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ホワイト国(グループA)とは?国グループA〜Dの違いとD国の一覧【2026年版】

公開2026-07-07更新2026-10-04濱本 隆太

「ホワイト国」は輸出貿易管理令別表第3の27か国の通称で、2019年からは「グループA」と呼ばれています。グループA〜Dの違い、D国(11か国・地域)の範囲、キャッチオール規制や包括許可との関係、韓国の除外と復帰、米国EARの国グループとの違いを、2026年10月時点の条文で解説します。

ホワイト国(グループA)とは?国グループA〜Dの違いとD国の一覧【2026年版】
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。「ホワイト国」という言葉、2019年の日韓の輸出管理をめぐる報道で初めて目にした方が多いのではないでしょうか。あのとき「ホワイト国から除外」という見出しが連日流れましたが、実はこの言葉、法令のどこを探しても出てきません。正式には輸出貿易管理令の「別表第3に掲げる地域」のことで、経済産業省は2019年8月から「グループA」という呼び方に整理しています1。

対応関係を先に書いておきます。通称が「ホワイト国」、法令上は「輸出令別表第3に掲げる国」、いまの実務上の呼び方が「グループA」。三つとも同じものを指します。今回の改訂では、2026年10月4日時点のe-Govの条文に加えて、2019年と2023年の改正の前後の版も取り寄せ、別表の国名を一つずつ突き合わせ直しました23。輸出管理をこれから学ぶ方が、グループA・B・C・Dの中身と、その区分が許可の要否にどう効くのかを一度で持ち帰れるように書いています。

30秒で読む要点 「ホワイト国」は輸出貿易管理令(輸出令)別表第3に掲げる国の通称で、2019年8月から経済産業省は「グループA」と呼んでいます。2026年10月時点で27か国です。グループDは別表第3の2(国連武器禁輸国・地域の10)と別表第4(イラン、イラク、北朝鮮)に載る国・地域で、重複を除くと11。グループBとCには条文上の一覧がありません。グループAかどうかで変わるのはキャッチオール規制のかかり方と一般包括許可の可否で、リスト規制品は仕向地がどこでも許可が要ります。2025年10月9日からは、グループA向けでもインフォーム通知を受ければ許可が必要です。米国EARの「Country Group D」は47か国・地域を含む、まったく別の表です。

「ホワイト国」の正体は輸出令別表第3の国

まず土台から押さえます。日本の輸出規制の親法は外為法、正式名称は外国為替及び外国貿易法です4。この法律の下に輸出貿易管理令という政令(内閣が定める命令)があり、実務ではこれを「輸出令」と略します2。何を規制するか、どこ向けなら許可が要るかといった具体的なルールは、この輸出令とその別表に書かれています。別表第1・第2を中心とした輸出令の全体像は、輸出貿易管理令とは何か、別表ごとの役割まで解説した記事にまとめています。

輸出令にはいくつかの別表がついていて、そのうち別表第3が、輸出管理を厳格に実施している国のリストです。経産省のガイダンスでは、グループAを「各国際輸出管理レジームに参加し、輸出管理を厳格に実施している国」と整理しています5。国際輸出管理レジームというのは、大量破壊兵器や通常兵器の拡散を防ぐために各国が参加している国際的な枠組みのことです。ここに載っている国は、日本と同じ水準で輸出管理を行う相手として扱われ、後で説明するとおり規制が一段軽くなります。この別表第3の国々を、実務の現場では長らく「ホワイト国」と呼んできました。

では「ホワイト国」であることの実質的な意味は何か。CISTEC(安全保障貿易情報センター。輸出管理の実務情報を発信する機関です6)は2019年の解説で、日本のホワイト国とは「大量破壊兵器関連及び通常兵器関連のキャッチオール規制の適用を免除する国」だと端的に定義しています7。キャッチオール規制は後の章で説明しますが、この一文が本質です。ホワイト国かどうかは、輸出してよいかどうかを決める区分ではなく、規制の網のかかり方を変える区分なのです。

呼び方の変更についても触れておきます。経産省は2019年8月2日、輸出令改正の閣議決定に合わせて国別カテゴリーの呼び方を見直しました。発表資料によれば、それまで実務上「ホワイト国」と呼ばれてきたのは、輸出令別表第3と、運用通達(輸出貿易管理令の運用について)で「い地域①」とされる地域です。これを「グループA」と呼ぶことにしたうえで、法令上の扱いは運用通達上の国別区分に定めるとおりで変更はない、と経産省自身が明記しています1。名前が変わったから制度が変わった、わけではありません。

