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【完全解説】中国輸出管理法と両用品目輸出管理条例(2024年12月施行)|日本企業が押さえるべき体系図

2026-05-20濱本 隆太

2020年12月施行の中国輸出管理法と、2024年12月1日施行の両用品目輸出管理条例の体系を、米国EAR・日本外為法・EU 2021/821と並列に整理。中国子会社・調達側の日本企業が押さえるべき5層の法体系、許可制度、罰則、実務5ステップまでを輸出管理初心者向けに解説します。

【完全解説】中国輸出管理法と両用品目輸出管理条例(2024年12月施行)|日本企業が押さえるべき体系図
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株式会社TIMEWELLの濱本 隆太です。「中国の輸出管理は不透明で全体像がつかめない」というご相談を、製造業のコンプライアンス部門の方からいただくことが増えています。実際には、中国の輸出管理は2020年12月施行の 輸出管理法 を基本法に、2024年12月1日施行の 両用品目輸出管理条例 が下位法として包括ルールを整え、米国EARや日本外為法と同じく 5層の階層構造 を持つ体系として整備されてきました。本記事では、この体系を米国・日本・EUと並列に整理し、中国子会社をお持ちの方や、中国から両用品目を調達する立場の方が まず把握すべき骨格 を初心者向けに解説します。

この記事でわかること

  • 中国輸出管理の5層ピラミッド構造(憲法→法律→条例→部門規則→公告)
  • 主管官庁である商務部(MOFCOM)と海関総署の役割分担
  • 単一許可・包括許可・登録方式の3つの許可類型と申請プロセス
  • 規制対象品目(両用品目、レアアース、半導体、ガリウム等)の整理
  • 米国EAR・日本外為法・EU 2021/821との横並び比較
  • 中国子会社・調達側・技術供与の3パターン別の影響と実務5ステップ

まず用語を3つだけ理解する

中国の輸出管理を読み解くときに、最初に押さえておきたい用語が3つあります。ここを理解しておくと、条文や公告がぐっと読みやすくなります。

中国輸出管理法(出口管制法)— 基本法

中華人民共和国輸出管理法は、2020年10月17日に全国人民代表大会常務委員会が公布し、同年12月1日に施行された 輸出管理の基本法 です。米国でいう輸出管理改革法(ECRA, 2018)、日本でいう外為法(1949)、EUでいう規則2021/821に相当します。

軍民両用の貨物・技術・サービスに加え、軍用品、核関連品目、その他「国家の安全と利益」に関わる品目を包括的に規制する枠組みを定めています。日本企業が実務で接するのは、主にこの下位にある両用品目輸出管理条例です。

両用品目(两用物项 / dual-use items)— 規制対象の定義

両用品目とは、軍事と民生の両方に転用可能な貨物・技術・サービス を指します。輸出管理法第2条と両用品目輸出管理条例第2条で定義されており、具体的には次の4つを含みます。

  • 貨物(goods)
  • 技術(technology、設計図・製造ノウハウ等)
  • サービス(service、技術指導・訓練等)
  • データ(data、設計データ等)

米国EARの「dual-use items」、EU Dual-Use Regulationの「dual-use items」、日本外為法の「特定貨物・特定技術」と概念的には同じ立て付けです。

コントロールリスト(出口管制清单)— 品目分類体系

両用品目輸出管理リストは、2024年11月15日に公布、12月1日に施行された 規制対象品目の一覧 です。米国のECCN(Export Control Classification Number)に類似する 5桁コード体系 が採用されました。

カテゴリーは0〜9までの10種類で、米国CCLやワッセナー・アレンジメントとほぼ同じ構造です。

カテゴリー 内容
0 核関連
1 特殊材料・関連設備
2 材料加工
3 エレクトロニクス
4 コンピュータ
5 通信・情報セキュリティ
6 センサー・レーザー
7 航法・航空電子
8 海洋
9 航空宇宙・推進

この5桁コード化により、米国EARやEU Dual-Use Regulationとの 該非判定の国際整合性 が高まりました。たとえば「電子機器の品目4A001」を中国で判定する場合、米国のECCNやEUの品目番号と突き合わせやすくなった、という実務上のメリットがあります。

