こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本隆太です。
2026年、AIエージェントは「汎用型」から「専門特化型」へと進化のフェーズが変わりつつあります。その象徴的な事例が、株式会社ユーザベースが提供するSpeeda AI Agentです。
2025年6月に発表、同年10月にデスクトップ版がGA(正式リリース)されたSpeeda AI Agentは、200カ国以上・1,000万社超の企業データベースを基盤に、Flash Research(高速検索)とDeep Research(深層分析)の2つのAIエージェントを搭載。2025年12月にはNTTデータとの販売支援契約締結、Salesforce AgentExchangeへの登録と、エンタープライズ展開が加速しています。
本記事では、Speeda AI Agentの全機能、競合との違い、導入効果、そして活用方法を解説します。
Speeda AI Agent 2026年最新情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 2025年6月30日 |
| デスクトップ版GA | 2025年10月1日 |
| モバイルβ版 | 2025年10月リリース |
| Salesforce連携 | AgentExchange対応、Agentforce拡張 |
| NTTデータ連携 | 2025年12月、販売支援契約締結 |
| データカバレッジ | 200カ国以上、1,000万社超、M&A 180万件以上 |
| 提供企業 | 株式会社ユーザベース |
| Speeda利用企業数 | 3,000社以上 |
Speeda AI Agentとは——経済情報に特化したAIエージェント
ユーザベースの17年の経済情報基盤
Speeda AI Agentは、2008年創業のユーザベースが17年以上にわたって蓄積したビジネスインテリジェンス基盤と、生成AIを融合させた経済情報特化のAIエージェントです。
基盤となるデータ資産:
| データ種別 | 規模 |
|---|---|
| 企業データ | 200カ国以上、1,000万社超(上場・非上場) |
| M&Aデータ | 180万件以上のグローバルM&A情報 |
| 統計データ | グローバルな経済・市場統計 |
| ニュース・トレンド | リアルタイムの経済ニュース |
| エキスパート知見 | 専門家の見解とアナリスト視点 |
このデータ基盤は、金融機関やコンサルティングファームからも評価される品質を持ち、3,000社以上の企業の意思決定に活用されています。
2つのAIエージェントの連携アーキテクチャ
Speeda AI Agentの技術的な特徴は、2つの専門エージェントの協調動作にあります。
| エージェント | 役割 | 機能 |
|---|---|---|
| ゴール特化エージェント | ユーザーの業務目的を理解 | ビジネス目標に合わせた本質的なインサイトを提供 |
| 情報処理エージェント | データソースの特性に応じた処理 | 多種多様な経済情報を構造化し、横断的な比較・分析を実現 |
この2エージェント連携により、「企業Aの課題を分析して」という自然な質問に対して、財務データ、M&A履歴、市場トレンド、競合状況を統合した包括的な回答が得られます。
主要機能の詳細
Flash Research——高速AI検索
Flash Researchは、ビジネス情報に特化した高速AI検索機能です。汎用的なWeb検索とは異なり、Speedaの専門データベースを情報源とするため、信頼性の高い回答が瞬時に得られます。
Flash Researchの特徴:
- Speedaのデータ・コンテンツを基にした専門検索
- 質問に対して数秒で関連情報を抽出
- 出典を明示した回答(参照元が常に確認可能)
- 一般的なAIチャットボットにありがちな「もっともらしいが不正確な回答」を排除
活用シーン:
- 商談前の企業情報クイックチェック
- 競合の最新動向の素早い把握
- 会議中のリアルタイム情報確認
Deep Research——推論モデルによる深層分析
Deep Researchは、推論モデルとアナリスト視点を組み合わせた深層分析機能です。Flash Researchが「素早く答えを出す」のに対し、Deep Researchは「じっくり深く分析する」ことに特化しています。
Deep Researchの分析項目:
| 分析カテゴリ | 内容例 |
|---|---|
| 競合分析 | 競合他社の財務状況、戦略、市場ポジション |
| サプライチェーン | 特定仕入先への依存度、代替先の候補 |
| リスク評価 | 原材料価格変動、地政学リスク、規制変更 |
| 市場環境 | 市場規模、成長率、トレンド、参入障壁 |
| M&A動向 | 業界のM&A傾向、潜在的なターゲット企業 |
自動レポート作成
Speeda AI Agentは、ワンクリックで各種ビジネス文書を自動生成します。
