挑戦者

イーロン・マスクの頭の中を覗く:人類の未来を書き換える壮大な計画【後編】

2026-02-16濱本 隆太

イーロン・マスクの壮大な計画の後編。宇宙GPUサーバー構想、月の裏側での量子コンピューティング、xAIとGrok、Neuralink、The Boring Company、そして火星移住まで。全事業が繋がる壮大なパズルの全貌に迫る。

イーロン・マスクの頭の中を覗く:人類の未来を書き換える壮大な計画【後編】
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こんにちは、TIMEWELLの濱本です。前編では、イーロン・マスクが率いるテスラとSpaceXが、それぞれ地上と地球低軌道でいかにして産業構造の変革と未来へのインフラ構築を進めているかを見てきました。テスラは単なるEVメーカーではなく、AIとロボティクスを核とした「フィジカルAI企業」へと変貌を遂げ、SpaceXは宇宙への輸送コストを劇的に下げることで、新たな経済圏の扉を開こうとしています。

さて、後編です。地上と宇宙のインフラを手に入れたマスクは、一体どこへ向かうのか?ここからが、彼の真骨頂。ぶっ飛んだビジョンの核心に、いよいよ迫っていきますよ。彼の視線は、地球を越えて宇宙空間へと広がり、AI開発の新たなフロンティアを切り拓き、さらには人類そのものを「多惑星種」へと進化させようとしています。彼の思想の根源にあるものは何か、そして我々はその歴史的な変化とどう向き合うべきか。壮大な計画のクライマックスを、共に見ていきましょう。

宇宙へ拡張するAI開発

AIの進化は、現代のテクノロジー競争において最も重要な要素です。しかし、その進化は「計算能力」と「エネルギー」という2つの大きな制約に直面しています。マスクが出した答えは、その両方を地球の外、つまり宇宙に求めるという、常識を覆すものでした。

宇宙GPUサーバー構想:エネルギー問題からの解放

2026年1月、マスクは「3年以内に宇宙空間にAIを稼働させるためのデータセンターを建設する」という驚くべき構想を明らかにしました [1]。なぜ、わざわざ宇宙にデータセンターを作るのでしょうか。その最大の理由は、エネルギー問題の解決です。

AIの学習には、スーパーコンピュータを24時間365日稼働させる必要があり、その消費電力は増大の一途をたどっています。マスク自身も、AIの指数関数的な発展における最大のボトルネックはエネルギー供給であると指摘しています。地上でこれほどの電力を、特に環境への負荷を考慮しながら確保するのは容易ではありません。

そこで彼は、宇宙空間の太陽光に目をつけました。宇宙空間では、天候や昼夜に左右されることなく、地上よりも約5倍も効率的に太陽エネルギーを得ることができます。マスクの構想は、SpaceXのスターシップを使って巨大な太陽光発電パネルを軌道上に展開し、そこで得られる潤沢な電力を利用して、GPUサーバー群を稼働させるというものです。地球の電気代なんて気にせず、宇宙の無限の太陽エネルギーでAIをガンガン回す。まさに、発想のスケールが地球レベルじゃないんです。

この「宇宙データセンター」は、テスラのDojo3プロジェクトとも密接に連携しています。マスクは「AI7/Dojo3は宇宙ベースのAIコンピューティングになるだろう」と語っており [2]、テスラが開発する次世代の高性能・省電力AIチップが、この宇宙データセンターの中核を担うことを示唆しています。SpaceXが輸送手段と場所を提供し、テスラが頭脳とエネルギー技術を提供する。彼の事業が、ここでも見事にシナジーを生み出しているのです。

構想 詳細 関連事業
宇宙データセンター 3年以内に宇宙空間にAIデータセンターを建設 SpaceX(輸送)、テスラ(チップ)
電力源 軌道上の太陽光発電パネル(地上比5倍の効率) テスラ(太陽光技術)
AIチップ AI7/Dojo3チップを宇宙で稼働 テスラ(半導体開発)
輸送手段 スターシップによる大量輸送 SpaceX

月の裏側と量子コンピューティング:極低温が拓く次のフロンティア

マスクの宇宙におけるコンピューティング構想は、AIに留まりません。彼は、次世代の計算技術である「量子コンピューティング」にも強い関心を示しており、その最適な設置場所として「月の裏側」を挙げています。

