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該非判定とは?5つの手順と該非判定書を最新版にそろえる方法【2026年10月】

公開2026-02-17更新2026-10-04濱本 隆太

該非判定とは、輸出する貨物や技術が輸出令別表第1などのリスト規制に当たるかを、仕様で確かめる手続きです。経産省ガイダンス第3.0版の5ステップに沿った進め方、2026年10月時点で使うべき法令・マトリクス表・項目別対比表の版、判定書を作り直す場面までを一次情報で解説します。

該非判定とは?5つの手順と該非判定書を最新版にそろえる方法【2026年10月】
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。海外と取引のある企業や、これから輸出を始めようとしている企業から、いちばん多く受ける相談が該非判定です。「言葉は聞いたことがあるけれど、どこから手をつければいいのか」「メーカーから届いた判定書を、そのまま信じていいのか」。そして、ここ最近はもう一つの質問が増えました。うちの判定書は、いまの法令で見て最新なのか、という質問です。

この記事は該非判定の入口ガイドとして2026年2月に書いたものを、2026年10月4日時点の一次情報で全面的に書き直しました。経済産業省が2026年3月に公表した「安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]第3.0版」の5ステップに沿って手順を組み直し、いま判定に使うべき法令とツールの版を一つの表にまとめています。

30秒で読む要点 該非判定とは、輸出する貨物や提供する技術が、輸出令別表第1や外為令別表のリスト規制に該当するかを、製品名ではなく仕様と性能で確かめる手続きです。責任は輸出者にあり、経済産業省は対象の特定、情報収集、法令との照合、判定、社内決裁の5ステップで進めるよう示しています。2026年10月時点で判定の基準になるのは、2026年2月14日施行の改正を反映した別表第1と貨物等省令です。法令が改正されたら過去の判定書を見直す必要があり、非該当と出てもキャッチオール規制の確認は別に残ります。

該非判定とは何か。誰が、何を判定するのか

該非判定(がいひはんてい)とは、輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が、リスト規制に該当するか否かを判定する手続きです。経済産業省のガイダンスもこの言葉どおりに定義していて、該当した場合は原則として経済産業大臣の許可が必要になる、と続けています1。根拠は外為法(外国為替及び外国貿易法)で、リスト規制の中身は輸出令(輸出貿易管理令)別表第1と外為令(外国為替令)別表、そして具体的な数値を定めた貨物等省令に書かれています。

判断の軸は製品名ではありません。仕様と性能です。たとえば周波数変換器(インバーター)なら、「インバーターだから規制対象」と決まるわけではなく、ガス遠心分離機用で出力が三相以上、周波数が600ヘルツ以上といった数値の条件に当たるかどうかで線が引かれています2。同じ品名なのに、型番が一つ違うだけで結論が変わることもあります。そこが該非判定のいちばん厄介なところで、同時にいちばん大事なところでもあるのです。

誰が判定するのかも、最初に押さえておきたい点です。ガイダンスは、該非判定は輸出者等の責任で行うものとしつつ、メーカーなどから入手した該非判定書を再確認して判定に使うことも認めています1。商社がメーカーの製品を輸出する間接輸出でも、法令上の輸出者は商社なので、違反の責任を問われるのは商社の側です1。また輸出者等遵守基準により、輸出を行うすべての事業者は、貨物や技術がリスト規制に該当するか否かを確認する責任者を定めなければなりません1。「うちは小さな会社だから」は通用しない、ということです。

判定の結果は、実務では次の3つの言い方で整理されます。

判定結果 意味 リスト規制の許可 次にやること
該当 条文の規制値に仕様が当たる 原則として必要 輸出許可申請、または包括許可・許可不要の特例が使えるかの確認
非該当 条文と突き合わせた結果、規制値に達しない 不要 キャッチオール規制(用途と需要者)の確認
対象外 リスト規制のどの項番にも規定がない品目 不要 キャッチオール規制の確認

「非該当」も「対象外」も、それでゴールではありません。どちらもリスト規制の許可は要りませんが、用途や需要者に懸念があればキャッチオール規制で許可が必要になります。この点は、後半の章でもう一度取り上げるつもりです。自社の体制がこの流れを回せているか先に確かめたい方は、輸出管理体制の無料診断で現状のギャップを3分ほどで把握できます。

