こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。
新規事業の相談を受けていて、いちばん多いのがお金の話です。そしてそのほとんどが、いきなり「どのVCに出資してもらえばいいですか」から始まります。ネットを開けば資金調達の成功事例が並び、資金調達といえばエクイティ、エクイティといえばVC、という空気ができあがっています。ですが、この空気こそが、初心者が最初にお金を失う落とし穴です。
先に結論を書きます。まず融資、足りない分をエクイティ。これが順番です。日本には株を1株も渡さずに借りられる手厚い創業融資があり、多くの事業はそれで立ち上がります。エクイティは、返済がない代わりに世の中でいちばん高い資金でもあります。この記事では、融資とエクイティとVCが結局どう違うのか、なぜ融資が先なのか、そしてどう組み合わせて創業者の持分を守るのかを、架空の新規事業を例に一緒に手を動かしながら見ていきます。AIを事業づくりの相棒にしてお金の設計まで壁打ちしたい方は、先に3分で終わる無料のAIリテラシー診断で自分の現在地を測っておくと、後半のプロンプトがしっくりくるはずです。
なお、この記事は新規事業の作り方をステップで解説するシリーズの一本です。事業の全体像から順番に組み立てたい方は、新規事業フレームワーク完全ガイドを先に眺めておくと、お金の話がどの段階で必要になるのかが見えてきます。
資金調達の登場人物と、最低限おさえる用語
お金の出し手には、いくつかの種類があります。順番にいくと、まず自分のお金である自己資金。次に家族や友人からの借入で、英語の頭文字を取って3F(Family、Friends、Foolsの三者)と呼ばれます。そこから先が外部の他人のお金で、個人が自分の資産から出資するエンジェル投資家、複数の投資家から集めた資金をまとめて出資するVC(ベンチャーキャピタル)、そして公的機関や銀行による融資、返さなくてよい代わりに使途と審査が厳しい補助金や助成金が続きます。この登場人物を、性質ごとに並べたのが次の表です。
| 出し手 | 性質 | 返す義務 | 株を渡すか |
|---|---|---|---|
| 自己資金 | 自分のお金 | なし | 渡さない |
| 3F(家族・友人) | 身内からの借入や出資 | 借入なら返す | ケースによる |
| 公的融資・銀行融資 | 借入 | 元本と利息を返す | 渡さない |
| 補助金・助成金 | 公的な給付 | なし(原則) | 渡さない |
| エンジェル投資家 | 個人による出資 | なし | 渡す |
| VC | ファンドによる出資 | なし | 渡す |
事業が育つにつれて、資金調達は段階を踏みます。もっとも初期のプレシードから、シード、シリーズA、B、C、そして最終的にIPO(株式上場)やM&A(買収)でExit(投資家が株を換金する出口)へ向かうのが典型です。この段階を追うほど、一度に動く金額は大きくなります。
株式にまつわる言葉も、最初に押さえておくと後がラクです。誰が何%の株を持っているかの一覧をキャップテーブルと呼び、新しく株を発行するたびに既存株主の持分の割合が下がることを希薄化(ダイリューション)といいます。会社の値付けがバリュエーションで、あるラウンドで中心になって条件を決める投資家がリードVCです。従業員に将来株を渡すための枠がESOP(ストックオプションプール)、投資の主要条件を1枚にまとめた合意文書がタームシートです。ここまでが共通言語になります。知らない言葉が出てきたら、この段落に戻ってきてください。
初心者がいちばん損するのは「いきなりエクイティ」
もっとも典型的な失敗は、公的融資の存在を知らないまま、「500万円を出すので株の10%をください」というエンジェルのオファーに、その場でハンコを押してしまうことです。返済がいらないと聞くと、無利子でお金を得たようで得した気になります。ここが落とし穴です。