量子コンピュータは、その驚異的な計算能力を発揮するために、量子ビットを極低温で安定させる必要があります。しかし、地球上でそのような環境を維持するには、大規模な冷却設備と莫大なエネルギーが必要です。マスクは、月の「永久影クレーター」が、この問題を解決する天然の実験場であることを見抜きました [3]。

月の極域に存在する永久影クレーターは、太陽の光が数十億年間一度も当たったことがなく、その内部はマイナス200℃以下という極低温状態が常に保たれています [4]。ここは、量子コンピュータを安定して稼働させるにはまさに理想的な環境です。マスクは、この天然の冷凍庫を利用することで、地球上よりもはるかに効率的に、かつ大規模な量子コンピュータを設置できると考えているのです。

量子コンピュータが実用化されれば、創薬、材料開発、そしてAIの能力そのものを飛躍的に向上させる可能性があります。宇宙データセンターで稼働するAIと、月面で稼働する量子コンピュータが連携すれば、我々の想像を絶するスピードで科学技術が進歩するかもしれません。

ここで少し整理してみましょう。マスクが構想する「宇宙コンピューティング」の全体像は、以下のようになります。

コンピューティング 設置場所 利点 用途
AI(GPU)サーバー 地球低軌道 無限の太陽エネルギー、冷却不要 AI学習・推論
量子コンピュータ 月の裏側(永久影クレーター) 天然のマイナス200℃環境 創薬、材料開発、AI高度化

月面都市構想へのシフト:火星への現実的なステップ

長年、マスクは「人類を火星に移住させる」ことを究極の目標として公言してきました。しかし2026年2月、彼はその戦略を一部変更し、まずは月面に「自力で発展していく都市」を10年以内に建設することを優先する方針を表明しました [5]。

「なんだ、火星は諦めたのか」なんて思うのは、まだ早い。地球からわずか3日の距離にある月は、火星への遠征に必要な技術やノウハウを蓄積するための、理想的な訓練場となります。月で資源を採掘し、建材を作り、生命維持システムを確立する。そうした経験を積むことで、より過酷な火星環境への挑戦が、より現実的なものとなるのです。月面都市は、人類が地球という唯一の故郷を離れ、宇宙で持続的に生活するための最初の足がかりなのです。

さらに言えば、月面都市は単なる「練習場」ではありません。前述の量子コンピュータの設置場所としても、また月面の鉱物資源(レアアースやヘリウム3など)の採掘拠点としても、極めて大きな経済的価値を持ちます。月面で採掘した資源を使って宇宙空間で建造物を作れば、地球の重力井戸から資材を打ち上げるコストを大幅に削減できます。月は、人類の宇宙進出における「中継基地」であり、「資源採掘場」であり、「量子コンピューティングセンター」でもある。マスクは、月をそのような多機能な拠点として位置づけているのでしょう。

xAIとマスク流「AIネイティブ組織」

このような壮大な宇宙構想とAI開発を、いかにして実現するのか。その鍵を握るのが、マスクが2023年に設立したAI企業「xAI」と、彼の独特な組織論です。

Grokと「真実を追求するAI」

xAIの設立は、マスクが共同設立者の一人であったOpenAIへの強い懸念が背景にあります。彼は、OpenAIが当初掲げていた「人類全体に利益をもたらすオープンソースなAI」という理念から逸脱し、マイクロソフト傘下で利益を追求する閉鎖的な組織に変質してしまったと厳しく批判しています [6]。

そのカウンターとして設立されたxAIが開発するAI「Grok」は、「宇宙の真実を理解すること」を究極の目標としています。また、GrokはX(旧Twitter)の膨大なリアルタイムデータにアクセスできるという、他のAIにはないユニークな特徴を持っています。これにより、世の中で今まさに何が起きているのかを理解し、皮肉やユーモアを交えた回答を生成することができます。

マスクがOpenAIに対して974億ドルもの買収提案を行い、それがアルトマンCEOに拒否されたというエピソード [6] は、彼がAI開発の主導権をいかに重要視しているかを物語っています。彼にとってAIは、単なるビジネスツールではなく、人類の未来を左右する最も重要な技術なのです。だからこそ、その開発が特定の企業や個人の利益のために歪められることを、断固として許さない。その信念が、xAI設立の原動力となっています。

