こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。輸出をこれから始める企業の担当者から、よくこんな質問をいただきます。「税関への申告って、結局どうやるんですか」。当社サイトの検索データを見ると、「NACCS CEA」や「電子輸出許可」といった調べ方も目立ちます。どれも根は同じです。NACCS(ナックス)という言葉は知っていても、それが何をするシステムで、輸出申告からモノが港を出るまでのどこで何が起きているのかが、地図として見えていないのです。
この記事は2026年7月に書いた初版を、2026年10月4日時点の一次情報で書き直したものです。NACCSセンターが公開している業務仕様書で業務コードの意味を一つずつ確かめ、経済産業省の電子ライセンス(電子化された輸出許可証)の流れと、2025年10月に稼働した第7次NACCSでの変更点を加えました。専門用語は初めて出てきたところでかみ砕きます。
30秒で読む要点 NACCSは、船舶・航空機と輸出入貨物について、税関などへの手続きと関連する民間業務をオンラインで処理する国のシステムで、税関によれば輸出入申告の約99.9%がNACCSで電子的に処理されています。輸出申告は「輸出申告事項登録(EDA)」で内容を登録し、「輸出申告(EDC)」で送信します。申告は区分1(簡易審査)・区分2(書類審査)・区分3(検査)に振り分けられ、区分2と区分3は税関が「輸出申告審査終了(CEE)」を入力して許可になります。よく検索される「CEA」は輸入側の「輸入申告審査終了」です。外為法の輸出許可が要る貨物は、経済産業省がNACCS上で電子ライセンスを交付し、通関業者が裏書(JTA01)と突合(JTZ)を済ませてから輸出申告します。
なお、自社の製品や技術が輸出規制の対象になるかを先に確かめたい方は、TRAFEEDの輸出管理コンプライアンス診断で当たりをつけてから読むと、後半の電子ライセンスの話がぐっと具体的になります。
NACCSとは何か。税関と関係省庁をつなぐ国のシステム
NACCSの正式名称は「輸出入・港湾関連情報処理システム」です。英語では Nippon Automated Cargo And Port Consolidated System といい、その頭文字を並べたものがNACCSになります。ひとことで言えば、日本に入ってくる、あるいは日本から出ていく船舶・航空機と、その積荷である輸出入貨物について、税関をはじめとする関係行政機関への手続きと、それにひもづく民間業務をオンラインで処理する国のシステムです1。
どれくらい使われているのか。税関のパンフレットには、NACCSは輸出入申告の約99.9%を電子的に処理している、と書かれています2。紙の申告書を窓口に出す通関は、いまではごく例外的な姿だと考えてよいでしょう。運営しているのは輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)で、独立行政法人だった通関情報処理センターが、2008年10月1日に特殊会社として株式会社になりました3。根拠法は「電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律」(昭和52年法律第54号、通称NACCS法)です4。国のインフラであり、同時に民間の事業者が日々使う実務システムでもあります。この二面性が、NACCSの立ち位置をわかりにくくしている一因かもしれません。
成り立ちも知っておくと理解が進みます。かつては航空貨物用のAir-NACCSと海上貨物用のSea-NACCSが、別々のシステムとして動いていました。それが2008年10月のSea-NACCSの更改と2010年2月のAir-NACCSの更改を機に一本化され、このとき国土交通省の港湾EDIシステムや経済産業省の貿易管理システム(JETRAS)など、各省庁の輸出入関連システムも束ねられました1。その後、2017年10月に第6次NACCSが、2025年10月に第7次NACCSが稼働を始めています3。
押さえてほしいのは、NACCSは税関だけのシステムではない、という点です。税関の窓口という印象が強いのですが、実際には複数の省庁の手続きが一つの基盤に集約されています。だからこそ、貨物が国境を越えるときの検疫や食品衛生、そして外為法(外国為替及び外国貿易法)の輸出許可の確認までを、同じシステムの上でつないで処理できるわけです。この記事の後半で扱う電子ライセンスは、まさにその「つなぎ目」の話になります。
輸出申告から輸出許可までの流れ(EDA・EDC・CEW)
実際にモノを輸出するとき、NACCSの上で何が起きるのか。骨格はシンプルです。輸出しようとする者は税関へ輸出申告を行い、貨物について必要な検査を経て、輸出の許可を受けなければなりません。関税法第67条が定める、輸出通関のいちばん根っこにあるルールです5。申告は税関が受理した時点で効力を持ちますが(関税法基本通達67-1-1)、効力を持つことと許可が下りることは別です6。受理はスタートラインに立ったにすぎません。
