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キャッチオール規制の改正まとめ【2026年最新】2025年10月9日施行の見直しと用途・需要者・インフォーム要件への影響

公開2026-07-07更新2026-07-15濱本 隆太

こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。「キャッチオール規制の改正で、結局何がどう変わったのか」。この1年、輸出管理の相談でいちばん多く受けた質問です。2025年10月9日に施行された補完的輸出規制の見直しは、2002年の制度導入以来と言ってよい規模の改正でした。

キャッチオール規制の改正まとめ【2026年最新】2025年10月9日施行の見直しと用途・需要者・インフォーム要件への影響
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。「キャッチオール規制の改正で、結局何がどう変わったのか」。この1年、輸出管理の相談でいちばん多く受けた質問です。2025年10月9日に施行された補完的輸出規制の見直しは、2002年の制度導入以来と言ってよい規模の改正でした。さらに2026年2月14日には、隣接するリスト規制側でも輸出貿易管理令の一部改正が施行されています。改正が立て続けに走ったせいで、「自社の判定フローがどの時点のルールに基づいているのか分からなくなった」という声も聞きます。

この記事は、キャッチオール規制の改正を時系列でまとめ、改正後の発動条件である用途要件・需要者要件・インフォーム要件がどう変わったのかを、法令の条文と経済産業省の公式資料に沿って整理するものです。リスト規制とキャッチオール規制の違いという基本から知りたい方は、先に別記事のリスト規制とキャッチオール規制の違いを読んでいただくと、この記事の内容がすっと入ってくると思います。

本題の前に、この分野で混乱のもとになる通称と正式名称の対応を押さえておきましょう。

通称 正式名称・位置づけ
キャッチオール規制 正式名称は「補完的輸出規制」。リスト規制を補完する制度1
客観要件(おそれ要件と呼ばれることも) 用途要件と需要者要件、2つの確認の総称1
おそれ省令 平成13年経済産業省令第249号。大量破壊兵器向けキャッチオールの「おそれ」を定める省令2
インフォーム要件 経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けた場合に許可が必要になる要件1

改正後のルールを、そのまま帳票に落とす: 改正内容を読んだ次にやるのは、自社の判定フローと記録様式を新しいルールに合わせる作業です。該非判定書・非該当証明書の様式と記入ガイドQ&A(Word)に加えて、Excel版には該非判定書・項目別対比明細・キャッチオール確認シート・判定管理台帳の4帳票を収めています。2026年2月14日施行の政省令改正に対応済みで、記入したものは社内の判定記録としても、取引先へ非該当を説明する添付資料としてもそのまま使えます。 → 該非判定書・非該当証明書 記入ガイド+様式セット(Word/Excel)をダウンロード(無料。会社名とお勤め先のメールアドレスのご登録が必要です)

キャッチオール規制の改正タイムライン(2024年から2026年)

まず、改正の流れを時系列で押さえます。今回の見直しは突然降ってきたものではなく、2年がかりで進んだ制度改正でした。

時期 動き
2024年4月 産業構造審議会 安全保障貿易管理小委員会の中間報告が「補完的輸出規制の見直し」を提言3
2025年1月31日 見直しに関するパブリックコメント開始4
2025年4月4日 閣議決定4
2025年4月9日 関係する政令・省令・告示・通達を公布3
2025年10月9日 補完的輸出規制の見直しが施行。特定品目(HSコード指定)の新設、通常兵器客観要件の拡大、グループA向けインフォーム要件の新設3
2025年11月14日 輸出貿易管理令の一部を改正する政令(令和7年政令第376号)を公布5
2026年2月14日 同政令が施行。FPGA組込装置の追加などリスト規制品目の見直し5

注意していただきたいのは、最後の2行です。2026年2月14日施行の改正は、キャッチオール規制ではなくリスト規制(輸出令別表第1の1から15の項)側の品目見直しで、FPGAを組み込んだ装置の追加などが柱です。ただし、リスト規制の範囲が動けば「リスト非該当だからキャッチオールの確認へ進む」という判定の入口も動きます。キャッチオール規制の運用と無関係ではないので、タイムラインに含めました。中身は別記事の輸出貿易管理令一部改正(2026年2月施行)の解説で詳しく書いています。

つまり2026年7月時点の現在地はこうです。キャッチオール規制そのものの直近の改正は2025年10月9日施行の見直しで、実務の主戦場は、この改正内容を社内の判定フローに落とし込む作業に移っています。自社の管理体制がこの2年分の改正に追随できているか不安な方は、輸出管理体制の無料診断で現状を棚卸しするところから始めてください。3分ほどで完了します。

