こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。
新規事業の相談を受けていると、ポジショニングマップのところで手が止まっている人によく出会います。四角い図に軸を2本引いて、競合の点を置いて、自社を空いている場所に置く。作業としてはそれだけなのに、なぜか進まない。理由ははっきりしています。「空いている場所を見つけたのに、そこで本当に勝てるのか自信が持てない」からです。
実際、私が見てきたなかで一番もったいなかったのは、きれいな空白地帯を見つけて事業を始めたのに、半年で大手に同じ場所へ入ってこられて埋もれてしまったケースでした。マップ上の位置取りは正しかった。でも、そこで勝ち続けるための実力の裏づけがなかった。ポジショニングマップは「どう見せるか」の地図であって、「なぜ勝てるか」まで保証してくれる道具ではありません。ここを分けて考えられるかどうかが、この記事で一番伝えたいことです。
先に要点を3つ。
- ポジショニングマップは「顧客からどう見えるか(見せ方)」の地図です。競争優位性や差別化は「なぜ実際に勝てるか(実力)」であり、別物として設計します
- 作り方で最大の関門は2軸の選び方です。顧客の購買決定要因(KBF)から、互いに相関しない2つを選ぶのが鉄則で、よく挙がる「価格×品質」はむしろ避けたい組み合わせです
- 空白を取ったら、そこで勝てる根拠をVRIOで裏取りします。すぐ真似される差別化は「一時的優位」で終わります
新規事業をこれから立ち上げる方は、この記事だけでも手を動かせるように書きました。全体像から確認したい方は新規事業の立ち上げフレームワーク完全ガイドを、この工程の前段にあたる競合の見極めは競合分析のやり方をあわせて読んでみてください。なお、こうした戦略づくりを生成AIと一緒に進める前に、自分のAI活用の現在地を知りたい方はAIリテラシー診断で数分のセルフチェックから始めるのがおすすめです。
ポジショニングマップとは?「見せ方」と「実力」を分けて考える
ポジショニングという言葉を世に広めたのは、アル・ライズ(Al Ries)とジャック・トラウト(Jack Trout)の共著『ポジショニング戦略(原題 Positioning: The Battle for Your Mind)』(1981年)です1。トラウトはそれ以前の1969年に、ポジショニングを「消費者が情報を単純化し、論理的な場所に格納するための、頭の中の装置」と説明していました。ここで大事なのは、ポジショニングは企業が机の上で「作る」ものではなく、顧客の頭の中で「勝ち取る」ものだという発想です。あなたがどれだけ独自だと主張しても、顧客の記憶の中で他社の隣に雑に置かれてしまえば、それがあなたのポジションになります。
その「頭の中の位置」を図にしたのがポジショニングマップ、別名パーセプチュアルマップ(知覚マップ)です1。あるカテゴリーの中で、各ブランドが顧客からどう見えているかを、縦横2本の軸で表します。標準的な手順は、関連する2つの変数を軸に選び、顧客に各ブランドの位置を尋ね、回答を平均してプロットし、競争状況を可視化して、需要があるのに競合が手薄な空白地帯を探す、という流れです。教科書的な軸の組み合わせとしてよく登場するのが「価格×品質」ですが、これは後で述べる理由からおすすめしません。
ここで一度立ち止まりたいのが、ポジショニングマップと競争優位性の関係です。ポジショニングマップが答えるのは「顧客からどう見えるか」。一方、競争優位性や差別化が答えるのは「なぜ実際に勝てるか」です。前者は認識の話、後者は実力の話。冒頭で紹介した、空白を取ったのに埋もれた事業は、この2つを混同していました。マップ上で右上の一等地を取っても、そこで勝ち続けるための資源や能力がなければ、位置取りは絵に描いた餅になります。逆に、実力があってもそれが顧客の頭の中で正しい位置に置かれていなければ、選ばれません。両輪でそろえる、という感覚を持っておいてください。
