AIコンサル

AI創薬完全解説2026|AlphaFold3×Evo 2・Eli Lilly AI Factory・DrugCLIP10兆スキャン・初のFDA承認2026-2027年予測

2026-01-21濱本

2026年、AI創薬が歴史的転換点に。AlphaFold3がタンパク質・DNA・RNA・リガンドの相互作用を予測。Arc InstituteのEvo 2はゲノム全体を学習する基盤モデル。Eli LillyがNVIDIAと10億ドル投資でAI Factoryを2026年早期に稼働。

AI創薬完全解説2026|AlphaFold3×Evo 2・Eli Lilly AI Factory・DrugCLIP10兆スキャン・初のFDA承認2026-2027年予測
シェア

株式会社TIMEWELLの濱本です。

2026年、AI創薬は実験段階から実用化への歴史的転換点を迎えています。

Google DeepMindのAlphaFold3は、タンパク質だけでなくDNA、RNA、リガンドの相互作用を予測可能に。Arc InstituteのEvo 2は、ゲノム全体を学習する革新的な基盤モデルです。Eli LillyはNVIDIAと10億ドルを投資し、2026年早期に「AI Factory」を稼働開始。初のAI設計FDA承認薬は2026〜2027年に登場すると予測されています。

本記事では、2026年のAI創薬最新動向と生物学研究の未来を解説します。

AI創薬 2026年最新情報

項目 内容
AlphaFold3 タンパク質、DNA、RNA、リガンドの相互作用予測
Evo 2 Arc Institute開発、ゲノム全体学習の基盤モデル
Eli Lilly AI Factory 2026年早期稼働、NVIDIAと10億ドル投資
DrugCLIP 1日10兆スキャン、従来の1000万倍高速
FDA承認予測 初のAI設計薬:2026〜2027年
市場規模 2023年18億ドル→2030年131億ドル(CAGR 18.8%)
AlphaFold効果 新規タンパク質構造の投稿40%以上増加
Nobel Prize AlphaFold、2024年ノーベル化学賞受賞

AlphaFold3——生命の分子相互作用を予測

AlphaFold5年間の成果

Google DeepMindのAlphaFoldは、2020年の登場以来、生物学研究を根本から変革しました。

主な成果:

  • 2024年:ノーベル化学賞受賞
  • 研究者の新規タンパク質構造投稿:40%以上増加
  • 200万以上の研究者がAlphaFoldを利用

AlphaFold3の革新

従来のAlphaFold2:

  • タンパク質の3D構造予測に特化

AlphaFold3の新機能:

  • タンパク質、DNA、RNA、リガンドの相互作用を予測
  • 「生命のすべての分子」の構造と相互作用を理解
  • 創薬プロセスの変革が期待

Isomorphic Labs:

  • DeepMindからスピンオフした創薬企業
  • AlphaFold3を創薬に直接適用
  • 「ターゲット発見→リード最適化」を加速

Evo 2——ゲノム全体を学習する基盤モデル

Arc Instituteの挑戦

Arc Instituteは、CRISPR技術のパイオニアPatrick Hsu氏らが共同設立した研究機関です。

Evoモデルの特徴:

  • DNA配列そのものを学習
  • 「進化(Evolution)」の原理を取り込む
  • ゲノム全体のパターンを理解

AlphaFold3 vs Evo 2

アプローチの違い:

項目 AlphaFold3 Evo 2
焦点 構造予測(3D座標) 機能理解(ゲノム言語)
手法 拡散モデル 長文脈シーケンスモデル
目的 標的介入(薬) ゲノムスケールパターン
強み タンパク質構造 DNA配列からの直接機能予測

補完的な関係:

「AlphaFoldは構造理解を、Evoは機能理解を追求。両者は競合ではなく補完関係にある」

VUS(意義不明の変異)の解釈

課題:

  • ゲノム検査で見つかる変異の多くは「意義不明」
  • 疾患リスクの判断が困難

Evoモデルの貢献:

  • BRCA1遺伝子の変異リスクを予測
  • 遺伝性乳がん・卵巣がんの判断支援
  • 予防的治療の意思決定に活用

Eli Lilly AI Factory——製薬巨人のAI投資

NVIDIAとの10億ドル投資

2026年早期、Eli LillyはNVIDIAと共同で「AI Factory」を稼働開始します。

投資内容:

  • 総額:10億ドル(5年間)
  • 対象:人材、インフラ、コンピューティング
  • 目的:AlphaFold的システムによる分子設計と検証の自動化

期待される成果:

  • 分子設計から合成・検証までを自動化
  • 創薬スピードの大幅向上
  • 臨床試験成功確率の改善

製薬業界のAI投資競争

市場規模:

  • 2023年:18億ドル
  • 2030年(予測):131億ドル
  • CAGR:18.8%

DrugCLIP——1日10兆スキャンの衝撃

中国発の革新的AI

中国の研究チームが開発したDrugCLIPは、創薬のスピードを劇的に向上させます。

性能:

  • 従来の仮想スクリーニングの1000万倍高速
  • 1日で10兆スキャンを実行
  • 5億の候補分子 × 1万のタンパク質標的

実績:

  • ヒトゲノムの約半分に相当するタンパク質をスキャン
  • 従来数ヶ月かかる作業を1日で完了

初のFDA承認——2026〜2027年の予測

AIが「ゼロから設計した」薬

予測:

「AIがゼロから設計した薬の初のFDA承認は、2026年後半〜2027年に実現する見込み」

現状の課題:

  • 分子設計は高速化されても、臨床試験は時間がかかる
  • 安全性・有効性の検証プロセスは省略不可
  • 規制当局の承認プロセス

AI創薬の段階的効果:

  1. ターゲット同定(Target ID)
  2. ヒット化合物探索
  3. リード化合物最適化
  4. 前臨床試験
  5. 臨床試験デザイン・データ解析
  6. 規制文書作成

AIエージェントと科学研究

科学のためのAIエージェント

Arc Instituteは「科学研究のためのAIエージェント」の開発にも取り組んでいます。

Virtual Cell Atlas:

  • 世界最大級の単一細胞データセット
  • AIエージェントが公開データベースを自動クロール
  • メタデータの整理・再解析を自動化

研究プロセスの変革:

  • 仮説生成
  • 文献調査
  • 実験計画
  • データ解析
  • 結果の解釈

Patrick Hsu氏の予測

2025年まで:

  • 完全な抗体医薬品の計算設計が可能に
  • 酵素のゼロからの設計(De novo)が成熟

2030年まで:

  • 「仮想細胞」モデルが実用レベルに到達
  • 創薬ターゲット選定の精度が飛躍的に向上

2050年まで:

  • 科学的超知能と呼べるAIシステムの登場
  • ウェットラボと完全統合された自己改善サイクル

当時と現在:AI創薬の進化

項目 当時(2020年頃) 現在(2026年)
タンパク質予測 AlphaFold2(タンパク質のみ) AlphaFold3(DNA、RNA、リガンド)
ゲノムAI 限定的 Evo 2(ゲノム全体学習)
製薬会社投資 実験的 Eli Lilly×NVIDIA 10億ドル
スクリーニング 数ヶ月 DrugCLIP 1日10兆スキャン
FDA承認 AI設計薬なし 2026-2027年に初承認予測
市場規模 数億ドル 2030年131億ドル
ノーベル賞 未受賞 2024年化学賞(AlphaFold)
VUS解釈 手動分析 AIによる自動リスク予測

導入の考慮点

メリット

1. 創薬スピードの向上

  • 分子設計の自動化
  • スクリーニングの高速化
  • 臨床試験成功確率の改善

2. コスト削減

  • 失敗する候補の早期排除
  • 効率的なリソース配分
  • 開発期間の短縮

3. 新たな治療法の発見

  • これまで「Undruggable」とされた標的への挑戦
  • 希少疾患への対応
  • 個別化医療の実現

注意点

1. 臨床試験の壁

  • AIが完璧な候補を設計しても検証には時間がかかる
  • 安全性・有効性の確認は省略不可
  • 規制承認プロセス

2. データの質と量

  • AIモデルの精度はデータに依存
  • バイアスのリスク
  • プライバシーと倫理

3. 実験室との統合

  • 計算予測と実験検証のギャップ
  • マウスとヒトの違い
  • トランスレーショナルリサーチの課題

まとめ

2026年、AI創薬はAlphaFold3、Evo 2、DrugCLIPなどの技術革新により、歴史的な転換点を迎えています。

本記事のポイント:

  • AlphaFold3:タンパク質、DNA、RNA、リガンドの相互作用を予測
  • 2024年ノーベル化学賞:AlphaFoldが受賞
  • Evo 2:Arc Institute開発、ゲノム全体を学習する基盤モデル
  • Eli Lilly AI Factory:2026年早期稼働、NVIDIAと10億ドル投資
  • DrugCLIP:1日10兆スキャン、従来の1000万倍高速
  • 初のFDA承認:AI設計薬は2026〜2027年に予測
  • 市場規模:2023年18億ドル→2030年131億ドル(CAGR 18.8%)
  • AlphaFold効果:新規タンパク質構造の投稿40%以上増加

2020年のAlphaFold登場から約6年——AI創薬は「可能性の証明」から「実用化」へと確実に進んでいます。

AlphaFold3は生命のすべての分子相互作用を予測し、Evo 2はゲノムの「言語」を理解し、DrugCLIPは1日で10兆のスクリーニングを実行します。Eli LillyとNVIDIAの10億ドル投資が示すように、製薬業界はAIに本格的に賭けています。2026〜2027年に予測される「初のAI設計FDA承認薬」は、創薬の歴史に新たな章を刻むことになるでしょう。

関連記事

AI導入について相談しませんか?

元大手DX・データ戦略専門家が、貴社に最適なAI導入プランをご提案します。初回相談は無料です。

この記事が参考になったらシェア

シェア

メルマガ登録

AI活用やDXの最新情報を毎週お届けします

ご登録いただいたメールアドレスは、メルマガ配信のみに使用します。

無料診断ツール

あなたのAIリテラシー、診断してみませんか?

5分で分かるAIリテラシー診断。活用レベルからセキュリティ意識まで、7つの観点で評価します。

AIコンサルについてもっと詳しく

AIコンサルの機能や導入事例について、詳しくご紹介しています。