NACCSでは、この流れが業務コードと呼ばれるアルファベット3文字の単位に分かれています。業務仕様書をたどると、輸出申告の基本は次のとおりです78。
| 段階 | 業務コード | 業務名 | 入力するのは | 何が起きるか |
|---|---|---|---|---|
| 申告内容の登録 | EDA | 輸出申告事項登録 | 通関業者(航空は航空貨物代理店も) | 品名・数量・価格・他法令の情報などを登録します。EDCまでは自由に訂正できます |
| 申告 | EDC | 輸出申告 | 通関業者 | 申告を送信し、審査区分(区分1〜3)が選ばれます。搬入前申告や、開庁時に自動で申告する指定もできます |
| 搬入後の処理 | CEW(自動起動は1CE) | 輸出申告搬入後処理 | 通関業者(搬入で自動起動) | 搬入前に申告した貨物が保税地域に入ると動き、審査区分が選ばれます |
| 審査終了 | CEE | 輸出申告審査終了 | 税関 | 書類審査や検査が終わった旨を登録し、輸出を許可します。輸出許可通知情報が出力されます |
| 申告後の訂正 | EDA01・EDE | 輸出申告変更事項登録・輸出申告変更 | 通関業者 | 申告したあとの内容を訂正します |
※NACCSセンター「業務仕様書(第7次NACCS)」の海上の業務から作成。
タイミングで混乱しやすいのが保税地域との関係です。保税地域(ほぜいちいき)とは、輸出しようとする貨物や外国から着いた貨物を置く場所として、財務大臣が指定したり税関長が許可したりした場所を指します9。輸出申告そのものは、貨物を保税地域へ搬入する前でも行えます。ただし輸出の許可は、原則として搬入したあとです9。NACCSの仕様もこの順番に沿っていて、搬入前に申告した貨物が保税地域に入ると、CEWが自動で起動して申告内容を確かめ、審査区分を選びます。面白いのは、搬入前の申告でも税関が先に審査を終えておけば(搬入前申告審査終了)、搬入のタイミングで即時に許可が出る点です8。「申告は先にできるが、許可は現物が所定の場所に入ってから」。この順番を押さえておくと、出荷のスケジュールを組み間違えにくくなります。
EDAには、外為法との関係を書き込む欄もあります。「輸出貿易管理令別表コード」「輸出承認証等区分」「外為法第48条コード」などで、輸出令別表第1に当たるコードを入れると、輸出承認証等区分と外為法第48条コードの欄も埋めないかぎり、NACCSは登録を受け付けません7。つまり、自社の該非判定の結果が、そのまま申告データの入力値として問われる作りになっているのです。輸出令別表第1が何を定めているかは、輸出令別表第1の構造と調べ方で詳しく扱っています。
判定の記録を残す様式 輸出申告の「他法令の確認」の手前には、許可が要るのか要らないのかを決める該非判定があります。該非判定書・非該当証明書のWord様式と記入ガイドQ&A、キャッチオール確認シートや判定管理台帳などのExcel帳票をセットで配布しています。2026年2月14日施行の政省令改正に対応しています。該非判定書・非該当証明書の様式セットをダウンロード(無料。会社名とお勤め先のメールアドレスのご登録が必要です)
該非判定の属人化を、AIで解消する。
経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDの機能・導入フローをまとめたサービスカタログを無料でダウンロードできます。
審査区分1・2・3と審査終了のCEE。NACCSの「CEA」は輸入側のコード
NACCSで輸出申告を送信すると、税関が設定するリスク判定基準にもとづいて、申告はその場で3つの審査区分のいずれかへ振り分けられます。この区分で、そのあとどれだけの審査や検査を通るか、つまり許可までのルートが変わります。税関が公表しているフロー図でも、区分1は許可へ直行、区分2は審査を経て許可、区分3は審査と検査を経て許可、という流れが確認できます10。
| 審査区分 | 通称 | 税関の対応 | 許可までのルート | 許可を出す業務 |
|---|---|---|---|---|
| 区分1 | 簡易審査扱い | 書類審査・検査なし | 申告してすぐ許可 | EDC(搬入前申告はCEW) |
| 区分2 | 書類審査扱い | 申告内容と通関書類を審査 | 申告、審査の順で許可 | CEE(税関) |
| 区分3 | 検査扱い | 書類審査に加え現品検査 | 申告、審査、検査の順で許可 | CEE(税関) |
※出典は税関「NACCSを使用して行われる輸出入申告に係る開庁時間外の取扱いについて」10と、NACCSセンターの業務仕様書(EDC・CEW・CEE)78。
