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ホルムズ海峡封鎖はいつまで続く?原油・ガソリン価格と日本経済への影響、企業がすべき備え

公開2026-03-03更新2026-07-19濱本 隆太

2026年7月、ホルムズ海峡は再封鎖へ逆回転しました。7日・12日・14日のタンカー攻撃と米イラン交戦が続き、ブレント原油は約86ドルへ反発、ガソリン補助は8週ぶりに拡大へ転換。EIA最新見通しやLNGの代替不能性を一次情報で整理し、日本企業が今すべき備えをまとめました。

ホルムズ海峡封鎖はいつまで続く?原油・ガソリン価格と日本経済への影響、企業がすべき備え
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。

この記事を前回更新したのは7月半ばで、そのときは「6月17日の覚書で通航が戻り、当面の最悪シナリオは遠のいた。あとは収束と再対立を短い周期で往復する高ボラティリティ局面だ」と結んでいました。ところが数日で、情勢はきれいに逆回転しました。7月7日にカタール籍とサウジ籍のタンカーが投射体で被弾し、12日にはイラン革命防衛隊(IRGC、イランの精鋭軍事組織)がホルムズ海峡の封鎖を再宣言、14日には3隻のタンカーが立て続けに攻撃を受けたと報じられています123。米国とイランは連日交戦し、報道では6日以上続いたとされます2。「往復」というより、いま起きているのは再封鎖であり、最悪シナリオへの再接近です。

原油価格もそれを映しています。6月末に一時1バレル72ドルまで下げていたブレント原油(北海産で世界の指標になる原油)は、7月14日に約86ドルと1カ月ぶりの高値まで反発しました2。「価格が落ち着いた今のうちに備える」という6月の呼びかけは、もう使えません。価格は反発局面に入っていて、備えを固める猶予は縮んでいます。自社の輸出管理体制がこの逆回転に耐えられるかを先に確かめたい方は、輸出管理体制の無料診断で現在地を把握してから読み進めると、後半の実務論がより具体的に見えてくるはずです。

2026年7月、ホルムズ海峡はなぜ再封鎖へ逆回転したのか

まず時系列を整理します。発端は2026年2月末、米国とイスラエルが対イラン空爆に踏み切ったことでした。これに対してイランがホルムズ海峡を海上封鎖し、3月末には事実上の通航停止に至ります。海峡は幅の最も狭いところで30km強しかなく、世界の海上輸送原油の2割前後がここを通るとされる要衝です。ここを一国が締めるだけで、世界中のタンカーが足止めされます。

いったん潮目が変わったのは6月でした。6月17日にトランプ大統領とペゼシュキアン大統領が戦闘と海峡封鎖の終結に向けた覚書(MOU、当事者間の合意内容を記した文書のこと)に署名したと報じられ、18〜19日には日本向けを含む大型タンカーが通航を再開しています。ところがこの合意は長くもちませんでした。6月20日にイランが南レバノン情勢を理由に再閉鎖を表明し、7月に入ると商船への攻撃が続発して、6月17日の覚書は事実上崩れました。米国はイラン港湾への逆封鎖に踏み切り、7月の情勢は再び緊迫へ振れています13

7月の主要な出来事は、日付を追うとその深刻さが見えてきます。7月7日、カタール籍のLNGタンカー Al Rekayyat とサウジ籍のスーパータンカー Wedyan が投射体で被弾し、Al Rekayyat は機関室火災で乗員が退避したと報じられました1。7月12日にはIRGC海軍がホルムズ海峡の封鎖を再宣言し、無許可で航行する船に警告射撃を行うと主張します。同じ日、米中央軍(CENTCOM)はイランがキプロス籍コンテナ船 GFS Galaxy を攻撃して機関室が大破し、インド人乗員1名が死亡したと発表しました。米軍はこれに対しケシュム島やジャスク港のミサイル・防空施設、IRGCの高速艇を攻撃し、イラン海軍中尉が死亡したと伝えられています13

7月14日には、イランが3隻のタンカーを相次いで攻撃したと報じられました。化学品タンカー Stolt Magnesium が未明に、UAE系の石油タンカー Mombasa B と Al Bahyah が巡航ミサイルで狙われ、死者・行方不明者が出ています。IRGCは「機雷を敷設した航路に進入した」として犯行を認めたとされます12。同じ14日、ブレント原油9月限は1バレル85.92ドルと6月15日以来の高値をつけ、WTI(米国産の指標原油)も約79.34ドルまで3営業日続伸しました2。攻撃の主体や正確な発生時刻には報道間で揺れがあるため断定は避けますが、船が次々に狙われている事実と、それに市場が素直に反応している事実は、もう疑いようがありません。

