オンラインコミュニティの立ち上げ方|初心者向け7ステップ完全ガイド
株式会社TIMEWELLの濱本です。
「自社のコミュニティを作りたいけど、何から始めればいいか分からない」——そんな相談を受ける機会が増えました。SNS広告のCPAが上がり続けるなか、顧客と直接つながれるコミュニティの価値に気づく企業が多くなっています。
ただ、見切り発車で始めると高い確率で失敗します。実際、企業コミュニティの約7割が立ち上げから1年以内に実質的な活動停止に陥るというデータもあります。原因のほとんどは「設計不足」です。
この記事では、初めてオンラインコミュニティを立ち上げるマーケティング担当者に向けて、失敗しないための7ステップを具体的に解説します。コンセプト設計シートや初月の運用スケジュール表も載せているので、そのまま使ってみてください。
なぜ今、オンラインコミュニティなのか
まず前提を共有しておきます。企業がオンラインコミュニティに注目している背景は、大きく3つあります。
1. 広告費の高騰 Google広告やSNS広告のクリック単価は年々上昇しています。一度獲得した顧客との関係をコミュニティで維持できれば、リピート施策にかかるコストを大幅に抑えられます。
2. 顧客の声が拾いやすい アンケートやインタビューでは得にくい「本音」が、コミュニティの日常的なやり取りから見えてきます。商品開発やサービス改善のヒントが自然と集まる仕組みです。
3. ファンが新規顧客を連れてくる 熱量の高いメンバーがSNSや口コミで広めてくれる。紹介経由のユーザーはLTVが高い傾向にあり、コミュニティは最も費用対効果の良い集客チャネルになり得ます。
立ち上げ前に決める「コンセプト設計シート」
いきなりプラットフォームを選ぶのではなく、まずはコンセプトを固めます。以下のシートを埋めるところから始めてください。
| 項目 | 記入内容 | 例 |
|---|---|---|
| コミュニティ名 | 覚えやすく、内容が伝わる名前 | マーケ実践ラボ |
| 目的(企業側) | このコミュニティで何を達成したいか | 既存顧客のLTV向上、製品フィードバック収集 |
| 目的(参加者側) | メンバーが得られる価値 | 同業種の仲間との情報交換、実務ノウハウ |
| ターゲット | 誰を集めたいか、具体的に | BtoB企業のマーケ担当者、経験1〜3年目 |
| コミュニティ形式 | 情報共有型 / 学習型 / 交流型 / 支援型 | 情報共有型+月1回の勉強会 |
| 収益モデル | 無料 / 有料 / フリーミアム | フリーミアム(基本無料、限定コンテンツ有料) |
| 運営体制 | 担当者と役割分担 | コミュマネ1名+コンテンツ担当1名 |
| 成功指標 | 3ヶ月後に達成したい数字 | アクティブメンバー50名、月間投稿数100件 |
このシートを埋めるのに、だいたい1〜2時間かかります。ここで手を抜くと、あとで「そもそも何のためにやっているのか」が曖昧になり、運営が迷走しがちです。
7ステップで進めるコミュニティ立ち上げ
ステップ1:コアメンバーを10人集める
いきなり100人を集めようとしないでください。最初に必要なのは、コミュニティの雰囲気を作ってくれる「コアメンバー」です。
具体的には、既存顧客のなかからロイヤルティが高い人、SNSで自社に好意的な投稿をしてくれている人、社内の熱心なメンバーなどに声をかけます。目安は10人前後。この10人がコミュニティの文化を決めるので、人選は慎重に行ってください。
声のかけ方のコツ:
- 「あなたの意見を聞きたい」という姿勢を見せる
- 特別感を出す(「先行メンバーとして招待したい」など)
- 具体的に何をしてほしいかを伝える
ステップ2:プラットフォームを選ぶ
コミュニティの規模や目的に合ったプラットフォームを選びます。主な選択肢を比較しました。
| プラットフォーム | 特徴 | 月額費用の目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| Slack / Discord | チャット中心、エンジニア向き | 無料〜 | 技術コミュニティ、少人数の濃い交流 |
| Facebook グループ | 利用者が多い、始めやすい | 無料 | 広い層へのリーチ重視 |
| Commune | 国内大手、充実した分析機能 | 要問合せ(高め) | エンタープライズ向け |
| OSIRO | 独自世界観を作れる | 要問合せ | クリエイター・ブランドコミュニティ |
| BASE | AI活用で60秒でページ作成、低コスト | 要問合せ | 素早い立ち上げ、イベント連携 |
無料ツールは手軽ですが、メンバー管理やデータ分析に限界があります。長期的に運営するなら、専用プラットフォームのほうがストレスが少ないです。BASEはAIによるページ自動生成に加え、イベント管理やメンバー分析機能も一つのプラットフォームに統合されているため、運営ツールを複数使い分ける手間が省けます。
ステップ3:ガイドラインを作る