法体系のピラミッド — 5層構造で理解する

中国輸出管理の構造は、上位法から下位法へと階層的に整理されています。米国EARや日本外為法と同じく、上位法→下位法→個別公告 の多層構造を取ります。

[第1層] 憲法
   国家安全・公共利益の枠組み
   ↓
[第2層] 法律(全国人民代表大会常務委員会が制定)
   - 中華人民共和国輸出管理法(2020年)
   - 関連法:国家安全法、データ安全法、反外国制裁法 等
   ↓
[第3層] 行政法規=条例(国務院が制定)
   - 両用品目輸出管理条例(2024年12月1日施行)
   - 監控化学品管理条例
   - 軍用品輸出管理条例(核・ミサイル等は別建て)
   ↓
[第4層] 部門規則・管理弁法(商務部等の主管官庁が制定)
   - 両用品目輸出許可申請表作成ガイドライン(2025年)
   - 内部コンプライアンスガイドライン(2021年、2023年改訂)
   ↓
[第5層] 公告・通知(個別品目・国・企業を指定)
   - 両用品目輸出管理リスト(毎年12月末改訂)
   - コントロールリスト・注視リストの追加公告
   - 特定品目(ガリウム・ゲルマニウム・レアアース等)の個別公告

2024年12月1日施行の意味

両用品目輸出管理条例の施行に伴い、以下の旧法令は廃止・統合されました。

  • 「両用品目・技術輸出入許可証管理弁法」(2005年)
  • 「特定民生用化学品の輸出管理弁法」
  • 「核輸出管理条例」(一部)
  • 「ミサイル及び関連品目・技術輸出管理条例」(一部)

これにより、両用品目分野の体系は 「輸出管理法 → 両用品目輸出管理条例 → 個別公告」 に整理されました。米国EARが「ECRA → EAR(15 CFR Part 730-774) → CCL/エンティティリスト」、EUが「規則2021/821 → Delegated Regulation → Annex I更新」と階層構造を持つのと、構造的には類似します。

該非判定の属人化を、AIで解消する。

経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDなら、判定時間を約7割削減し、判定根拠を構造化データで保存できます。

主管組織と申請プロセス

商務部(MOFCOM)と海関総署

中国の輸出管理は、主に2つの中央官庁が役割を分担しています。

官庁 中国語 役割
商務部 商务部(MOFCOM) 輸出管理の主管官庁。許可審査、公告発出、リスト指定
海関総署 海关总署 税関の中央機関。輸出時の許可証確認、差止

これは米国でいうBIS(Bureau of Industry and Security)と税関(CBP)、日本でいう経済産業省と税関、EUでいう欧州委員会と各加盟国当局という分業構造と同じです。商務部が「許可を出すか」を審査し、海関総署が「実際の輸出時に許可証が揃っているか」を確認します。

なお、核・ミサイル関連は別の主管組織が併存しますが、両用品目領域については商務部に窓口が一本化されました。

3種類の許可

両用品目輸出管理条例 第三章で、3つの許可類型が定められています。

種類 中国語 内容 有効期間
単一許可 单项许可 特定の品目・特定の最終ユーザーへの1回限りの輸出 1年以内
包括許可 通用许可 単一または複数の最終ユーザーへ複数回輸出可(条件付き) 3年以内
登録方式輸出証書 信息登记 輸出前に商務部へ情報登録し、証書を取得して輸出 都度

日本の外為法でいう「個別許可・包括許可・特別一般包括許可」、米国EARでいう「個別ライセンス・ライセンス例外」と機能的に対応します。

申請の流れ

一般的な輸出許可申請のフローは次の通りです。

[1] 該非判定(輸出者が両用品目リストに該当するか確認)
        ↓
[2] 最終ユーザー証明書・最終用途証明書の取得
   (中国政府機関の公印付きを求められる場合あり)
        ↓
[3] 商務部へ輸出許可申請
   (輸出契約・技術資料・最終用途証明等を添付)
        ↓
[4] 商務部の審査(条例第17条で標準審査期間を規定)
   ※ 注視リスト対象は審査期間の制限を受けない
        ↓
[5] 許可証発行(単一/包括/登録方式のいずれか)
        ↓
[6] 海関総署で通関手続き(許可証の確認)