投資家の頭の中を覗いてみます。彼らは、出したお金がおおむね7年で10倍になることを期待しています。7年で10倍を年利に直すと、およそ39%です。つまり投資家の期待目線では、エクイティは年利39%相当の資金ということになります。銀行のカードローンより高い水準です。もちろんこれは契約書に39%と書いてあるわけではなく、あくまで投資家が心の中に持っている期待の話です。それでも、成功したときに実際に手放す金額で考えると、この目線の重さがよく分かります。
具体的に数字を置いてみます。500万円を株10%で入れてもらったとします。事業がうまくいって、将来10億円の企業価値になったとしましょう。そのとき、渡した10%は1億円に相当します。500万円を受け取る代わりに、成功時には1億円を手放す契約だった、ということです。同じ500万円を、仮に公的融資で年1.5%、7年返済で借りていたら、利息を含めた総返済額は550万円ほどにおさまります。差はおよそ9,500万円。もちろん、これは事業が大成功した場合の話で、失敗すれば投資家がその損を引き受けてくれるという利点はあります。返済リスクを他人に移せることこそがエクイティの価値です。ですが、「無利子で得した」という理解は、この構造を完全に取り違えています。
この真のコストは、自分の事業の数字で一度計算しておく価値があります。AIに試算させる壁打ちプロンプトを置いておきます。そのままコピーして使ってください。
あなたは資本政策に詳しいCFOです。今検討しているエクイティ調達が、融資と比べて実質どれだけ高コストかを数字で示してください。
手順:
(1)「7年で10倍=年利換算およそ39%」というVCの期待目線を使い、渡す株式%が将来のExit時にいくら相当を手放すことになるかを試算
(2)同額を公的融資(年1〜3%)で借りた場合の総返済額と比較
(3)差額を「お金の借り方を間違えたコスト」として明示
(4)この事業にとってエクイティが正当化されるか(ハイリスク・ハイリターンで数年で大きく仕掛ける事業か)を判定
※これは投資家の期待「目線」の話で、現金で39%を払う契約ではない点も明記してください。最後に「契約前にスタートアップ法務の弁護士へ確認」と添えてください。
---以下を貼る---
・エンジェルやVCからの提示:{◯万円}を株{◯}%で
・想定Exit時の企業価値レンジ:{◯億円}
・同額を融資で借りる場合の金利と期間:{年◯%・返済◯年}
まず融資、が日本の武器
日本で新規事業を始める人にとって、実は最大の武器は公的融資です。ここを使い倒さずにエクイティへ走るのは、もったいないというより損です。
中心になるのが日本政策金融公庫の創業融資です。現在は新規開業資金という制度に一本化されており、以前あった新創業融資制度は2024年4月に統合されました。この統合で自己資金の要件が撤廃され、原則として無担保・無保証人でも創業融資を受けられるようになっています。金利は時期や条件で変わりますが、おおむね年1〜3%台が目安です。株式は一切渡しません。ここに、信用保証協会の保証つき融資や、自治体が用意する地方の制度融資を重ねていきます。制度融資は保証料の補助がつくことがあり、実質的な負担がさらに軽くなる場合もあります。
そして2023年に大きな転換点がありました。経営者保証改革プログラムです。それまで、創業者が融資を受けるときは、多くの場合「経営者保証」という個人保証を求められました。会社が返せなくなったら、社長が個人で肩代わりする約束です。これがあると、事業に失敗したときに自宅や個人資産まで失い、再挑戦の道が断たれてしまいます。改革プログラムの一環で登場したのがSSS保証(スタートアップ創出促進保証制度)で、創業から一定期間内の事業者が、経営者の個人保証なしで保証つき融資を受けられるようになりました。上限額や対象年数といった条件が定められていて、保証料率がやや上乗せされる代わりに個人保証を外せる仕組みです。