区分1は、いわゆる即時許可です。区分2になると税関が書類の中身を確かめ、問題がなければ許可へ進みます。区分3は現品検査を伴う区分で、NACCSの仕様では、検査扱いに選ばれた申告はさらに「現場検査」か「検査場検査」のどちらかに振り分けられます7。区分2と区分3の審査が終わると、税関職員が「輸出申告審査終了(CEE)」を入力します。搬入後の申告であれば、この時点で輸出許可となり、申告者に輸出許可通知情報が届きます8。現品検査の考え方は関税法基本通達67-1-7にあり、輸出申告者や貨主、仕向地などを総合的に判断して、特に検査を要すると認められる貨物に重点を置くとされています6。
ここで、検索でよく尋ねられる「NACCSのCEA」に答えておきます。CEAは「輸入申告審査終了」という業務のコードで、入力するのは税関です。輸入申告などについて審査と検査が終わったことを登録するもので、納付すべき税額がない場合や、納期限の延長を受けていて担保の引き落としが済んでいる場合は、その時点で即時に輸入許可となります11。そうでなければ、関税などの納付を確かめてからの許可です(関税法第72条)5。つまりCEAは、輸出のCEEとちょうど対になる輸入側のコードです。輸出の手続きを追っていてCEAという文字に出会ったら、それは輸入の話だと読み替えてください。輸出で同じ意味を持つのはCEEです。
現場でよく生まれる誤解が、「NACCSで申告すれば必ず即時に許可が出る」というものです。即時許可は区分1だけで、どの区分に振り分けられるかは申告の時点までわかりません。いつも区分1で通ってきた企業でも、区分3に当たったときに慌てないよう、検査を前提にしたスケジュールの余裕を持っておくことをおすすめします。
書類・申告先・申告者と、自社でNACCSを使う手順
輸出申告に必要な情報の骨格は、紙の輸出申告書(C-5010)に対応しています。関税法基本通達67-1-2は、輸出申告書を原本・許可書用・統計用の3通そろえて提出させると定めていて、NACCSではこれを電子データで送ります6。添付書類について、関税法基本通達67-1-5は、必要に応じて仕入書(インボイス)を添付させるほか、関税法第70条にいう他法令の許可・承認・検査の完了などを要する貨物はそれを証する書類を、関税の軽減や免除にかかわる貨物は所定の書類を添付させると整理しています6。実際にそろえる書類の全体像は、通関に必要な書類のチェックリストにまとめています。
どこの税関へ申告するか。原則は、輸出しようとする貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関です(関税法第67条の2)5。この原則には、2017年10月8日に実施された「輸出入申告官署の自由化」という例外があり、AEO輸出者やAEO認定通関業者などのAEO事業者は、貨物の置き場所にかかわらず、いずれかの税関官署へNACCSで申告できるようになりました12。AEO(Authorized Economic Operator、認定事業者)とは、貨物の安全管理と法令遵守の体制を税関に認められた事業者のことです。一般の輸出者にそのまま当てはまるわけではありません。NACCSの仕様を見ると、輸出令別表第1の第1項(武器)に当たるコードが入った申告などは、自由化の扱いから外れることもわかります7。
誰が申告するか。法律上は貨物の輸出者本人が申告でき、輸出者から委任を受けた通関業者が代理で申告することもできます9。通関業(他人の依頼を受けて通関手続を代理する業務)は通関業法第2条で定義されています13。経済産業省の案内も、申告と裏書の操作をするのは「通関業者または自社通関を行う輸出入者」だとしています14。「NACCSは通関業者しか使えない」と思い込まれることがありますが、通関業者への委任は義務ではありません。専門知識と人手が社内にあれば自社で申告し、なければ通関業者に任せる。この判断は、取引量と社内の輸出管理体制に照らして決めるのが現実的だと私は考えています。
自社でNACCSを使う場合は、まずNACCSセンターへ利用を申し込み(NSSという契約手続きのシステムで行います)、利用者IDの通知を受けます。外為法の電子申請に使うなら、そのIDで申請者名を経済産業省へ届け出る「申請者届出」を、NACCSの利用開始日より前に済ませる必要があります14。外為法関連業務の申込は1企業につき1申込みで、デジタル証明書を取得したうえでパッケージソフトかWebNACCSから操作します15。料金は事業所ごとに、基本料金(月5,000円)に業務ごとの従量料金が乗るプランAと、従量料金だけのプランBから選び(いずれも税抜)、従量料金表に載っていない業務は無料です15。外為法関連業務の新規申込では、netNACCSの「従量のみ」が既定の選択になっています15。
電子輸出許可(電子ライセンス)とNACCS外為法関連業務