「ルールがないほうが自由でいい」と思うかもしれませんが、最低限のガイドラインがないとコミュニティは荒れます。以下の項目は必ず設定しておきましょう。
- 禁止事項(誹謗中傷、営業目的の投稿、個人情報の公開など)
- 推奨される行動(自己紹介の投稿、質問への回答、感想の共有など)
- 違反時の対応(警告→一時停止→退会の3段階がおすすめ)
ガイドラインは堅苦しくなりすぎないように、やわらかい言葉で書くのがポイントです。
ステップ4:初期コンテンツを準備する
メンバーが入ってきたときに「何もない」状態だと、すぐに離脱されます。最低限、以下のコンテンツを用意しておきましょう。
- ウェルカムメッセージ(コミュニティの使い方を案内)
- 自己紹介テンプレート(名前、所属、興味のあるテーマなど)
- 初回のディスカッションテーマ(簡単に答えられるもの)
- 過去の参考コンテンツ(ブログ記事やウェビナー録画など)
ステップ5:オンボーディングの仕組みを作る
新しいメンバーが入ったときに「歓迎されている」と感じてもらえるかどうかが、定着率を大きく左右します。
効果的なオンボーディング:
- 参加直後に自動でウェルカムメッセージを送信
- 自己紹介の投稿を促す(テンプレートを用意しておく)
- 既存メンバーが自己紹介にリアクションする文化を作る
- 1週間以内に何かしらのイベントやコンテンツに触れてもらう
特に3番目が重要です。運営側だけが反応するのではなく、メンバー同士で歓迎し合う空気を意識的に作ってください。
ステップ6:定期コンテンツのリズムを作る
コミュニティが続くかどうかは「リズム」にかかっています。毎週・毎月の定期コンテンツを決めておくと、メンバーが「次はいつだろう」と楽しみにしてくれます。
定期コンテンツの例:
- 毎週月曜:今週のお題(簡単なディスカッションテーマ)
- 毎月第2金曜:オンライン勉強会(ゲスト登壇 or メンバー発表)
他にもTIPSの共有や月次まとめなど、余裕が出てきたら追加していけばよいです。まずは週1回の投稿と月1回のイベントから始めてください。
ステップ7:振り返りと改善
立ち上げから1ヶ月経ったら、必ず振り返りをしましょう。見るべき指標は以下の通りです。
| 指標 | 目安 | 測定方法 |
|---|---|---|
| アクティブ率 | 30%以上 | 月1回以上ログインしたメンバーの割合 |
| 投稿数 | メンバー数の2倍以上 | 月間の総投稿数 |
| リアクション率 | 投稿の70%以上 | リアクション(いいね等)がついた投稿の割合 |
| 新規メンバー数 | 月10%以上の増加 | 当月の新規参加者数 |
| イベント参加率 | 申込者の60%以上 | 実際に参加した人の割合 |
数字だけでなく、メンバーの声を直接聞くことも大切です。初期メンバーに「どこが良かったか」「何が足りないか」を率直に聞いてみてください。
初月の運用スケジュール表
立ち上げからの1ヶ月を具体的にどう動くか、スケジュール表にまとめました。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1週目 | コアメンバー招待、自己紹介促進、ウェルカムコンテンツ公開 | 運営側が率先して投稿し、場を温める |
| 2週目 | 初回ディスカッション開始、メンバー同士の交流促進 | 質問を投げかけて会話のきっかけを作る |
| 3週目 | 初回オンラインイベント開催、フィードバック収集 | 少人数でも気にしない。まずは実施する |
| 4週目 | 月次振り返り、改善点の洗い出し、翌月の計画策定 | KPIを確認し、次のアクションを決める |
1週目は特に運営側の投稿量が重要です。メンバーは「この場は活発なのかどうか」を最初の数日で判断します。運営メンバーが毎日何かしら投稿している状態を作ってください。
よくある失敗パターンと対策
最後に、立ち上げ時によくある失敗を3つ挙げておきます。
失敗1:いきなり大人数を集めてしまう → 最初は少人数で「文化」を作ることが先です。100人のうち95人がROM(読むだけ)の状態は、コミュニティとは呼べません。
失敗2:運営側が投稿しすぎて「情報配信」になる → コミュニティは双方向の場です。運営の投稿は全体の3割以下に抑え、メンバーの発言を引き出す工夫をしましょう。
失敗3:KPIを設定しないまま走る → 「なんとなく盛り上がっている気がする」では判断できません。数字で状態を把握し、改善サイクルを回すことが長続きの秘訣です。
まとめ
オンラインコミュニティの立ち上げは、準備8割・実行2割です。改めてポイントを整理します。
- コンセプト設計シートで「目的」と「ターゲット」を明確にする
- コアメンバー10人の人選に時間をかける
- ガイドラインと初期コンテンツを事前に準備する
- 定期コンテンツでリズムを作り、継続の仕組みを整える
- 1ヶ月ごとに数字で振り返り、改善する
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