2024年条例での重要な変更点は以下の3つです。

  1. 輸出事業者の事前登録制度を廃止。事前登録なしで個別許可申請が可能になりました。
  2. 5桁コード を導入し、該非判定の国際整合性が向上しました。
  3. エンドユーザー証明書 の提出を明文化しました(条例第14条等)。
  4. 再輸出・移転 に関する規定として第49条で 域外適用 が追加されました。

規制対象品目 — 個別公告で動く部分

両用品目輸出管理リストは年次で更新されますが、それとは別に、商務部公告で 個別品目 が随時規制対象に追加されます。とくに2023年以降、特定の鉱物・素材・技術について順次規制が整備されてきました。

時期 品目 措置
2023年7月 ガリウム、ゲルマニウム 輸出許可制
2023年10月 黒鉛(グラファイト) 輸出許可制
2024年8月 アンチモン、超硬材料 輸出許可制
2024年12月 ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン等 対米輸出禁止/黒鉛は対米審査厳格化
2025年2月 タングステン、テルル 輸出許可制
2025年4月 中・重レアアース 輸出許可制
2025年10月 レアアース関連技術・ノウハウ/域外適用(第49条適用初) 国外製品(中国産レアアース含有0.1%以上)も対象
2025年11月〜2026年11月 上記主要レアアース・電池材料 1年間の一時停止(2025年11月7日〜2026年11月10日)

ここで注意したいのが、2025年11月の一時停止は法体系自体の変更ではなく、特定品目について時限的に許可義務を緩和した運用上の措置 という点です。停止終了後の取扱いは未確定で、引き続き商務部公告のウォッチが必要です。

その他の規制対象

  • 商用暗号:商用暗号輸出管理リスト(商務部・国家暗号管理局・海関総署の連名)
  • 監控化学品:化学兵器禁止条約(CWC)関連
  • 軍用品:軍用品輸出管理条例(別建て)

米国EAR・日本外為法・EU 2021/821との比較

中国の輸出管理を「特殊で不透明」と捉えるのではなく、各国・地域が 自国の安全保障観に基づき整備した制度の一つ として横並びで見ると、構造の共通点が見えやすくなります。

項目 中国(輸出管理法+条例) 米国(EAR) 日本(外為法) EU(規則2021/821)
上位法 輸出管理法(2020) 輸出管理改革法(ECRA, 2018) 外国為替及び外国貿易法(1949) 規則2021/821(2021)
下位規則 両用品目輸出管理条例(2024) EAR(15 CFR Part 730-774) 輸出貿易管理令、外国為替令、貨物等省令 各加盟国の実施法
主管官庁 商務部(MOFCOM)、海関総署 商務省BIS、税関 経済産業省(METI)、税関 欧州委員会+各加盟国当局
品目分類コード 5桁コード(ECCN類似) ECCN(5桁) 貨物等省令の項番 EU Dual-Use List番号
許可類型 単一・包括・登録方式(3類型) 個別ライセンス、ライセンス例外 個別、包括、特別一般包括 個別、包括(EU内・国際)、グローバル
域外適用 第49条で導入(2024〜) 直接製品ルール、外国直接製品ルール(FDPR) 限定的(原則属地主義) 限定的
エンドユース管理 軍事最終用途・最終ユーザーへの輸出禁止 軍事用途・軍事最終ユーザー規制(MEU/MIEU) キャッチオール規制 エンドユースコントロール
エンティティ規制 コントロールリスト、注視リスト エンティティリスト、SDNリスト、未検証リスト 外国ユーザーリスト 制裁リスト
罰金上限 最大500万元または違法売上の10倍 最大30万米ドル/件または取引額の2倍 最大10億円または取引額の5倍 加盟国ごとに異なる

共通点と相違点

共通点

  • 軍民両用品目を主な規制対象とする
  • リスト規制+エンドユース/エンドユーザー規制の二層構造
  • 国際レジーム(ワッセナー、NSG、AG、MTCR)との整合性を意識
  • 違反には刑事罰を含む

相違点

  • 域外適用の射程:米国EARが最も広く、中国は2024年条例で初導入、日本・EUは限定的
  • 罰金水準:制裁実例・最大額ともに米国が最も大規模
  • 公開度:米国はEntity List等を詳細公開、中国は段階的に整備中
  • 行政運用:日本は事業者との対話を重視、米国は調査・執行を重視