2025年10月9日施行の見直しで変わった3つのこと

改正の中身に入ります。2025年10月9日施行の見直しのポイントは3つです。

1つ目は、特定品目という区分の新設です。キャッチオール規制の対象である16項の貨物・技術が、(1)特定品目と(2)それ以外に区分されました1。特定品目とは、次の6分類のうち、貨物等省令第14条の2のHSコードに該当するものを指します1

特定品目の分類 例として想定される領域
工作機械 金属加工用の機械
レーダー・航行用無線機器・無線遠隔制御機器 探知・通信・遠隔操作の機器
集積回路 半導体チップ
航空機・宇宙飛行体とこれらの部分品 機体・エンジン・ドローン部品など
航行用機器 慣性航法装置などの航法関連機器
検査用機器 計測・検査に使う機器

品目の指定にHSコード(貿易統計に使う品目分類番号)を使ったのが今回の工夫です。従来のキャッチオール規制は「16項ほぼ全部」という掴みどころのない網でしたが、特定品目については通関書類で使い慣れたHSコードで線が引かれたため、自社品が該当するかどうかを機械的に確認しやすくなりました。汎用品でありながら兵器転用の懸念が特に高い品目群、と理解しておけばよいと思います。

2つ目は、通常兵器キャッチオールへの客観要件の拡大です。従来、通常兵器向けのキャッチオール規制で客観要件(後述する用途要件と需要者要件)が効くのは国連武器禁輸国・地域向けだけでした。改正後は、特定品目に限って、一般国向けでも客観要件が適用されます。根拠は輸出令第4条第1項第3号のハとニです16

3つ目は、グループA(旧ホワイト国)向けインフォーム要件の新設です。従来、輸出令別表第3の国・地域(グループA、2026年7月時点で27か国)はキャッチオール規制から完全に除外されていました。改正後は、懸念国等へ迂回輸出されるおそれがある場合に限定して、グループA向けにもインフォーム要件が適用されます。法的には外為法第48条第2項に基づき、輸出令第1条第3項と第4条第2項第3号を新設して手当てされました47。友好国経由の迂回輸出という近年の抜け道に対応した改正だと読めます。なお、客観要件は引き続きグループA向けには適用されません4

該非判定の属人化を、AIで解消する。

経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDの機能・導入フローをまとめたサービスカタログを無料でダウンロードできます。

そもそもキャッチオール規制とは。正式名称は「補完的輸出規制」

改正の話を続ける前に、土台を短く確認します。日本の輸出規制には大きく2つの系統があります。ひとつはリスト規制。輸出貿易管理令(輸出令)の別表第1の1から15の項に載っている品目、つまり武器や高性能な工作機械のように「モノそのもの」で縛る規制です。もうひとつがキャッチオール規制で、正式名称を補完的輸出規制といい、その名のとおりリスト規制を補完する役割を持ちます1

対象になるのは、輸出令別表第1と外為令別表の「16項」に区分される貨物・技術です。リスト規制品目以外で、食料や木材などを除いたほぼすべての貨物と技術が入ります。具体的には関税定率法別表の第25類から第40類、第54類から第59類、第63類、第68類から第93類、第95類に当たるものです1。ざっくり言えば、鉛筆一本のような日用品でも、条件次第で許可が必要になりうる。網が広いからキャッチオール(すべてを捕まえる)と呼ばれるわけです。別表第1の構造は輸出令別表第1の読み方で整理しています。

では、許可が必要になる条件は何か。経済産業省の整理では2つです。第一に、大量破壊兵器等の開発・製造・使用・貯蔵、もしくは通常兵器の開発・製造・使用に用いられる「おそれ」を輸出者が知った場合。これが客観要件で、中身は用途要件と需要者要件という2つの確認に分かれます。第二に、経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知を受けた場合。これがインフォーム要件です。どちらか一方にでも該当すれば、輸出や技術提供には経済産業大臣の許可が必要になります1。制度の歴史も一言だけ。大量破壊兵器向けは2002年4月、通常兵器向けは2008年11月に導入されました28。ここからは、改正後のこの3つの要件を順番に見ていきます。

用途要件とは。「何に使われるのか」を確認する

最初は用途要件です。経済産業省の定義はシンプルで、「どのような用途として使用されるかとの観点からの確認」とされています1。輸出しようとしている貨物が、届いた先で何に使われるのか。それを確認するのが用途要件です。