もう一つ押さえたいのが、ポジショニングは単独の作業ではないという点です。マーケティングの世界では、市場を細かく分けるセグメンテーション、その中で狙う相手を決めるターゲティング、そして狙った相手にどう見せるかを設計するポジショニング、という3段階をまとめてSTPと呼びます。ポジショニングはこのSTPの最後のステップにあたります。セグメンテーションの考え方はウェンデル・スミス(Wendell R. Smith)が1956年に提唱し、こうした体系はフィリップ・コトラー(Philip Kotler)によって広く普及しました。つまり、「誰に売るか」を固める前にマップを描き始めると、軸が定まらずブレます。ターゲットが曖昧なままだと感じたら、いったん顧客セグメンテーションに戻るのが結局は近道です。
ポジショニングマップの作り方【STEP0〜STEP9】
ここからは実際の手順です。「作り方」で検索してこの記事にたどり着いた方が一番知りたいのは、抽象論ではなく番号付きの具体手順だと思うので、10段階に分けて示します。すべてを一度に完璧にやる必要はありません。まずは手を動かして一枚描き、あとから精度を上げていくつもりで読み進めてください。手を動かす土台として、この記事の内容に沿ったサンプルのスライドを用意しました。軸のテンプレートや記入例が入っているので、埋めながら進めたい方はどうぞ。
STEP0は、順番を守ることです。前の節で触れたとおり、まずSTPのSとT、つまり「どの市場か」「その中で誰を狙うか」を先に決めます。ターゲットが定まっていないと、この後の軸選びが必ずブレます。
STEP1は、顧客の購買決定要因(KBF、Key Buying Factor)を洗い出すことです。狙う顧客が「何を基準に選ぶか」を、営業現場のヒアリング、アンケート、口コミ、実際の商談での声から10個から20個ほど書き出します。価格、納期、品質、手間の少なさ、サポートの手厚さ、デザイン、専門性など、思いつく限り列挙してください。ここで挙がった項目が、そのまま軸の候補になります。
STEP2は、その中から軸を2つ選ぶことです。基準は3つあります。顧客の意思決定に効く重要度が高いこと、2軸が互いに相関しないこと、そして自社と競合で差が出ること。この2軸選びが作り方の最大の関門なので、次の節で丸ごと掘り下げます。
STEP3は、競合と自社をマップ上に配置することです。主要な競合を3社から6社ほど選び、それぞれが2軸上でどのあたりに位置するかを置いていきます。構想中の自社の事業も忘れずに置きます。競合の位置は、公開されている情報や自社の分析をもとに推定します。他社サイトへのリンクや引用に頼る必要はありませんし、この記事の方針としても行いません。
STEP4は、空白地帯(ホワイトスペース)を探すことです。競合が固まっているレッドオーシャンと、誰もいない場所を見比べます。ただし「空いている=チャンス」と即断しないこと。ここが初心者が最もつまずくところです。誰もいないのは、そこに需要がないから供給されていないだけかもしれません。空白を見つけたら「なぜ今まで誰もいないのか」を必ず自問してください。
STEP5は、自社のポジションを決めることです。需要があり、かつ自社が勝てる空白を1点に絞ります。欲張って複数の位置を同時に狙うと、次の節で触れるポーターの言う「中途半端(Stuck in the middle)」に陥り、どの顧客にも刺さらなくなります。狙いは1点です。
STEP6は、優位性、つまり「なぜそこで勝てるか」を言語化することです。決めたポジションで勝てる根拠を、後述するVRIOの4観点で1つずつ検証します。特に模倣困難性が肝で、すぐ真似される差別化は長続きしません。ポーターの3つの基本戦略のどれで戦うかも、ここで明確にしておきます。
STEP7は、ポジショニングステートメントにまとめることです。「【ターゲット顧客】にとって、当社の【製品・サービス】は【提供価値・独自の立ち位置】を届ける【カテゴリー】である。なぜなら【競合が真似できない優位性の根拠】だからだ」という1文に落とし込みます。ここまで書けて初めて、差別化が人に伝わる状態になります。
STEP8は、検証です。ターゲット顧客の数名にステートメントとマップをぶつけて、「その位置づけに魅力を感じるか」「他社ではなく御社を選ぶ理由になるか」を確認します。刺さらなければ、軸、ポジション、優位性のどこかがズレています。
STEP9は、定期的に更新することです。競合が動けば地図も変わります。少なくとも半年から1年に一度はマップを引き直し、自社の優位性が模倣されて一時的優位に落ちていないかを点検します。一度作って壁に貼って終わり、では意味がありません。