経産省ガイダンス第3.0版の5ステップで進める

経済産業省のガイダンス第3.0版は、該非判定の手順を5つのステップで示しています1。対象の特定、情報の収集、法令との照合、判定、そして社内決裁です。旧版のこの記事では4ステップで説明していましたが、今回は公式の区切りに合わせました。社内の手順書を作るときも、この5つに合わせておくと監査で説明しやすくなります。

ステップ やること 主な道具 詳しい解説
1 対象の特定 輸出する貨物と、一緒に渡る技術(内蔵プログラム、仕様書など)を洗い出す 引合いや見積の資料 本記事
2 情報の収集 仕様と性能がわかる資料を集める カタログ、仕様書、メーカーの該非判定書 非該当証明書の書き方
3 法令との照合 マトリクス表をExcelで検索し、関係しそうな項番を幅広く拾う 貨物・技術の合体マトリクス表 マトリクス表の使い方
4 判定 候補の項番の規制値と自社の仕様を一行ずつ突き合わせる 項目別対比表、パラメータシート 項目別対比表の書き方
5 社内決裁 該非判定書にまとめ、責任者の決裁で組織として決める 該非判定書(ガイダンス別添の様式例) 非該当証明書の書き方

ステップ1と2 対象を特定し、判断できる資料を集める

最初にやるのは、何を判定するのかを決めることです。ガイダンスの例では、海外から分析装置の引合いを受けた場合、装置そのものに加えて、内蔵されたプログラムや仕様書も「輸出しようとする貨物・技術」として判定の対象になります1。装置だけを見て、マニュアルや保守用のソフトウェアを見落とすのは典型的な抜けです。

対象が決まったら、判定に必要な資料を集めます。自社製品なら設計や製造の担当者に確認し、動作周波数、精度、出力、材質、寸法、制御方式といった数値を一覧にします。他社製品なら、メーカーや代理店から取り寄せるカタログ、仕様書、該非判定書が材料です1。この段階で数値がそろっていないと、後の照合はすべて推測になります。

ステップ3と4 マトリクス表で拾い、規制値と突き合わせる

照合の起点は、経済産業省の「貨物・技術の合体マトリクス表」です。政令、省令、通達の規定を項番ごとに並べたExcelで、ガイダンスは検索機能を使って、対象の名称や関連する用語、類義語で幅広く検索するよう勧めています1。法令上の名称が一般の呼び名と違うことがあるためで、ガイダンスはGPSが「衛星航法システムからの電波を受信する装置」と書かれている例を挙げています1。

候補の項番が見つかったら、規制値と自社の仕様を一行ずつ突き合わせます。この作業を抜け漏れなく進めるための書式が、CISTEC(一般財団法人安全保障貿易情報センター)が発行する項目別対比表とパラメータシートです。項目別対比表は法令で規制されるすべての貨物と技術を網羅し、パラメータシートはコンピュータや通信など分野別にまとめたチェックシートです3。CISTEC自身は初心者には項目別対比表を勧めていて、どちらも同センターから購入できます(電子版は有償の総合データベースで提供)3。別表第1の項番ごとの中身と調べ方は、輸出令別表第1の解説にまとめました。

ここで気をつけたいのが、ガイダンスが挙げる注意点のうち2つです1。1つは、一つの貨物が複数の項目で規制されうること。工作機械は核兵器関連の2の項と通常兵器関連の6の項の両方で規制されているので、片方だけ見て非該当とすると判定を誤ります。もう1つは、部分品と附属品です。法令は「ポンプ又はその部分品」のように書いているため、部品単体の輸出でも、元になる製品の名称で検索して確認する必要があります。

そのまま使える書式 照合が終わったら、結果は次のステップ5で該非判定書にまとめます。該非判定書と非該当証明書の様式、キャッチオール確認シート、判定管理台帳をWord・Excelでまとめたセットを無料で配っています。判定理由の記入例も付けています。該非判定書・非該当証明書 記入ガイド+様式セット(2026年版)をダウンロード

ステップ5 該非判定書にまとめ、組織として決める

最後に、判定の結果を該非判定書にまとめ、該非判定の責任者の決裁を得ます。ガイダンスは、責任者が判定根拠資料をもとに、対象に誤りがないか、法令の規定に合致しているか、最新の法令で判定しているかを確認したうえで決裁するよう示しています1。取引先から証明を求められたときに出す書類を、実務では非該当証明書と呼ぶことが多いのですが、中身は同じ判定の結論書です。

