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担当者が異動しても続くコミュニティ|自治体と支援施設の運営設計

公開2026-09-20濱本 隆太

自治体や支援施設のコミュニティが続かない理由は、熱意の不足ではなく引き継ぎの構造にあります。名簿が個人のExcelにあり、イベントが単発で終わり、2〜3年で担当者が異動する。神奈川県のスタートアップ支援拠点SHINみなとみらいでの運用を例に、担当者が代わっても回り続ける設計と、参加費を取るときの実務を書きます。

担当者が異動しても続くコミュニティ|自治体と支援施設の運営設計
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。

自治体や支援施設のコミュニティ運営を見ていると、同じ形で途切れるのを何度も見かけます。

立ち上げのときは熱量があります。キックオフのイベントに人が集まり、名刺が交換され、Slackやチャットのグループができる。半年ほどは動きます。そして担当者が異動になり、次の担当者が着任したときには、名簿も、過去に誰が来たかも、何が盛り上がったかも、引き継がれていない。

原因は熱意ではありません。構造です。 この記事では、担当者が代わっても回り続けるコミュニティの設計と、参加費を扱うときの実務を書きます。

先に要点です。

  • 続かない理由は、名簿とイベント履歴が担当者個人に紐づいていること
  • 申込フォームを毎回作り直す運用だと、イベントが終わった瞬間に関係が切れる
  • 自治体のイベントは無料が多い。だから価値の中心は手数料ではなく場の継続にある
  • 参加費を取るなら、誰が主催者かを先に決める。公金の収納は別の話になる

続かない理由は、引き継ぎの構造にある

支援施設のコミュニティが止まるときの流れは、だいたい決まっています。

1年目。 担当者が熱心にイベントを回します。参加者リストは自分のExcelにあり、案内はメールの宛先欄に並べたアドレスへ送ります。申込はその都度、無料のフォームツールで作ります。

2年目。 イベントの間隔が空きます。前回来た人にもう一度案内を出そうとして、リストがどのファイルだったか探すところから始まります。フォームの結果は別のスプレッドシートに散っています。

3年目。 人事異動。次の担当者は、施設の共有フォルダに残っていた古いリストを見つけますが、いつ時点のものか分かりません。メールを送ると半分が返ってきます。結局、また最初のイベントからやり直しになります。

この流れのどこにも、担当者の怠慢はありません。名簿とイベントの履歴が、施設ではなく個人に紐づいているという一点だけが原因です。

ここを直すのは難しくありません。参加者が申し込んだ時点で施設のコミュニティのメンバーとして登録されるようにしておけば、名簿は施設に残ります。イベントの履歴も同じ場所に積み上がります。担当者が代わるときに引き継ぐのは、アカウントの権限だけです。

個人情報の扱いという意味でも、こちらのほうが安全です。担当者個人のExcelや個人アカウントに参加者の連絡先がある状態は、退職や異動のたびに宙に浮きます。施設の名義で管理して、人だけを入れ替える形にしてください。

単発のフォームは、関係を切る道具になっている

もう一つ、見落とされがちな点があります。イベントごとに申込フォームを作り直す運用は、毎回、関係をリセットしています。

フォームは申込を受けるための道具です。イベントが終われば役目を終えます。そこに集まった連絡先は、担当者が手作業でどこかへ移さないかぎり、そのフォームの回答一覧の中で眠ります。

参加者の側から見ると、こうなります。1回目のイベントに申し込み、参加する。2回目の案内は来るかもしれないし、来ないかもしれない。来たとしても、また名前とメールアドレスを入力させられる。3回参加した人と、初めての人が、同じ扱いになります。

コミュニティとして育てたいなら、ここを変える必要があります。申し込みが「参加」ではなく「所属」になる設計です。1回目の参加でメンバーになり、2回目からは案内が届き、申込は名前を入れ直さずに済む。過去に何回来たかが記録として残る。

地味な差に見えますが、3年続けたときの差は大きいはずです。

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参加費を取るなら、まず主催者を決める

自治体や公的な施設が絡むとき、参加費の扱いには注意が要ります。

まず事実として、自治体が主催する講座やイベントは無料が多いです。有料のものも、材料費や会場費の実費水準に収まることがほとんどです。ここは前提として押さえておいたほうがいいと思います。

そのうえで、有料にする場合。誰が主催者になるかで、扱いがまったく変わります。

実行委員会や運営団体が主催者の場合。 参加費はその団体の収入になります。民間のイベントと同じ扱いで、プラットフォームで集めて団体の口座に入金する、という通常の流れで運用できます。支援施設のコミュニティイベントは、この形を取っていることが多いはずです。