通航量の落ち込みも数字ではっきり出ています。金曜から日曜の通航はわずか57隻で前週比50%超の減少、木曜は約8隻と前日の15隻からさらに減りました。封鎖前(2月末以前)は日量100〜130隻が通っていたことを思うと、水準が桁違いに下がっています12。一方で7月13日には、Uターンした後に米軍の支援下で800万バレルを超える原油が通過したとの報道もあり、完全な閉鎖ではなく「撃たれながら細く通す」状態だとわかります4。混乱のなかで自動船舶識別装置(AIS)を切って走る船も多く、実際の通航はもう少し多い可能性がある点も、この数字を読むときの注意点です。

ここに、通航料をめぐる新しい火種が加わりました。トランプ大統領は7月14日、自らを「海峡の守護者(guardian of the strait)」と称し、イラン港湾への逆封鎖の再開と、通航する船へのフィー徴収(20%償還構想)を表明したと報じられています。ただし算定基準も徴収主体も法的根拠も発効日も定まっておらず、直後に撤回されたとの報道もあって、極めて流動的です2。この点は一次情報での裏取りが取り切れていないため、報道ベースの情報として扱いますが、イラン側だけでなく米国側からも通航に値札がつきかねない、という新しいレイヤーが生まれたことは押さえておく必要があります。

市場の先行きについては、米エネルギー情報局(EIA)が7月7日に公表した短期エネルギー見通し(STEO)で、ブレント原油を2026年通年82ドル、2027年65ドルと予想しています。前月見通しからの大幅な下方修正でした5。ただしこの見立ては6月18日の海峡再開と供給回復を前提にしていて、生産は年末までに紛争前の水準へ戻り、停止分の多くは2027年第1四半期までに回復すると想定しています。7月中旬の再エスカレーションより前の見立てだという点を、割り引いて読む必要があります。公式見通しでさえ、いまの現実には追いついていません。

封鎖が長期化したら起きる5つのこと

7月の逆回転で、当面の最悪シナリオはむしろ近づきました。経営層への報告で使うことを想定して、このまま再封鎖が定着した場合の衝撃を、5段階に分けて整理します。

1つ目は、原油とLNGの調達コストの跳ね上がりです。日本は原油の約9割を中東に依存し、その大半がホルムズを通過します。ここで見落としがちなのがLNGとの差です。原油はサウジの東西パイプラインとUAEのADCOP(フジャイラ港へ抜ける原油パイプライン)で日量350万〜550万バレルを迂回できますが、これはホルムズ通過量の約25%にとどまります。ところがLNGには、こうした逃げ道がほとんどありません。カタールとUAEが輸出するLNGの93〜96%がホルムズを通り、短期で使える代替の海上ルートが存在しないのです。7月11日以降はLNG船の通航が確認されず、カタールは全海上活動の一時停止を勧告、QatarEnergyはラスラファンの生産回復を止めたと報じられています1。電力・ガス事業者にとって、原油以上に効いてくるのがこのLNGの代替不能性です。

2つ目は、国内物価とガソリン店頭価格への波及です。ここは6月に価格が下がった代表例でしたが、7月に潮目が変わりました。レギュラーガソリンの全国平均は7月13日時点で1リットル169.9円と、8週連続で170円を割り込んでいます6。ところが政府の激変緩和措置による補助単価は、7月16日から22日の週で7.50円になりました。前週の2.8円から4.7円の拡大で、3月19日の緊急措置再開後では初めての拡大転換であり、5月14日のピーク以降8週続いた縮小がここで止まっています78。内訳は代替調達コスト分の月次調整単価が4.9円、170円超過分の変動補助が2.6円で、軽油・灯油・重油も7.50円、航空機燃料は約3.0円が上乗せされています7。「170円割れで補助が自動ゼロになる出口局面」という7月前半までの説明は、この拡大転換で撤回が必要になりました。原油が再び100ドル方向へ向かえば、家計の燃料・電気・食料品コストは一気に押し上げられます。三菱UFJ銀行 経営企画部経済調査室の試算では、原油が平時比で年平均33%上昇すると2026年度の実質GDP成長率が0.1〜0.2ポイント押し下げられ、消費者物価上昇率が0.3ポイント以上押し上げられるとされています9。マクロの数字は控えめでも、電力・化学・運輸・素材のようなエネルギー多消費型の業種には平均の何倍も圧力がかかります。