リストラと専門家集団への変革

xAIの組織運営は、マスクの思想を色濃く反映しています。2025年から2026年にかけて、同社は大規模な組織再編を断行しました。データにラベルを付ける「データアノテーション」チームの人員を大幅に削減する一方で、科学、金融、医療といった専門分野の知識を持つ「スペシャリストAIチューター」を増員 [7]。さらに、2026年2月には、創業メンバーの半数を含む幹部やエンジニアが相次いで退社しました [8]。

この大胆な動きは、単なる「クビ切り」とはわけが違います。マスクは、AI開発において、汎用的な労働力よりも、各分野のトップレベルの専門知識を持つ少数精鋭のチームの方がはるかに重要だと考えています。彼は、人間の判断や作業がボトルネックになることを極端に嫌い、AI自身が自律的に学習・進化していく「AIネイティブ」な組織を目指しているのです。量より質を重視し、常に最高のパフォーマンスを求める。この徹底した効率主義と実力主義こそが、マスクの率いる組織の驚異的な実行力の源泉となっています。

ただし、この手法には当然リスクもあります。急激な組織変革は、優秀な人材の流出を招く可能性があり、実際にxAIでは共同創業者を含む主要メンバーの退社が相次いでいます。マスクの「速さ」と「効率」を最優先する経営スタイルは、時に組織の安定性を犠牲にすることがある。この点は、彼のリーダーシップの光と影として、冷静に見ておく必要があるでしょう。

SpaceXマフィアというエコシステム

マスクの影響力は、彼が直接率いる企業だけに留まりません。SpaceXを卒業したエンジニアや幹部たちは、独立して次々とスタートアップを立ち上げ、「SpaceXマフィア」と呼ばれる一大経済圏を形成しています。2026年時点で、その数は140社を超え、資金調達総額は110億ドル以上に達しています [9]。

彼らは、宇宙、エネルギー、AI、製造業など、様々な分野で革新的なビジネスを展開しています。例えば、3Dプリンターでロケットを製造するRelativity Spaceや、宇宙空間での物流サービスを目指すImpulse Spaceなどがその代表例です。彼らは皆、SpaceXで培った「第一原理思考(物事を根本的な原理に立ち返って考える思考法)」と、困難な課題に臆することなく挑戦するマインドセットを共有しています。この卒業生ネットワークが、マスク経済圏の裾野を広げ、さらなるイノベーションを生み出す土壌となっているのです。

かつて、ピーター・ティールやイーロン・マスク自身を含むPayPal出身者たちが「ペイパル・マフィア」と呼ばれ、シリコンバレーのテック産業を牽引したように、「SpaceXマフィア」は次世代の産業革命を担う人材の宝庫となっています。マスクの最大の遺産は、もしかすると彼が作った企業ではなく、彼が育てた「人材」なのかもしれません。

SpaceXマフィア 概要
企業数 140社以上(2026年時点)
資金調達総額 110億ドル以上
代表的企業 Relativity Space(3Dプリントロケット)、Impulse Space(宇宙物流)、Astra(小型ロケット)など
共通する特徴 第一原理思考、高速な意思決定、困難な課題への挑戦

Neuralink:人間とAIの融合

ここまで、テスラ、SpaceX、xAIという3つの柱を見てきましたが、マスクの事業ポートフォリオにはもう一つ、極めて重要なピースがあります。それが、脳とコンピュータを直接接続する技術を開発する「Neuralink」です。

Neuralinkが開発しているのは、脳に埋め込む超小型のチップ「N1」と、それを安全に埋め込むための手術ロボットです。このチップは、脳の神経信号を読み取り、外部のデバイスに送信することができます。当初の目的は、脊髄損傷などで身体が麻痺した患者が、思考だけでコンピュータやロボットアームを操作できるようにすることです。

しかし、マスクの長期的なビジョンは、医療応用の遥か先にあります。彼が見据えているのは、人間の脳とAIを直接接続し、人間の認知能力を飛躍的に拡張することです。AIが超人的な知能を獲得していく中で、人間がAIに「置いていかれない」ために、人間自身もAIと融合する必要がある。Neuralinkは、そのための「インターフェース」なのです。