輸出通関の流れの中で、私がもっとも注意を促したいのが他法令の確認です。関税法第70条は、他の法令で輸出に許可や承認が必要とされている貨物について、それが済んでいることを税関の申告のときに確認すると定めています5。この「他の法令」の代表格が、外為法にもとづく安全保障輸出管理です。規制対象の貨物や技術は、税関への申告とは別に、先に経済産業大臣の許可を取っておかなければなりません。
その許可の申請と受け取りも、いまは原則としてNACCSの上で行います。NACCS外為法関連業務(旧・貿易管理サブシステム)は、外為法にもとづく輸出入の許可・承認の申請から、税関への申告時の許可証の裏書き処理までを電子化したシステムです14。2002年11月にJETRASとの接続で始まり、2010年2月に貿易管理サブシステムとして稼働、2020年6月にNACCSへ完全統合されました16。2022年7月以降、輸出許可の申請は、一部の未対応の手続きを除いて電子申請のみです17。そして許可は「電子ライセンス」として交付されます。検索で「電子輸出許可」と調べる方が知りたいのは、おそらくこの仕組みでしょう。
電子ライセンスを使った輸出は、経済産業省とNACCSセンターの説明資料によると次の順に進みます16。
- 輸出者が「外為法 新規・電子ライセンスの訂正申請(JAA)」で許可を申請し、経済産業省が電子ライセンスを交付する
- 輸出者が「外為法 通関業者指定(JCA)」で、そのライセンスを使って申告する通関業者を指定する
- 通関業者が輸出申告事項登録(EDA)を行ったあと、「外為法 裏書情報呼出し(JTB)」「外為法 裏書情報登録(輸出)(JTA01)」で裏書を登録する
- 「外為法 突合情報登録(JTZ)」で、申告データと電子ライセンス・裏書情報を突き合わせる
- 突合が済んでから輸出申告(EDC)を行い、税関の審査を経て許可となる
裏書(うらがき)とは、許可証に「この申告でこれだけの数量・金額を使った」と記録することです。名前のとおり、もとは許可証の裏面に書き込む手続きでした。電子ライセンスでは、この記録と照合をNACCSが機械的に行い、使った数量が許可の残数を超えればエラーになります16。EDAの時点で、ライセンスが有効期限内か、輸出者がライセンスの持ち主と一致しているか、申告の区分とライセンスの種類(電子か書面か)が合っているかを確かめ、EDCの時点ではJTZの突合が済んでいるかを確かめます16。別の荷主のライセンスを使ってしまう、裏書を忘れて申告してしまう、というミスはシステム側で止まる設計です。
注意点も二つあります。一つは、電子ライセンスの交付イメージ(PDFでダウンロードできる画面)では通関できないことです。通関に紙のライセンスが要るとわかっている場合は、申請時に「紙交付希望の有無」で書面ライセンスを希望します14。もう一つは、荷主がNACCSに参加していなくても、通関業者が委任を受けて電子ライセンスを代理申請できることです16。2025年10月の第7次NACCSでは、一部の申請様式がWebNACCSからも申請できるようになりました。ただし貨物と役務の同時申請は、引き続きパッケージソフトからだけです。第6次用のパッケージソフトからはエラーになり、申請窓口コードも変わっています14。
そして、この電子申請のさらに手前にあるのが該非判定(がいひはんてい)です。輸出しようとする貨物や技術が輸出令別表第1などのリスト規制に当たるかを、仕様と性能で確かめる作業で、「該当」なら経済産業大臣の許可が要り、「非該当」でもキャッチオール規制の確認は別に残ります。NACCSは許可の有無と裏書を確かめてはくれますが、許可が要るかどうかは判断してくれません。進め方は該非判定の5つの手順で、非該当を証する書類の考え方は非該当証明書の基礎知識で解説しています。
この該非判定こそ、輸出管理でいちばん手間がかかり、いちばん間違えやすい工程です。当社のTRAFEEDは、輸出令別表第1などの条文に沿って該非判定の下書きを作り、取引先を各国の規制リストと照合して(リストへの掲載は規制上の区分で、企業の良し悪しを示すものではありません)、判断の根拠を記録に残す輸出管理AIエージェントです。日本の安全保障輸出管理の該非判定でAI判定精度95%以上(岡山大学との共同実証と過去の審査データ約3万件にもとづく自社調べ)を確認しており、この領域では世界初のサービスです(2026年3月時点・自社調べ)。ただしTRAFEEDが受け持つのは輸出の手前、該非判定と取引先の確認までで、NACCSへの輸出申告や電子ライセンスの申請、裏書は行いません。最終的な該非判定を行うのも、貴社の輸出管理責任者です。
初版(2026年7月)から変わったこと
初版を書いた2026年7月19日の時点と、2026年10月4日の時点とで、記事の前提がどう変わったかを並べておきます。制度そのものが大きく変わったわけではありません。変わったのは、初版で「最新の公表資料でご確認ください」と読者に預けていた部分を一次資料で埋められたことと、検索で尋ねられている問いに初版が答えていなかったことです。