3つ目は、貿易フローの停滞です。通航が57隻や8隻まで落ちれば、ペルシャ湾内で邦船を含む船舶が滞留し、自動車輸送船のような大型船も足止めされます。スエズや喜望峰経由への迂回は片道で10日以上のリードタイム延長を意味し、ジャストインタイム前提のサプライチェーンが詰まります。海上保険料も、戦争危険を含む特約料が通常時の何倍にも跳ね上がった局面があり、大型タンカー1航海あたり数百万ドル規模の追加負担が報じられました10。カタールが全海上活動の停止を勧告したように、運航そのものを止める判断も現実に出ています1。中東向け輸出と中東からの輸入が同時に止まるため、契約上の不可抗力条項と価格改定条項をどう発動するかが、商社や製造業の法務部門の中心議題になります。

4つ目は、サプライチェーン断絶の連鎖です。石油化学の出発原料であるナフサの調達が細ると、日本が世界シェアの高い機能性化学品の生産が制約を受け、自動車や電子部品の上流に影響が及びます11。LNG船の通航が確認されない状態が続けば、都市ガスや発電用燃料だけでなく、化学プラントの操業計画にも波及します。住宅設備や塗料、建設機械など、一見すると中東と縁が薄そうな業界でも、原料をたどると中東経由にぶつかることが珍しくありません。「うちは中東と取引していないから関係ない」という感覚が、いちばん危ういと考えています。

5つ目は、半導体・電子部品の納期遅延です。LNGとともに海上輸出ルートがホルムズに偏る品目が細ると、そこに、米中協議の進展で高性能AIチップの対中輸出が動き出す流れが重なります。中東発の供給制約と米中の取引再開が同時に効くため、グローバルな半導体生産の優先順位そのものが組み替わります。納期計画は「中東」と「米中」の両にらみで立て直すのが、7月時点では現実的な構えです。

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日本企業のサプライチェーン・輸出管理面のリスク

自社にとって最も実務的なのは、ここから先の輸出管理の話です。中東のエネルギー回廊、中国のデュアルユース規制、米国のOFAC・BISの動きは、7月時点で互いに強く連動しています。

中東経由で直接効くリスクは、いまや3つでは足りません。原料・部品の調達途絶、中東向け輸出の停止に伴う売上機会の損失、そして米国OFAC(外国資産管理室)が4月28日に出したFAQ1249で明示された、イラン向け通航料支払いの二次制裁リスクです1213。FAQ1249は、法定通貨だけでなく暗号資産や相殺、非公式なスワップ、慈善目的を装った口座振替まで対象に含めており、米国人や米国の管理下にある外国法人による直接・間接の支払いはいずれも認可されないとしています12。日本企業の在米子会社、米ドル建て決済を経由する取引、米国製品・技術を含む輸出までが射程に入ります。ここに7月、前述の米国側の通航料構想が新しいレイヤーとして重なりました。イラン側に払えば二次制裁のリスク、米国側の逆封鎖に応じれば別のコスト、という板挟みが生まれかねない構造で、算定基準や法的根拠が未確定のまま船を出す判断を迫られる局面が出てきます2

第三国経由のリスクは、ここにもう1段重なります。中東経由が詰まると、シンガポールやUAEを物流ハブとした第三国経由のフローが代替候補に上がりますが、第三国経由ではキャッチオール規制(大量破壊兵器や通常兵器の開発につながりうる用途・相手を確認する制度)のチェックが甘くなりがちです。経済産業省は2025年10月9日に補完的輸出規制を見直し、旧ホワイト国向けにもインフォーム要件を新設しました14。さらに2026年2月14日には新しい貨物・技術マトリクスが施行され、リスト規制の品目区分も更新されています15。「シンガポール経由で出すから大丈夫」という従来の感覚が、いまは通用しません。