対応レポート:
- 企業レポート: 財務・事業概要・競合ポジションの総合分析
- アカウントプラン: 営業戦略資料(顧客課題、提案ポイント、競合状況)
- 競合分析レポート: 競合企業との多角的比較
- 市場調査レポート: 市場規模、トレンド、成長予測
すべてのレポートで参照元が明示されるため、社内外のプレゼンテーションでもそのまま活用可能です。
Salesforce連携——営業現場でのAI活用
AgentExchange対応
2025年9月、Speeda AI AgentはSalesforce AgentExchangeに登録されました。これにより、SalesforceのAgentforce機能を経済情報データで拡張できます。
Speeda AI Agent for Salesforceの機能:
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 顧客リサーチ | Salesforce画面上で顧客企業の最新情報を表示 |
| アカウント戦略立案 | CRMデータ+経済情報で営業戦略を自動提案 |
| 提案資料作成 | 商談に直結する提案書を自動生成 |
| 競合情報アラート | 担当顧客に関する競合動向を自動通知 |
導入効果:
- リサーチ時間の大幅削減(従来数時間→数分)
- 提案品質の均一化(ベテラン営業のノウハウをAIが再現)
- データドリブンな営業活動の実現
NTTデータとの連携強化
2025年12月、ユーザベースとNTTデータは販売支援契約を締結しました。NTTデータの生成AI開発知見とユーザベースの経済情報基盤を組み合わせ、企業の経営判断を支援します。
NTTデータは「Smart AI Agent」コンセプトのもと、東京ガス、ライオン、三菱地所など大手企業へのAI導入実績を持っており、Speeda AI Agentのエンタープライズ展開を加速させる狙いがあります。
提供形態と対応デバイス
デスクトップ版(2025年10月GA)
フル機能が利用できるメインプラットフォームです。
- Flash Research、Deep Research、自動レポート作成のすべてに対応
- ワンクリックで戦略・提案の立案を実行
- 17年以上のビジネスインテリジェンス基盤と生成AIの融合
モバイルβ版(2025年10月リリース)
外出先での利用に最適化されたモバイル版です。
- 商談直前の企業課題・要点の確認
- 移動中の市場動向チェック
- リアルタイムの競合情報把握
- エグゼクティブや営業担当者の「すきま時間」を有効活用
実践活用シナリオ
シナリオ1: 商談前の企業リサーチ
営業担当者「〇〇株式会社の課題と提案ポイントを教えて」
↓
Flash Researchが企業概要・財務情報を瞬時に抽出
↓
Deep Researchが競合状況・市場環境・リスク要因を分析
↓
アカウントプランを自動生成
↓
商談に直結する提案資料が完成(所要時間: 数分)
シナリオ2: 経営会議での意思決定支援
経営企画部「A社買収の是非を検討したい」
↓
A社の財務データ、M&A履歴、市場ポジションを統合分析
↓
類似M&A事例の成否パターンを提示
↓
根拠あるデータに基づく議論と迅速な意思決定を実現
シナリオ3: 新規事業の市場調査
事業開発部「〇〇市場の動向と参入機会を分析して」
↓
200カ国以上のデータから関連市場情報を収集
↓
市場規模、成長率、主要プレイヤー、参入障壁を構造化
↓
市場調査レポートを自動生成
汎用AIチャットボットとの決定的な違い
Speeda AI Agent vs ChatGPT / Claude / Gemini
| 項目 | Speeda AI Agent | 汎用AIチャットボット |
|---|---|---|
| データ基盤 | 200カ国、1,000万社超の専門データ | 一般的なWeb情報 |
| 情報の信頼性 | 金融機関・コンサルタントも利用する品質 | ハルシネーションのリスクあり |
| ファクトチェック | 専門データベースで自動担保 | ユーザー自身で確認が必要 |
| 参照元明示 | すべての回答に出典を表示 | 限定的 |
| ビジネス特化 | 経営・営業・M&Aに最適化 | 汎用(特定領域に弱い) |
| Salesforce連携 | AgentExchange対応 | 別途設定が必要 |
| モバイル対応 | β版提供中 | ブラウザ/アプリ |
| 日本市場 | 日本企業向けにネイティブ対応 | 海外企業中心のデータ |
Speeda AI Agent vs Perplexity
| 項目 | Speeda AI Agent | Perplexity |
|---|---|---|
| 専門領域 | ビジネス・経済情報特化 | 汎用Web検索 |
| データソース | 1,000万社超の専門DB | Web上の公開情報 |
| レポート作成 | アカウントプラン、競合分析対応 | 要約レポートのみ |
