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【完全解説】中国による米国防衛企業20社の反外国制裁法リスト掲載(2025年12月)|OFAC SDNと対称な制度の理解

2026-05-20濱本 隆太

2025年12月26日、中国は反外国制裁法に基づき米国防衛関連企業20社・個人10人を対抗措置の対象に指定。米国OFAC SDN ListやEntity Listと機能的に対称な制度として、根拠条文・主要措置・日本企業の二重コンプライアンス問題まで初心者向けに整理しました。

【完全解説】中国による米国防衛企業20社の反外国制裁法リスト掲載(2025年12月)|OFAC SDNと対称な制度の理解
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株式会社TIMEWELLの濱本 隆太です。「中国が米国の防衛企業20社をリスト掲載した」というニュースを目にして、自社の取引にどう影響するのか不安になった方も多いと思います。報道では「中国の対米報復措置」という表現が並びますが、実務の観点から見ると、米国のOFAC SDN ListやEntity Listと、中国の反外国制裁法は、構造的に非常によく似た「自国の経済安全保障」を根拠とする制度です。本記事では、2025年12月26日に発表された20社指定の事実関係を、米国の同種制度と並べて中立的に整理しました。「反外国制裁法 20社 制裁」で検索した方が、自社の取引先リストを見直すべきかどうか、その判断基準を持ち帰れる構成になっています。

この記事でわかること

  • 反外国制裁法/不可靠実体清単/OFAC SDN List の3つの違い(1枚表)
  • 2025年12月26日に指定された米国防衛企業20社・個人10人の全体像
  • 反外国制裁法の主要条文(第3・4・5・6・9・15条)の構造
  • 米国 OFAC SDN List・Entity List との対称性比較
  • 日本企業が直面する「二重コンプライアンス(compliance conflict)」の実務論点
  • よくある誤解と FAQ(「報復措置」と呼ぶことの問題点を含む)

まず用語を3つだけ理解する

中国の制裁関連法令は名称が似ているうえ、報道では混同された記述も多く、初見だと体系がつかみにくい領域です。まずは制度の入口として、3つだけ整理します。

反外国制裁法(Anti-Foreign Sanctions Law, AFSL)

  • 成立:2021年6月10日、第13期全国人民代表大会常務委員会 第29回会議で可決(主席令第90号)
  • 条文数:全16条
  • 立法目的(第1条):国家主権・安全・発展利益の維持、中国公民・組織の合法的権益の保護
  • 運用機関:中国外交部および国務院の関係部門
  • 主要措置:中国国内資産の凍結、中国の組織・個人との取引禁止、入国禁止・ビザ取消

ポイントは、これが基本法レベルの法律であるという点です。後述する不可靠実体清単や阻断弁法といった商務部規則の上位法に位置づけられ、中国の対外制裁制度の中心にあります。2025年3月には、国務院令第803号として「反外国制裁法実施規定」が公布され、具体的な運用手続きが整備されました。

不可靠実体清単(Unreliable Entity List, UEL)

  • 創設:2020年9月、商務部規則として運用開始
  • 運用機関:中国商務部(MOFCOM)
  • 対象:中国に「危険」と判断された外国の組織(主に企業)
  • 主要措置:中国向け輸出入禁止、対中投資制限、入境制限、罰金
  • 米国制度との対応:米商務省の Entity List に類似

反外国制裁法と不可靠実体清単は 別系統の制度 です。前者が外交部運用の「対抗措置リスト」であるのに対し、後者は商務部運用の「市場アクセス遮断リスト」という違いがあります。両者は補完関係にあり、同一企業が両方に載るケースもあります。

OFAC SDN List(米国側の対応概念)

  • 正式名称:Specially Designated Nationals and Blocked Persons List
  • 運用機関:米国財務省 外国資産管理局(OFAC)
  • 根拠法:IEEPA(国際緊急経済権限法)等の制裁プログラム法
  • 主要措置:米国内資産の凍結、米国人との取引全面禁止、ビザ制限
  • 域外効果:二次制裁により非米国人にも事実上の影響

反外国制裁法の構造を理解するうえで、SDN List との比較は最も実用的です。両制度は「資産凍結+取引禁止+入国制限」という3点セットを採用しており、構造的に対称です。中国側の制度を「特殊なもの」と捉えず、米国制度の鏡像として読むと、実務上の対応イメージがつかみやすくなります。