最大の関門「2軸の選び方」を掘り下げる
作り方でつまずく人の9割は、この2軸選びで止まります。ここだけは丁寧にいきましょう。
原則は一つ、軸は顧客の購買決定要因(KBF)から選ぶ、です。自社が得意な軸を都合よく選んで「わが社は右上」と描いても、顧客がその軸で選んでいなければ意味がありません。たとえば技術力に自信のある会社が「技術力の高さ」を軸に置きたくなるのはよくある話ですが、顧客が実際には納期とサポートで選んでいるなら、その軸は自己満足に終わります。軸はあくまで顧客目線で選んでください。
次に守りたいのが、2つの軸を互いに相関しないものにする、というルールです。相関する軸を選ぶと、各社の点が右上から左下へ斜め一直線に並んでしまい、どこが空いているのか判別できなくなります。教科書によく出てくる「価格×品質」がまさにこれで、価格が高い商品は品質も高い傾向があるため、点が斜めに並びやすい。私は、初めて作る人ほどこの「価格×品質」を避けることをおすすめしています。連動しない2つ、たとえば「調理の手間」と「栄養設計の専門性」のように、片方が高くてももう片方は自由に動く組み合わせを探してください。
軸の候補が思い浮かばないときのために、よく使われる観点を整理しておきます。良い軸か悪い軸かの見分け方も添えました。
| 軸の候補(KBFの例) | 良い軸になりやすい条件 | 悪い軸になりやすい条件 |
|---|---|---|
| 価格、コスト | 顧客が価格で選ぶカテゴリーである | 品質と同じ軸に置いて相関させてしまう |
| 品質、性能 | 定量化でき、誰が見ても位置を判断できる | 「高品質」という曖昧語のままにする |
| 手間、手軽さ | 使う場面での負担が明確に差になる | 顧客が実は手間を気にしていない |
| 専門性、特化度 | ニッチ市場で差がはっきり出る | 自社に都合よく設定しただけ |
| 納期、スピード | 意思決定に直結する重要要因である | 業界全体で横並びで差が出ない |
| サポート、伴走 | 継続利用でものを言う要素である | 単発購入で顧客が重視しない |
| デザイン、世界観 | 感性で選ぶカテゴリーである | 主観的すぎて位置を合意できない |
判断に迷ったら、軸の組み合わせを3から4パターン作ってみて、一番差別化が見える組み合わせを採用するのが実務的です。同じ競合群でも、軸を変えるだけで密集の位置も空白の位置も変わります。ここでよくある失敗が「高品質」「安心」「使いやすい」といった曖昧な言葉を軸にしてしまうことです。これらは人によって解釈が違い、比較できません。「加熱5分以内で完成するか」のように、誰が見ても位置を判断できる粒度まで具体化してください。
架空事業「ヨルラク」でマップと優位性を作ってみる
抽象的な説明が続いたので、架空の新規事業を一つ立ち上げて、最初から通しでやってみます。特定の実在サービスや書籍とは無関係の、この記事のための独自の例です。
事業の名前は「ヨルラク」。共働きで未就学児のいる世帯に向けた、平日夜に完結するミールキット宅配です。届いた食材を使い、包丁も計量もほぼ使わず、5分の加熱で、子どもの栄養設計に合った夕食が完成する。そういうサービスだと想像してください。
まずSTP、特にターゲットを固めます。市場は家庭向けの夕食ソリューション。狙う相手は、都市部で共働きをしていて3歳から6歳の子どもがいる世帯です。「時間はまったく足りないけれど、子どもの食事の栄養は妥協したくない」と感じている層に絞りました。ここを絞ったからこそ、次の軸が決まります。
購買決定要因を洗い出した結果、相関しない2軸を採用しました。横軸は「調理の手間」で、左を手間がかかる、右を5分でほぼ手間ゼロとします。縦軸は「栄養設計の専門性」で、下を一般的なメニュー、上を管理栄養士が子ども向けに設計、とします。手間と栄養の専門性は連動しないので、点が斜めに並ぶ心配がありません。ここで「価格×品質」をあえて避けたのがポイントです。