| 企業向け機能 | Salesforce連携、カスタムレポート | Enterprise版あり |
| M&Aデータ | 180万件以上のグローバルデータ | Web上の断片情報 |
| 日本語対応 | ネイティブ対応(日本企業に最適化) | 対応(英語中心) |
最大の違いはデータの専門性と信頼性です。汎用AIがWeb上の一般情報を参照するのに対し、Speeda AI Agentは17年間蓄積された専門データベースを基盤としています。
当時と現在:Speeda AI Agentの進化
| 項目 | 当時(2025年6月 発表時) | 現在(2026年2月) |
|---|---|---|
| 提供形態 | 発表のみ | デスクトップGA、モバイルβ |
| Salesforce連携 | 予告 | AgentExchange対応済み |
| NTTデータ連携 | なし | 販売支援契約締結(12月) |
| 機能 | 基本コンセプト | Flash/Deep Research、自動レポート |
| 導入企業 | 限定的 | エンタープライズ展開加速 |
| 対応デバイス | デスクトップのみ予定 | モバイルβ対応開始 |
| 連携サービス | 限定的 | オプロアーツ(帳票)等 |
| 利用シーン | 経営企画中心 | 営業現場まで拡大 |
導入の判断ポイント
Speeda AI Agentが最適な企業
- 既にSpeedaを利用中: 追加オプションとしてスムーズに導入可能
- 営業部門の効率化が急務: Salesforce連携で営業リサーチを自動化
- 経営企画・事業開発: M&A検討、市場調査、競合分析が頻繁
- 大手企業・金融機関: 高い情報信頼性が求められる業界
注意すべきポイント
- 日本市場中心の最適化: グローバル展開は進行中だが、日本企業向けに最も強い
- 経済情報への特化: 技術情報やクリエイティブ用途には汎用AIが適切
- 料金体系: 現時点ではSpeedaの既存契約者向け提供が中心(個別問い合わせが必要)
- AIの限界: あくまで意思決定の補助。最終判断は人間が行うことが前提
TIMEWELLのZEROCKで社内AI基盤を構築
Speeda AI Agentのような専門特化型AIエージェントと、社内のナレッジやデータを統合的に活用するには、エンタープライズAI基盤が必要です。
株式会社TIMEWELLのZEROCKは、以下の特徴を持つエンタープライズAIプラットフォームです。
- GraphRAG技術: 社内ナレッジを構造化し、AIが正確に参照できる基盤を構築
- AWS国内サーバー: データを日本国内で管理し、セキュリティ要件に対応
- マルチモデル対応: GPT、Claude、Geminiなど複数のAIモデルを業務に応じて使い分け
- プロンプトライブラリ: 営業・企画・法務など業務別に最適化されたプロンプトを共有
Speeda AI Agentで外部の経済情報を取得し、ZEROCKで社内ナレッジと統合する——このような組み合わせが、2026年のAI活用の理想形です。
まとめ
Speeda AI Agentは、経済情報に特化したAIエージェントとして、日本企業のビジネスインテリジェンスを革新しています。
- 17年の経済情報基盤と生成AIを融合した、初の経済情報特化AIエージェント
- Flash Research(高速検索)とDeep Research(深層分析)の2機能で、即時回答から深い分析まで対応
- アカウントプラン・企業レポート・競合分析をワンクリックで自動作成
- Salesforce AgentExchange対応でAgentforceを経済情報データで拡張
- NTTデータとの連携でエンタープライズ展開が加速
- 200カ国以上、1,000万社超、M&A 180万件以上の信頼性の高いデータカバレッジ
- 参照元明示による透明性確保が、汎用AIとの最大の差別化ポイント
2025年6月の発表から約8ヶ月——Speeda AI Agentは「発表段階」から「実用段階」へと着実に進化しています。専門データベースの信頼性、Salesforce連携、NTTデータとの協業により、経営企画だけでなく営業現場でもAI活用が本格化しました。
「汎用AIでは物足りない」「ビジネス判断に使える信頼性が欲しい」——そんな企業にとって、Speeda AI Agentは有力な選択肢です。
参考文献
- 経済情報に特化したAIエージェント「Speeda AI Agent」を発表 | ユーザベース
- Speeda AI Agent、デスクトップ版を10月1日より提供開始 | ユーザベース
- ユーザベース、Salesforce AgentExchangeでSpeeda AI Agentをリリース | ユーザベース
- NTTデータとユーザベース、Speeda AI Agentを軸とした生成AI活用での連携を強化 | NTTデータ
- 経済情報に特化したAIエージェント「Speeda AI Agent」を発表 | PR TIMES
