こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本隆太です。
2025年12月11日、OpenAIはGPT-5.2をリリースし、AI業界に新たなマイルストーンを打ち立てました。開発コードネーム「Garlic」と呼ばれたこのモデルは、「Instant」「Thinking」「Pro」の3バリアント構成で、ARC-AGI-1ベンチマーク初の90%超えを達成しています。
同年8月のGPT-5リリースからわずか4ヶ月。Googleの Gemini 3 Pro(2025年11月18日公開)やAnthropicの Claude Opus 4.5(2025年11月公開)との競争が加速するなか、OpenAIは「フロンティアモデル三強時代」の一角として存在感を示しました。
本記事では、GPT-5.2の各モデルの特徴、公式ベンチマーク、API料金、競合比較、そして企業での活用方法を解説します。
GPT-5.2の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース日 | 2025年12月11日 |
| コードネーム | Garlic |
| モデル体制 | Instant・Thinking・Pro の3種 |
| ARC-AGI-1スコア | 90%超(業界初) |
| コンテキスト長 | 400,000トークン |
| 最大出力トークン | 128,000トークン |
| 知識カットオフ | 2025年8月31日 |
| API料金(入力) | $1.75/1Mトークン |
| API料金(出力) | $14.00/1Mトークン |
GPT-5からGPT-5.2への進化の経緯
GPT-5の登場(2025年8月7日)
2025年8月7日、OpenAIはGPT-5を正式リリースしました。GPT-4oから約1年半ぶりのメジャーバージョンアップとして、以下の成果を達成しています。
- AIME 2025: 94.6%(ツールなし)
- SWE-bench Verified: 74.9%
- ハルシネーション低減: Web検索有効時、GPT-4o比で事実誤り約45%減少
- 統合アーキテクチャ: 高速モデルと推論モデルをリアルタイムルーターで切り替え
GPT-5の最大の革新は「統合システム」設計です。軽量な回答と深い推論をルーターが自動判断し、ユーザーはモデルを意識せず最適な応答を得られるようになりました。
Gemini 3 Proとの競争
2025年11月18日にGoogleがGemini 3 Proを発表。LMArenaリーダーボードで1501 Eloを記録し、20ベンチマーク中19でトップスコアを獲得するなど圧倒的な結果を示しました。これに対抗する形で、OpenAIはGPT-5.2を12月11日にリリースしています。
GPT-5.2の3モデル体制を徹底解説
モデル比較一覧
| 項目 | GPT-5.2 Instant | GPT-5.2 Thinking | GPT-5.2 Pro |
|---|---|---|---|
| 特徴 | 高速・低コスト | 推論特化 | 最高性能 |
| 主な用途 | 日常タスク、チャット | 複雑な分析、問題解決 | 研究、高度な専門タスク |
| 応答速度 | 最速 | 中程度 | 時間をかけて最高品質 |
| 強み | 情報検索、翻訳、技術文書 | 表計算、財務モデリング、コーディング | 複雑ドメインでのエラー低減 |
| 利用プラン | Free(制限あり)〜 | Plus以上 | Pro($200/月)限定 |
GPT-5.2 Instant
日常的な利用に最適化されたモデルです。OpenAIの公式発表によると、以下の領域で明確な改善が確認されています。
- 情報検索の質問に対する回答精度が向上
- How-toガイドやウォークスルーの品質が改善
- 技術文書の作成が正確に
- 翻訳品質が向上
APIコストは入力$1.75/1Mトークン、出力$14.00/1Mトークンで、GPT-5($1.25/$10.00)より約40%高いものの、性能向上幅を考慮するとコストパフォーマンスは良好です。
GPT-5.2 Thinking
推論能力に特化したモデルで、旧o1/o3シリーズの進化系です。内部で「推論トークン」を生成しながら段階的に思考するChain-of-Thought方式を採用しています。
OpenAIの早期テストで特に効果が確認された領域は以下の通りです。
- 表計算のフォーマットと財務モデリング