「おそれを知った場合」と聞くと、輸出担当者の勘や気分で決まるように思えるかもしれません。実際は違います。法令上の定義はかなり具体的です。大量破壊兵器向けの用途要件を定めるおそれ省令の第一号を読むと、貨物の輸出に関する契約書や、輸出者が入手した文書・図画・電磁的記録において、核兵器等の開発等に用いられる旨が記載・記録されているとき、または輸入者・需要者・その代理人(条文上は輸入者等)からその旨の連絡を受けたとき、と書かれています2。つまり発動の起点は、契約書・メール・仕様書といった文書や、取引相手からの連絡という客観的な手がかりです。だからこの要件は客観要件と呼ばれます。担当者の主観で「なんとなく怪しい」ではなく、手元の情報に核兵器等の開発等に使うと読める記載があるかどうか。そこが分かれ目です。

用語を2つ補足します。まず「核兵器等」あるいは「大量破壊兵器等」。条文とMETIの資料では、核兵器、軍用の化学製剤、軍用の細菌製剤、これらを散布するための装置、そして射程・航続距離300km以上のロケットや無人航空機(部分品を含む)を指します6。ミサイルやドローンまで入る点は、初めて見る方には意外かもしれません。次に「開発等」。開発・製造・使用・貯蔵の4つをまとめた言い方です6。作るだけでなく、貯めておく行為まで含まれます。

実務の場面に置き換えると、こうなります。海外の取引先から届いた仕様書に、最終用途としてウラン濃縮に関わる工程が書かれていた。あるいは商社経由の案件で、エンドユーザーが軍のミサイル開発部門だと先方の担当者がメールで教えてきた。こうした情報を手にした瞬間、リスト規制品でない貨物でも許可申請の検討が始まる。それが用途要件の効き方です。

需要者要件とは。「誰が使うのか」を確認する

2つ目は需要者要件です。METIの定義は「どのような需要者が使用するかとの観点からの確認」1。用途要件がモノの使われ方を見るのに対し、需要者要件は使う相手を見ます。

法令上の定義はおそれ省令の第二号と第三号にあります。契約書や経済産業大臣が告示で定める文書等において、需要者が核兵器等の開発等を「行う」旨が記載・記録されているとき(第二号)、または「行った」旨が記載・記録されているとき(第三号)、もしくは輸入者等からその旨の連絡を受けたときです2。これから行う場合と過去に行った場合の両方が対象になる、という点は見落としやすいところです。過去に核開発に関与した組織は、今回の取引が別の名目でも警戒の対象になります。

ただし、需要者要件には除外規定があります。条文の言い回しをそのまま借りると、「当該貨物の用途並びに取引の条件及び態様から、当該貨物が核兵器等の開発等以外のために用いられることが明らかなとき」は許可申請の対象から外れます2。懸念のある需要者との取引でも、今回のモノと取引条件から見て兵器開発に使われないことが明らかなら、許可までは求めない。この「明らか」をどう判断するかの基準を示したのが、通称「明らかガイドライン」です。正式には「輸出者等が『明らかなとき』を判断するためのガイドライン」といい、補完規制通達の付属文書という位置づけになっています9。2025年10月の改正では、大量破壊兵器向けと共通のガイドラインを通常兵器キャッチオールにも用いる形になり、判断の参考となる例示が追記されました4。ガイドラインの中身は明らかガイドラインの解説記事で確認項目まで踏み込んで書いていますが、実務で使う方は経産省が公表している原文の最新版を必ず確認してください9

需要者確認の実務で頼りになる道具が、外国ユーザーリストです。METIの説明では、キャッチオール規制の実効性を向上させるため、大量破壊兵器等または通常兵器の開発等の懸念が払拭されない外国・地域所在団体の情報を、輸出者に参照用として提供するものとされています1。需要者確認では、相手が大量破壊兵器等や通常兵器の開発等を行う(行った)かどうかに加えて、このリストに載っているかを確認します。2025年10月の改正に伴い、通常兵器版の外国ユーザーリストも導入されました4。取引先確認の実務的な進め方はエンドユーザースクリーニングの基本で詳しく書いているので、あわせて読んでみてください。

インフォーム要件とは。経済産業大臣から届く「文書」

3つ目のインフォーム要件は、前の2つと性格がまったく違います。用途要件と需要者要件は、輸出者が自分で確認して自分で気づくものでした。インフォーム要件は、政府の側から発動します。

仕組みはこうです。経済産業省が、ある貨物や技術について大量破壊兵器等または通常兵器の開発等に用いられるおそれがあると判断した場合、経済産業大臣から輸出者へ、許可申請をすべき旨が文書で通知されます。これがインフォーム通知です。通知を受けた事業者は、許可を得ない限り当該貨物の輸出や技術提供ができません。そして許可は、懸念が払拭されたときに限って出されます1

