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OpenEvidence(オープンエビデンス)とは?日本での使い方・日本語・料金

公開2026-01-21更新2026-10-04濱本 隆太
医療AIOpen Evidence臨床判断支援エンタープライズAIWARP

OpenEvidence(オープンエビデンス)は、医師など医療従事者向けの医療AIです。2026年10月時点の利用規約と公式発表をもとに、日本から登録できるか、日本語での使い方、無料で使える理由、患者情報を入れる前に確かめたい国内のルールを整理しました。

OpenEvidence(オープンエビデンス)とは?日本での使い方・日本語・料金
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。

「open evidence」や「オープンエビデンス」と検索してこのページに来た方の多くは、名前は耳にしたけれど、日本の医師でも使えるのか、日本語は通じるのか、本当に無料なのかを確かめたいのだと思います。先に答えを書いておきます。2026年10月4日時点で、OpenEvidenceの利用規約が「提供しない地域」として挙げているのはEU・英国・EEA(欧州経済領域)と米国の禁輸対象国で、日本は入っていません。登録には医療従事者であることの確認が要り、日本の医籍登録番号が分かる書類で認証できたという報告が複数あります。質問は日本語で書けて、答えも日本語で返ってきます。料金について公式が明記しているのは「米国の認証済み臨床家は無料」という一文です。

よくある疑問 2026年10月4日時点の答え
OpenEvidenceとは 査読済みの医学文献と診療ガイドラインを根拠に、出典付きで答える医療従事者向けのAIです。米国の医師の過半数が平均して毎日使っていると公式に説明しています
日本から使えるか 規約上の除外地域に日本は入っていません。日本の免許で認証できたという利用報告が複数あります
誰が使えるか 医師などの医療従事者です。患者や一般の人の利用は想定していないと規約に書かれています
日本語 日本語で質問すれば日本語で答えます。画面の表示は英語が中心で、出典の論文も英語が中心です
料金 米国の認証済み臨床家は無料と公式に明記しています。運営費は広告でまかない、広告は回答に影響しないと説明しています
患者情報 HIPAA対応は米国の医療機関向けの仕組みです。日本では個人情報保護法と院内規程が先に来るので、個人を特定できる情報は入れないのが基本です

この記事は2026年1月の公開から何度か更新してきました。今回はOpenEvidenceの公式発表、利用規約とプライバシーポリシー(どちらも2026年9月17日改定)、厚生労働省のガイドラインにあたり直し、古くなった数字を差し替えています。タイトルにも入れていた「全米の医師の4割」は、2025年10月時点の公式発表にあった数字です。2026年の公式発表では「過半数」に変わっているので、この記事も合わせて直しました。

なお、当社TIMEWELLは医療機関ではなく、この記事は医療上の助言ではありません。診断や治療の判断は、必ず医師が行ってください。病院や製薬会社で生成AIの使い方を整理している方は、AIリテラシー診断で組織の現状を数分で確かめられます。

OpenEvidenceとは?2026年10月時点の公式情報で整理

OpenEvidenceは、米国フロリダ州マイアミに拠点を置くOpenEvidence社が提供する医療AIです1。創業者でCEOのDaniel Nadler氏は、経済データ分析のAI企業Kenshoを立ち上げ、S&Pグローバルに約5億5,000万ドルで売却した人物で、共同創業者のZachary Ziegler氏とともに医療の領域に移りました2。2023年3月にはMayo Clinic Platformのアクセラレーターへの参加を発表していて3、ここから医療現場の意見を取り込みながら製品を磨いてきた経緯があります。

利用規約での位置づけは明確です。医師などの医療従事者が専門的な立場で使うためのサービスで、提供する情報は教育と情報提供のためのもの。診断サービスとして使うことも、特定の製品や治療法を推奨することも、医療従事者の臨床判断の代わりになることも意図していない、と書かれています1。「医師向けのChatGPT」と紹介されることが多いのですが、規約を読むかぎり、調べものの道具であって判断の主体ではない、という線引きがはっきりしています。

回答の根拠になるのは、出版社や学会と結んだ契約で取り込んだ医学文献です。公式サイトの会社紹介では、NEJM、JAMAとJAMA Networkの専門誌、NCCN(全米総合がん情報ネットワーク)の診療ガイドライン、NatureとNature Portfolio、Cochraneのシステマティックレビューを公式パートナーとして挙げています4。NEJMとの契約は2025年2月5、JAMA Networkとの契約は2025年6月6に発表されたもので、2026年に入ってからもSpringer Nature(8月)やSage(9月)との提携が続いています7。