- コーディングタスク
- 長文ドキュメントの要約
- 計画立案と意思決定支援
なお、Thinkingモデルの推論トークンは出力トークンとして課金されるため、複雑なクエリではコストが増加する点に注意が必要です。
GPT-5.2 Pro
ChatGPT Proプラン($200/月)で利用できる最高性能モデルです。全ベンチマークで最高スコアを記録し、特に複雑なドメインでの「重大なエラー」が大幅に減少しています。研究、法務、医療など高い正確性が求められる分野に最適です。
ベンチマーク結果——業界初の記録達成
ARC-AGI-1で90%超え
GPT-5.2 Proは、汎用推論能力を測るARC-AGI-1(Verified)ベンチマークで、業界初の90%超えを達成しました。
| モデル | ARC-AGI-1スコア |
|---|---|
| GPT-4o | 5% |
| o1 | 約25% |
| o3-preview | 87% |
| GPT-5.2 Pro | 90%超 |
| 人間基準値 | 85% |
さらに、より難易度の高いARC-AGI-2ベンチマークでも注目の結果が出ています。
| モデル | ARC-AGI-2スコア |
|---|---|
| Gemini 3 Pro | 31.1% |
| Claude Opus 4.5 | 37.6% |
| GPT-5.2 Thinking | 52.9% |
| GPT-5.2 Pro | 54.2% |
主要ベンチマーク総合比較
| ベンチマーク | GPT-5.2 Pro | Gemini 3 Pro | Claude Opus 4.5 |
|---|---|---|---|
| ARC-AGI-2 | 54.2% | 31.1% | 37.6% |
| GPQA Diamond | 92%以上 | 91.9% | -- |
| SWE-bench Verified | 最高クラス | 76.2% | -- |
| コンテキスト長 | 400K | 1M | 200K |
| 出力トークン | 128K | 64K | -- |
各モデルに得意分野があり、2026年は「マルチモデルルーティング」——タスクに応じて最適なモデルを使い分ける運用が主流になりつつあります。
技術仕様の進化
400Kコンテキストウィンドウ
GPT-5.2のコンテキスト長は400,000トークン。約30万語、一般的な書籍5〜6冊分に相当します。
| モデル | コンテキスト長 |
|---|---|
| GPT-4 | 8K / 32K |
| GPT-4 Turbo | 128K |
| GPT-5 | 256K |
| GPT-5.2 | 400K |
| Gemini 3 Pro | 1M |
Gemini 3 Proの1Mトークンには及ばないものの、400Kトークンは企業ユースで十分な長さです。コードベース全体の処理、複数のAPI仕様書の同時参照、大量の法務文書分析などに対応できます。
128K出力トークン
最大128,000トークンの出力が可能で、長編レポートの一括生成、詳細な技術ドキュメント作成、大規模コードの生成に対応します。
GPT-5.2-Codex——エージェント型コーディング
2026年1月14日リリース
GPT-5.2本体のリリース後、2026年1月14日にコーディング特化のGPT-5.2-Codexがリリースされました。
| 項目 | GPT-5.2-Codex |
|---|---|
| リリース日 | 2026年1月14日 |
| 特徴 | エージェント型自律コーディング |
| コンテキスト圧縮 | 対応(長時間セッション向け) |
| セキュリティ | サイバーセキュリティ機能強化 |
従来のコード補完との違い
従来型: ユーザーがコードを書き → AIが次の行を提案 → ユーザーが承認
GPT-5.2-Codexのエージェント型:
- ユーザーが要件を説明
- Codexがコードベース全体を分析
- 必要なファイルを自動で特定・修正
- テストを実行して検証
- 完成したコードを提出
開発者はより高いレベルの指示を出すだけで、実装の詳細はAIに任せられる時代が到来しています。
料金体系
ChatGPTプラン
| プラン | 月額 | GPT-5.2アクセス |
|---|---|---|
| Free | 無料 | Instant(制限あり) |
| Plus | $20 | Instant + Thinking(制限あり) |
| Pro | $200 | 全モデル無制限 |
