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RAG・GraphRAGのよくある質問20選|仕組み・精度・導入方法を徹底解説

2026-02-12濱本竜太

RAGとGraphRAGの違い、精度、コスト、ハルシネーション対策まで20のFAQに回答。企業でのAI活用に不可欠なRAG技術をわかりやすく解説します。

RAG・GraphRAGのよくある質問20選|仕組み・精度・導入方法を徹底解説
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RAG・GraphRAGのよくある質問20選

株式会社TIMEWELLの濱本です。

「RAGって最近よく聞くけど、結局何なの?」「GraphRAGとは何が違うの?」「うちの会社でも使えるの?」。AIに関わる方からこういった質問を本当によくいただきます。

RAG(検索拡張生成)は、企業がAIを実用レベルで活用するために欠かせない技術になりました。でも、仕組みや使い方がピンときていない方も多いと思います。この記事では、RAGとGraphRAGにまつわる20の質問に、できるだけ平易な言葉でお答えします。

RAGの基本

Q1: RAGとは何ですか?

一言で言うと、「AIが答える前にまずカンニングする仕組み」です。RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、AIが回答を生成する前に外部のデータベースから関連情報を検索し、その情報をもとに回答を作る。日本語では「検索拡張生成」と訳します。ChatGPTのようなLLMは学習時のデータしか知りませんが、RAGを使うと社内文書や最新のデータベースの内容を踏まえた回答が可能になるんです。

Q2: なぜRAGが必要なのですか?

LLMには大きく2つの弱点がある。1つは学習データが古く最新情報を知らないこと、もう1つは社内の固有情報を知らないこと。RAGはこの2つの弱点を補います。自社のマニュアル、FAQ、議事録、契約書などをデータベースに入れておけば、AIがそれらを参照して回答してくれるようになる。個人的には、RAGこそが企業AIの「実用化の鍵」だと思っています。

Q3: RAGなしでLLMだけ使うとどうなりますか?

こんなケースを想像してください。社員が「うちの有給休暇の申請締切はいつ?」とAIに聞いたとき、LLMは一般的な就業規則の知識をもとに「前日まで」と答えるかもしれない。でも実際は「3営業日前まで」かもしれません。これがハルシネーション(幻覚)――知らないことをもっともらしく答える問題です。RAGを使えば、実際の自社の就業規則を参照して回答するので、正確性が格段に上がります。

Q4: RAGの仕組みをもう少し詳しく教えてください

3つのステップで動きます。まずユーザーが質問する。次に、質問に関連する文書をデータベースから検索する(Retrieval)。最後に、検索結果をLLMに渡して回答を生成する(Generation)。検索の部分では「ベクトル検索」という技術が使われることが多く、テキストを数値ベクトルに変換して類似度を計算する仕組みです。

Q5: どんなデータをRAGに使えますか?

PDF、Word、Excel、PowerPoint、テキストファイル、Webページなど、テキスト情報が含まれるほぼすべてのフォーマットに対応できます。画像内のテキストもOCRで抽出して使える。ただ、ここが肝心なのですが、データの品質が回答の品質に直結します。古い情報や誤りを含むデータは事前にクリーニングしておかないと、「ゴミを参照して回答する」AIになってしまいます。

GraphRAGについて

Q6: GraphRAGとは何ですか?RAGとどう違いますか?

これはよく聞かれる質問ですが、通常のRAGとGraphRAGでは情報の扱い方が根本的に違います。GraphRAGは2024年にMicrosoftが発表した新しい手法。通常のRAGがテキストを「チャンク(かたまり)」に分割して検索するのに対し、GraphRAGはテキストから「ナレッジグラフ」を構築する。ナレッジグラフとは、情報同士の関係性をネットワーク構造で表したもの。「Aさんは○○部に所属」「○○部は△△プロジェクトを担当」のように、情報のつながりを理解できるわけです。

Q7: GraphRAGはどのくらい精度が高いですか?

Data.worldの調査によると、GraphRAGは従来のRAGに比べてLLMの回答の正確性を約3倍向上させたという結果が出ています。特に、複数の情報を組み合わせて回答する必要がある質問や、広範囲のデータを要約する質問で強みを発揮します。

Q8: GraphRAGのデメリットはありますか?

あります。正直なところ、構築にかかるコストと時間は通常のRAGより大きい。ナレッジグラフの作成にLLMを使うため、データ量が多いとAPI費用がかさみます。グラフ構造の設計にもある程度の専門知識が必要。小規模なFAQ対応であれば通常のRAGで十分で、GraphRAGが真価を発揮するのは、部門をまたいで大量の複雑なデータを横断検索したいケースです。

Q9: うちの会社でGraphRAGは使えますか?

逆に質問ですが、御社の社内文書は何件くらいありますか? 数百〜数千件以上あり、部門横断で情報を検索したいというニーズがあれば、GraphRAGの導入価値は高い。ZEROCKにはGraphRAGが組み込まれており、自前でナレッジグラフを構築する手間なく利用できます。IT部門長として「うちでもできるのか」を判断するなら、まず対象文書の件数と検索ニーズを棚卸しするのが最初の一歩です。

精度と品質

Q10: RAGを入れればハルシネーションはなくなりますか?