2025年12月26日発表の全体像

ここから本題です。中国外交部は2025年12月26日、反外国制裁法に基づき米国防衛関連企業20社・個人10人を対抗措置の対象に指定しました。

日付の事実関係(重要)

一部報道では「2026年1月6日の中国の制裁発表」という表現が見られますが、これは別の措置と混同されている可能性があります。

日付 内容 根拠法 運用機関
2025年12月26日 米国防衛関連企業20社・個人10人を対抗措置に指定 反外国制裁法 中国外交部
2026年1月6日 両用品目の対日輸出管理強化(商務部公告2026年第1号) 両用品輸出管理法 中国商務部

両者は 根拠法も運用機関も異なる別の措置 です。本記事は前者(12月26日の20社指定)を扱います。

指定企業20社(防衛・無人機・関連技術中心)

中国外交部が公表した20社は以下のとおりです。米国防衛産業の主要プレイヤーが並びます。

# 企業名 主な事業
1 Northrop Grumman Systems Corporation 大手防衛・航空宇宙
2 L3Harris Maritime Services 通信・電子戦
3 Boeing(セントルイス防衛部門) 軍用機・武器システム
4 Gibbs & Cox 艦艇設計
5 Advanced Acoustic Concepts 海中音響
6 VSE Corporation 防衛サポート・ロジ
7 Sierra Technical Services 航空標的システム
8 Red Cat Holdings 軍用ドローン
9 Teal Drones 小型UAS
10 ReconCraft 戦術艇
11 High Point Aerotechnologies 対UAS技術
12 Epirus 指向性エネルギー兵器
13 Dedrone Holdings 対ドローン
14 Area-I 無人機システム
15 Blue Force Technologies 自律航空機
16 Dive Technologies 自律海中航走体
17 Vantor 衛星画像
18 Intelligent Epitaxy Technology 半導体材料
19 Rhombus Power AI兵器情勢分析
20 Lazarus Enterprises 防衛サービス

指定個人10人

防衛関連企業の役員10人が指定対象に含まれます。代表的な公表例として、Anduril Industries の創業者 Palmer Luckey 氏が含まれていることが報じられました。

中国側の発表趣旨

中国外交部の発表によれば、米国による台湾向け武器売却(同月の総額約1.7兆円相当の売却決定を含む)が「中国の主権と領土的一体性、安全と発展の利益を害した」ことを根拠としています。中国側はこれを 「正当な防衛措置」 と位置づけており、報復という性格づけはしていません。

実務上の影響評価

指定対象は米防衛関連企業のため、もともと中国市場との接点が限定的なケースが多く、複数の専門家評価では 「象徴的な意味合いが大きく、実質的な経済影響は限定的」 と分析されています。一方で、第三国企業を介した間接取引や、米国子会社・中国子会社の経営判断には影響が及ぶため、日本企業のサプライチェーン管理上は無視できない論点です。

該非判定の属人化を、AIで解消する。

経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDなら、判定時間を約7割削減し、判定根拠を構造化データで保存できます。

反外国制裁法の構造(第3・4・5・6・9・15条)

次に、本制度の中心条文を見ておきます。条文の番号さえ覚えておけば、各種法律事務所のレビューを読む際に迷いません。

第3条:対抗措置発動の要件

外国の以下のような行為に対し、対抗措置を発動できる。

  • 国際法と国際関係の基本規範に違反する行為
  • 中国を抑圧・封じ込めることを目的とする行為
  • 中国の公民・組織に対する差別的制限措置
  • 中国の内政に対する干渉

第4条:対象者の指定

上記措置の策定・決定・実施に 直接的・間接的に 関与した個人・組織がリストの対象となります。「間接的」が含まれている点は、関連企業・コンサルティング会社等にも適用余地があることを意味します。

第5条:関係者への拡張

リスト対象者の 配偶者・近親者、および関連組織(高級職員、出資者、実際支配者など)にも措置を及ぼし得る、と規定されています。米国 OFAC の「50%ルール」と類似した、関係者拡張の発想です。

第6条:対抗措置の内容

  • ビザ拒否・取消、入国拒否・国外退去(visa denial / entry ban)
  • 中国国内の動産・不動産その他財産の差押え・押収・凍結(asset freeze)
  • 中国国内の組織・個人との取引、協力等の禁止・制限(business prohibition)