普及の規模は、公式の数字がこの1年で大きく変わりました。2025年10月の発表では「米国の医師の40%超が平均して毎日ログインしている」と説明していましたが8、2026年10月1日の発表に添えられた会社概要では「米国の医師の過半数が平均して毎日使っている」となっています9。2026年9月11日の発表では、世界で100万人を超える医師が使い、認証済みの医療従事者からの相談は累計5億件を超え、カナダでは医師の50%超が使っているとしています10。どれも会社自身の説明なので、その点は割り引いて読む必要がありますが、米国の医療現場で「試しに使うツール」の段階を過ぎたことは確かでしょう。

事業の面では、医師からはお金を取らず、製薬会社などの広告で運営費をまかなう形です。2026年1月には評価額120億ドルで2億5,000万ドルを調達し、年間売上は1億ドルを超えたと報じられました11。9月下旬には、評価額150億ドルでさらに2億5,000万ドルを調達したと米Axiosが報じています12。こちらは10月3日時点で会社の公式発表を確認できていないので、報道ベースの数字として扱ってください。

日本から使えるか、登録の条件と手順

日本から使えるかどうかは、利用規約の地域の条項で判断するのが確実です。2026年9月17日改定の規約は「本サービスはEU、英国、EEA、米国の禁輸対象国では提供しておらず、これらの地域からのアクセスと利用を禁じる」と定めています1。日本はこのリストに入っていません。ただし同じ規約には、会社の判断でいつでも特定の人や地域への提供を制限できるという条項もあります。欧州と英国はすでに対象外になっているので、「今日使えるから来年も使える」とは言い切れません。登録する時点の規約を確認する習慣は持っておいたほうがよいと考えています。

登録で求められる情報も規約に書かれています。氏名、メールアドレス、職種、専門、そして米国の医師番号であるNPI(National Provider Identifier)か、該当する場合はそれに代わる免許番号です1。日本の医師の多くはNPIを持っていないので、日本の免許番号の確認で認証を受けることになります。GIGAZINEの2026年6月の検証記事は、スマートフォンアプリでは医師・歯科医師なら医籍登録番号、薬剤師なら薬剤師名簿登録番号、看護師などは各資格の登録番号が分かる証明書の画像をアップロードしないとアカウントを作れなかったと伝えています13。日本の医師免許で認証を受けて使えたという利用報告はほかにもあります14。

手順そのものは難しくありません。ウェブ版(openevidence.com)を開くか、2024年8月から提供されているiOS・Android版のアプリ15を入れ、メールアドレスなどでアカウントを作ります。次に職種と専門を選び、免許の番号が分かる書類の画像をアップロードして、認証が通れば使い始められます。認証がすぐに終わるとは限らないので、外来の直前ではなく、少し余裕のあるときに済ませておくのがよいでしょう。

料金は、公式の会社概要に「米国の認証済み臨床家は無料」と書かれています9。広告ポリシーには、規模の大きな病院から小さな診療所まで、すべての医療従事者に無料かつ平等に提供することを約束する、という一文があります16。2026年9月にはカナダの医師免許の識別番号(MINC)で認証できる仕組みを入れ、カナダの医師が無料で使い続けられるようにすると発表しました10。日本からの利用について料金を定めた公式の案内は、10月3日時点で見当たりません。ロイターは9月23日、AnthropicとOpenEvidenceがウガンダやモンゴルなど約100の中低所得国の医師に特別版を無料で提供すると報じましたが17、これは日本の医師の利用条件が変わる話ではありません。

見落とされがちなのが、所属先のルールとの関係です。規約には、病院などの医療機関に所属している場合、AIツールや外部サービスの利用制限を含む所属先の方針に常に従うこと、という条項があります1。個人の判断で登録できても、院内で生成AIの扱いが決まっていなければ、あとから使い方の整理が必要になります。院内や社内のルールをこれから書き起こす方には、当社で配布している生成AI社内導入の稟議書と利用規程のテンプレートが出発点になります(無料。会社名とお勤め先のメールアドレスの登録が必要です)。一般企業向けのひな形なので、医療機関で使う場合は、患者情報の扱いを後で触れる厚生労働省のガイドラインに沿って書き足す前提で使ってください。