もし、人間がAIの計算能力や膨大な知識に、思考するだけでアクセスできるようになったら?言語の壁は消え、学習のスピードは飛躍的に上がり、人間の創造性はこれまでとは全く異なるレベルに達するかもしれません。これは、まさに人類という種の「アップグレード」です。

もちろん、脳にチップを埋め込むという行為には、倫理的な問題やプライバシーの懸念が山積しています。しかし、マスクは、AIの進化が不可避である以上、人間もまた進化しなければ、AIに支配される未来が待っていると考えています。Neuralinkは、その未来を回避するための、人類にとっての「保険」でもあるのです。

The Boring Company:地下から都市を変える

マスクの事業の中で、やや地味な存在に見えるかもしれないのが「The Boring Company」です。しかし、この会社もまた、彼の壮大な計画の中で重要な役割を担っています。

The Boring Companyは、地下にトンネルを掘り、そこに高速輸送システムを構築することを目指しています。ラスベガスでは、すでに「Vegas Loop」と呼ばれるトンネル輸送システムが稼働しており、テスラ車がトンネル内を走行して乗客を輸送しています。

一見すると、単なるトンネル掘削会社に見えますが、マスクの真の狙いはもっと深いところにあります。まず、地下トンネル技術は、都市の交通渋滞を根本的に解決する手段です。地上の道路は2次元ですが、地下には何層ものトンネルを掘ることで、3次元的な交通網を構築できます。そして、このトンネルの中を走るのは、将来的にはFSDを搭載した自動運転車両やロボタクシーになるでしょう。

さらに重要なのは、このトンネル掘削技術が、月面や火星での居住空間の建設に応用できるという点です。月や火星の地表は、宇宙放射線や極端な温度変化にさらされるため、長期的な居住には地下空間の利用が不可欠です。The Boring Companyで培ったトンネル掘削技術は、まさにそのための技術基盤となり得るのです。地球で都市の地下交通網を作りながら、同時に宇宙での居住技術を磨いている。マスクの事業は、どこを切っても、最終的には宇宙と繋がっているのです。

イーロン・マスクの思想と哲学

これら全ての事業を貫く、マスクの根源的な思想とは何でしょうか。それは、「人類文明の存続確率を最大化する」という、極めてシンプルかつ壮大な目標に集約されます。

AIに対する倫理観と究極の目標

マスクがOpenAIを設立した動機の一つに、当時Google(現Alphabet)でAI開発を率いていたラリー・ペイジとの会話があったと言われています。マスクは、ペイジがAIの安全性に対して楽観的すぎることを危惧し、AI開発の主導権が単一の企業に集中することのリスクを避けるために、非営利の研究機関としてOpenAIを立ち上げたのです。彼が一貫してAIの安全性を訴え、xAIで「真実を追求するAI」を目指すのも、AIが誤った目的や価値観を持って暴走することを何よりも恐れているからに他なりません。

彼の行動原理を理解するには、「第一原理思考」という概念が欠かせません。これは、物事を既存の常識や前例に頼らず、最も根本的な原理に立ち返って考える方法です。「ロケットはなぜ高いのか?」「材料費自体は安い。高いのは製造プロセスだ」「なら、製造プロセスを革新すれば安くなる」。この思考法が、SpaceXの再利用ロケットを生み、テスラのギガファクトリーを生み、そして宇宙データセンターという常識外れの発想を生んでいるのです。

「驚異的な豊かさ」と雇用の未来

AIとロボットが人間の労働を代替する未来は、多くの人々に雇用の喪失という不安を抱かせます。しかし、マスクはこの未来を極めて楽観的に捉えています。彼が描くのは、生産活動のコストが限りなくゼロに近づき、エネルギー代だけになる世界です。

鉱物の採掘から、部品の製造、製品の組み立て、そして輸送まで、その全工程を自動運転のトラックやショベルカー、そしてOptimusのようなヒューマノイドロボットが担う。その動力源となるエネルギーも、宇宙空間の太陽光や地上の再生可能エネルギーによって、ほぼ無限に供給される。そうなれば、あらゆるモノやサービスの価格は劇的に下がり、人々は労働から解放され、飢餓や貧困に苦しむこともなくなります。これが、彼がテスラのミッションとして掲げる「驚異的な豊かさ」の正体です。