「資産凍結+取引禁止+入国制限」の3点セットは、OFAC SDN List とまったく同型の構造です。

第9条:公告

外交部その他国務院の関係部門が、対抗措置の決定・停止・修正・取消を公告します。公開リストとして運用される点も、OFAC SDN List や Entity List と同じです。

第15条:拡張適用(第三国適用)

ここが日本企業にとって最も重要な条文です。

中国の主権・安全・発展利益を脅かす行為を実施・幇助・支持する 外国の国・組織・個人 に対しても、本法の規定を参照して必要な対抗措置を取れる。

つまり、米中いずれにも属さない 第三国の企業(日本企業を含む) であっても、中国が「対抗措置の対象たり得る」と判断すれば、適用拡張の余地があるという建て付けになっています。

OFAC SDN List・Entity List との対称性比較表

実務上、米中の制裁制度をフラットに比較したい場面が増えています。以下に主要な要素を並べました。

要素 米国 OFAC SDN List 米国 Entity List 中国 反外国制裁法 中国 不可靠実体清単
運用機関 米財務省 OFAC 米商務省 BIS 中国外交部 中国商務部
根拠法 IEEPA 等 EAR Part 744 反外国制裁法 不可靠実体清単規定
主要措置 資産凍結+取引禁止+ビザ制限 指定品目の輸出許可制 資産凍結+取引禁止+入国禁止 中国向け輸出入禁止+投資制限
対象 個人・組織 個人・組織 個人・組織 主に組織(企業)
域外効果 二次制裁により非米国人にも de minimis/FDP Rule 第15条による第三国適用 事実上の中国市場遮断
リスト公表 公開(OFAC ウェブサイト) 公開(Federal Register) 公開(外交部・商務部公告) 公開(商務部公告)

両国の制度は、いずれも自国政府が 「自国の経済安全保障」 を理由に運用しており、構造的には対称です。これは米中いずれかを支持・批判するための整理ではなく、グローバル企業のコンプライアンス実務上、両制度を 同じ重みで スクリーニング対象に組み込むべきという実務的観点からの整理です。

反外国制裁法と不可靠実体清単の違い

似た文脈で語られがちな2制度ですが、根拠法も運用機関も措置内容も異なります。

項目 反外国制裁法(対抗措置リスト) 不可靠実体清単
根拠法 反外国制裁法(基本法) 不可靠実体清単規定(商務部規則)
運用機関 主に外交部(一部 国務院) 商務部(MOFCOM)
対象 個人・組織(自然人含む) 主に組織(企業)
主要措置 資産凍結/取引禁止/入国禁止 中国向け輸出入禁止/投資制限/罰金
米国制度との対応 OFAC SDN List に類似 Entity List に類似

2025年10月時点で不可靠実体清単掲載は累計72社(うち55社が現行制裁対象)で、いずれも米国関連企業です。両者は 補完関係 にあり、同一企業が両リストに掲載されるケースもあります。

過去の主要指定事例(時系列)

突然始まった制度ではなく、2020年以降に段階的に整備・運用されてきた経緯があります。

時期 主な動き 根拠
2020年9月 不可靠実体清単制度を創設 商務部令
2021年1月 阻断弁法(Blocking Rules)を公布 商務部規則
2021年6月 反外国制裁法 成立 全国人大常委会
2022年2月 レイセオン・ロッキード・マーチンに台湾武器売却を理由に対抗措置 反外国制裁法
2024年12月 Insitu、Hudson Technologies、Saronic Technologies、Raytheon Canada、Raytheon Australia、Aerkomm、Oceaneering International の7社と幹部に対抗措置 反外国制裁法
2025年3月 反外国制裁法実施規定 公布 国務院令第803号
2025年4月 Shield AI、Sierra Nevada、Cyberlux、Edge Autonomy、Group W、Hudson Technologies の6社を不可靠実体清単に追加 不可靠実体清単規定
2025年10月 米防衛関連企業・カナダ調査会社(日本子会社含む)等14社を不可靠実体清単に追加 不可靠実体清単規定
2025年12月26日 米国防衛関連企業20社・個人10人を対抗措置に指定 反外国制裁法 第3・4・5・6・9・15条