自社の輸出管理でこうした地域区分を正しく扱えているか不安な方は、まず輸出管理体制の無料診断で現状を確かめてみてください。数分で体制の抜けが見えてきます。

国グループA・B・C・Dの違い

2019年の呼び方の見直しで、経産省は国・地域をA・B・C・Dの4グループに整理しました。定義は経産省の発表資料で次のように示されています18。法令上の根拠と、2026年10月時点の該当国を並べると次のとおりです。

グループ 定義 根拠 2026年10月時点の該当国・地域
グループA 輸出令別表第3に掲げる国・地域(旧ホワイト国) 輸出令別表第3 27か国(アメリカ、英国、ドイツ、フランス、韓国など)
グループB 国際輸出管理レジームに参加し、一定の要件を満たす国・地域(グループAを除く) 運用通達の国別区分 条文上の一覧はなく、経産省は「一定の要件」の中身を公表していない
グループC A・B・Dのいずれにも該当しない国・地域 上記の残り A・B・D以外のすべて
グループD 輸出令別表第3の2または別表第4に掲げる国・地域 輸出令別表第3の2・別表第4 11か国・地域(重複を除く)

グループAは、現行の別表第3に掲げる27か国です。具体的には、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、大韓民国、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国2。欧州の国が多く、アジアでは韓国だけが入っています。e-Govの改正履歴で版ごとに比べると、2023年7月21日施行の版で韓国が戻ってから、2026年6月5日施行の現行版まで、別表第3の国名は一字も変わっていません3。ネットの解説には「グループAは26か国」と書いたものが今も残っていますが、それは韓国が外れていた2019年8月28日から2023年7月20日までの話です。

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D国(グループD)とは

「D国」はグループDの略称で、輸出令別表第3の2または別表第4に掲げる国・地域を指します。別表第3の2は国連武器禁輸国・地域のリストで、アフガニスタン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、イラク、レバノン、リビア、北朝鮮、ソマリア、南スーダン、スーダンの10か国・地域。別表第4はイラン、イラク、北朝鮮の3か国です2。イラクと北朝鮮は両方の表に載っているので、重複を除くとグループDは11か国・地域になります。2019年4月の版と現行版を比べても、この二つの表の中身は変わっていません3。

二つの表は役割が違います。別表第3の2に載っていると、キャッチオール規制で確認しなければならない範囲が広がります。後の章の表で示すとおり、一般国向けなら通常兵器についてはインフォーム通知だけを気にすればよい品目でも、別表第3の2の地域向けでは、輸出者自身が用途と需要者を確かめる要件(客観要件)がかかります(輸出令第4条第1項第4号)2。別表第4のほうは少額特例に効きます。別表第1の5〜13項と15項の貨物で総価額100万円以下なら許可が不要になる特例は、別表第4の3か国向けには使えません(同項第5号)2。少額特例の細かな条件は少額特例・無償特例の解説にまとめています。

誤解のないように書き添えると、グループDという区分は、その国との取引を一律に禁じるものでも、現地の企業を評価するものでもありません。区分が決めるのは、許可が要る場面の広さと、使える特例の範囲です。これとは別に、北朝鮮やロシア、ベラルーシ向けなどには、外為法の輸出の承認による措置がとられています。根拠は輸出令第2条で、国グループとは別の仕組みです2。ロシアやベラルーシはグループDの表には載っていません。グループDかどうかと、承認による措置の対象かどうかは、分けて確かめる必要があります。

グループBとグループC

グループBは「国際輸出管理レジームに参加し、一定の要件を満たす国・地域。ただしグループAを除く」という定義です1。レジームには参加しているけれど別表第3には載っていない、AとCの中間と考えるとイメージしやすいでしょう。2019年に韓国が別表第3から削除された際、韓国はこのグループBに分類されました1。ただ、経産省の発表資料には国名の一覧がなく、「一定の要件」の中身も示されていません。法令上の扱いは運用通達の国別区分によると説明されているだけです1。民間の解説には国名を並べたものもありますが、経産省が一覧を示していない以上、時期によって中身が変わりうる情報として扱うのが安全です。実際に韓国は、2019年から2023年までの4年間だけグループBにいました。この記事ではグループBの国名を断定しません。実務で必要なら、経産省の最新の運用通達の原文で確認してください9。

残るグループCは、A・B・Dのどれにも当てはまらない国・地域です。定義上の残りなので、固有のリストはありません。実務でよく聞かれるので書いておくと、台湾、中国、タイ、ベトナム、シンガポール、インド、メキシコといった日本の主要な取引先は、別表第3にも、別表第3の2・別表第4にも載っていません2。つまりグループAでもDでもない、BかCのどちらかです。キャッチオール規制の上ではどちらも同じ扱いで、ここが「一般国」と呼ばれる層になります。

