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競合分析のやり方|競合の見つけ方と比較軸、コピペできる比較表つき

公開2026-07-19濱本 隆太

競合分析のやり方を、新規事業を始める人向けに手を動かせる形でまとめました。競合を直接・間接・代替の3層で見つける方法、顧客が選ぶ基準で比較軸を決めるコツ、コピペできる比較表、ポジショニングマップの2軸の選び方、そしてAIに壁打ちさせるコピペプロンプトまで、架空の事業例で一周します。

競合分析のやり方|競合の見つけ方と比較軸、コピペできる比較表つき
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本 隆太です。

新規事業の相談を受けていて、いちばんもったいないと感じるのが「競合を調べたつもり」で止まっているケースです。同業のサービスを5つ6つ並べて、機能を丸やバツで埋めた表をつくって、それで満足してしまう。ところが肝心の「で、うちはどこで勝つの?」という問いには答えが出ていない。競合分析はリストづくりが目的ではありません。勝てる空白と、正面からぶつかると体力負けする相手を見極めるための作業です。

この記事は、新規事業を始める人が実際に手を動かせるように、競合の見つけ方から比較軸の決め方、コピペで使える比較表、ポジショニングマップの引き方までを一本の流れで説明します。途中からは、AIに壁打ちさせるためのプロンプトもそのまま貼れる形で載せます。架空の事業「おうちデリ(仮称)」を題材に、最初から最後まで一周してみましょう。

先に地図を渡しておきます。この記事はこのあと、次の順番で進みます。

  • 競合分析がフレームワーク全体のどこに位置するか(3C分析のCの話)
  • 競合を直接・間接・代替の3層で洗い出す方法と探し方
  • 顧客が選ぶ基準で比較軸を決め、コピペできる比較表に落とす
  • ポジショニングマップで競合が手薄な空白を探す
  • AIを競合リサーチの相棒にするプロンプト集
  • 分析を差別化仮説と参入判断に落とし込む

この記事は、新規事業のフレームワークを10本に分けて解説するシリーズのSTEP6です。全体像は新規事業フレームワーク完全ガイドにまとめてあります。前のステップのビジネスモデルキャンバスまで来た方が、いよいよ外の世界(市場と競合)に目を向けるのがこのSTEPです。

競合分析は「3C分析」のCの話

競合分析を独立した作業だと思っていると、途中で迷子になります。まず全体地図の上に置いてください。競合分析は3C分析の一角です。3C分析は、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から市場環境を読み解く枠組みで、経営コンサルタントの大前研一氏が提唱しました。氏の英語版著書『The Mind of the Strategist』(1982年、原著『企業参謀』は1975年)を通じて、戦略の三角形(strategic triangle)として世界に広まった考え方です12。競合分析は、この三角形のうちCompetitorの頂点を深掘りする作業にあたります。

なぜわざわざ全体の中の位置を確認するのか。競合だけを単独で眺めても、「その競合が誰の、どんな課題を満たしているか」が抜け落ちるからです。競合Aの機能が優れていても、それがあなたの狙う顧客にとってどうでもいい機能なら、脅威ではありません。逆に、地味なサービスでも、顧客がいちばん困っていることをきっちり解いていれば、それは強敵です。顧客(Customer)を見ずに競合(Competitor)だけを見ると、この判断ができません。だから競合分析は、顧客の課題をつかんだうえで始めるのが順序として正しいのです。前のステップで顧客の課題を言葉にしてきたのは、このためでもあります。

もうひとつ、競合の「範囲」を決めるのに役立つのがマイケル・ポーターのファイブフォース分析です。1979年にハーバード・ビジネス・レビュー誌で発表され、1980年の著書『Competitive Strategy(競争の戦略)』で体系化されました3。業界の競争構造を、既存の競合同士の争い、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力という5つの力で捉える見方です。ここで大事なのは、競争相手を「同業他社」だけに閉じ込めていない点です。まだ市場にいない新規参入者も、まったく違う手段で同じ課題を解いてしまう代替品も、競争の一部として数える。この発想が、次に説明する3層の洗い出しにそのままつながります。