ここで一つ、はっきり言っておきたいことがあります。保証料の差はわずかです。仮に上乗せが年0.2〜0.5%程度だとしても、数千万円規模の融資で年に十数万円という水準にとどまることが多い。その十数万円で、失敗したときに家族の生活と自分の再挑戦の道が守られるなら、私は迷わず経営者保証なしを選びます。窓口では「2023年の経営者保証改革プログラムに基づいて、経営者保証なしの選択肢を案内してほしい」と最初から伝えてください。黙っていると、従来どおり保証ありの提案が出てくることもあります。
なお、SSS保証の上限額や対象となる創業年数、保証料の扱いは制度改定で変わりうるため、実際に申し込む前に必ず中小企業庁や信用保証協会、日本政策金融公庫の公式サイトで最新の条件を確認してください。この記事の数字は執筆時点の目安です。補助金や助成金についても触れておくと、こちらは魅力的に見えて、申請に大量の時間がかかり、採択率も限られ、入金は事業完了後の後払いが基本です。メインの財源には据えず、あくまで副菜として狙うのが現実的だと考えています。
エクイティの正体と、鉄則「まず融資、足りない分をエクイティ」
ここまで読むと、エクイティが悪者に見えるかもしれません。そうではありません。エクイティは、年利30〜40%相当の最も高い資金であると同時に、返済義務がないという唯一無二の性質を持っています。売上が立つまでに何年もかかる事業、たとえばバイオや創薬、半導体、宇宙といったディープテックでは、返済を求められる融資では体力が持ちません。こうした「数年かけて大きく仕掛ける」事業にとって、エクイティは正しい道具です。要は、悪いのはエクイティそのものではなく、順番を間違えることです。
では、どう振り分けるか。判断軸は驚くほどシンプルで、たった一つです。最初の売上が立つまで何か月かかるか。目安として、6か月以内に売上が立つ事業なら融資中心で組めます。3年以上かかるディープテックならエクイティ中心です。その間はハイブリッドで考えます。SaaSやEC、D2C、コンサルティング、伝統工芸のような事業は、初期投資が比較的軽く売上も早いので、融資中心で十分まわることが多いはずです。
| 最初の売上まで | 資金の中心 | あてはまりやすい事業 |
|---|---|---|
| 6か月以内 | 融資中心 | SaaS、EC、D2C、コンサル、伝統工芸 |
| 6か月〜3年 | ハイブリッド | ハードウェア、規制産業、深いR&Dを伴うサービス |
| 3年以上 | エクイティ中心 | バイオ、創薬、半導体、宇宙などディープテック |
比率の目安も持っておくと迷いません。必要資金のうち融資で60〜70%、エクイティで30〜40%というのが、希薄化をおさえながら資金を確保する現実的なバランスです。たとえば総額3,000万円が必要なら、公庫で1,500万円、地方の制度融資で500万円、あわせて融資2,000万円を確保し、残りの1,000万円をエクイティで入れる。これで希薄化を最小に抑えられます。全額をエクイティで取ろうとすると、早い段階で株が薄まり、後で自分の首を絞めます。
いくら必要かを正確に出すには、事業の収益とコストの構造が見えていることが前提です。ここが曖昧だと、必要額そのものが当てずっぽうになります。まだ固めきれていない方は、ビジネスモデルの作り方で収益とコストを1枚に落としてから、この記事に戻ってくると必要額の精度が上がります。AIを相棒に、この資金設計そのものを一緒に組み立てたいという場合は、AIコンサルティングのWARPで、順番の設計から数字の壁打ちまでご一緒しています。
契約形態の使い分けと、創業者持分50%の死守
融資で足りず、エクイティを入れると決めたら、次は契約の形を選びます。代表的な選択肢は3つです。
| 形態 | 想定シーン | 特徴 |
|---|---|---|
| SAFE | 海外VCやアクセラレーターへの応募が前提 | 英文・米国法ベース。国内のみなら基本不要 |
| J-KISS | 国内シードの標準 | 和文・日本法。会計処理も自然で、シードの多くはこれで足りる |