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グループで変わる二つのこと。キャッチオール規制と包括許可

区分の中身がわかったところで、本題の「だから何が変わるのか」に入ります。効いてくる場面は二つあります。一つ目がキャッチオール規制、二つ目が包括許可です。

キャッチオール規制は、16項の仕向地欄からグループAが外れている

日本の輸出規制は二本立てで考えると理解しやすいです。一つはリスト規制。規制対象の品目リストに載っている貨物や技術は、仕向地がどこであれ経産大臣の許可が必要になる、品目ベースの規制です。リストの読み方は輸出令別表第1の読み方ガイドで解説しています。もう一つがキャッチオール規制で、リストに載っていない品目でも、大量破壊兵器や通常兵器の開発などに使われるおそれがある場合には許可が必要になる、用途と相手で見る補完的な規制です。網から漏れたものをすべて捕まえる、という名前のとおりの仕組みです。

キャッチオール規制の根拠は、輸出令別表第1の16の項です。その仕向地欄には「全地域(別表第三に掲げる地域を除く。)」と書かれています2。カッコ書きに注目してください。グループAは、16項の対象地域から最初から除かれています。CISTECの「キャッチオール規制の適用を免除する国」という定義は、この条文の形を指しています。

ただし、2025年10月9日に施行された見直しで、この「免除」には例外ができました。輸出令第1条第3項が加わり、16項の貨物をグループA向けに輸出する者にも外為法第48条第2項の許可を求める形になったのです。同じ見直しで第4条第2項が置かれ、インフォーム通知を受けていなければこの許可は不要とされています2。経産省は、グループA向けのインフォーム要件は「懸念国等に迂回輸出されるおそれがある場合に限定して適用」すると説明しています10。グループA向けは、輸出者自身が用途や需要者を確かめた結果で許可が必要になる仕組み(客観要件)ではありません。それでも、通知が来れば許可なしには出せません。

見直しでは16項そのものも、特定の品目を並べた16項(1)と、それ以外の16項(2)に分かれました211。輸出令第4条の書き分けを表にすると、仕向地ごとの確認の重さは次のようになります2。

仕向地 16項(1) 特定品目 16項(2) それ以外
グループA(別表第3の27か国) 客観要件はかからない。迂回輸出のおそれがあるとしてインフォーム通知を受けた場合だけ許可が必要 同左
国連武器禁輸国・地域(別表第3の2の10か国・地域) 大量破壊兵器・通常兵器とも、客観要件とインフォーム要件 同左
一般国(上の二つ以外) 大量破壊兵器・通常兵器とも、客観要件とインフォーム要件 大量破壊兵器は客観要件とインフォーム要件、通常兵器はインフォーム要件のみ

客観要件とは、輸出者が用途や需要者を確かめた結果、兵器の開発などに使われるおそれがあると分かった場合に許可が要る、という要件です。インフォーム要件は、経産大臣から許可を申請すべき旨の通知を受けた場合に許可が要る、という要件です。仕向地のグループで、確かめる項目の重さが段階的に変わる。これが地域区分の一つ目の実務的な意味です。改正の経緯はキャッチオール規制の改正まとめに、リスト規制との比べ方はリスト規制とキャッチオール規制の違いに詳しく書いています。

包括許可は、使いやすい一般包括がグループA向けだけ

グループAであることのもう一つの意味が、包括許可です。輸出許可には、取引ごとに一件ずつ申請する個別許可と、一定の範囲の品目と仕向地についてまとめて事前に受けておける包括許可があります。毎週のように同じ製品を同じ国へ出荷する企業にとって、一件ごとの個別申請は現実的ではないので、包括許可が実務の生命線になります。使い分けは個別許可と包括許可の違いの記事で詳しく書きました。

包括許可には、一般包括許可、特別一般包括許可、特定包括許可、特別返品等包括許可、特定子会社包括許可の5種類があります512。地域区分と直結するのは最初の二つです。一般包括許可は、機微度が比較的低い品目について、輸出令別表第3の国、つまりグループA向けに限って包括的に許可する制度で、実務で「ホワイト包括」と呼ばれてきたものです。特別一般包括許可は、別表第3以外の国も含む仕向地と品目の組み合わせを対象にする代わりに、より厳格な自主管理を行う輸出者に付与されます12。使い勝手のいい一般包括はグループA向けに限り、それ以外の地域は管理体制の裏付けを条件にした特別一般包括で、という階段の形です。