| 項目 | 初版(2026年7月19日) | 現在(2026年10月4日) |
|---|---|---|
| 第7次NACCS | 「第7次への更改(2025年10月)の時期にあたる」と書くにとどめていた | 2025年10月に稼働済み(NACCSセンター沿革)。外為法関連業務は一部の申請様式がWebNACCSから申請可能に |
| NACCSの利用率 | 「輸出入手続きの大半」という数値は断定しなかった | 税関のパンフレットで「輸出入申告の約99.9%を電子的に処理」と確認 |
| 業務コード | 扱っていなかった | EDA・EDC・CEW・CEE、輸入側のCEAの意味を業務仕様書で確認して追加 |
| 外為法の許可 | 電子申請(2022年7月から原則電子のみ)まで | 電子ライセンスの交付から裏書(JTA01)・突合(JTZ)・申告までを追加 |
| 自社で使う手順 | 扱っていなかった | 利用申込・申請者届出・料金プランを追加 |
とくに業務コードは、初版を書いたとき「通関業者の世界の話」として省いてしまった部分です。CEAやCEEは税関側が入力するコードなので、輸出者が自分で打つことはありません。それでも、業務仕様書や通関業者とのやり取りでこの3文字に出会えば、意味がわからないままでは落ち着かないはずです。今回の改稿では、そこを業務仕様書の定義どおりに書くことを優先しました。
NACCSは今後も機能の追加が予定されていて、経済産業省とNACCSセンターの資料にも「今後も順次機能追加を予定」とあります16。業務コードの細かな仕様は改版されることがあるので、実務では必ずNACCS掲示板の業務仕様書と、経済産業省の電子申請のページで最新の版を確かめてください。
まとめ。NACCS申告で押さえるべき勘どころ
ここまでの流れを、最後に一本の線につないでおきましょう。NACCSは、税関だけでなく複数省庁の手続きを束ねた国の共通基盤で、輸出入申告の約99.9%がここを通ります。輸出は、EDAで登録し、EDCで申告し、区分1なら即時に、区分2・3なら税関のCEEで許可される、という順に進みます。搬入前に申告した貨物は、搬入をきっかけにCEWが動きます。CEAは輸入側の審査終了のコードで、輸出のCEEと対になるものです。
外為法の許可が要る貨物は、この手前に電子ライセンスの段階が入ります。輸出者がJAAで申請し、JCAで通関業者を指定し、通関業者がJTA01で裏書し、JTZで突き合わせてからEDCへ進む。NACCSはライセンスの持ち主や裏書の漏れまで確かめてくれますが、許可が要るかどうかを決める該非判定だけは、システムの外で輸出者が自分で引き受ける仕事です。
制度の根拠も一度たどっておく価値があります。輸出通関の骨格は関税法第67条と関税法基本通達67-1-1〜67-1-7に、申告先は関税法第67条の2に、他法令の確認は関税法第70条にあり、NACCSの運営はNACCS法に置かれています。「どこに書いてあるか」を知っておくと、迷ったときに一次情報へ戻れます。
通関の入口で他法令の確認に引っかからないためには、その前段の該非判定と輸出審査を自社で回せる体制が要ります。「うちの製品は規制対象になるのか」「輸出管理の体制をどう整えればいいのか」で迷ったら、TRAFEEDの個別相談で状況をお聞かせください。輸出コンプライアンスの現在地を一緒に整理するところから、お手伝いします。
参考文献・一次情報
Footnotes
-
NACCS(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社)「NACCSとは/事業概要」 https://www.naccs.jp/aboutnaccs/aboutnaccs.html ↩ ↩2
-
税関「Chapter 4 IT化による利便性の向上」(税関パンフレット。NACCSは輸出入申告の約99.9%を電子的に処理。2026年10月4日取得) https://www.customs.go.jp/zeikan/pamphlet/report/pdf/report_005j.pdf ↩
-
NACCS(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社)「会社概要」(平成20年10月1日に株式会社化) https://www.naccs.jp/aboutcenter/summary.html /「会社沿革」(平成29年10月 第6次NACCS稼働開始、令和7年10月 第7次NACCS稼働開始) https://www.naccs.jp/aboutcenter/history.html ↩ ↩2
-
電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(昭和52年法律第54号)/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/352AC0000000054 ↩