| 種類株(A種優先株) | リード確定・金額の大きい本格ラウンド | 弁護士費用や登記が必要で重い。シリーズA以降向き |
国内のエンジェルやシードVCが中心なら、まずJ-KISSと考えて差し支えありません。海外のVCやアクセラレーターに応募するならSAFE。リードが固まって金額が5,000万円を超えるような本格的なラウンドになって初めて、種類株が視野に入ります。シード期に種類株を持ち出すと、弁護士費用と登記の手間で身動きが取れなくなります。優先株にするのは将来に倒し、シードはSAFEかJ-KISSで軽く進めるのが定石です。
そして、資本政策で何よりも死守してほしい一線があります。創業者の持分を、シリーズA終了時点で最低50%以上に保つこと。株主総会の普通決議は過半数で通ります。ここを割ると、重要な意思決定の主導権を失い、最悪の場合は社長を解任される事態すらありえます。しかも実務的にも効いてきます。シリーズBやCのVCは、キャップテーブルを見て創業者が30%まで薄まっていると、「経営インセンティブが足りない」と判断して出資を見送ることがあるのです。だから調達のたびに、電卓を叩く癖をつけてください。今回の調達後に創業者の合計が何%になるか、そこからシリーズAで20%希薄化したら残り何%か。ESOPの枠(一般に10〜15%)を確保する分も忘れずに引き算します。
投資家の選び方にも、初心者がハマる誤解があります。出してくれる金額の桁は、有名なファンドでも国内のファンドでも、同じラウンドならそれほど変わりません。本当の差は「クレジット効果」です。信頼される投資家が入っているという第三者からの承認が、後続の調達や採用、営業の成功確率を何倍にも押し上げます。逆に、無名の投資家から取ると、後段の調達でマイナスに働いたり、悪い条件を出されたり、いざというときに助けてくれなかったりという三つのリスクを抱えます。取らないほうがマシな場面すらあります。見極めの一番の方法は、リファレンスを取ることです。その投資家が過去に出資した創業者3〜5名に、実際に電話して評判を聞く。これを嫌がる投資家は、それだけで避けたほうがいいと私は思っています。
最後に、タームシートの危険条項です。2倍の参加型優先株(2x participating preferred)、フルラチェット型の希薄化防止(Full Ratchet)、広範な拒否権(Veto Right)、30〜45日を超える長すぎる独占交渉義務(No-shop)といった条項は、後から取り返しがつきません。標準は、1倍の非参加型(1x non-participating)、加重平均型の希薄化防止(Broad-based Weighted Average)、取締役会は創業者が過半を維持、です。ネットで拾ったテンプレートを自分で埋めて契約するのは論外で、融資契約も株式契約も、署名の前に必ずスタートアップ法務に強い弁護士へ確認してください。初回相談は1〜3万円程度です。この数万円をケチって失うものは、桁が違います。
AIで資金設計を壁打ちする(架空事業SHIFTMATEで通し)
ここからは実際に手を動かすパートです。飲食チェーン向けに、従業員の希望と労務法令を満たすシフト表をAIが自動で作るSaaS「SHIFTMATE(シフトメイト)」を例にします。創業者はCEO(元店長で現場の痛みを熟知)とCTOの2名、持分はCEO55%とCTO45%。自己資金250万円、生活防衛資金の90万円は手をつけずに残す。すでにMVPで課金を始めていて、契約3店舗でMRR5万円、創業4か月です。必要資金は初年度3,000万円で、内訳はエンジニア2名の採用に1,800万円、広告に600万円、開発外注に600万円。5年後は全国チェーンに広げて大きく仕掛けたい、という事業です。