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日本語での使い方と、答えの読み方

日本語での質問はそのまま通ります。GIGAZINEの検証では、日本語で質問すると日本語で回答が返り、根拠になった論文が出典として並びました13。一方で、画面のメニューや設定は英語が中心で、出典として出てくる論文も英語のものがほとんどです。公式の発表一覧を2026年10月3日に見たかぎりでは、日本語への対応を正式にうたった発表も、日本の学会や出版社との提携の発表もありませんでした7。日本語で聞けることと、日本の医療に合わせて答えることは別物、と考えておくのが安全です。

答えの作り方は、検索拡張生成(RAG。質問のたびに関連する文献を探し出し、それをもとに答えを組み立てる方式)です。回答には出典が付き、その場で原文に飛べます。2026年7月には、回答の根拠になった文献の強さを、診療ガイドラインづくりで使われるGRADEの考え方にもとづいて示す「EvidenceGrade」を加えました18。ランダム化比較試験と小規模な観察研究を同じ重さで要約してしまう、というAIの弱点に手を入れた機能です。9月には、5秒ほどで答える標準のOsler、30秒ほどかけて臨床情報を聞き返しながら証拠を比べるSackett、5分ほどかけて文献全体を調べるSnowという3つのモデルを用途別に使い分けられるようにしました19。2025年7月に出た、複数の論文を読み込んで調査レポートを組み立てる「DeepConsult」も、この流れの延長にあります20。同社は2025年8月、米国の医師国家試験USMLEで初めて満点を取ったAIだとも発表しています21。医学の文章を扱う力の目安にはなりますが、試験の問題は整った形で出てきます。目の前の患者はそうではないので、臨床判断の代わりになるという意味には読まないほうがよいと考えています。

日本の医療従事者が使うときに、私が押さえておきたいと考えている読み方は三つです。一つ目は、出典の論文がどの国の、どの集団を対象にしたものかを確かめること。二つ目は、日本で承認されていない薬剤や、保険の適用範囲が日米で違う治療が答えに含まれていないかを見ること。三つ目は、同じテーマの国内の学会ガイドラインと突き合わせることです。OpenEvidenceは米国の学会や出版社の情報を優先的に取り込んでいるので、答えが国内の推奨と食い違うことがあります。そのときに大事なのは、どちらが正しいかを決めることではなく、それぞれの推奨がどの研究にもとづいているかを医師が読み解くことでしょう。

立ち位置を比べるために、汎用のチャットAIと、医学データベースの代表格であるUpToDateを並べてみます。

比較軸 OpenEvidence 汎用のチャットAI UpToDate
根拠にする情報 提携先の医学文献と診療ガイドライン ウェブ上の幅広い文章 専門医が執筆・改訂する記事
出典 回答ごとに表示 付かないか、付いても誤りが混じることがある 記事ごとに参考文献
使い方 質問すると出典付きの答えが返る 何でも聞けるが医療目的の利用には注意書きがある キーワードで記事を探して読む
料金(米国の医師) 無料(広告で運営) 無料版と有料版 有料の購読
利用者 認証を受けた医療従事者 誰でも 購読した医療従事者と医療機関

競争も激しくなっています。OpenAIは2026年4月、米国の認証済み医師や薬剤師などに無料で使える「ChatGPT for Clinicians」を公開しました22。外来の短い時間で要点をつかみたいときはOpenEvidence、腰を据えて領域全体を学び直したいときはUpToDate、という使い分けが現実的だと思います。どの道具を使うにしても、出典を開いて自分で読む手間を省かないことが、医療でAIを使う前提だと私は考えています。

患者情報と院内ルール、日本で使う前に確かめたいこと

最初に整理したいのがHIPAAです。OpenEvidenceは2025年4月25日、HIPAA(米国の医療情報の保護を定めた法律)の要件に対応し、米国の医療機関などの「カバードエンティティ」が、業務提携契約(BAA)を結んだうえで患者の保護対象医療情報を入力できるようになったと発表しました23。これは米国の制度の中での話です。日本の医療従事者が個人でアカウントを作って使う場合、この仕組みが日本の法律上の手当てになるわけではありません。

プライバシーポリシーには、利用者の質問内容を機密として扱うこと、保護対象医療情報でAIモデルを学習させないことが明記されています。同時に、会社が米国に本社を置き、個人情報が米国などのプライバシー保護の水準が異なる国や地域に移転されうることも書かれています24。利用規約は、個人を特定できる情報を入力した場合、本人や所属先から必要な同意を得ていることを利用者が保証し、匿名化を怠った責任は利用者が負うと定めています1。