| Team | カスタム | チーム向け設定 |
| Enterprise | カスタム | 企業向け設定 |
API料金
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| GPT-5.2 | $1.75/1Mトークン | $14.00/1Mトークン |
| GPT-5.2(キャッシュ入力) | $0.175/1Mトークン | -- |
| Batch API | $0.875/1Mトークン | $7.00/1Mトークン |
Batch APIを利用すれば50%割引となり、リアルタイム性が不要なワークロードではコストを大幅に抑えられます。
競合3社の比較——2026年フロンティアモデル三強時代
2026年2月現在、AI業界はGPT-5.2、Gemini 3 Pro、Claude Opus 4.6の三強体制です。
| 項目 | GPT-5.2 Pro | Gemini 3 Pro | Claude Opus 4.6 |
|---|---|---|---|
| リリース日 | 2025年12月 | 2025年11月 | 2026年2月 |
| ARC-AGI-2 | 54.2% | 31.1% | -- |
| コンテキスト | 400K | 1M | 1M |
| 数学(MathArena Apex) | -- | 23.4% | -- |
| マルチモーダル | 強力 | 最強(MMMU-Pro 81%) | -- |
| コーディング | GPT-5.2-Codex | SWE-bench 76.2% | エージェントチーム対応 |
| 強み | 推論・数学 | マルチモーダル・コスパ | エージェント・コーディング |
各モデルに明確な強みがあるため、企業はタスクに応じた使い分けが推奨されます。
企業がGPT-5.2を活用するためのZEROCK
GPT-5.2のような最新AIモデルを企業で安全に活用するには、セキュリティとガバナンスの基盤が不可欠です。
株式会社TIMEWELLが提供するZEROCKは、エンタープライズ向けAIプラットフォームです。
- GraphRAG技術: 社内ナレッジを構造化し、AIが正確に参照
- AWS国内サーバー: データを日本国内で管理、セキュリティ要件に対応
- マルチモデル対応: GPT-5.2、Claude、Geminiなど複数モデルを用途に応じて切り替え
- プロンプトライブラリ: 業務別に最適化されたプロンプトを組織で共有
- ナレッジコントロール: 機密情報の漏洩を防ぎながらAIを活用
GPT-5.2を「個人ツール」ではなく「組織の武器」として活用したい場合、ZEROCKのような基盤が鍵となります。
まとめ
GPT-5.2は、OpenAIが打ち出した2026年のAI新基準です。
- 2025年12月11日リリース。Gemini 3 ProやClaude Opus 4.5との競争で前倒し公開
- Instant・Thinking・Proの3モデル体制で用途別に最適化
- ARC-AGI-1で90%超え(業界初)、ARC-AGI-2でも54.2%で競合を大きくリード
- 400Kコンテキスト、128K出力で大規模ドキュメント処理に対応
- GPT-5.2-Codex(2026年1月14日)でエージェント型コーディングが本格化
- API料金は入力$1.75、出力$14.00/1Mトークン。Batch APIで50%割引
- 2026年はマルチモデル時代。GPT-5.2、Gemini 3 Pro、Claude Opus 4.6の使い分けが主流
GPT-5.2の登場により、AIは「ツール」から「パートナー」へと進化しつつあります。企業にとって重要なのは、どのモデルを選ぶかではなく、自社の業務にどう組み込むか。その戦略設計こそが、2026年の競争力を左右する要素となるでしょう。
参考文献
- Introducing GPT-5.2 | OpenAI
- Introducing GPT-5.2-Codex | OpenAI
- Introducing GPT-5 | OpenAI
- GPT-5.2 Benchmarks(Explained)| Vellum
- GPT-5.2 & ARC-AGI-2: A Benchmark Analysis | IntuitionLabs
- Gemini 3: Introducing the latest Gemini AI model | Google Blog
- OpenAI API Pricing