完全にはなくなりません。RAGは「参照すべき情報」を提供しますが、LLMがその情報を正しく解釈するかは別の話。ただ、大幅に減るのは確かです。対策としては、回答に情報源を明示する、回答の信頼度スコアを表示する、複数のLLMで照合する。この3つを組み合わせるのが現時点のベストプラクティスです。

Q11: チャンクサイズとは何ですか?なぜ重要ですか?

チャンクとは、文書を検索可能な単位に分割したかたまり。チャンクサイズはその1つ1つの大きさです。大きすぎると検索の的が絞れず、小さすぎると文脈が失われる。一般的には200〜500トークン程度が目安ですが、文書の性質によって最適値は変わります。正直なところ、ここは試行錯誤するしかない部分で、一発で最適値が出ることはまずありません。

Q12: RAGの精度を上げるにはどうすればいいですか?

主に5つの手法があります。チャンクサイズの最適化、メタデータの付与(文書の種類、部署、作成日など)、データの前処理(不要なヘッダーやフッターの除去)、リランキング(検索結果の並び替え)、そしてプロンプトの工夫。これらを組み合わせることで、回答精度は段階的に向上する。お客様のケースでは、メタデータの付与だけで精度が10ポイント以上改善したこともあります。

Q13: Self-RAGとは何ですか?

Self-RAGは、AIが自分自身の回答を評価しながら回答を生成する手法です。通常のRAGでは検索結果をそのままLLMに渡しますが、Self-RAGでは「この検索結果は質問に関連しているか」「生成した回答は事実に基づいているか」をAI自身がチェックします。精度は上がりますが、処理時間とコストが増えます。

コストと導入

Q14: RAGの導入にはいくらかかりますか?

自前で構築する場合、ベクトルデータベースの利用料、LLMのAPI費用、開発工数を合わせて200万〜1,000万円が相場。SaaS型のRAGプラットフォームなら月額10万〜100万円で始められる。IT部門の予算で考えると、まずはSaaS型で効果を実証してから自前構築を検討する方が、稟議も通しやすいです。

Q15: 導入にどのくらい時間がかかりますか?

SaaS型であれば、データの投入からテスト運用まで2〜4週間で始められるケースもある。自前構築なら2〜6か月が目安です。どちらの場合もボトルネックになるのはデータの前処理。ここに手間がかかるかどうかで、期間が大きく変わります。

Q16: RAGに適したユースケースは?

社内ナレッジ検索、カスタマーサポートの自動応答、法務文書の条文検索、技術マニュアルの参照など。一言で言えば「正確な情報をもとに回答する必要がある業務」が向いている。逆に、創造的な文章生成やブレインストーミングのような用途にはRAGの必要性は低いですね。

Q17: RAGのデータは常に最新にする必要がありますか?

理想はリアルタイム更新ですが、実務的には文書の更新頻度に合わせれば十分です。マニュアルが月1回更新されるなら、月1回のデータ同期で問題ありません。ただし、人事異動や制度変更など、即時反映が必要な情報は仕組みで対応しておきましょう。

運用と将来

Q18: RAGの運用で注意すべきことは?

データの鮮度管理、利用ログの分析、回答精度のモニタリング。この3つです。特に見逃されがちなのが「AIが回答できなかった質問」の分析で、ここを定期的にチェックしてデータベースに足りない情報を補充するサイクルを回さないと、精度が頭打ちになります。

Q19: RAGの技術は今後どう進化しますか?

2026年の時点では、GraphRAGの実用化、マルチモーダルRAG(画像や動画も検索対象にする)、エージェント型RAG(AIが自律的に複数のデータソースを検索・統合する)が注目されています。技術の進化は速いですが、基本となる「検索して生成する」という仕組みは変わりません。

Q20: RAGを試してみたいのですが、最初のステップは?

まず対象とするデータ(社内FAQ、マニュアルなど)を50〜100件ほど選び、SaaS型のツールで試してみることをお勧めします。ZEROCKであれば、PDFやWordをアップロードするだけでRAG環境が構築でき、すぐに質問応答を試せます。体感すれば、自社でどう活用できるかのイメージが一気に湧きます。

まとめ

RAGとGraphRAGについて、押さえるべきポイントです。

  • RAGは「検索してから生成する」技術。社内データをAIに参照させることで正確な回答を実現
  • GraphRAGは情報の関係性をグラフ構造で把握し、精度を約3倍向上させる
  • ハルシネーションは完全には防げないが、RAGで大幅に減らせる
  • 導入はSaaS型なら数週間から。自前構築なら2〜6か月
  • 運用はデータの鮮度管理と回答精度のモニタリングがカギ

RAGの世界は技術進化が速いですが、「検索して生成する」という基本思想は変わりません。まずは自社のFAQやマニュアル50件でいいので、RAG環境を試してみてください。体感すると「これは使える」か「まだ早い」かの判断がすぐにつきます。ZEROCKならGraphRAG搭載で、PDFをアップロードするだけで試せます。


参考文献

  • Microsoft Research「GraphRAG: Unlocking LLM discovery on narrative private datasets」2024年
  • Data.world「Knowledge Graph + LLM Accuracy Study」2023年
  • WEEL「RAGの精度向上手法まとめ」2025年

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