米中規制との連動も無視できません。中国は2026年1月6日に商務部公告第1号を出し、日本向けデュアルユース品について軍事用途者向けや軍事最終用途に該当する輸出を制限しました16。対象はタングステン、モリブデン、レアアース磁石、炭素繊維、特殊合金など、半導体・自動車・防衛で使う品目が幅広く含まれます。防衛分野では2026年4月21日に防衛装備移転三原則も改正されており、その制度面は防衛装備移転三原則の改正で詳しく扱っています17。中国をめぐっては規制面だけでなく、太平洋へのSLBM発射と日本のEEZ周辺の緊張のように軍事面の動きも重なっており、地政学リスクは中東一極では読めなくなっています。中東のエネルギー回廊、中国経由の鉱物・部品、米国の制裁という3方向の規制更新を同時に追わないと、輸出管理規程の前提そのものがずれていきます。自社の該非判定や取引相手スクリーニングを実務でどう回すかは、企業の輸出管理実務もあわせて読むと具体像がつかめます。


資料ダウンロード 2026年 輸出管理5大制度更新カレンダー

補完的輸出規制(2025年10月9日)、新貨物マトリクス(2026年2月14日)、防衛装備移転三原則改正(2026年4月21日)、OFAC FAQ1249(2026年4月28日)、中国商務部公告第1号(2026年1月6日)の5件を1枚にまとめた、現場担当者向けの制度更新カレンダーをご用意しています。

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企業が今すぐ着手すべき3つのリスク評価

中東情勢のような複合リスクは、3つの軸で並行して評価するのが、私の現場経験では最も組織が動きやすい形でした。明日の経営会議でそのまま提案できる粒度で、順に見ていきます。

1つ目の軸は、地政学リスク評価です。社内の調達・販売・生産拠点を、中東依存比率、ホルムズ経由比率、中国依存比率、米国依存比率の4つの数字でリスト化します。部品表(BOM)の単位、品目の単位、取引先の単位という3階層で集計し、リスクの高い品目から代替供給国を最低2社確保していくのが現実的です。政府レベルでは、5月時点でホルムズを経由しない原油の代替調達を6月に8割程度まで引き上げる見込みだと示され、備蓄放出とあわせれば必要量を上回るという説明がありました18。エネルギー自立をめぐる政府側の制度づくりの動きは、経済安全保障会議と国交省のエネルギー自立政策で別途整理しています。ただし、これは6月時点の見立てで、7月の再封鎖はその前提を揺さぶっています。民間企業が自社のBOMで同じ整理を済ませているケースは、私が話を聞いた範囲ではまだ少数派です。3か月以内に新規の供給枠を押さえられない企業は、年度後半の調達コストで明確に差がつきます。

2つ目の軸は、輸出管理リスク評価です。2025年10月9日施行の補完的輸出規制14、2026年2月14日施行の新貨物・技術マトリクス15、4月21日改正の防衛装備移転三原則17、4月28日のOFAC FAQ124912、1月6日の中国商務部公告第1号16という5件の制度更新に対して、自社の輸出管理規程・該非判定フロー・取引相手スクリーニングがどこまで追いついているかを点検します。ここに7月は、米国側の通航料構想という未確定の論点まで加わりました。私が話を聞いた製造業の輸出管理担当者は、3月以降の残業が前月比で1.5倍になり、OFAC FAQ1249対応でさらに重くなったと話していました。人手だけで捌くのは、正直なところ限界に近づいています。

3つ目の軸は、調達多角化と契約条項のリスク評価です。原料供給契約・輸送契約・EPC契約について、不可抗力条項が発動する条件、価格改定条項のトリガー、納期遅延ペナルティの上限を1件ずつ確認します。日本の民法と英米法では不可抗力の解釈が違うので、準拠法ごとに法務確認が必要です。ホルムズの封鎖が「経済制裁」なのか「戦争・武力行使」なのかで保険の適用範囲も契約解釈も変わるため、海上保険についても船舶戦争保険・貨物戦争保険・SRCC特約の3点で、カバー範囲と除外水域、48時間ルールを再確認しておきます10。為替や原料のヘッジは、従来の3〜6か月から9〜12か月先まで延ばすのが、7月の反発局面を踏まえると妥当な判断です。この3軸を週次の横断タスクフォースで回すと、月次の経営会議が「事実関係のすり合わせ」ではなく「打ち手の選択」に進みます。