競合は個社名ではなく、タイプとして配置します。大手ミールキットのA型は、手間が中くらいで栄養は一般的なので、マップの中央付近に密集します。冷凍宅食のB型は、手間はほぼゼロだけれど栄養は一般向け(主に単身や高齢者向け)なので、右下です。自炊レシピ宅配のC型は、手間がかかって栄養もそこそこなので、左下から中央にかけて。こうして置いてみると、「5分で手間ゼロ、かつ子ども向けの本格的な栄養設計」という右上が、ぽっかり空いていることが見えてきます。ここがヨルラクの狙う空白です。空いている理由を検証すると、共働き世帯の増加と子どもの栄養への関心の高さから、需要はあるのに供給が薄い、と判断できました。需要のない空白ではなさそうだ、という手応えです。
狙うポジションは右上に確定。勝てる根拠の仮説は「子ども向けレシピの開発ノウハウ、管理栄養士の内製チーム、地域の生産者と組んだ時短下処理の内製ライン」の3点です。この根拠が本物かを、次の節のVRIOで検証します。
優位性を「一時的」で終わらせない|VRIOとポーターの基本戦略
競争優位性の理論を体系化したのは、マイケル・ポーター(Michael Porter)です。著書『競争優位の戦略(原題 Competitive Advantage)』(1985年)で、競争優位性を「競合他社を上回る成果を上げることを可能にする、その企業固有の属性」と位置づけました2。そのうえでポーターは、戦い方は基本的に3つしかないと言い切ります。同じものをより低コストで提供して価格で優位に立つコストリーダーシップ、他社にない独自の価値で高い価格を正当化する差別化、そして特定のセグメントに絞ってその中でコストか差別化を選ぶ集中。この3つのどれかを選べ、というのがポーターの主張です。3つを同時に追いかけると「中途半端(Stuck in the middle)」になり、どの優位も生まれない。ヨルラクの場合は、子育て世帯というセグメントに絞ったうえで栄養と時短の両立で差をつける、いわば集中と差別化の組み合わせで戦う、と整理できます。
では、差別化と言えたらそれで安心かというと、ここに落とし穴があります。すぐ真似される差別化は、長続きしません。ジェイ・バーニー(Jay Barney)は1991年に、持続的競争優位を「現在および潜在的な競合が同時には実行していない価値創造戦略を実行している状態」と定義しました3。一時的に真似されないだけでは足りず、真似されにくい状態を保てるかどうかが分かれ目だ、ということです。冒頭で紹介した、半年で大手に埋もれた事業は、まさにこの持続性がありませんでした。
そこで使うのがVRIO分析です。バーニーが1991年にVRIN(Value、Rarity、Imitability、Non-substitutability)として発表し、1995年にVRIOへ改訂したフレームで4、優位性が本物かを4つの問いで検証します。Vは経済価値で、その資源は機会を活かし脅威に対処できるか。Rは希少性で、競合が持っていないか。Iは模倣困難性で、真似するのに大きなコストや時間がかかるか。Oは組織で、その資源を活かす仕組みや体制が社内にあるか。判定結果は、競争劣位、競争均衡、一時的優位、活かせていない優位、持続的競争優位という段階で表されます。優位性を「なんとなく強い」で済ませず、言語化して裏取りするための道具だと考えてください。
ヨルラクの仮説をVRIOにかけてみます。Vは、時短と子どもの栄養を両立できるので強い顧客価値があり、Yesです。Rは、子ども特化の栄養設計を時短キットに落とし込める事業者は少ないのでYes。Iは、レシピ自体は真似されうるものの、生産者ネットワークと下処理を内製したラインは構築に時間がかかるので、中からYesといったところ。ここが一番の勝負どころで、継続して強化すべき部分です。Oは、管理栄養士の内製チームと物流を回す体制があるのでYes。総合すると、持続的競争優位に近い位置にいて、模倣困難性の強化が今後の鍵、という判定になります。もし模倣困難性が弱いと出たら、独自データの蓄積、専属パートナーとの長期契約、ブランドとコミュニティの育成といった、真似に時間のかかる資産づくりへ投資を寄せていきます。
こうした「他社が簡単には真似できない中核的な組織能力」を、経営学ではコア・コンピタンスと呼びます。プラハラード(C.K. Prahalad)とハメル(Gary Hamel)が1990年に提唱した概念で、持続的優位の土台になります2。ポジショニングマップで良い位置を取ることと、その位置を守り抜くコア・コンピタンスを持つことは、別の作業です。両方そろって初めて、事業は堅くなります。