日本の側のルールでは、個人情報保護委員会が2023年6月2日の注意喚起で、事業者が生成AIに個人情報を含むプロンプトを入力するときは利用目的の範囲内か十分に確認すること、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は個人情報保護法に違反する可能性があることを示しています25。病歴などの医療情報は要配慮個人情報に当たるので、慎重さはさらに求められます。病院などの医療機関には、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」がかかります。2026年6月に第7.0版が策定され26、9月に出たQ&Aの問18は、生成AIのプロンプトに医療情報を入れる場合、入力した情報が保存されないことが契約などで担保されていれば、サーバーが国内法の適用を受けている必要はないという考え方を示しました27。

このQ&Aの前提は、入力した情報が保存されないことを契約などで担保している点にあります。米国の大病院がOpenEvidenceを電子カルテに組み込む例でも、Cedars-Sinaiとの提携では、電子カルテの患者情報はその患者の診療判断にだけ使い、セッションの後には保存しないと公式に説明されています28。個人が利用規約に同意して作る無料のアカウントは、病院と事業者のあいだの契約とは性格が違います。個人で使うなら患者を特定できる情報は入れない、病院として使うなら契約と院内規程で条件を決める、という切り分けが現実的だと考えています。診察の会話を文字起こししてカルテの下書きを作る「Visits」という機能もありますが、公式には米国の医療従事者向けと案内されています29。患者の音声を海外のサービスに送る使い方は、日本では院内の承認を経ずに試すものではないでしょう。

規制上の位置づけも分けて考えます。日本では、病気の診断や治療に使う目的のプログラムは、薬機法上の医療機器(プログラム医療機器、SaMD)として承認などの手続きの対象になりえます30。OpenEvidenceは利用規約で自らを教育・情報提供目的のサービスで診断サービスではないと位置づけていて、日本で医療機器プログラムとして承認を受けたという発表もありません。医療分野の生成AIの使い方については、医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)の「医療・ヘルスケア分野における生成AI利用ガイドライン」第2版(2025年7月11日)も参考になります31。最終的な診療判断は医師が行うという原則は、OpenEvidenceの規約にも、これらの国内の指針にも共通しています。

前回までの記事から変わったこと(当時と現在)

前回の更新(2026年7月)から3か月ほどで、OpenEvidenceを取り巻く状況はかなり動きました。数字が古いまま残っていると判断を誤るので、変わった点を表にまとめておきます。

項目 前回までの記載 2026年10月時点
米国での利用 米国の医師の約4割が毎日利用 米国の医師の過半数が平均して毎日利用と公式に説明9
世界での利用 公式の数字は記載なし 世界で100万人超の医師、相談は累計5億件超(2026年9月11日の公式発表)10
提供地域 地域の制限には触れていなかった EU・英国・EEAでは提供しないと規約に明記。カナダは免許番号で認証して無料に110
評価額 120億ドル(2026年1月) 150億ドルで追加調達と報道(2026年9月、公式発表は未確認)12
医療機関との提携 Mount Sinai、Sutter Health、Cedars-Sinaiの電子カルテ統合 NewYork-Presbyterian(7月)、Penn Medicine、MSK、UTMB(9月)、AdventHealth(10月)が加わる7
主な機能 DeepConsult EvidenceGrade(7月)、医師が選んだ内容を患者向け資料にするPatient Take-Homes(8月)、用途別のモデル群(9月)183219
競合 汎用AIの医療向け製品が登場 OpenAIが米国の医療従事者向けに無料の「ChatGPT for Clinicians」を公開(4月)22

前回までの記事に載せていた、第三者の推計による月間新規登録数や1人あたり収益は、公式の数字で確かめられなかったので今回は外しました。また、Mount Sinaiとの提携は「7病院」と書いていましたが、公式発表ではMount Sinai Health Systemは6病院を擁すると説明されています33。Sutter Healthとの統合も、公式の発表日は2026年2月11日です34。

表を眺めて私が気になっているのは二つの変化です。一つは、論文を探す道具から、電子カルテの中で患者の情報と文献を突き合わせる道具へ役割が広がっていること。もう一つは、米国中心だった提供が、欧州では提供しない一方でカナダや中低所得国へ広がり、国や地域ごとに条件が分かれ始めていることです。日本の医療従事者にとっては、使えるかどうかが会社の判断ひとつで変わりうる、ということでもあります。