この事業は、SaaSで初期投資が軽く、すでに売上が立っています。判断軸に当てはめれば融資中心で組める型です。設計はこうなります。まず公庫の創業融資で1,500万円をSSS保証つき、つまり経営者保証なしで確保する。次に地方の制度融資で500万円を重ね、融資合計は2,000万円。足りない1,000万円を、数年で大きく仕掛ける事業としてJ-KISS(Post-money Cap 5億円)で調達する。結果は融資66%、エクイティ34%。1,000万円を5億円のCapで入れると転換時の希薄化は2%程度に収まり、ESOP12%とシリーズA20%希薄化を通しても、創業者合計は50%を超えて残ります。もし3,000万円を全額エクイティで取っていたら、希薄化は20%を超え、創業者の持分が早々に薄まって、シリーズAで「経営インセンティブ不足」と見られるリスクを抱えていました。
この順番と比率を、自分の事業で診断させるプロンプトです。
あなたは日本のスタートアップ資金調達に詳しいアドバイザーです。私の事業について「まず融資、足りない分をエクイティ」の鉄則に沿って、
(1)取るべきお金の順番、
(2)融資とエクイティの推奨比率(目安は融資60〜70%)、
(3)公庫・信用保証協会・地方制度融資・SSS保証のうち最初に当たるべき制度、
(4)そもそもエクイティが必要な事業かの判定、
を提案してください。判定の主軸は「最初の売上が立つまで何か月か」(6か月以内なら融資中心、3年以上ならエクイティ中心)です。最後に必ず「契約前にスタートアップ法務の弁護士へ確認」「制度は公庫・中小企業庁の公式で最新確認」と添えてください。
---以下に事業情報を貼る---
・事業内容:{1文で}
・5年後どうしたいか:{自分の代で食べていければ良い / 数年で大きく仕掛けたい}
・最初の売上が立つまでの見込み期間:{◯か月}
・必要資金総額と用途:{◯万円/採用・開発・マーケの内訳}
・自己資金:{◯万円}/生活防衛資金として残す額:{◯万円}
・現在のトラクション:{MRR・顧客数など}/創業からの経過:{◯か月}
公庫の面接が不安なら、担当者役をAIにやらせて模擬面接をするのが効きます。
あなたは日本政策金融公庫の創業融資担当者です。私が創業融資(SSS保証=経営者保証なしを希望)の面接に臨む想定で、
(1)厳しめの模擬面接を10問。特に「収支計画の根拠(他社平均ではなく自社の顧客数×単価で語れるか)」「自己資金の出所と積み立て履歴」「この1年の準備実績(顧客インタビュー・MVP・試験契約)」を突いてください。
(2)私の回答へのフィードバックと落ちポイントの指摘、
(3)事業計画書(A4で5〜10枚・収支3年分)の改善提案、
も出してください。制度の最新条件は公庫公式で要確認、契約書は弁護士確認、と最後に注記してください。
---以下を貼る---
・希望融資額/自己資金:{◯万円/◯万円(積立履歴◯か月分)}
・収支計画の前提:{初年度 顧客◯人×単価◯円=月◯万円/2年目・3年目の実数}
・準備実績:{インタビュー◯件・MVP・試験契約◯件}
・経歴と最悪時のプランB:{ }
希薄化が心配なら、キャップテーブルを通しで計算させます。
あなたは資本政策の専門家です。私のキャップテーブルと調達条件から、
(1)各SAFE・J-KISSの転換時%(投資額÷Post-money Cap)、
(2)ESOP(10〜15%想定)拡張を含めた累計希薄化、
(3)シリーズA(想定20%希薄化)後の創業者合計%、
を段階表で計算してください。
(4)創業者持分がシリーズA終了時に50%を割るリスクがあれば警告し、Valuation Capの見直しやSAFE発行額の抑制、融資への振り替えなどの対策を提示してください。
数値はあくまで概算ロジックで、正式計算はExcelモデルと弁護士・会計士のレビューが必須と明記してください。
---以下を貼る---
・創業者と現在の持分:{Founder A ◯% / Founder B ◯%}
・ESOP枠:{◯%(未確保なら「なし」)}
・発行済みや予定のSAFE・J-KISS:{各 投資額◯万円/Post-money Cap◯億円/Discount◯%}
・想定シリーズA:{調達◯億円/Pre-money◯億円}