中国の体系は、2020年の基本法施行から 約5年で米国EARやEU規則と肩を並べる水準 にまで整備が進んだ、というのが法務実務界の共通認識です。

罰則 — 最大500万元または違法売上の10倍

両用品目輸出管理条例 第五章「法律責任」で、行政罰と刑事責任が規定されています。

行政罰

違反態様 罰則
無許可輸出(違法売上≧50万元) 違法売上の5〜10倍の罰金、違法所得没収
無許可輸出(違法売上<50万元) 最大500万元(約700,000米ドル)の罰金
報告義務違反(フォワーダー等) 警告または罰金
業務停止 重大違反時は事業停止命令、輸出資格の取り消し
個人責任 直接責任者への罰金、終身の輸出業務禁止

刑事責任

無許可輸出が「密輸罪」「国家秘密漏洩罪」等に該当する場合、刑法に基づく刑事責任が追及されます。国家安全・利益を脅かす場合は、関連法律でさらに重い処分の可能性があります。

再申請の制限

刑事処分を受けた企業や個人は、その後の包括許可・登録方式輸出証書を取得できないと条例で規定されています。長期的な事業継続を考えると、行政罰の金額以上に「再申請権限の喪失」がインパクトの大きい点と言えます。

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日本企業への3つの影響パターン

中国輸出管理が日本企業に及ぶ経路は、おおむね3パターンに整理できます。自社がどの立場にあるかで、優先的に取り組むべき領域が変わります。

パターン1:中国に拠点を持つ日本企業(中国子会社)

中国子会社が両用品目を 中国国外へ輸出 する場合、両用品目輸出管理条例が直接適用されます。

  • 親会社(日本本社)への輸出も、両用品目に該当すれば許可申請が必要
  • 中国国内で取得した技術・ノウハウを国外へ持ち出す場合、技術輸出として規制対象
  • 「みなし輸出」(视同出口)の概念があり、中国国内における外国人への技術提供も対象になる可能性

日本本社のグループコンプライアンスの観点では、中国子会社の輸出許可取得状況を 月次・四半期で把握する体制 を整えるのが定石です。

パターン2:中国から調達する日本企業(買い手側)

中国から両用品目を調達する立場の日本企業は、直接の規制対象ではないものの、サプライチェーンが止まるリスク にさらされます。

  • 2025年4月以降のレアアース規制、半導体材料規制により、中国側の輸出許可が下りないケースで調達が滞る可能性
  • 最終用途証明書の作成・提出に協力する必要が生じる
  • サプライチェーンの可視化・代替調達源の確保が論点に

特に、レアアース・ガリウム・ゲルマニウム・黒鉛・タングステンなど 特定鉱物を含む製品 を取り扱う場合は、Bill of Materials(BOM)レベルで中国産含有率を把握しておくのが望ましいです。

パターン3:技術供与・技術提携

日本企業から中国法人への技術供与は、中国側で「みなし輸出」として規制対象になる可能性があります。

  • 日本→中国への技術ライセンス契約は、中国側で受領者が両用品目該当性を判定する必要
  • 中国から第三国への技術再移転は、域外適用(第49条)の検討対象
  • 共同開発・出向・研究委託など、契約の形にかかわらず「技術がどこに渡るか」が見られる

2026年2月公告のコントロールリスト・注視リスト

2026年2月、商務部は 日本企業・組織計40社 を以下の2リストに掲載しました。事実関係として整理しておきます。

リスト 該当数 措置
コントロールリスト(管控名单) 20社・組織 両用品目の輸出禁止、第三者経由の供給も禁止
注視リスト(关注名单) 20社・組織 包括許可・登録方式利用不可。個別許可申請時にリスク評価書・用途証明書の追加提出義務。審査期間の制限なし

注視リストの「審査期間の制限なし」は、事実上の無期限審査となる可能性が指摘されています。米国のEntity List、日本の外国ユーザーリスト、EUの制裁リストと機能的に対応する仕組みです。

実務でやるべき5ステップ

中国輸出管理に対応するために、日本企業として5月時点で着手できる実務を5ステップで整理します。

ステップ1:自社の取引マップを作成する

中国子会社からの輸出、中国からの調達、中国法人への技術供与の3経路で、両用品目に該当しうる取引を棚卸しします。BOMレベルで中国産品目・部品が含まれているかを確認します。