医療機関・製薬会社が生成AIを入れるときに借りたい設計

OpenEvidenceが米国の医療現場に入り込んだ理由を分解すると、医療以外の業務にもそのまま使える設計が見えてきます。参照する情報を品質の確かな文献に絞ること。回答に出典を必ず付け、人が原文を確かめられるようにすること。使う人を認証し、深い機能を誰に開くかを管理すること。正しさの根拠を持っている出版社や学会と正式に組むこと。そして2026年に加わった、根拠の強さそのものを見せること、の五つです。

病院がこの考え方を借りるなら、最初の一歩は道具選びではなくルールづくりだと考えています。どの情報なら入力してよいのか、患者情報を扱うなら誰が承認し、どの契約で何を担保するのか、使った記録をどう残すのか。安全管理ガイドラインのQ&Aが示したように、契約で何を約束させるかによって使えるサービスの範囲は変わります。個々の医師が便利だと感じて使い始め、院内のルールが後から追いかける、という順番は避けたいところです。

製薬会社にとっては、医師が毎日使う情報の入口に広告が載るモデルが米国で成り立ったことの意味は小さくありません。OpenEvidenceの広告ポリシーは、回答を作る仕組みと広告を表示する仕組みは完全に切り離されていて、広告主は回答の内容に影響できないと説明しています16。この切り離しを利用者がどこまで信頼できるかが、医療インフラとしての信頼を左右すると私は見ています。自社で医療従事者向けの情報提供にAIを使う場合も、根拠の文献と販促の情報をどう分けるか、誰がそれを審査するかを最初に決めておく必要があるでしょう。

AIコンサルティングの現場で、私は「ChatGPTに社内文書を読み込ませて使っていいか」「AIがもっともらしい誤りを書く問題にどう備えるか」という相談を毎週のように受けています。OpenEvidenceの答えは、誤りが起きない仕組みではなく、起きても人がすぐに検証できる仕組みでした。医療機関や製薬会社で、生成AIの利用ルールや導入の段取りを整理したい方には、月次で内容を更新しながら伴走するAIコンサルティングのWARPで、論点の整理から導入計画づくりまでお手伝いしています。医療AIの使われ方を診断支援・創薬・医療事務に分けて整理した医療AIの導入パターン(診断支援・創薬・医療事務)もあわせて読むと、全体像がつかみやすいはずです。具体的な相談は個別相談から受け付けています。

まとめ

  • OpenEvidenceは、提携先の医学文献と診療ガイドラインを根拠に出典付きで答える医療従事者向けのAIで、2026年10月時点の公式発表では米国の医師の過半数が平均して毎日使っています
  • 利用規約の除外地域はEU・英国・EEAと米国の禁輸対象国で、日本は含まれていません。登録には免許番号の確認が要り、日本の医籍登録番号で認証できたという報告が複数あります
  • 日本語で質問すれば日本語で答えますが、出典の論文と画面の表示は英語が中心です。日本の学会ガイドラインと保険適用は別に確かめる必要があります
  • 料金は米国の認証済み臨床家は無料と公式に明記され、運営費は広告でまかなっています
  • HIPAA対応は米国の医療機関向けの仕組みです。日本では個人で使うなら患者を特定できる情報を入れず、病院で使うなら契約と院内規程で条件を決めるのが基本です

OpenEvidenceは便利な道具ですが、日本の医療従事者にとっては「使えるかどうか」も「何を入れてよいか」も、規約と国内のルールの組み合わせで決まります。登録する前に一度、所属先の規程と最新の利用規約を並べて読んでみてください。その10分が、あとで患者情報の扱いに迷う時間を減らしてくれるはずです。

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参考

Footnotes

  1. OpenEvidence Terms of Use(対象者は医療従事者で患者・消費者向けではない、教育・情報提供目的で診断サービスではない、EU・英国・EEA・米国の禁輸対象国では提供しない、登録時にNPIまたは免許番号、所属組織のAI利用方針の遵守、個人を特定できる情報を入力した場合の責任) — OpenEvidence — 2026-09-17改定 — https://www.openevidence.com/policies/terms ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  2. OpenEvidence Business Breakdown & Founding Story(創業者の経歴と創業の経緯) — Contrary Research — 参照2026-07 — https://research.contrary.com/company/openevidence ↩