判定書で最も重いのは、判定理由と根拠資料の欄です。「本製品の出力周波数は○○ヘルツであり、貨物等省令第◯条第◯号の規制値に達しないため、輸出令別表第1の◯の項に該当しない」というように、条文番号と数値を対で書きます。誰が読んでも同じ結論にたどり着ける書き方が理想です。

ガイダンスには、手間を減らすためのヒントも書かれています。一度判定したものは、リスト規制の関係法令が改正されない限り、原則として再判定は不要です。そのうえで、判定結果と根拠を一覧表にして管理し、法令改正のときに見直すことを勧めています1。裏を返せば、改正のたびに一覧表を見直す運用がない会社では、過去の判定書が知らないうちに古くなっていきます。次の章は、その「最新」の話です。

該非判定の属人化を、AIで解消する。

経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDの機能・導入フローをまとめたサービスカタログを無料でダウンロードできます。

「最新の法令で判定する」とは。2026年10月時点でそろえる版

ガイダンスの注意点の1つ目は、「該非判定は最新の法令で判定を行ってください」です。リスト規制の品目は原則として毎年改正されるので、必ず最新の法令を確認するように、と書かれています1。実際、e-Govの改正履歴を見ると、貨物等省令は2022年10月から2025年11月までの間に改正省令が7本公布されています2。年に1〜2回は動くと考えておくのが現実的です。

では、2026年10月時点で「最新」とは何を指すのか。判定に使うものを並べると次のようになります。

確認するもの 2026年10月4日時点の最新 どこで確かめるか
輸出令別表第1(貨物の項番) 2026年2月14日施行の改正(令和7年政令第376号)を反映した内容 e-Gov法令検索の改正履歴4
貨物等省令(貨物と技術の規制値) 2026年2月14日施行版(令和7年経済産業省令第72号) e-Gov法令検索2
運用通達・役務通達の解釈 2026年1月30日の一部改正(公布日施行)を反映した版 経済産業省の改正情報56
貨物・技術の合体マトリクス表 令和8年2月14日施行版 経済産業省のマトリクス表のページ7
CISTEC 項目別対比表 2026年2月版(2026年2月14日施行対応。6月15日に訂正の案内あり) CISTEC8
CISTEC パラメータシート コンピュータ、通信・情報セキュリティ、エレクトロニクス、音響センサー・レーダー、先端材料関連、化学製剤原料関連の6分野が2026年2月版。輸出令別表第2の化学品関連は2026年6月版 CISTEC3
安全保障貿易管理ガイダンス[入門編] 第3.0版(令和8年3月) 経済産業省1
外国ユーザーリスト 2025年9月29日改正版(15か国・地域、835団体。2025年10月9日から適用) 経済産業省9

一つ、混乱しやすい点を補足します。e-Gov法令検索で輸出令を開くと、現行は「2026年6月5日施行」の版と表示されます。ところが、2月14日施行版と条文を突き合わせると、変わったのは第14条が引用する外為法の条番号(第六十九条の六から第六十九条の七へ)と、附則の追加だけでした4。外為法の一部改正(対内直接投資関係)に伴う整理で10、別表第1の中身は2月14日施行版のままです。「6月に別表第1が変わったのでは」と判定をやり直す必要はありません。

次の改正の見通しも気になるところでしょう。2025年度の定例改正は、2025年9月4日から10月3日までパブリックコメントにかけられ、11月14日に公布されました7。2026年10月4日に確認した時点では、経済産業省の改正情報ページ(最終更新2026年6月16日)に次の定例改正の案は載っておらず、e-Govにも公布済みで施行前の改正は見当たりません54。案が出るまでは2月14日施行版が基準、というのが今の答えです。

実務のコツとして、私は判定書に「どの施行版で判定したか」を日付で書いておくことをおすすめしています。たとえば「2026年2月14日施行の貨物等省令により判定」と一行あるだけで、次の改正のときに見直すべき判定書を台帳から一発で抜き出せます。メーカーから届いた判定書にこの日付がなければ、何年版の法令で判定したのかを問い合わせてください。古い施行版の判定書を使い回すと、後で紹介する「法令改正への対応不足」の違反事例とまったく同じ形になります。

2026年2月14日施行の改正で何が変わったか。当時と現在

2026年10月時点で判定の基準になっている改正の中身を、短く押さえておきます。2025年11月11日に閣議決定、11月14日に公布され、リスト改正(輸出令別表第1、貨物等省令、運用通達と役務通達の解釈)の施行日は2026年2月14日でした7。公布から施行まで、従来の2か月を上回る3か月がとられています。施行前でも許可申請はでき、実際の申請受付は2025年12月15日から始まりました7。