タームシートを受け取ったら、危険条項のチェックもAIに下読みさせておくと、弁護士との面談が濃くなります。
あなたはスタートアップ法務に詳しいアドバイザーです(最終確認は弁護士に委ねる前提)。
(1)私の状況からSAFE・J-KISS・A種優先株のどれが最適かを、「国内エンジェルやシードVC中心ならJ-KISS、海外VCやアクセラレーター応募前提ならSAFE、リード確定で金額の大きい本格ラウンドなら種類株」の原則で提案してください。
(2)提示されたタームシートに危険条項(2x participating preferred、Full Ratchet、広範なVeto Right、Liquidation Preference 2x以上、30〜45日を超えるNo-shop、累積配当)がないか洗い出し、それぞれ何が起きるかを具体例で説明してください。
(3)交渉で守るべき標準(1x non-participating、Broad-based Weighted Average、取締役は創業者過半を維持)を提示してください。
必ず「契約書の作成と締結は弁護士確認」と結んでください。
---以下を貼る---
・投資家の中心:{国内エンジェル / 国内シードVC / 海外VC・アクセラレーター}
・調達額とリード状況:{◯万円/リード探索中 or 確定}
・提示された主要条件:{バリュエーション・優先権・希薄化防止・取締役・No-shop期間など}
これらのプロンプトは、あくまで自分の頭を整理し、専門家と話す前の下ごしらえをするためのものです。AIの出力は仮説であって、事実でも法的助言でもありません。数字は自分の事業の実データで、制度は公式で、契約は弁護士で、それぞれ裏を取ってから動いてください。売上が立つまでの期間を精度よく見積もりたい方は、市場規模の算出方法で需要の大きさを試算しておくと、必要額とラウンドの規模感がぶれにくくなります。
まとめ
資金調達で最初にやるべきは、VCを探すことではありません。順番を決めることです。最後に、今日から動くためのポイントを整理します。
- 5年後にどうしたいかを先に決める。食べていければ良いなら融資中心、大きく仕掛けるならエクイティも視野
- 判断軸は「最初の売上まで何か月か」の一つ。6か月以内なら融資中心、3年以上ならエクイティ中心
- 自己資金と生活防衛資金を整えたら、まず公庫の創業融資。最初から経営者保証なし(SSS保証)を指定する
- エクイティは返済なしの代わりに最も高い資金。使うなら必要額の30〜40%まで、契約はJ-KISSかSAFEから
- 創業者持分はシリーズA終了時に50%以上を死守。調達のたびに希薄化を電卓で確認する
- 融資も株式も、署名前に必ずスタートアップ法務の弁護士へ。制度の条件は公式一次情報で最新確認
いちばん伝えたいのは、お金には順番がある、ということです。順番を守るだけで、渡さなくていい株を渡さずに済み、失敗しても再挑戦できる形で事業を始められます。エクイティは麻薬のように甘く見えますが、それを飲むかどうかは、融資という土台を組んでから決めても遅くありません。資金の設計そのものをAIと一緒に組み立て、事業計画まで一気に磨きたいという方は、WARPの個別相談からお声がけください。あなたの事業に合った順番と比率を、数字で一緒に描きます。
なお、本記事は資金調達の考え方を整理するための一般的な情報であり、個別の融資や投資の可否、法務・税務・会計に関する助言ではありません。制度の条件や金額は改定されるため、実際の申込みや契約の前に、日本政策金融公庫・中小企業庁・信用保証協会などの公式一次情報で最新の内容を確認し、契約書はスタートアップ法務に強い弁護士へ必ず相談してください。
参考文献
- 中小企業庁「経営者保証改革プログラム」および関連資料 1
- 中小企業庁「スタートアップ創出促進保証制度」 2
- 日本政策金融公庫「新規開業資金」制度案内 3
- Y Combinator, "Standard SAFE"(SAFEの定義の一次情報) 4