整理すると、フレームワークの使い分けと登場順はこうなります。まず3Cで全体像をつかむ。次にファイブフォースで競争構造を見渡す。そのうえで競合を具体的に特定し、比較表とポジショニングマップで整理する。最後にSWOTや4P(マーケティングミックス)で、自社の差別化や価格、参入するかどうかの意思決定に落とす。競合分析はこの流れの真ん中に位置します。ちなみに、こうしたフレームワークを「どれを使うべきか」で悩みはじめたら、AIリテラシー診断で自分の型を整理してみるのも一手です。道具は目的に合わせて選ぶもので、全部使う必要はありません。

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競合を3層で洗い出す(直接・間接・代替)

ここから手を動かします。競合を探すときは、いきなり検索して同業を並べるのではなく、3つの層に分けて考えると抜け漏れが減ります。直接競合、間接競合、代替競合の3層です。

直接競合は、同じ商品やサービスで、同じ顧客の同じニーズを満たしている相手です。いちばん見つけやすく、いちばん意識してしまう層でもあります。間接競合は、提供しているものは違うけれど、同じニーズや課題を満たしている相手です。代替競合は、その商品カテゴリー自体を使わずに問題を解決している手段を指します。自炊、自前対応、そして「何もしない(無消費)」も、ここに入ります。代替や無消費という発想は、ポーターの「代替品の脅威」や、経営学者クレイトン・クリステンセンのジョブ理論(顧客が片付けたい用事=ジョブを軸に競合を定義する考え方)に対応します。

なぜ間接・代替まで広げるのか。新規事業でいちばん手強い競合は、たいてい「いまのやり方のままでいること」だからです。あなたのサービスがどれだけ良くても、顧客が現状に不満を感じていなければ、乗り換えは起きません。直接競合しか見ていないと、この最大の壁を見落とします。

架空の事業で具体化しましょう。「おうちデリ(仮称)」は、共働き世帯向けに、管理栄養士が監修した作り置き総菜を、週1回・冷蔵で定期宅配するサービスとします。ターゲットは都市部で小さな子どもがいる共働き世帯。顧客が片付けたいジョブは「平日の夜、疲れていても罪悪感なく健康的な食事を出したい」です。このジョブを軸に3層を書き出すと、次のようになります。

相手(一般名) 満たしているジョブ
直接競合 他社の作り置き総菜の定期宅配 平日の夕食を、健康に配慮しつつ手間なく用意する
間接競合 ミールキット宅配、冷凍宅配弁当、ネットスーパー 提供物は違うが「平日の夕食を楽にする」は同じ
代替競合 自炊・作り置き、外食・テイクアウト、コンビニやスーパーの惣菜、家事代行、そして「何もしない(各自バラバラに済ませる)」 カテゴリーを使わずに夕食問題を解決する

こうして並べると、直接競合の外側にいる相手が急に見えてきます。おうちデリが本当に戦う相手は、同業の宅配サービスだけではなく、「今日はコンビニでいいや」という無消費でもあるわけです。

探し方も具体化しておきます。候補を集めるチャネルは、検索エンジンとアプリストア、SNS、Googleマップの口コミ、業界の展示会、そして顧客へのヒアリングです。特に顧客ヒアリングは効きます。「いまはどうやって夕食を用意していますか」と聞けば、あなたが競合だと思っていなかった手段が飛び出してきます。各層は3〜5社(あるいは3〜5手段)に絞ってください。多すぎると次の比較で手が止まります。この段階でつまずきやすいのが、候補の洗い出し自体に時間がかかることです。ここは後半で紹介するAIプロンプトに下書きさせると一気に進みます。

比較軸は「顧客が選ぶ基準」で決める

競合が出そろったら、次は比較です。ここで多くの人がつまずきます。自社が自信を持っている機能を並べて、丸やバツで埋めてしまうのです。できあがるのは自社目線の機能自慢表で、勝ち負けの判断には使えません。

比較軸は、顧客が実際に選ぶときの基準に合わせます。マーケティングでは購買決定要因(KBF、Key Buying Factor)と呼ばれるものです。顧客がお金を払うかどうかを決める理由が軸になっていなければ、その比較表からは何も言えません。基本のセットは、価格(単価・料金体系・初期費用)、顧客規模やシェア(会員数・利用者数・対応エリア)、特徴(ターゲット・強み・世界観)、機能(提供機能・対応範囲)、チャネル(販売・集客の経路)、口コミ評価の6つです。ここから、自分の市場で本当に効く軸を5〜8個に絞ります。10個を超えると、重要な軸とどうでもいい軸が同列に並んで、結局結論が出ません。