-
関税法(昭和29年法律第61号)第67条・第67条の2・第70条・第72条/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000061 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
関税法基本通達(昭和47年3月1日蔵関第100号)第6章第1節 一般輸出通関 67-1-1〜67-1-7(税関PDF) https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kihon/TU-S47k0100-s06-01~02.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
NACCSセンター 業務仕様書(第7次NACCS)「3001 EDA 輸出申告事項登録(海上)」 https://bbs.naccscenter.com/system/ref_7nac/docs/2016012900052/ /「3003 EDC 輸出申告(海上)」 https://bbs.naccscenter.com/system/ref_7nac/docs/2016012900090/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
NACCSセンター 業務仕様書(第7次NACCS)「3028 CEW 輸出申告搬入後処理(海上)」 https://bbs.naccscenter.com/system/ref_7nac/docs/2015101600637/ /「3011 CEE 輸出申告審査終了(海上)」 https://bbs.naccscenter.com/system/ref_7nac/docs/2015081200469/ ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
税関「5001 輸出通関手続の概要」(カスタムスアンサー) https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/extsukan/5001_jr.htm ↩ ↩2 ↩3
-
税関「NACCSを使用して行われる輸出入申告に係る開庁時間外の取扱いについて」(区分1・2・3のフロー図) https://www.customs.go.jp/tsukan/naccs-time.pdf ↩ ↩2
-
NACCSセンター 業務仕様書(第7次NACCS)「5017 CEA 輸入申告審査終了(海上)」 https://bbs.naccscenter.com/system/ref_7nac/docs/2015081301524/ ↩
-
税関「輸出入申告官署の自由化について」(2017年10月8日実施) https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/jiyuka.html ↩
-
通関業法(昭和42年法律第122号)第2条/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000122 ↩
-
経済産業省「電子申請(NACCS外為法関連業務)」(第7次NACCSでの変更、電子ライセンスの交付イメージでは通関できない旨、紙交付希望の有無、申請者届出) https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/05_naccs/naccs.html ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
-
NACCSセンター「新規申込(業種:外為法関連業務利用)」 https://bbs.naccscenter.com/nss/7ji-shinki/nyuuryokurei-b/1-3_shinki_bousubsys.pdf /「システム利用料金プラン等について」 https://bbs.naccscenter.com/qanda/docs-keiyaku/2014052100043/ ↩ ↩2 ↩3
-
経済産業省・NACCSセンター「通関業者様向け NACCS外為法関連業務について(2025年10月版)」 https://bbs.naccscenter.com/_files/00157254/gaitame_gyomushiryo.pdf ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
-
NACCS掲示板「輸出許可申請の電子化について(外為法関連業務)」(2022年7月以降 原則電子申請のみ) https://bbs.naccscenter.com/pickup/gaitame.html ↩