自治体そのものが主催で、参加費を歳入に入れる場合。 ここは話が別です。公金の収納には地方自治法上の仕組みがあり、第三者が代理で受け取るには自治体ごとの手続きが必要になります。「アカウントを作れば今日から集金できます」という話には、そのままはなりません。 所管部署と経理に必ず先に確認してください。

実務としては、実費徴収から始めるのが現実的だと思います。材料費のかかるワークショップ、懇親会の飲食代、資料の実費。金額が小さく、参加者にとっても納得しやすく、主催者の整理もつきやすい。事前決済にすれば、当日の現金授受と釣り銭の用意がなくなります。

なお、少額の集金ほど銀行振込は不利になります。3,000円の会費を他行あてに振り込むと手数料は154円で、会費の5.1%。カード決済の3.6%を上回ります1。手数料の内訳についてはイベントの手数料はどこへ消えるのかに分解を書きました。

無料のイベントでも、置く意味はある

「うちは無料のイベントしかやらないから、決済のサービスは要らない」。よく言われます。

手数料が発生するのは有料のときだけなので、無料で使うぶんには費用はかかりません。そのうえで、無料のイベントにこそ効く部分があります。

無料のイベントは、参加のハードルが低いぶん、関係も切れやすいです。申し込んで、来て、終わる。次につながる保証はどこにもありません。参加者が施設のコミュニティのメンバーとして残る形にしておくと、次の案内を送れる状態が維持されます。 これは有料か無料かと関係なく効きます。

支援施設の場合、もう一つ大きいのは入居者と卒業生のつながりです。施設を出ていった企業と、いま入居している企業。この2つがつながっている施設と、切れている施設では、場としての価値がまったく違います。卒業生が自分のペースで情報を受け取れて、必要なときに戻ってこられる。その入口は、名簿がどこにあるかで決まります。

SHINみなとみらいでの運用

具体例を書きます。神奈川県のスタートアップ支援拠点であるSHINみなとみらいでは、コミュニティの運営にTIMEWELL BASEを正式に採用いただいています。

(開示しておくと、当社もこの施設に入居しています。 使う側として日常的に触っている立場で書いています。)

支援施設のコミュニティには、一般のイベント運営にはない条件があります。

入居者、卒業生、外部の参加者が混ざります。 全員に同じ案内を送ればいいわけではなく、対象を分けたいことがあります。

イベントの種類が幅広い。 ピッチイベント、勉強会、交流会、専門家の相談会。規模も形式もばらばらです。

担当者が代わります。 これは何度でも書きます。行政や外郭団体が関わる施設では、2年から3年の周期で人が入れ替わることを前提に設計しないといけません。

この3つに対して必要なのは、凝った機能ではなく、イベントを立てるのが速いことと、名簿が施設に残ることの2つだと思っています。イベントページが60秒で作れれば、担当者は企画の中身に時間を使えます。参加者がそのままメンバーになれば、次の担当者は名簿を引き継ぐだけで済みます。

立ち上げるときの順番

これから作る、あるいは作り直す場合の段取りです。

1. 施設の名義でアカウントを作る。 担当者個人のアカウントで始めないでください。ここを間違えると、全部が個人に紐づきます。

2. 最初のイベントを立てる。 完璧な設計を待たないほうがいいです。1本目のイベントを出して、参加者を迎え入れるところから始めます。

3. 申込と参加を、メンバー登録と一本にする。 出欠フォームと名簿を別々に持たない。ここを分けると、必ず手作業の転記が発生します。

4. 2回目の案内を、集め直さずに送る。 これができた時点で、仕組みが回り始めています。

5. 引き継ぎのときは、権限だけを渡す。 ファイルではなくアカウントの権限。これで断絶がなくなります。

6. 有料にするかは、あとで決めていい。 無料で回し始めて、実費のかかる企画が出てきたときに有料の回を混ぜればいいだけです。最初から決める必要はありません。

まとめ

  • コミュニティが続かないのは熱意の問題ではなく、名簿とイベント履歴が個人に紐づいているという構造の問題
  • 単発の申込フォームは、イベントが終わるたびに関係を切っている
  • 参加費を取るなら、誰が主催者かを先に決める。自治体が歳入として受ける場合は公金の収納の話になるので、所管部署と経理に確認する
  • 無料のイベントでも、次の案内を送れる状態が残ることに価値がある
  • 引き継ぐのはファイルではなく、アカウントの権限

自治体や支援施設のコミュニティ運営を具体的に相談したい方は、TIMEWELL BASEのページをご覧いただくか、お問い合わせからご連絡ください。同じ課題を持つ施設の事例を、差し支えのない範囲でお話しできます。

参考文献

Footnotes

  1. 振込手数料一覧(三菱UFJ銀行)。個人のお客さま・税込。ネットバンキングの他行あて3万円未満154円・3万円以上220円は同ページによる。カード決済3.6%はStripe の日本の料金による

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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