絞ったら、特に効く軸に重み付けをしておきます。二重丸、丸、三角の3段階で十分です。おうちデリなら、共働きで子育て中の家庭が選ぶ理由を考えると、「手間の少なさ」と「健康への配慮」が二重丸、「価格」が丸、といった具合になります。この重み付けが、あとでポジショニングマップの2軸を選ぶときの下地になります。

軸が決まったら比較表に落とします。行に競合各社、列に比較軸を置き、数値や記号で埋めます。ここでひとつルールを決めておいてください。埋まらないセルは空欄のまま放置せず、「要調査」と書きます。埋まらないセルは情報のギャップで、追加調査の対象です。空欄のままだと、そのギャップに気づかず結論を出してしまいます。そして必ず、自社(予定)の行も入れてください。競合だけの表では、自分がどこに立っているのかが見えません。

そのまま使える型を置いておきます。おうちデリの例で埋めてありますが、数値はすべて架空のイメージです。あなたの事業に合わせて社名と軸を差し替えて使ってください。

| 競合 | 提供物 | 1食あたり価格 | 特徴 | 主要機能 | 弱み |
|---|---|---|---|---|---|
| 直接競合A(作り置き宅配) | 冷蔵総菜 | 約650円 | 栄養監修・和食中心 | 配送スキップ可 | 配送エリアが都心のみ |
| 間接競合B(ミールキット) | 材料+レシピ | 約700円 | 時短だが要調理 | 定期便・数量変更 | 結局「作る」手間が残る |
| 間接競合C(冷凍宅配弁当) | 冷凍弁当 | 約600円 | 長期保存・全国配送 | 数量変更可 | 冷凍庫を圧迫・食感が落ちる |
| 代替(自炊・作り置き) | 自前 | 材料費のみ | 自由・安い | 要調査 | 時間と気力を消費 |
| おうちデリ(自社予定) | 冷蔵総菜 | 約620円 | 冷蔵の出来たて感+子ども取り分け対応 | アプリでスキップ・取り分け提案 | 認知ゼロ・配送コスト |

この表を眺めると、直接競合Aは栄養監修という点でおうちデリと近いけれど配送エリアが狭い、冷凍弁当Cは価格と全国配送で強いけれど食感で弱い、といった各社の輪郭が見えてきます。ここまで来て初めて、比較が判断材料になります。

ポジショニングマップで空白を探す

表は情報を整理してくれますが、「どこが空いているか」は一目では見えません。そこで使うのがポジショニングマップ(知覚マップ)です。顧客の購買決定要因のうち、重要度が高く、かつ互いに独立した2つの軸を取り、平面上に競合と自社を配置します。競合が密集している領域(レッドオーシャン)と、誰もいない空白(ホワイトスペース)を目で見て確かめる道具です。

ここで最大の落とし穴が、2軸の選び方です。相関の高い2軸を選んではいけません。たとえば価格と品質は、たいてい「高いものは良い、安いものはそれなり」と連動するので、競合が左下から右上への対角線上に並ぶだけになります。これでは差別化の空白が見えません。選ぶべきは、片方が決まってももう片方が決まらない独立した2軸です。

おうちデリなら、横軸に「手間の少なさ」(要調理から温めるだけまで)、縦軸に「健康・栄養への配慮」(低いから高いまで)を取ります。この2つは独立しています。手間がかからないからといって健康的とは限らないし、その逆もありません。この平面に競合を置くと、ミールキットは「手間が残る×健康度が高い」、冷凍弁当は「手間なし×健康度は中程度」あたりに集まります。すると、「手間なし×健康度が高い、しかも子どもへの取り分けまで配慮」という右上のゾーンが、意外と手薄なまま残っていることが見えてきます。おうちデリが狙うのはここです。

もちろん、空白があるからといって無条件に飛び込んでいいわけではありません。誰もいないのは、単に儲からないから、あるいは実現が難しいから、という理由かもしれません。空白を見つけたら「なぜここが空いているのか」を必ず一度疑ってください。ポジショニングマップの引き方は奥が深いので、2軸の設計からホワイトスペースの検証まではポジショニングマップと競争優位で詳しく扱います。このSTEPでは、競合分析の一部として「空白を目で見て確かめる」ところまで押さえておけば十分です。