TRAFEEDでできるサプライチェーン可視化

ここまでの整理を、人手だけで毎月運用するのは、率直に言って現実的ではありません。米中協議の更新、中国商務部公告の追加、OFAC FAQの更新、補完的輸出規制の細目変更が、それぞれ別のサイクルで月単位に出てきます。しかも7月のように、通航料構想のような未確定の論点が数日単位で降ってくる。月初に最新化した社内規程が、月末には部分的に古くなっている、というのが2026年の輸出管理担当者の実感だと思います。

私たちが提供するTRAFEED(旧ZEROCK ExCHECK)は、世界初の輸出管理AIエージェントとして、経産省基準準拠の該非判定、取引相手スクリーニング、キャッチオール規制の用途要件チェックを自動化するサービスです。具体的には、HSコード単位の該非判定を、2025年10月9日施行の補完的輸出規制と2026年2月14日施行の新貨物・技術マトリクスに対応した最新ロジックで処理し、取引相手国の制裁リスト・需要者リストと自動照合(OFAC、EU、英国、国連、経産省の主要リストをカバー)、米国OFAC FAQ1249に対応したイラン関連の取引フロー点検、中国商務部公告第1号に対応した中国原産デュアルユース品の用途・需要者チェックを、1つの管理画面で扱えます。なお、最終的な該非判定は貴社の輸出管理責任者が行うことを前提とした設計です。

7月以降の使いどころが大きいのは、価格と通航が乱高下するなかで、中東関連取引の再スクリーニングと、米中協議で動き始めた中国・東南アジア向け案件の許可申請を、別々のスプレッドシートで管理せずに済む点です。多言語対応も組み込まれており、英語・中国語・アラビア語の取引文書をそのまま扱えるので、中東・中国・ASEAN向け取引の文書精査が画面上の入力だけで完結します。TRAFEEDだけで足りない領域、たとえばホルムズ情勢を踏まえた中期計画の前提見直しや、防衛装備移転三原則改正に対応した社内規程の改定は、WARPコンサルティングと組み合わせる形でご支援しています。元大手DX・データ戦略の専門家が月次更新で伴走するので、制度更新のサイクルに合わせて社内オペレーションも更新していけます。

まとめ ─ ホルムズは「再封鎖へ逆回転」する局面へ

「6月の回復で最悪シナリオは後退した」という見立ては、7月の展開で撤回が必要になりました。7日・12日・14日のタンカー攻撃、IRGCの封鎖再宣言、米軍の連続空爆で、ブレント原油は72ドルから約86ドルへ反発し2、8週続いたガソリン補助の縮小も拡大へ転じています7。いまのホルムズは「終わりつつある」のではなく、最悪シナリオへ再び近づいている進行中の局面にある、というのが私の現時点での見方です。

読者が最も気にしている「いつまで続くのか」に、一次情報で答えられる確定日はありません。ただ、封鎖が長期化するか再び開くかを見極めるトリガーは、3つに絞れます。1つ目は6月17日の覚書の履行状況で、これが完全に空文化すれば長期化の公算が高まります。2つ目はタンカー攻撃の頻度で、7日・12日・14日のように数日おきに続くうちは通航は戻りません。3つ目は米イラン交戦の継続日数で、報道でいう「6日以上連続」が途切れて数日続けば、6月のような一時的な通航回復が再来する可能性があります。この3点を週次で観測表に落とすだけでも、経営会議の議論はかなり具体的になります。

この逆回転こそが、企業にとっての本当のリスクです。価格が下がった局面で備えを緩めた企業は、7月の一報で逆を突かれました。だからこそ、サプライチェーンの中東依存比率・ホルムズ経由比率・中国依存比率・米国依存比率をBOM単位でリスト化する、輸出管理規程を10月の補完規制・2月の新マトリクス・4月の防衛装備移転三原則改正・4月のOFAC FAQ1249・1月の中国商務部公告の5件に対応させる、契約条項の不可抗力・価格改定・保険カバーを準拠法ごとに点検する、というミニマムに、価格が反発し始めた今こそ着手する価値があります。

TRAFEEDとWARPは、その作業を「人手で全件処理する」から「AIエージェントが下処理し、人間は判断に集中する」へと組み替えるためのサービスです。中東情勢・米中協議・中国規制が同時並行で動く2026年の輸出管理を、現場の残業ではなく、組織として持続可能な形で回していく。機能概要はTRAFEEDサービスカタログ(PDF)で確認できます。自社の体制をどこから見直すべきか迷っているなら、現状の依存度と規程の抜けを一緒に棚卸しするところから始めましょう。まずは個別相談からお声がけください。