なぜこんな仕組みが要るのか。政府は、個々の企業には見えない情報を持っているからです。輸出者の手元の契約書がどれだけきれいでも、外交ルートや情報機関経由で「この取引先は怪しい」という情報を政府がつかんでいることはありえます。客観要件が輸出者の視界に入った情報で発動する網だとすれば、インフォーム要件は政府の視界で発動する網です。二枚の網を重ねることで、どちらか一方の目をすり抜ける取引を捕まえる。制度としてはよくできた設計だと私は思っています。2025年10月の改正でグループA向けに新設されたのは、この政府側の網のほうだけだという点も、ここまで読むと腑に落ちるはずです。友好国向けの取引にまで輸出者自身の「おそれ」確認を課すのではなく、政府が迂回の懸念をつかんだ場合にだけ個別に網をかける設計になっています。

実務上の注意をひとつ。インフォーム通知は「文書にて」行われると明記されています1。逆に言えば、通知を受けていない状態で自主的な確認の結果「許可申請不要」と判断したなら、輸出者の判断で輸出できます。ただし後述するとおり、その判断に至った経緯の記録は残しておく必要があります。

改正後の適用マトリクス。仕向地と品目でこう変わった

3つの要件の中身を押さえたところで、改正後の適用関係を一枚にまとめます。仕向地は3つに分かれます。輸出令別表第3の国・地域(グループA、いわゆる旧ホワイト国で米英独仏韓など。2026年7月時点で27か国)、国連武器禁輸国・地域(別表第3の2。アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、イラク、レバノン、リビア、北朝鮮、ソマリア、南スーダン、スーダンの10か国・地域)、そしてそのどちらでもない一般国です6

仕向地と品目 大量破壊兵器キャッチオール 通常兵器キャッチオール
グループA(別表第3。2026年7月時点で27か国) インフォーム要件のみ。迂回輸出のおそれがある場合に限定(2025年10月新設)4 同じくインフォーム要件のみ4
一般国向け・特定品目(16項の(1)) 客観要件+インフォーム要件1 客観要件+インフォーム要件(2025年10月改正で客観要件が追加)16
一般国向け・特定品目以外(16項の(2)) 客観要件+インフォーム要件1 インフォーム要件のみ6
国連武器禁輸国・地域(別表第3の2の10か国・地域) 客観要件+インフォーム要件1 客観要件+インフォーム要件6

正直なところ、この適用マトリクスを人力だけで日々の取引に当てはめ続けるのは、かなり骨の折れる仕事です。仕向地の区分、品目の区分(特定品目のHSコード確認を含む)、大量破壊兵器か通常兵器か、そして各国の規制改正。変数が多く、しかも動き続けます。弊社が提供している輸出管理AIエージェントTRAFEEDは、各国法規の改正を当日反映し、取引の懸念度を5秒で可視化する道具として、まさにこの「変数の多さ」に向き合うために作りました。AI判定の精度は岡山大学との共同実証で95%以上(自社調べ)を確認しており、特許第7862062号を取得、20以上の組織に導入いただいています。ただし、最終的な該非判定を行うのは貴社の輸出管理責任者です。AIは判断の材料を揃えて時間を返す存在であって、責任を肩代わりする存在ではありません。

改正が輸出管理内部規程(CP)に及ぼす改定ポイント

改正の中身が分かったら、次は自社の輸出管理内部規程(CP、コンプライアンス・プログラム)への落とし込みです。2025年10月改正を反映するとき、見直しが必要になるのは主に4か所だと考えています。

第一に、該非判定フローへの特定品目チェックの追加です。従来の判定フローは「リスト規制の該非判定、非該当ならキャッチオール確認」という2段構えでした。改正後は、キャッチオール確認の入口で「この貨物は特定品目のHSコードに該当するか」という分岐が1つ増えます。特定品目に該当すれば、一般国向けでも通常兵器キャッチオールの客観要件まで確認する。この分岐が判定フロー図に入っていない規程は、改正前のままです。

第二に、グループA向け取引の扱いです。客観要件は引き続き適用されないので、グループA向けに用途確認・需要者確認を新たに義務付ける必要はありません。ただしインフォーム通知はグループA向けにも届きうるようになったため、「通知を受領したら誰が受け取り、出荷をどう止め、誰が許可申請を判断するか」という受領時フローを、グループA向け取引を含む全取引に適用できる形に書き直しておく必要があります。