  3. OpenEvidence to Become a Mayo Clinic Platform Accelerate Company — OpenEvidence公式発表 — 2023-03-28 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-to-become-a-mayo-clinic-platform-accelerate-company ↩

  4. About(NEJM、JAMA Network、NCCN、Nature Portfolio、Cochraneとの公式パートナーシップ) — OpenEvidence — 参照2026-10-03 — https://www.openevidence.com/about ↩

  5. OpenEvidence Achieves $1 Billion Valuation in Sequoia-led Round and Announces Content Partnership with the New England Journal of Medicine — OpenEvidence公式リリース(PR Newswire) — 2025-02-19 — https://www.prnewswire.com/news-releases/openevidence-achieves-1-billion-valuation-in-sequoia-led-round-and-announces-content-partnership-with-the-new-england-journal-of-medicine-302380960.html ↩

  6. OpenEvidence and the JAMA Network Sign Strategic Content Agreement — OpenEvidence公式リリース(PR Newswire) — 2025-06-05 — https://www.prnewswire.com/news-releases/openevidence-and-the-jama-network-sign-strategic-content-agreement-302473690.html ↩

  7. Announcements(Springer Nature 2026-08-05、Sage 2026-09-29、NewYork-Presbyterian 2026-07-09、Penn Medicine 2026-09-15、MSK 2026-09-16、UTMB 2026-09-22、AdventHealth 2026-10-01 など) — OpenEvidence — 参照2026-10-03 — https://www.openevidence.com/announcements ↩ ↩2 ↩3

  8. OpenEvidence Collaborates with Microsoft to Expand AI Leadership in Healthcare(米国の医師の40%超が平均して毎日ログイン) — OpenEvidence公式発表 — 2025-10 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-collaborates-with-microsoft-to-expand-ai-leadership-in-healthcare-bringing-clinical-evidence-and-guidelines-to-enterprise-clinician-workflows ↩

  9. AdventHealth and OpenEvidence Together Support More Time for Patient Care(会社概要「米国の医師の過半数が平均して毎日利用」「米国の認証済み臨床家は無料」) — OpenEvidence公式発表 — 2026-10-01 — https://www.openevidence.com/announcements/adventhealth-and-openevidence-together-support-more-time-for-patient-care ↩ ↩2 ↩3

  10. OpenEvidence and MINC#NIMC Partner to Ensure Free Access for Canadian Physicians to Leading Medical AI Platform(世界で100万人超の医師、累計5億件超の相談、カナダの医師の50%超が利用) — OpenEvidence公式発表 — 2026-09-11 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-and-mincnimc-partner-to-ensure-free-access-for-canadian-physicians-to-leading-medical-ai-platform ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  11. OpenEvidence hits $12B valuation with new round led by Thrive, DST — TechCrunch — 2026-01-21 — https://techcrunch.com/2026/01/21/openevidence-hits-12b-valuation-with-new-round-led-by-thrive-dst/ ↩

  12. OpenEvidence reportedly raises $250M at $15B valuation — Axios Pro — 2026-09-25 — https://www.axios.com/pro/health-tech-deals/2026/09/25/openevidence-250m-raise-15b-valuation-a16z ↩ ↩2

  13. 医療従事者向けに作られたAI「OpenEvidence」に長年悩まされている症状について相談してみた(日本語での質問と回答、アプリ登録時の免許番号の確認) — GIGAZINE — 2026-06-01 — https://gigazine.net/news/20260601-openevidence-medical-ai-review/ ↩ ↩2

  14. OpenEvidenceとは?全米4割の医師が使う医療AI(日本からの利用報告) — decades.co.jp — 2026-02 — https://decades.co.jp/openevidence-clinical-guide-202602/ ↩

  15. OpenEvidence is now available for iOS and Android — OpenEvidence公式発表 — 2024-08-20 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-is-now-available-for-ios-and-android ↩

  16. OpenEvidence Advertising Policy(すべての医療従事者に無料かつ平等に提供、広告と回答の分離) — OpenEvidence — 2024-08-12改定 — https://www.openevidence.com/policies/advertising ↩ ↩2

  17. Exclusive: Anthropic, OpenEvidence partner to bring medical AI worldwide(ロイター配信。配信後に一部訂正あり) — The Star(Reuters) — 2026-09-23 — https://www.thestar.com.my/tech/tech-news/2026/09/23/exclusive-anthropic-openevidence-partner-to-bring-medical-ai-worldwide ↩