ここまでを1文にまとめたのがポジショニングステートメントです。ヨルラクなら、こうなります。「時間に追われる共働きの子育て世帯にとって、ヨルラクは5分で管理栄養士が設計した子ども想いの夕食が完成する平日夜専用のミールキットである。なぜなら、子ども向け栄養設計のノウハウと、下処理まで内製した時短のサプライチェーンを併せ持つからだ」。前半が見せ方、「なぜなら」以降が実力の裏づけです。この2つがつながっていれば、差別化はちゃんと伝わります。ちなみに実際に子育て世帯5名に見せたところ、「手間ゼロは他にもあるけれど、子どもの栄養まで設計してくれるのが刺さる」という反応でした。差別化ポイントが意図どおり伝わっている、良い兆候です。優位性を「提供価値」の言葉に翻訳する作業に興味が湧いた方は、バリュープロポジションキャンバスもあわせてどうぞ。
生成AIで軸出し・競合配置・壁打ちをする(プロンプト集)
正直に言うと、2軸を相関なく選ぶ作業も、空白の需要を批判的に検証する作業も、一人でやると視野が狭くなりがちです。ここは生成AIを壁打ち相手にすると、驚くほど楽になります。私自身、軸の候補出しはまずAIに10個以上出させて、そこから人間が選ぶ、という進め方をよくします。以下、この記事の各ステップに対応するプロンプトを用意しました。角カッコの中を自分の事業に置き換えて、そのまま貼って使ってください。
軸の候補を出させるプロンプトです。
あなたは新規事業のマーケティング戦略家です。以下の事業でポジショニングマップを作りたいと考えています。
ターゲット顧客の購買決定要因(KBF)を15個挙げ、その中から「互いに相関しない・意思決定への影響が大きい・競合と差が出る」条件を満たす2軸の組み合わせを、理由つきで3パターン提案してください。
各パターンについて、なぜその2軸が相関しないと言えるか、価格×品質のような連動リスクがないかも指摘してください。
・事業内容:【 】
・ターゲット顧客:【 】
・主な競合タイプ:【 】
競合をマッピングして空白地帯を分析させるプロンプトです。
次の2軸でポジショニングマップを作ります。X軸=【 】、Y軸=【 】。
以下の競合それぞれが各軸で高い・低いのどちらか、10段階で推定し、座標として示してください。
そのうえで、(1)競合が密集している領域、(2)空白地帯、を特定し、各空白について「需要が本当にあるのか、それとも需要がないから空いているのか」を批判的に評価してください。
最後に、狙う価値がある空白を1つ推奨してください。
・自社:【 】
・競合A/B/C:【 】
優位性をVRIOで検証させるプロンプトです。
当社は下記のポジションを狙います。この位置で勝てる根拠(独自の資源・能力)を私は【 】だと考えています。
これをVRIO分析で厳しく検証してください。V(経済価値)・R(希少性)・I(模倣困難性)・O(組織で活かせているか)を各Yes/Noで判定し、「一時的優位」止まりか「持続的競争優位」かを結論づけてください。
もし模倣困難性が弱い場合、どうすれば真似されにくくできるか、具体策を3つ提案してください。
・狙うポジション:【 】
・現時点の強みの仮説:【 】
ポジショニングステートメントを作らせるプロンプトです。
以下の情報から、ポジショニングステートメントを次の型で3案作ってください。
型:「【ターゲット】にとって、【自社サービス】は【独自の提供価値】を届ける【カテゴリー】である。なぜなら【競合が真似できない根拠】だからだ。」
各案は訴求の切り口を変え(機能訴求・顧客の悩み訴求・対競合訴求)、それぞれ40字以内のキャッチコピーも添えてください。
・ターゲット:【 】
・提供価値:【 】
・優位性:【 】
・カテゴリー:【 】
作ったマップの穴を探させる、壁打ち用のプロンプトです。
これから私が作ったポジショニングマップを見せます。忖度せず、投資家や競合の視点で穴を指摘してください。
特に次を厳しくチェックしてください。(1)2軸が実は相関していないか、(2)軸が顧客の購買決定要因になっているか(自社に都合のいい軸になっていないか)、(3)狙う空白に本当に需要があるか、(4)「どう見せるか(ポジション)」だけで「なぜ勝てるか(優位性)」の裏づけが欠けていないか。