2022年のレイセオン・ロッキード・マーチン指定の延長線上に今回の20社指定があり、米国の台湾向け武器売却の発表サイクルと連動して運用されてきた経緯が読み取れます。

日本企業への影響と「二重コンプライアンス」

ここからは日本企業の実務観点です。直接対象になる可能性は限定的とはいえ、サプライチェーンを介した間接影響は無視できません。

直接的影響

  • 防衛装備品調達における米企業からの部品調達経路で、指定された20社が含まれる場合、当該米企業の中国子会社や中国系サプライヤーとの取引で間接的影響が生じる可能性があります
  • 日本企業の米国子会社(防衛事業)が、リスト対象企業と取引関係にある場合、中国側からの圧力対象になり得ます

法的影響(二重コンプライアンス問題)

ここが今回の論点の中心です。日本企業は 2つの相反する法的要請 に同時にさらされる可能性があります。

  • 反外国制裁法 第12条:中国国内の組織・個人は対抗措置リスト掲載者と取引してはならない(域外的効果あり)。日本企業の中国子会社が違反すると、中国国内資産の差押え・営業停止・罰金等のリスク
  • 阻断弁法 第9条:米国制裁を理由に中国企業との取引を一方的に打ち切ると、中国側で損害賠償請求や差止訴訟のリスク
  • 米国側の制裁遵守義務:米国 SDN/Entity List 掲載先との取引には引き続き米国側ペナルティのリスク

つまり、日本企業は 「米国法令上の制裁遵守義務」と「中国法令上の取引維持義務」が衝突する局面(compliance conflict)に直面します。これは政治的な立場の問題ではなく、純粋な法務リスクマネジメントの論点です。

政府対応の経緯

2021年6月の反外国制裁法成立時、当時の加藤勝信内閣官房長官は「日本企業への影響を注視」と発言しています。その後も CISTEC(一般財団法人安全保障貿易情報センター)が継続的にレポートを発表しており、2025年10月の不可靠実体清単追加時には「日本子会社含む」という事実関係が明示的に整理されました。

実務でやるべき5ステップ

最後に、輸出管理を兼務している方が現実的に取り組める対応を5ステップで整理します。

Step 1:自社の取引先リストと米中両国の最新リストを照合する

  • 米国 OFAC SDN List、Entity List、MEU List
  • 中国 反外国制裁法 対抗措置リスト(外交部公告)
  • 中国 不可靠実体清単(商務部公告)

CSL(Consolidated Screening List)のみでは中国側リストはカバーされない点に注意します。

Step 2:所有構造を遡って確認する

米国 OFAC の50%ルールと同様、中国側でも実際支配者・関連組織まで規制が及び得る建て付け(反外国制裁法 第5条)です。直接の取引相手だけでなく、その親会社・子会社・出資者まで確認します。

Step 3:取引品目の用途を確認する

特に防衛・両用品(dual-use items)に該当する品目は、米中双方の輸出管理法の対象になります。ECCN 分類・USML 該当性・両用品輸出管理法の対象品目を整理しておきます。

Step 4:契約書のコンプライアンス条項を整備する

「米国制裁遵守義務」「中国法令遵守義務」が両立しない場面に備え、契約解除条項・準拠法・紛争解決機関を見直します。標準ひな形のまま放置されていることが多い領域です。

Step 5:継続的なモニタリング体制を構築する

反外国制裁法のリストは継続的に更新されます。年次の取引先審査だけでなく、四半期ごとの照合体制と、政府発表のアラート購読を組み合わせます。

よくある誤解/FAQ

Q1. 今回の中国の措置は「対米報復」と理解してよいか?

A. 報道では「報復」という表現が使われがちですが、実務的・中立的には「報復」と性格づけることには注意が必要です。 中国側は「正当な防衛措置」と位置づけており、米国 OFAC SDN List や Entity List と機能的に対称の制度を運用しています。米中双方が「自国の経済安全保障」を理由とする点では構造的に同等であり、一方的に「報復」と性格づけると、米国側の措置の正当性を暗黙に前提とすることになります。米国の台湾向け武器売却(米国の Taiwan Relations Act・国防権限法等に基づく)への中国側対応という、相互応酬の構図として整理するのが実務的には妥当です。

Q2. 日本企業が直接対象になる可能性はあるか?