  18. OpenEvidence Launches EvidenceGrade — OpenEvidence公式発表 — 2026-07-10 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-launches-evidencegrade-empowering-physicians-to-see-the-strength-of-cited-evidence-beneath-each-ai-answer ↩ ↩2

  19. Introducing the OpenEvidence Model Family(Osler、Sackett、Snow) — OpenEvidence公式発表 — 2026-09-03 — https://www.openevidence.com/announcements/introducing-the-openevidence-model-family ↩ ↩2

  20. OpenEvidence announces $210 million round at $3.5 billion valuation(DeepConsultの発表を含む) — OpenEvidence公式リリース(PR Newswire) — 2025-07 — https://www.prnewswire.com/news-releases/openevidence-the-fastest-growing-application-for-physicians-in-history-announces-210-million-round-at-3-5-billion-valuation-302505806.html ↩

  21. OpenEvidence Creates the First AI in History to Score a Perfect 100% on the United States Medical Licensing Examination (USMLE) — OpenEvidence公式リリース(PR Newswire) — 2025-08-15 — https://www.prnewswire.com/news-releases/openevidence-creates-the-first-ai-in-history-to-score-a-perfect-100-on-the-united-states-medical-licensing-examination-usmle-302531156.html ↩

  22. OpenAI launches ChatGPT for Clinicians to expand AI support for U.S. healthcare professionals — HLTH — 2026-04-24 — https://hlth.com/insights/news/openai-launches-chatgpt-for-clinicians-to-expand-ai-support-for-u-s-healthcare-professionals ↩ ↩2

  23. OpenEvidence is now HIPAA compliant(米国のカバードエンティティがBAAのもとで保護対象医療情報を入力可能に) — OpenEvidence公式発表 — 2025-04-25 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-is-now-hipaa-compliant ↩

  24. OpenEvidence Privacy Policy: Medical Professionals(質問内容の機密扱い、保護対象医療情報で学習しない、米国などへの個人情報の移転) — OpenEvidence — 2026-09-17改定 — https://www.openevidence.com/policies/privacy ↩

  25. 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等 — 個人情報保護委員会 — 2023-06-02 — https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/ ↩

  26. 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版 — 厚生労働省 — 2026-06 — https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html ↩

  27. 医療情報システムの安全管理に関するガイドラインQ&A(問18 生成AIサービスのプロンプトとして医療情報を入力する場合) — 厚生労働省 — 2026-09 — https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001752355.pdf ↩

  28. OpenEvidence Partners with Cedars-Sinai to Create Patient-Aware Clinical Intelligence With Agentic Clinical AI(電子カルテの患者情報はセッション後に保存しない) — OpenEvidence公式発表 — 2026-05-20 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-partners-with-cedars-sinai-to-create-patient-aware-clinical-intelligence-with-agentic-clinical-ai ↩

  29. OpenEvidence Launches "Visits"(米国の認証済み医療従事者は無料) — OpenEvidence公式発表 — 2025-08-21 — https://www.openevidence.com/announcements/visits-real-time-medical-intelligence ↩

  30. 医療機器プログラムについて — 厚生労働省 — 参照2026-10-03 — https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179749_00004.html ↩

  31. 医療・ヘルスケア分野における生成AI利用ガイドライン(第2版) — 医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP) — 2025-07-11 — https://haip-cip.org/assets/documents/nr_20241002_02.pdf ↩

  32. OpenEvidence Launches Patient Take-Homes(医師が選んだ内容を患者向け資料にする任意の機能。患者は自分で質問できない) — OpenEvidence公式発表 — 2026-08-19 — https://www.openevidence.com/announcements/openevidence-launches-patient-take-homes ↩

  33. Mount Sinai Health System Collaborates with OpenEvidence to Provide Evidence-Based Knowledge Within Electronic Medical Record — OpenEvidence公式発表 — 2026-03-31 — https://www.openevidence.com/announcements/mount-sinai-health-system-collaborates-with-openevidence-to-provide-evidence-based-knowledge-within-electronic-medical-record ↩

  34. Sutter Health Collaborates with OpenEvidence to Bring Evidence-Based, AI-Powered Insights into Physician Workflows — OpenEvidence公式発表 — 2026-02-11 — https://www.openevidence.com/announcements/sutter-health-collaborates-with-openevidence-to-bring-evidence-based-ai-powered-insights-into-physician-workflows ↩

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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