もちろん、「じゃあ人間は何をするの?」という疑問は当然湧きます。マスクは、人間は労働から解放されることで、より創造的な活動、芸術、科学研究、あるいは純粋に人生を楽しむことに時間を使えるようになると考えています。産業革命が人間を肉体労働から解放し、情報革命が人間を単純な事務作業から解放したように、AI・ロボティクス革命は人間をほぼすべての「仕事」から解放する。それは、人類史上最大のパラダイムシフトとなるかもしれません。

なぜ火星を目指すのか:文明のバックアップ

そして、この物語の最終章が「火星移住」です。なぜ、彼はこれほどまでに火星にこだわるのでしょうか。それは、人類の文明を、地球という単一の惑星に依存する脆弱な状態から救うためです。

小惑星の衝突、巨大火山の噴火、制御不能なウイルスのパンデミック、あるいは人類自身の愚かさによる核戦争。地球上の生命を絶滅させかねないリスクは、常に存在します。マスクは、人類が「多惑星種」となり、地球以外の場所にも生活圏を築くことこそが、文明の灯を永続させる唯一の方法だと信じているのです。火星は、いわば人類文明のバックアップドライブなのです。

この考え方は、一見すると大げさに聞こえるかもしれません。しかし、地球の46億年の歴史を振り返れば、大量絶滅は過去に5回も起きています。恐竜を絶滅させた小惑星衝突のような出来事が、いつ再び起きてもおかしくない。マスクは、この「いつか必ず来る危機」に対して、今から備えておくべきだと主張しているのです。そして、その備えとは、人類が地球以外の惑星でも自立して生存できる能力を獲得することに他なりません。

全ての事業が繋がる壮大なパズル

ここまで読んでいただいた方は、もうお気づきかもしれません。マスクの事業は、一つ一つがバラバラに存在しているのではなく、すべてが有機的に繋がり、一つの壮大な目標に向かって収束しているのです。

改めて、その全体像を整理してみましょう。

事業 役割 最終目標への貢献
テスラ(EV・エネルギー) 地上のエネルギー革命、サステナブルな基盤構築 化石燃料からの脱却、無限エネルギー社会の実現
テスラ(FSD・ロボタクシー) 移動の自動化、交通革命 人間の移動コスト削減、都市構造の変革
テスラ(Optimus) 労働の自動化、生産活動の全自動化 「驚異的な豊かさ」の実現、飢餓・貧困の撲滅
テスラ(Dojo・半導体) AI開発の心臓部、計算能力の自給自足 NVIDIA依存からの脱却、AI進化の加速
SpaceX(ロケット) 宇宙輸送コストの劇的削減 月・火星への大量輸送、宇宙経済圏の構築
SpaceX(Starlink) グローバル通信インフラ FSD・Optimusのデータ通信基盤、宇宙通信網
xAI(Grok) 真実を追求するAI開発 AIの安全性確保、人類にとって有益なAIの実現
Neuralink 脳とコンピュータの接続 人間の認知能力拡張、AIとの共存
The Boring Company 地下トンネル掘削技術 都市交通の革新、月・火星での居住空間建設

テスラが地上のエネルギーと労働を革命し、SpaceXが宇宙への道を開き、xAIが知能の進化を担い、Neuralinkが人間自身をアップグレードし、The Boring Companyが地下と宇宙の居住空間を作る。そして、これらすべてが連携することで、人類は「多惑星種」となり、文明は永続する。

これが、イーロン・マスクの頭の中にある「マスタープラン」の全貌です。

総括:我々はこの歴史的変化にどう向き合うべきか

私、TIMEWELLの濱本として、そして一人の人間として、イーロン・マスクの描く未来図をここまで追いかけてきました。彼の計画は、一つ一つがSF映画のようで、あまりに壮大で、ともすれば荒唐無稽に聞こえるかもしれません。でも、その根っこには、驚くほどシンプルで、筋の通った一本の幹があるんです。それは、「人類の未来を最大化する」という、ただ一つの目的です。テスラのEVも、SpaceXのロケットも、xAIのGrokも、すべてはその壮大な目標を達成するための、計算され尽くしたピースなのです。

