 参加ハードル低下
7 月1回のオンラインイベント イベント
8 メンバー同士のマッチング 関係構築
9 分科会(サブグループ)の設置 居場所づくり
10 メンバーの投稿をピックアップして紹介 承認欲求
11 チャレンジ企画(7日間○○チャレンジ等) ゲーミフィケーション
12 バッジ / ランク制度の導入 ゲーミフィケーション
13 メンバーによるコンテンツ投稿制度 共創
14 オフラインミートアップ 関係構築
15 コミュニティアンバサダー制度 共創

以下、特に効果の大きい施策について補足します。

施策1:ウェルカムメッセージの自動化

新規メンバーが参加した直後に送るメッセージです。「ようこそ」だけでなく、以下の要素を含めてください。

  • コミュニティの簡単な紹介(何のための場所か)
  • 最初にやってほしいこと(自己紹介の投稿)
  • 困ったときの連絡先(運営のメンションやDM先)
  • 直近のイベント情報

これだけで7日以内のアクション率が大きく変わります。手動で送るのが大変なら、プラットフォームの自動化機能を使いましょう。

施策7:月1回のオンラインイベント

テキストベースのやり取りだけでは、メンバー同士の関係は深まりにくいです。月1回でも「顔が見える」イベントを開催すると、その後のテキストコミュニケーションの質が変わります。

イベントの形式例:

  • 勉強会(外部ゲストを招いたセミナー形式)
  • ライトニングトーク(メンバーが5分ずつ発表)
  • 雑談会(テーマを決めたフリートーク)
  • AMA(Ask Me Anything:特定の人に何でも質問)

形式にこだわりすぎず、まずは「集まる機会を作る」ことが大事です。

施策9:分科会(サブグループ)の設置

メンバーが50人を超えたあたりから「大きすぎて発言しにくい」という声が出てきます。全体の場に加えて、興味関心別のサブグループを作ると、居場所感が生まれます。

例えば、マーケティングコミュニティなら「SNS運用」「コンテンツマーケ」「広告運用」「データ分析」といったサブグループ。10〜20人の小さなグループのほうが、メンバーは発言しやすいです。

施策13:メンバーによるコンテンツ投稿制度

運営だけがコンテンツを作る体制は、早晩限界が来ます。メンバーが自分の経験や知見を共有できる仕組みを作ると、コンテンツの多様性が増し、投稿者本人のコミュニティへの愛着も深まります。

ただし「自由に投稿してください」だけでは動きません。テーマのガイドラインやテンプレートを用意し、投稿へのフィードバックを手厚くすることが重要です。

成功パターン3事例

事例1:BtoBのSaaSユーザーコミュニティ(メンバー300名)

課題:導入企業向けのコミュニティを作ったが、質問掲示板として使われるだけで交流がなかった。

実施した施策

  • 月1回のユーザー事例発表会を開始
  • 「活用TIPS」を投稿した人にバッジを付与
  • 業種別のサブグループを5つ設置

結果:投稿アクティブ率が8%から22%に向上。ユーザー事例発表会の参加者からの製品改善提案が月10件以上集まるようになった。

事例2:クリエイター向けコミュニティ(メンバー150名)

課題:作品を見せ合う場として立ち上げたが、上手い人ばかりが投稿し、初心者が萎縮していた。

実施した施策

  • 「今日のスケッチ」チャレンジ(上手さを問わず毎日投稿を促す)
  • 初心者歓迎のサブグループを設置
  • 月1回の「制作過程共有会」(完成品ではなく途中経過を見せ合う)

結果:投稿者の裾野が広がり、月間投稿数が3倍に。初心者から「ここは安心して投稿できる」という声が増えた。

事例3:地域コミュニティ(メンバー80名)

課題:オフラインイベントに来る人は楽しんでくれるが、オンラインでの交流がほぼゼロだった。

実施した施策

  • イベント前後にオンラインで「予習 / 復習」の場を設置
  • 日常的な「おすすめスポット共有」の投稿チャネルを追加
  • メンバー同士の1on1マッチングを月2回実施

結果:オンラインのMAUが25%から55%に向上。オフラインイベントの申込率も上がり、「オンラインで知っている人がいるから行きやすい」というフィードバックがあった。

やってはいけないこと

効果的な施策の一方で、逆効果になるアクションもあります。

投稿の強制 「月1回は必ず投稿してください」のようなルールは、義務感を生み、かえってコミュニティから距離を置かれます。あくまで「投稿したくなる仕掛け」を作るのが正解です。

数字の追いすぎ KPIは大事ですが、数字だけを追うと「エンゲージメント数を増やすために薄い投稿を量産する」という本末転倒な状態になります。量より質を意識してください。

運営の存在感が強すぎる 全ての投稿に運営が即レスする状態は、一見良さそうに見えますが、メンバー同士の対話を阻害します。あえて返信しない余白を作ることも大切です。

まとめ

エンゲージメントの改善は一朝一夕にはいきません。ただ、正しい指標を持ち、地道に施策を積み重ねれば、確実に変化は起きます。

  • KPIは「MAU」「投稿アクティブ率」「7日以内アクション率」を最優先で追う
  • 施策は「参加ハードルを下げるもの」から始める
  • 全員をアクティブにするのではなく「閲覧→リアクション」の移行を目指す
  • 50人を超えたらサブグループの設置を検討する
  • 運営が前に出すぎない。メンバーが主役の場を作る

BASEでは、メンバーの行動データを可視化する分析機能や、自動ウェルカムメッセージ、イベント管理機能など、エンゲージメント向上に必要な機能が揃っています。「数字で現状を把握して、仮説を立てて、施策を打つ」というサイクルを回しやすい環境です。

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