改正の多くは国際輸出管理レジームでの合意を反映したものです。目立つのは、性能の高いFPGA(フィールドプログラマブルロジックデバイス)を組み込んだモジュール、電子組立品、装置が、別表第1の7の項(10の2)として新たに規制対象になった点です117。CISTECの解説によると、この追加はワッセナー・アレンジメントでの合意によるものではないとされています7。逆に、リアルタイムオシロスコープの上限三デシベル周波数の基準が60ギガヘルツから90ギガヘルツに引き上げられるなど、緩和された項目もあります7。強化だけでなく緩和も含む改正だったので、過去に該当と判定した製品が非該当に変わるケースもありえるでしょう。

一部は先行して施行されました。噴霧乾燥器やクロスフローろ過用の装置などの「滅菌」「消毒」の解釈、1の項の「銃砲弾」の除外規定は2025年11月15日施行、輸出令別表第2の「うなぎの稚魚」の削除は2025年12月1日施行です711。品目ごとの詳しい改正点は2026年2月施行 輸出貿易管理令改正の完全解説に、項番の全体像は輸出令別表第1の解説にまとめています。

この記事の初版を書いた2026年2月と、いまを並べておきます。

観点 初版(2026年2月17日) 現在(2026年10月4日)
判定の基準になる施行版 2月14日施行の改正が始まった直後。旧版で出した判定書の見直しが山場 2月14日施行版が基準のまま。次の定例改正の案は未公表5
e-Govの輸出令の表示 2026年2月14日施行版 2026年6月5日施行版。ただし第14条の条番号の整理だけで、別表第1は同じ4
経産省ガイダンス[入門編] 第2.4版(令和7年1月) 第3.0版(令和8年3月)。手順を5ステップ、注意点を5つに整理1
CISTECの帳票 項目別対比表とパラメータシートの2026年2月版が出たばかり 項目別対比表は6月15日に訂正の案内。別表第2化学品関連のパラメータシートは6月版3
米国のAffiliates Rule 停止中(官報上は2026年11月9日まで) 停止期限は官報上11月9日のまま。米中は2027年1月10日までの延長を発表したが、BISの延長規則は10月3日時点で官報に未掲載12

当時と比べて、法令の中身はほとんど動いていません。動いたのは、ガイダンスの版と、それを取り巻く周辺の日付です。だからこそ「8か月何も起きていないから大丈夫」ではなく、次の改正に備えて判定書の台帳を整えておく時期だと考えています。

判定をやり直すべき場面。外為法違反の52%は該非判定から

なぜここまで「最新」にこだわるのか。経済産業省が2025年12月に公表した「外為法違反事案の分析結果(2024年度)」が理由を教えてくれます。2024年度に処分が決まった事案のうち、該非判定に関わる違反が52%を占め、その内訳は判定未実施・非規制思い込みが32%、判定誤り・法令解釈誤りが15%、他者の誤判定の鵜呑みが5%でした13。管理ルールの未整備など管理体制に関わる違反の36%を足すと、違反の約9割が判定の運用と社内体制に集まっています。

同じ資料には、該非判定に関する違反事例が載っています13。過去に非該当と判定した製品が法令改正で該当品になったのに、改正を知らずに無許可輸出を繰り返した例(資料の分類では「法令改正への対応不足」)。非該当だった製品が廃番になり、型番違いの代替品を「同等の性能だから」と判定せずに輸出した例。メーカーの判定書を確認せずに輸出し、後でメーカーの誤りが判明した例。2の項と6の項の両方で判定すべき貨物を、2の項だけで判定した例。どれも特別な悪意から起きたものではなく、日常の手順の抜けです。

この事例から、判定をやり直すべき場面を5つに整理しておきます。

場面 なぜやり直すのか 確認すること
リスト改正が施行されたとき 規制値や項番が動き、過去の非該当が該当に変わりうる 施行日をまたぐ出荷の判定書が新しい施行版で作られているか
型番変更、後継機、代替品に切り替えたとき 互換品でも機能や性能が変わっていることがある 新しい型番で判定書を作り直したか
仕様の変更や改良があったとき 性能が上がれば規制値を超えることがある 変更後の仕様で照合し直したか
メーカーから判定書を受け取ったとき 判定書に誤りがあっても責任は輸出者にある 名称と型式の一致、判定理由の妥当性、施行版
判定していない項目に気づいたとき 一つの貨物が複数の項目で規制されうる 関係しうる項番をすべて確認したか