参考文献

Footnotes

  1. 【データで見る】ホルムズ海峡の状況(海上輸送・船舶数の一次データトラッカー) — 時事ドットコム — 2026年 — https://www.jiji.com/jc/tokushu?id=straitOfHormuzTradeTracker_2026 2 3 4 5 6 7 8

  2. Oil hits 1-month high as US-Iran fighting clouds Strait of Hormuz outlook(ブレント85.92ドル、通航料構想、通航57隻) — Al Jazeera — 2026年7月14日 — https://www.aljazeera.com/economy/2026/7/14/oil-hits-1-month-high-as-us-iran-fighting-clouds-strait-of-hormuz-outlook 2 3 4 5 6 7 8 9

  3. U.S. fires a new wave of strikes on Iran and hits a tanker trying to skirt its blockade — NPR — 2026年7月15日 — https://www.npr.org/2026/07/15/nx-s1-5894582/us-iran-updates 2 3

  4. U.S. says more than 8 million barrels of oil transited Hormuz Sunday with military assistance — CNBC — 2026年7月13日 — https://www.cnbc.com/2026/07/13/ship-traffic-through-hormuz-falls-as-us-and-iran-fight-for-control.html

  5. Short-Term Energy Outlook(2026年7月版、7月7日公表、ブレント2026年=82ドル・2027年=65ドル) — U.S. Energy Information Administration — 2026年7月7日 — https://www.eia.gov/outlooks/steo/

  6. ガソリン全国平均価格の推移(7月13日 169.9円/L) — 燃料油価格激変緩和事業 — 2026年7月13日 — https://nenryo-teigakuhikisage.go.jp/current_graph.pdf

  7. 燃料油価格激変緩和事業(補助単価7.50円/L、2026年7月16日〜22日) — 資源エネルギー庁 — 2026年7月 — https://nenryo-teigakuhikisage.go.jp/ 2 3

  8. 中東情勢を踏まえた燃料油の緊急的激変緩和措置 — 経済産業省 資源エネルギー庁 — 2026年 — https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fuel_price_shien_2026.html

  9. 経済情報 ホルムズ海峡の事実上封鎖と世界経済への影響 — 三菱UFJ銀行 経営企画部経済調査室 — 2026年4月3日 — https://www.bk.mufg.jp/report/whatsnew/report_20260403.pdf

  10. 日系損保、中東での船舶保険料上乗せ拡大へ — 日本経済新聞 — 2026年3月 — https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB03APS0T00C26A3000000/ 2

  11. 中東リスクと物流(2)日本と中東の貿易とホルムズ海峡封鎖の影響 — ジェトロ — 2026年 — https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2026/190b55f892c6980c.html

  12. FAQ 1249: Strait of Hormuz Toll Payments — U.S. Department of the Treasury, Office of Foreign Assets Control — 2026年4月28日 — https://ofac.treasury.gov/faqs/1249 2 3

  13. Sanctions Risks of Iranian Demands for Strait of Hormuz Passage(OFAC ALERT) — U.S. Department of the Treasury — 2026年4月 — https://ofac.treasury.gov/media/935556/download?inline=

  14. 補完的輸出規制の見直しについて(2025年10月9日施行) — 経済産業省 — 2025年10月9日 — https://www.meti.go.jp/policy/anpo/apply-01/20251009_catchminaoshi/20251009catchall.html 2

  15. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令(新貨物・技術マトリクス、2026年2月14日施行) — 経済産業省 — 2025年11月11日 — https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251111001/20251111001.html 2

  16. 中国商務部公告第1号(対日デュアルユース品輸出制限、2026年1月6日)に関する分析 — Greenberg Traurig — 2026年2月 — https://www.gtlaw.com/en/insights/2026/2/china-imposes-escalated-export-controls-on-dual-use-items-to-japan 2

  17. 「防衛装備移転三原則」等の一部改正について — 経済産業省 — 2026年4月21日 — https://www.meti.go.jp/press/2026/04/20260421003/20260421003.html 2

  18. 中東情勢を踏まえた令和8年度補正予算等についての会見 — 首相官邸 — 2026年5月25日 — https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0525kaiken.html

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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