AIを競合リサーチの相棒にする

ここまでの作業、正直に言うと地道です。候補の洗い出し、軸の設計、表の下書き、要約。どれも時間を食います。この下ごしらえこそ、生成AIに任せると効きます。AIに丸投げして結論を出させるのではなく、たたき台をつくらせて自分が磨く、という使い方がいちばん実用的です。私自身、新規事業の壁打ちではこの順番でAIを回しています。

まずは3層の洗い出しから。次のプロンプトの角括弧を自分の事業に置き換えて、そのまま貼ってください。

あなたは新規事業の競合リサーチャーです。以下の事業について、競合を「直接競合/間接競合/代替競合(無消費・自前解決を含む)」の3層に分けて洗い出してください。各層5件まで、それぞれ「名称(一般名でも可)・提供物・満たしているジョブ・想定ターゲット」を表で示し、最後に「見落としがちな代替手段」を3つ指摘してください。

- 事業内容:【例:共働き世帯向けの作り置き総菜の定期宅配】
- ターゲット顧客:【例:都市部・小さな子どもがいる共働き世帯】
- 顧客が片付けたいジョブ:【例:平日の夜に、手間なく健康的な食事を用意したい】

次に、比較軸の設計と比較表テンプレートの生成です。軸を自社目線にしないために、購買決定要因を優先させる指示を入れてあります。

以下の事業と競合について、「顧客が選ぶ基準(購買決定要因)」を優先して比較軸を6〜8個提案し、その理由を一言ずつ添えてください。次に、行=競合各社、列=比較軸のMarkdown比較表テンプレートを作り、私が調べて埋められるよう、未調査のセルは「要調査」と入れてください。最後に、特に重視すべき軸を上位3つに絞って、二重丸・丸・三角で重み付けしてください。

- 事業内容:【 】
- 想定する競合:【直接: /間接: /代替: 】
- ビジネスモデル(BtoB/BtoC・課金形態):【 】

競合1社を深掘りするときは、公開情報を貼り付けて要約させます。憶測を混ぜさせない指示が肝です。

以下に競合1社の公開情報(公式サイトの説明・価格表・IR資料・プレスリリース・口コミなど)を渡します。この情報だけを根拠に、憶測を混ぜず、根拠が薄い項目は「情報なし」と明記して、次を要約してください。(1)主要ターゲットと提供価値 (2)価格帯・料金体系 (3)強み3つ・弱み3つ (4)主な集客・販売チャネル (5)推測される参入障壁 (6)出典が必要な数値。

---貼り付けここから---
【競合の公開情報テキストをここに貼る】
---貼り付けここまで---

最後に、比較表からポジショニングマップの2軸を提案させます。相関の低い独立した2軸を出すよう明示しています。

次の競合比較表をもとに、ポジショニングマップ用の「重要度が高く、かつ互いに独立した(相関の低い)2軸」の候補を3組提案し、各組の狙いと注意点を説明してください。おすすめの1組で、競合各社と自社を配置したイメージ(座標の高低)を言葉で示し、競合が手薄な空白領域と、そこを狙うリスクを指摘してください。

---比較表---
【前のプロンプトで作った比較表を貼る】

これらはあくまで下書き製造機です。AIが挙げた競合が実在するか、数字が本当かは、必ず自分で一次情報にあたって確かめてください。AIを事業づくりの相棒として使いこなす発想そのものについては、WARPというAIコンサルティングでも、経営者や新規事業担当者と一緒に手を動かしながら伴走しています。フレームワークを知識で終わらせず、自分の事業で回せるようになるところまでが本番です。

分析を「勝ち筋」に落とし込む

比較表とポジショニングマップができても、それは材料にすぎません。競合分析のゴールは、勝てる空白と、避けるべき正面衝突を言葉にすることです。ここを飛ばして「調べて終わり」にする記事や資料が多いのですが、いちばん価値が出るのはこの最後の一歩です。

まず、各競合の強みと弱みを1社1段落で要約します。価格帯、主要ターゲット、獲得チャネル、参入障壁、弱点を、顧客の視点で「なぜ選ばれているか、なぜ選ばれていないか」として書きます。おうちデリの例なら、冷凍弁当Cは「全国配送と低価格で選ばれているが、食感と冷凍庫の圧迫で選ばれていない」となります。