メーカーに判定書を依頼するときは、対象の型番と品名、輸出先の国、希望する回答期日、そして最新の施行版での判定をお願いする一文を入れます。そのまま使える依頼文例を置いておきます。

平素より大変お世話になっております。 貴社製品〇〇(型番:〇〇〇〇)につきまして、輸出貿易管理令別表第1および外国為替令別表にもとづく該非判定書(非該当証明書)をご発行いただけますでしょうか。 輸出先は〇〇国、出荷は〇月〇日を予定しております。 つきましては、2026年2月14日施行の改正を反映した最新の法令でのご判定をお願いいたします。判定に用いた法令の施行日もあわせてご記載いただけますと幸いです。 ご多忙のところ恐縮ですが、〇月〇日までにご回答いただけますと助かります。

罰則は軽くありません。無許可で規制対象の貨物を輸出した場合の刑事罰は、10年以下の拘禁刑、法人は10億円以下、個人は3,000万円以下の罰金で、違反した貨物の価格の5倍が上限額を超える場合はその5倍以下です1。行政制裁として3年以内の輸出の禁止もあります1。2024年度の処分は報告書や経緯書の提出が中心でしたが13、刑事罰や警告は原則公表を伴うため、取引先からの信用への影響は法律以上に大きくなります。違反の傾向をもっと詳しく見たい方は、2024年度の外為法違反の分析をご覧ください。


【経産省統計】2024年度の外為法違反の52%は「該非判定」から

判定未実施・非規制思い込みが32%、管理体制に関わる違反が36%。違反の約9割が、判定の運用と社内体制の問題に集まっています13。

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非該当で終わらない。キャッチオール、取引審査、米国EARの確認

該非判定が終われば輸出できる、わけではありません。ガイダンスは該非判定、取引審査、出荷管理の3つの手続きを、全部そろって初めて効果を発揮する輸出管理の「三本の矢」と呼んでいます1。非該当や対象外と出た貨物も、次は取引審査でキャッチオール規制の確認に進みます。

キャッチオール規制は、リスト規制に当たらない品目でも、用途や需要者に懸念がある場合に許可を求める仕組みです。2025年10月9日施行の補完的輸出規制の見直しで対象が広がり、通常兵器の開発等に関わる場面の扱いが変わりました14。需要者の確認で使うのが経済産業省の外国ユーザーリストで、2025年9月29日の改正で15か国・地域の835団体(87団体増)になり、通常兵器関連の確認を要する団体の情報も加わりました9。経済産業省は、このリストは参照用に情報を提供するもので禁輸リストではない、と明記しています9。掲載は規制上の区分であって、その団体の是非を判断するものではありません。需要者が掲載されている場合は、貨物が大量破壊兵器や通常兵器の開発等に用いられないことが明らかな場合を除いて許可申請が必要になる、という手続き上の意味を持ちます9。2つの規制の切り分けはリスト規制とキャッチオール規制の違いに、取引審査で使う帳票の流れは経産省ガイダンスの帳票類の解説にまとめています。

出荷の直前には、出荷しようとする貨物が該非を確認した貨物と同じかを確かめます。これは輸出者等遵守基準にも入っている手続きです1。判定書や取引審査の書類は、1〜4項(武器と大量破壊兵器関連)のものは少なくとも7年、5〜16項のものは少なくとも5年、輸出の日から保存するよう努めることがガイダンスに示されています1。旧版のこの記事では一律7年と書いていましたが、項番によって分かれるので訂正しました。

米国の規制も並行して見なければなりません。米国原産の部品や技術を含む製品では、EAR(米国輸出管理規則)の品目分類であるECCNの確認が日本の判定とは別に要ります。ECCNの引き方はECCN番号一覧チートシートが手元にあると速くなります。取引先の資本関係をたどる米国のAffiliates Rule(いわゆるBIS 50%ルール)は、停止規則(90 FR 50857)の効力が官報上2026年11月9日までです12。米中は停止を2027年1月10日まで延ばすと発表しました(中国商務部が9月28日に公式に説明15、米国側は9月23日の財務長官の発言が報道で伝えられた段階)。ただしBISの延長規則は10月3日時点で官報に載っていません。状況と計算例はBIS 50%ルールの解説で追いかけています。