指摘ごとに改善案も添えてください。
・2軸:【 】
・自社ポジション:【 】
・優位性の根拠:【 】
・競合の位置:【 】
AIは軸の候補を大量に出したり、こちらの都合の良い前提を容赦なく突いてくれたりするのは得意ですが、最終判断は人間の仕事です。特に「その空白に本当に顧客がいるか」は、AIの推定だけを鵜呑みにせず、実際のターゲット数名にぶつけて確かめてください。AIを事業づくりの相棒として使いこなす体制づくりそのものを支援するWARPというサービスも当社では提供しています。フレームワークの導入から社内の意思決定にAIを組み込むところまで、伴走が必要だと感じたら選択肢に入れてみてください。
まとめ
ポジショニングマップは、うまく使えば新規事業の方向を一枚で示してくれる強力な道具です。ただし、それは「どう見せるか」の地図にすぎません。忘れないでほしいのは、この記事を通して繰り返してきた一点です。
- 軸は顧客の購買決定要因から、互いに相関しない2つを選ぶ。「価格×品質」はむしろ避ける
- 空白を見つけても「なぜ今まで誰もいないのか」を問い、需要を検証してから狙う
- 狙う位置は1点に絞る。欲張ると「中途半端」になってどの顧客にも刺さらない
- 位置取りができたら、VRIOとポーターの基本戦略で「なぜ勝てるか」を裏づける。模倣困難性を高める設計まで踏み込む
- 半年から1年ごとに引き直す。優位性が真似されていないかを点検し続ける
新規事業は、まだ実績データがない状態で仮説を語る場面の連続です。だからこそ、マップと優位性のセットで「見せ方」と「実力」の両輪を言葉にできるかどうかが、投資家や社内を説得できるかの分かれ目になります。今日の一枚は完璧でなくて構いません。描いて、人にぶつけて、直す。この往復こそが、机上の空白地帯を本物の勝ち筋に変えていきます。
次のステップは、狙う市場がそもそもどれくらいの大きさなのかを見積もる作業です。市場規模の見積もり方(TAM・SAM・SOM)へ進むと、ここで決めたポジションが事業として成り立つ規模かどうかを確かめられます。自社の戦略をAIと一緒に磨きたい、フレームワークを実務に落とし込む伴走がほしいという方は、WARPの個別相談で具体的な進め方を一緒に整理しましょう。
参考文献
Footnotes
-
Al Ries and Jack Trout『Positioning: The Battle for Your Mind』(1981)。ポジショニングおよびパーセプチュアルマップの概念の整理は Wikipedia「Positioning (marketing)」も参照。https://en.wikipedia.org/wiki/Positioning_(marketing) ↩ ↩2
-
Michael E. Porter『Competitive Advantage: Creating and Sustaining Superior Performance』(1985)。コア・コンピタンスは C.K. Prahalad and Gary Hamel "The Core Competence of the Corporation"(Harvard Business Review, 1990)。概念整理は Wikipedia「Competitive advantage」も参照。https://en.wikipedia.org/wiki/Competitive_advantage ↩ ↩2
-
Jay B. Barney "Firm Resources and Sustained Competitive Advantage"(Journal of Management, 1991)。 ↩
-
VRIO(1991年のVRINから1995年に改訂)の整理は Wikipedia「VRIO」を参照。https://en.wikipedia.org/wiki/VRIO。セグメンテーションとSTPの系譜は Wikipedia「Market segmentation」を参照。https://en.wikipedia.org/wiki/Market_segmentation ↩