そのうえで自社の勝ち筋を結論づけます。おうちデリの場合、冷凍弁当の低価格・全国配送で正面から戦うと、規模がものを言う体力勝負になって不利です。だから、冷蔵ならではの出来たて感、子どもへの取り分け提案、アプリでのスキップの柔軟さという右上のゾーンで、まずは都心の子育て共働き世帯に絞って参入する、という差別化仮説にたどり着きます。避けるべき正面衝突と、狙うべき空白が、これで言葉になりました。

ここまで来たら、3Cとファイブフォースに戻って見落としがないか点検します。代替品や新規参入の脅威、供給側・顧客側の交渉力を数え忘れていないか。特に「まだ競合がいないように見える市場」ほど、代替と無消費という真の競合が隠れています。点検が済んだら、SWOTや4P、そして市場規模の見積もりへとつなげます。市場規模の測り方は次のSTEPの市場規模の見積もり(TAM・SAM・SOM)で扱います。空白が見つかっても、その空白が小さすぎては事業になりませんから、大きさの確認はセットです。

競合の一次情報をどこで取るかも、最後に触れておきます。上場企業なら、金融庁が運営するEDINETで有価証券報告書や四半期報告書を無料で読めます4。セグメント別の売上や事業戦略、リスク情報まで載っているので、「その価格帯で利益が出ているのか」を裏取りできます。非上場の相手は、求人票(配送拠点の募集地から注力エリアが読める)やプレスリリースの会員数発表から規模を推定します。そして何より、自分で申し込んで使ってみることです。広告や営業資料といった二次情報を鵜呑みにせず、実際の使用感を一次情報として持っておくと、比較の解像度が段違いに上がります。

ここでよくある失敗を、戒めとして並べておきます。私が相談を受けるなかで繰り返し見てきたものです。

  • 直接競合ばかり見て、自炊や「何もしない」という代替を見落とす
  • 顧客が選ぶ基準ではなく、自社目線の機能自慢で比較してしまう
  • 競合の広告や営業資料に頼り、実際の使用感や口コミ、決算という一次情報を取らない
  • 軸が多すぎて(10個以上)、重み付けもなく、結論が出ない
  • ポジショニングマップの2軸に相関の高いものを選び、空白が見えない
  • 一度つくって満足し、価格改定や新規参入で陳腐化しても更新しない
  • 分析がリスト作成で止まり、差別化・価格・参入可否の判断につながっていない

最後の更新の話は、地味ですが効きます。競合の情報は、価格改定や新規参入、撤退で数カ月後には古くなります。各データに取得日を書き添え、四半期に1回など、定期的に見直す運用にしてください。

この記事のとおりに手を動かすための下敷きとして、比較表とポジショニングマップの枠を用意したパワーポイントを配布しています。空欄を埋めていくだけで一周できる構成です。サンプルPPTテンプレートを無料ダウンロードして、自分の事業で試してみてください。

競合分析は、やればやるほど「自社が本当は何で選ばれるのか」がはっきりしてきます。そして多くの場合、勝ち筋は華やかな新機能ではなく、顧客が地味に困っている一点に、誰よりもきちんと応えることの中にあります。おうちデリの「子どもへの取り分け提案」がまさにそれでした。あなたの事業の空白は、どこにありそうでしょうか。手が止まったら、新規事業の壁打ち相談で一緒に整理しましょう。次はいよいよ、その空白を戦略に変えるポジショニングマップと競争優位へ進みます。

Footnotes

  1. 「3C分析」ウィキペディア。3C分析の提唱者として大前研一を挙げ、Customer・Competitor・Companyの3視点を解説。 https://ja.wikipedia.org/wiki/3C分析

  2. "Kenichi Ohmae" Wikipedia。『The Mind of the Strategist』(1982) と strategic triangle についての記述。 https://en.wikipedia.org/wiki/Kenichi_Ohmae

  3. 「ファイブフォース分析」ウィキペディア。マイケル・ポーターが1979年にHarvard Business Reviewで、1980年に『Competitive Strategy』で発表した5つの競争要因。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイブフォース分析

  4. 「EDINET」ウィキペディア。金融庁が運営する電子開示システム。有価証券報告書等を無料で閲覧できる。 https://ja.wikipedia.org/wiki/EDINET

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