判定を属人化させないために。TRAFEEDでできること

ここまでの手順を、担当者1〜2名の頭の中だけで回している会社は少なくありません。改正のたびに台帳を見直し、メーカーの判定書を確かめ、米国のリストも並行して見る。人手だけで続けるには、正直なところ負荷が大きすぎると感じています。

TIMEWELLのTRAFEEDは、輸出管理のためのAIエージェントです。製品仕様書や型番、スペックシートから、リスト規制のどの項番に関係しそうかを洗い出し、判定根拠と引用条文をあわせて示します。岡山大学の過去審査データ約3万件を使った共同実証では、AI判定精度95%以上を確認しています(2026年3月時点・自社調べ)。リスク(懸念度)判定の中核ロジックは国内特許(特許第7862062号)を取得しており、2026年10月時点で、トライアルを含めて20組織以上で導入が決まっています。最終的な該非判定は、これまでどおり貴社の輸出管理責任者が行う前提で設計しています。

課題 TRAFEEDでの支援
該非判定が属人化していて、担当者が替わると再現できない 判定の根拠と参照データを保存し、後から誰でもたどれる状態にする
改正のたびに、どの判定書を見直すべきか探すのに時間がかかる 判定の履歴を一元管理し、いつ、誰が、何を根拠に判定したかを示せる
メーカーの判定書の確認と社内承認が手作業 担当者の調査、上長のレビュー、責任者の承認と差戻しをすべて履歴に残す
監査や税関で根拠を求められると、資料を一から集め直す 根拠つきのレポートをそのまま提示できる

【こんな企業に向いています】

  • 該非判定の担当者が1〜2名で属人化している
  • 2026年2月14日施行の改正に、過去の判定書が追従できているか自信がない
  • 経産省ガイダンス第3.0版に合わせて社内の手順書を見直す必要がある
  • 過去の判定根拠を、監査のときにすぐ示せる体制がない

ひとつでも当てはまれば、TRAFEEDの個別相談で30分ほどで現状を整理できます。

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よくある質問

該非判定は自社でやるのですか、それともメーカーに任せられますか。 判定の責任は輸出者にあります。詳しい仕様を持つメーカーに該非判定書を依頼し、それを根拠資料にするのは一般的なやり方ですが、名称と型式の一致、判定理由の妥当性、判定に使った施行版を自社で確かめたうえで使ってください。メーカーの判定書に誤りがあっても、責任を問われるのは輸出者です。

2026年10月時点で、どの施行版の法令を使えばよいですか。 輸出令別表第1と貨物等省令は、2026年2月14日施行の改正を反映したものが最新です。e-Govの輸出令の表示は2026年6月5日施行版ですが、別表第1の中身は変わっていません。マトリクス表は令和8年2月14日施行版、CISTECの項目別対比表とパラメータシートは2026年2月版を使います。

過去の判定書はいつまで使えますか。 関係法令の改正がなければ、原則として再判定は不要です。改正があったとき、型番が変わったとき、仕様を改良したときは判定し直してください。書類は1〜4項関連が少なくとも7年、5〜16項関連が少なくとも5年保存するよう努めることが求められています。

判定に迷ったらどうすればいいですか。 自分だけで非該当と結論づけないでください。社内の上長や輸出管理部門に相談する、経済産業省の安全保障貿易管理の相談窓口に問い合わせる、CISTECの相談を使う。ガイダンスも、該非判定や法令解釈に疑問があれば経済産業省に問い合わせるよう案内しています1。わからないから聞くのは、恥ではなく最良の実践です。

迷ったら立ち止まる。それが最善の判断

該非判定を、経産省ガイダンス第3.0版の5ステップに沿って追ってきました。最後にひとつだけ、いちばん伝えたいことを書きます。迷ったら立ち止まる、です。

初心者のうちは、判断に自信が持てない場面が必ず出てきます。そのとき、出荷日に間に合わせるために自分だけで結論を出そうとしないでください。上長に相談する。経済産業省の窓口に問い合わせる。CISTECの相談を使う。この「判断を仰ぐ」という一手が、実は最も正しい輸出管理の実践だと考えています。