ステップ2:両用品目リスト(5桁コード)で該非判定

2024年12月施行の両用品目輸出管理リストに照らし、自社が扱う品目の該非判定を行います。米国ECCNと類似する5桁コード体系のため、ECCNから推測できる品目も少なくありません。CISTECの仮訳が日本語での確認資料として広く使われています。

ステップ3:取引先のリストスクリーニング

商務部公表のコントロールリスト・注視リストに、自社の取引先や最終ユーザーが掲載されていないか定期的に確認します。米国SDNリスト、EU制裁リスト、日本の外国ユーザーリストと併せて、4法域の統合スクリーニング を行うのが標準です。

ステップ4:最終ユーザー証明書の運用フロー

中国子会社が許可申請を行う場合、最終ユーザー証明書・最終用途証明書の提出が条例第14条等で明文化されています。日本本社が最終ユーザーとなる場合は、親会社として証明書を発行する標準フォーマット を準備しておくと、子会社の許可申請が円滑になります。

ステップ5:年次見直しのワークフロー

両用品目輸出管理リストは毎年12月末に改訂されます。また商務部公告で個別品目の追加・修正が随時行われます。MOFCOM公式、JETRO北京・上海事務所、CISTECなどの 定期チェック情報源 を社内で割り当て、年次見直しワークフローを組み込んでおきます。

よくある誤解/FAQ

Q1. 中国の輸出管理法と米国のEARはどちらが厳しいですか?

一概には言えません。一般論として、域外適用の射程(直接製品ルール、外国直接製品ルール)と執行実績の蓄積では米国EARの方が広範です。一方、中国は2024年条例と2025年のレアアース規制(第49条の初適用)で急速に体系を整備しつつあります。どちらか一方ではなく、両方の遵守体制が必要 というのが実務上の答えになります。

Q2. 中国の輸出許可を取得すれば、日本国内でも自由に取り扱えますか?

いいえ。中国側の輸出許可は中国法上の手続きです。輸入側(日本)では外為法・関連告示に基づく確認が別途必要です。米国原産技術を含む場合はEARの再輸出規制も適用されます。複数法域の遵守が前提 です。

Q3. 中国子会社が日本本社に部品を輸出する場合、許可は必要ですか?

両用品目に該当する場合は必要です。中国子会社は中国の輸出者として、両用品目輸出管理条例に基づき商務部から輸出許可を取得する必要があります。日本本社は輸入者として最終ユーザー証明を提出することが多くなります。

Q4. レアアース規制は今どうなっていますか?

2025年10月に商務部公告第61号等で大幅に強化(域外適用、技術ノウハウまで規制)された後、2025年11月7日から2026年11月10日まで1年間、対象品目の許可義務が一時停止されています。停止終了後の取扱いは未確定です。法体系自体が緩和されたわけではなく運用上の措置である 点に注意が必要です。

Q5. 注視リストに掲載されたらどうなりますか?

包括許可・登録方式の利用ができなくなり、個別許可申請が必要になります。申請時には、リスク評価報告書と「軍事力強化に寄与する用途に使用しない」旨の書面の提出が求められます。さらに条例第17条の標準審査期間の制限が外れるため、審査が長期化する可能性があります。

まとめ

  • 中国輸出管理は 輸出管理法(2020)→ 両用品目輸出管理条例(2024)→ 個別公告 の3階層を中核に、5層のピラミッド構造で整備されている
  • 主管官庁は 商務部(MOFCOM)と海関総署 の分業体制。米国のBIS+税関、日本の経産省+税関と同じ立て付け
  • 許可類型は 単一・包括・登録方式の3種類。エンドユーザー証明書の提出が2024年条例で明文化された
  • 規制対象は両用品目リストに加え、ガリウム・ゲルマニウム・レアアース等の 個別公告品目 が随時追加される
  • 日本企業への影響は 中国子会社・調達側・技術供与の3経路。BOMレベルでの品目把握とリストスクリーニングが基本
  • 米国EAR・日本外為法・EU 2021/821と並列に扱い、4法域の統合管理 で対応するのが現実的

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