A. 可能性はゼロではありません。 反外国制裁法 第15条により、中国の主権・安全・発展利益を脅かす行為に関与した第三国の企業・個人にも適用が拡張され得る建て付けです。実際、2025年10月には「米防衛関連企業・カナダ調査会社(日本子会社含む)」が不可靠実体清単に追加された前例があります。直接対象となる可能性は低いものの、ゼロではないという前提でリスク管理を組み立てる必要があります。

Q3. 反外国制裁法と不可靠実体清単はどちらが厳しいか?

A. 措置の種類が異なるため単純比較は困難です。反外国制裁法は資産凍結・入国制限を含む包括的措置、不可靠実体清単は 中国市場アクセス遮断に特化 という違いがあります。米国側で言えば、SDN List(包括的)と Entity List(市場アクセス制限)の関係に近いと考えると整理しやすいでしょう。

Q4. 対象企業はリストから除外されることがあるか?

A. 反外国制裁法 第8条が対抗措置の中止・取消の手続きを規定しており、実施規定(第803号令)により行政手続きも具体化されています。ただし、現時点で実際にリストから除外された事例は限定的です。

Q5. 直接中国市場と関わらない日本企業も対応が必要か?

A. 米国 SDN List との二次制裁、中国の反外国制裁法 第15条の第三国適用、米国子会社・中国子会社経由の影響など、間接的な経路は多数あります。 直接中国向け取引がない企業でも、サプライチェーン上の取引相手が指定対象である可能性を排除できないため、最低限のスクリーニングは推奨されます。

まとめ

2025年12月26日に発表された中国の20社・10人指定について、要点を整理します。

  • 根拠法:反外国制裁法(2021年6月成立、全16条)の第3・4・5・6・9・15条
  • 運用機関:中国外交部(不可靠実体清単とは別制度)
  • 主要措置:中国国内資産凍結/取引禁止/入国禁止
  • 米国制度との関係:OFAC SDN List と機能的に対称(資産凍結+取引禁止+入国制限の3点セット)
  • 日本企業への影響:直接対象は限定的だが、二重コンプライアンス(compliance conflict)の論点を抱える
  • 中立的整理:「報復」「対米攻撃」という性格づけは避け、米中双方が「自国の経済安全保障」を理由に運用する対称制度として理解する

中国側の制度を「特殊な対抗措置」と捉えるのではなく、米国 SDN List/Entity List と同じ枠組みの「国家による経済安全保障措置」として、フラットに自社のスクリーニング対象に組み込む発想が、これからの輸出管理実務の標準になります。

関連記事

最終チェック:自社で対応できるか不安な方へ

繰り返しになりますが、米中双方のリストをカバーするスクリーニングは、CSL(米国側)だけでも、商務部公告(中国側)だけでも不十分です。両国のリストを継続的に照合し、所有構造・関係チェーン・名称表記揺れ(中国語・英語の転写ゆれ)まで網羅する 必要があります。これを手作業で運用するのは、専任担当を置いても負荷の高い作業です。

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参考文献

中国側公式

英文解説

日本側資料

主要法律事務所レビュー

  • WilmerHale「China Tightens Sanctions and Trade Restrictions Amid US-China Trade Ceasefire」(2026年1月21日)
  • Jones Day「Caught in the Crossfire: Two New Chinese Decrees Raise the Stakes on Sanctions Compliance」(2026年5月)
  • Morgan Lewis「China Issues New Regulations on Countering Foreign Extraterritorial Jurisdiction」(2026年4月)
  • Mayer Brown「China Expands Its Playbook: New Industrial Supply Chain and Counter-Extraterritoriality Regulations」(2026年5月)
  • Paul Hastings「中国の『反外国制裁法』の成立と外国企業に対する影響」(2021年6月22日)

主要報道

  • Defense News「China sanctions 20 US defense companies over arms sales to Taiwan」(2025年12月26日)
  • PBS NewsHour「China sanctions 20 U.S. defense companies and 10 executives over Taiwan arms sale」
  • Sustainable Japan「中国外交部、米国防衛関連20社と個人10人に経済制裁発動」(2025年12月27日)
  • Newsweek Japan「中国、米防衛企業20社などに制裁」

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