もう一つ伝えたいのは、該非判定は「一度やれば終わる作業」ではなく「改正のたびに見直す台帳の仕事」だということです。2026年10月時点では次の定例改正の案はまだ出ていませんが、例年のペースを考えると、いずれ案は出てきます。そのとき慌てないために、判定書に施行日を書く、判定結果を一覧表にまとめる、経済産業省の改正情報ページを月に一度は開く。この3つを今のうちに回し始めておくと、次の改正は「台帳から該当する行を抜き出して照合し直す」作業で済みます。

今日からできる最初の一歩として、手元にある該非判定書を3枚だけ抜き出し、それぞれ何年何月施行の法令で判定したものかを確かめてみてください。日付が書かれていない判定書が1枚でもあれば、それが台帳を作り直す合図です。

関連記事

参考文献・脚注

[1] 経済産業省「関係法令・改正情報」(https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law00.html) [2] 経済産業省「安全保障貿易管理ガイダンス」(https://www.meti.go.jp/policy/anpo/guidance.html)

Footnotes

  1. 経済産業省「安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]第3.0版」(令和8年3月)。該非判定の定義、5ステップ、5つの注意点、輸出者等遵守基準、罰則、文書保存期間。https://www.meti.go.jp/policy/anpo/guidance/guidance.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18 ↩19 ↩20 ↩21

  2. e-Gov法令検索「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」(平成3年通商産業省令第49号)。現行は2026年2月14日施行版、第1条第八号(周波数変換器)(2026年10月4日確認)。https://laws.e-gov.go.jp/law/403M50000400049/ ↩ ↩2 ↩3

  3. CISTEC「該非判定帳票」(項目別対比表とパラメータシートの最新版一覧、2026年10月4日確認)。https://www.cistec.or.jp/publication/gaihi.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  4. e-Gov法令検索「輸出貿易管理令」(昭和24年政令第378号)。改正履歴と、2026年2月14日施行版・2026年6月5日施行版の条文(2026年10月4日確認)。https://laws.e-gov.go.jp/law/324CO0000000378/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  5. 経済産業省「関係法令・改正情報」最新の制度改正(最終更新2026年6月16日、2026年10月4日確認)。https://www.meti.go.jp/policy/anpo/law00.html ↩ ↩2 ↩3

  6. 経済産業省「『輸出貿易管理令の運用について』等の一部改正について」(令和8年1月30日、公布の日から施行)。https://www.meti.go.jp/policy/anpo/20260130_tsuutatsu.pdf ↩

  7. CISTEC事務局「2025年度定例のリスト改正等について(解説)」(2025年11月18日)。パブリックコメントの期間、公布日と施行日、申請受付開始日、7の項(10の2)の追加の経緯、マトリクス表の掲載状況。https://www.cistec.or.jp/export/express/251117/12_kaisetsu.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  8. CISTEC「輸出貿易管理令別表第1・外国為替令別表 項目別対比表 2026年2月」(2026年2月14日施行の政省令改正対応)。https://www.cistec.or.jp/publication/shoseki/b01_taihihyou.html ↩

  9. 経済産業省「『外国ユーザーリスト』を改正しました」(2025年9月29日)。https://www.meti.go.jp/press/2025/09/20250929006/20250929006.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  10. CISTEC「更新履歴 2026年」(2026年6月8日掲載「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律(対内直接投資関係)の公布」)。https://www.cistec.or.jp/common/kosin/kosin_2026.html ↩

  11. 経済産業省「輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました」(2025年11月)。https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251114001/20251114001.html ↩ ↩2

  12. Federal Register「One Year Suspension of Expansion of End-User Controls for Affiliates of Certain Listed Entities」(90 FR 50857、2025年11月12日掲載)。2026年10月3日時点で延長規則の掲載なし。https://www.federalregister.gov/documents/2025/11/12/2025-19846/ ↩ ↩2

  13. 経済産業省「外為法違反事案の分析結果について(安全保障貿易関係)(2024年度)」(2025年12月)。違反原因の分類別割合と違反事例。https://www.meti.go.jp/policy/anpo/gaitameho_document/ihanjireigaitamehou6.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  14. 経済産業省「補完的輸出規制の見直しについて(2025年10月9日施行)」。https://www.meti.go.jp/policy/anpo/apply-01/20251009_catchminaoshi/20251009catchall.html ↩

  15. 中国商務部「商务部美大司负责人解读第八轮中美经贸磋商成果」(2026年9月28日)。https://www.mofcom.gov.cn/syxwfb/art/2026/art_d9ea01824fc44fd8a29f7dc3f8ca9c72.html ↩

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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