もちろん、彼の計画がすべて順調に進む保証はどこにもありません。技術的な課題、法規制の壁、そして社会的なコンセンサスの形成など、乗り越えるべきハードルは無数にあります。特に、AIとロボットによる雇用の代替は、社会構造の大きな変革を伴うため、慎重な議論と準備が必要です。マスクの楽観論を鵜呑みにするのではなく、来るべき変化に対して社会全体で備えることが不可欠でしょう。

また、マスク自身の人間性についても、冷静な目を持つ必要があります。彼の経営スタイルは時に独裁的であり、従業員への過度な要求や、SNSでの過激な発言が物議を醸すことも少なくありません。彼のビジョンの壮大さに目を奪われるあまり、その影の部分を見落としてはいけない。偉大なビジョナリーであると同時に、欠点も持つ一人の人間として、バランスの取れた視点で彼を見ることが大切です。

しかし、確かなことは、我々が今、歴史上でも稀に見る、巨大な文明の転換点に立っているということです。イーロン・マスクという一人の起業家が、その変化の触媒となっていることは間違いありません。彼の行動を単なる「奇行」や「夢物語」として片付けるのは簡単です。しかし、彼の頭の中にある壮大な計画を理解しようと努めることで、我々は未来がどの方向へ向かっているのか、その輪郭を垣間見ることができます。

8年間テスラに投資し、モデル3に乗り、FSDを体験し、Twitterにも投資してきた一人の人間として、僕は彼の描く未来に、怖さと同時に、圧倒的なワクワクを感じています。すべてがうまくいくかはわかりません。でも、彼が挑戦していること自体が、人類にとって途方もなく価値のあることだと、僕は信じています。

この記事を読んで、「イーロン・マスク、面白いじゃん」「未来って、こんなことになんのか!」と、少しでもワクワクしていただけたなら、これ以上嬉しいことはありません。我々はこの歴史的な変化の単なる傍観者ではなく、当事者です。この変化の中で、何を学び、どう行動し、どのような未来を選択するのか。その問いは、我々一人ひとりに投げかけられているのです。

参照

[1] マスク氏、AI動かす宇宙データセンター「3年以内につくる」 - 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN22DBJ0S6A120C2000000/) [2] Elon Musk restarts Dojo3 'space' supercomputer project as AI5 chip design gets in 'good shape' - Tom's Hardware (https://www.tomshardware.com/tech-industry/supercomputers/elon-musk-restarts-dojo3-space-supercomputer-project-as-ai5-chip-design-gets-in-good-shape-will-be-first-tesla-built-supercomputer-to-feature-all-in-house-hardware-with-no-help-from-nvidia) [3] Elon Musk on Quantum Computing - Quantum Zeitgeist (https://quantumzeitgeist.com/elon-musk-on-quantum-computing/) [4] 月の「永久影」に水の氷 米チームが初確認 - 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09B8Y0Z00C26A2000000/) [5] スペースX、月面での「自力発展都市」建設を優先=マスク氏 | ロイター (https://jp.reuters.com/markets/global-markets/G2JR3HFSDBLGDCNTFU77KSVBRQ-2026-02-09/) [6] マスク氏がオープンAIに買収提案、974億ドル アルトマン氏は拒否 | ロイター (https://jp.reuters.com/business/technology/KIJA76EBXFKP5CFP2GF43HPVZE-2025-02-10/) [7] Elon Musk's xAI lays off hundreds of workers tasked with training Grok - Business Insider (https://www.businessinsider.com/elon-musk-xai-layoffs-data-annotators-2025-9) [8] Elon Musk suggests spate of xAI exits have been push, not pull - TechCrunch (https://techcrunch.com/2026/02/11/senior-engineers-including-co-founders-exit-xai-amid-controversy/) [9] From The School Of Elon Musk To Billion-Dollar Startups: Meet SpaceX's Alumni Founders - Forbes (https://www.forbes.com/sites/aliciapark/2026/01/05/from-the-school-of-elon-musk-to-billion-dollar-startups-meet-spacexs-alumni-founders/)

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