第三に、様式の差し替えです。経産省は2025年10月9日施行の内容を反映した「キャッチオール規制に係る手続きフロー図」と「客観要件確認シート」の新様式を公表しています3。古いシートを使い回している会社は差し替えてください。あわせて、需要者確認の参照先に通常兵器版の外国ユーザーリストを加えることも忘れずに4

第四に、記録保存です。確認の結果「許可申請不要」となった場合も、インフォーム通知を受けない限り輸出者の判断で輸出できますが、その判断に至った経緯を社内規程に従って保存することが求められています1。数年後に当局から説明を求められたとき、記録がなければ「適切に確認した」とは言えません。改正後の新しい確認項目(特定品目の該当性、通常兵器客観要件の確認結果)も記録の対象に含めておくべきです。許可申請の窓口は経済産業省の安全保障貿易審査課です1。制度改正の動きを追いかけるには、業界団体であるCISTEC(一般財団法人安全保障貿易情報センター)が公開している解説資料も心強い味方になります10

ひとつ余談を。輸出管理の相談を受けていて感じるのは、キャッチオール規制でつまずく会社の多くが、制度を知らないのではなく「自社には関係ない」と思い込んでいることです。リスト規制品を扱っていないから大丈夫、という思い込みですね。ここまで読んだ方にはもう分かるとおり、キャッチオールの網は16項、つまりほぼすべての貨物と技術にかかっています。関係ない会社のほうが少ないのです。

まとめ。改正のポイントを5行で

この記事のポイントを整理します。

  • キャッチオール規制(正式名称は補完的輸出規制)の直近の改正は2025年10月9日施行。2025年1月パブコメ、4月9日公布という流れで進んだ
  • 改正の柱は3つ。特定品目(6分類・HSコード指定)の新設、通常兵器客観要件の一般国向け特定品目への拡大、グループA向けインフォーム要件の新設
  • 発動条件は、輸出者自身の確認で効く客観要件(用途要件+需要者要件)と、政府からの文書で効くインフォーム要件。どちらか一方に該当すれば許可申請が必要
  • 2026年2月14日には輸出貿易管理令の一部改正(令和7年政令第376号)も施行された。リスト規制側の品目見直しだが、該非判定の入口が動くためキャッチオール運用にも影響する
  • CPの改定ポイントは、特定品目チェックの追加、インフォーム通知受領時フローの整備、新様式への差し替え、記録保存の4つ

条文の細部や最新の告示・通達は、この記事の脚注に挙げた経産省とe-Govの一次情報で必ず原文を確かめてください11。制度は動きます。この記事も2026年7月時点の整理にすぎません。自社の取引が改正後のどの要件に触れるのか個別に整理したい方は、個別相談でお声がけください。TRAFEEDの資料は資料一覧からダウンロードできます。改正の中身を自社の言葉で説明できるようになったとき、輸出管理は「怖い規制」から「使いこなす道具」に変わります。そこまでの道のりを、一緒に短くできればと思っています。

参考

キャッチオール規制そのものの成り立ちから押さえたい方は、キャッチオール規制とは何か、成り立ちからを先に読んでいただくと、本記事の三要件が理解しやすくなります。

Footnotes

  1. 補完的輸出規制(キャッチオール規制) — 経済産業省 — 最終更新日 2025年12月23日(2026年7月時点確認) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

  2. 輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令(平成13年経済産業省令第249号) — e-Gov法令検索 — 令和7年10月9日施行改正反映版 2 3 4 5

  3. 補完的輸出規制の見直しについて(2025年10月9日施行) — 経済産業省 — 最終更新日 2026年4月15日(2026年7月15日閲覧) 2 3 4

  4. 補完的輸出規制の見直しに関する政省令等の公布及びパブリックコメント募集結果について — CISTEC(一般財団法人安全保障貿易情報センター) — 2025年5月2日 2 3 4 5 6 7 8 9

  5. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました — 経済産業省プレスリリース — 2025年11月11日(公布2025年11月14日・施行2026年2月14日) 2

  6. 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号) — e-Gov法令検索 — 2026年7月時点確認 2 3 4 5 6 7

  7. 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号) — e-Gov法令検索 — 2026年7月時点確認

  8. 輸出貨物が輸出貿易管理令別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当するものを除く。)の開発、製造又は使用のために用いられるおそれがある場合を定める省令(平成20年経済産業省令第57号) — e-Gov法令検索 — 令和7年10月9日施行改正反映版

  9. 輸出者等が「明らかなとき」を判断するためのガイドライン — 経済産業省 — 2026年7月時点確認 2

  10. CISTEC 一般財団法人安全保障貿易情報センター — 2026年7月時点確認

  11. 安全保障貿易管理(トップページ) — 経済産業省 — 2026年7月時点確認

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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