もう一点、見落とされやすいのが、包括許可はリスト規制のための制度で、キャッチオール規制には使えないことです12。グループA以外の国向けに16項の貨物で許可が必要になったら、包括許可ではなく個別に許可を取ります。グループAという区分の価値は、キャッチオールの確認が軽く、かつ一般包括許可が使えることにあります。逆に言えば、輸出先のグループを取り違えると、必要な確認を飛ばすか、不要な手続きに時間を溶かすか、どちらかの事故につながります。

ここは私たちの仕事の話を少しだけ。仕向地のグループ確認、該非判定、取引先の確認といった作業は、一つひとつは単純でも、件数が積み上がると担当者の負荷が急速に膨らみます。弊社の輸出管理AIエージェントTRAFEEDは、輸出令別表第1と外為令別表に照らした日本の該非判定の下調べと、判定根拠の整理を支援する道具です。日本の該非判定についてのAI判定精度は95%以上(岡山大学との共同実証、過去審査データ約3万件、2026年3月時点の自社調べ)で、取引先は日本の外国ユーザーリストや米国の統合スクリーニングリストなどと照合します。それでも、最終的な該非判定は貴社の輸出管理責任者が行う、という原則は変わりません。AIは判断の材料を速く揃える係だと考えています。

韓国の除外と復帰が教えてくれること

この地域区分が実際に動いた事例として、近年もっとも大きく報じられたのが2019年から2023年の韓国です。時系列で追うと、制度の動き方がよくわかります。

経産省は2019年7月1日に韓国向け輸出管理の運用の見直しを発表し、7月4日以降、フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目を個別許可の対象にしました13。続いて8月2日に輸出令改正が閣議決定され、令和元年政令第71号として8月7日に公布、8月28日に施行されて、別表第3から大韓民国が削除されます13。これにより韓国向け輸出は一般包括許可が使えなくなり、キャッチオール規制の対象になりました。e-Govで施行日前後の版を比べると、別表第3は27か国から26か国に減っています3。

このとき報道やSNSでは「韓国向けの輸出はすべて個別許可になる」という説明が飛び交いましたが、これは誤解です。経産省の発表資料は、特別一般包括許可は従前どおり適用可能と明記していますし1、CISTECも、ホワイト国から外れて使えなくなる包括許可は一般包括許可だけで、全件が個別許可になるわけでは全くない、と明確に否定しています7。グループAから外れることの効果は、規制の全面的な強化ではなく、一般包括という一番緩い経路が閉じてキャッチオールの網がかかることです。ここを正確に押さえているかどうかで、この分野の解説の信頼度がかなり分かると私は思っています。

その後、2023年3月23日の通達改正で3品目への特別一般包括許可の適用が再開され、日韓の輸出管理政策対話を経て13、2023年6月27日の閣議決定、6月30日公布、7月21日施行の令和5年政令第232号で、韓国は別表第3に戻りました143。一般包括許可が再び使えるようになり、キャッチオール規制の対象からも外れています。除外から復帰まで、およそ4年です。CISTECは復帰の政令案に賛成する意見を出し、混乱の再発を防ぐために日韓の政策対話の継続を求めていました15。

この経緯から引き出せる教訓は二つあります。一つは、グループAという区分は固定リストではなく、政令改正で動くということ。社内資料やWeb記事の「グループA一覧」で止まらず、e-Gov法令検索の現行条文2や経産省の安全保障貿易管理のページ9で最新の状態を確かめる習慣が要ります。もう一つは、別表第3は韓国のためだけの仕組みではないということです。別表第3は長い運用の歴史を持つ汎用的な国別区分で、2019年の出来事はそこからの個別の削除でした。制度の全体像を先に持っておけば、次にどこかの国の扱いが動いたときも、見出しに振り回されずに実務への影響を見積もれるはずです。

米国EARの「Country Group」とは別の表

「D国」を調べていると、英語の「country group d」という言葉に行き当たることがあります。こちらは米国の輸出管理規則(EAR)の国グループで、日本のグループDと名前が似ているので混ざりやすいところです。結論から言うと、両者は別の国の法令が定める別の表で、中身もまったく違います。

EARの国グループは、15 CFR Part 740のSupplement No. 1に定められています16。Country Group Aは、A:1(ワッセナー・アレンジメント参加国)、A:2(ミサイル技術管理レジーム)、A:3(オーストラリア・グループ)、A:4(原子力供給国グループ)と、A:5、A:6の欄に分かれます。Country Group Dは規制理由ごとに、D:1(国家安全保障)、D:2(核)、D:3(化学・生物)、D:4(ミサイル技術)、D:5(米国の武器禁輸国)の5つの欄。Country Group Eは、E:1(テロ支援国)とE:2(一方的禁輸)です。2026年10月1日時点のeCFRで、Country Group Dの表には47か国・地域が載っていて、日本のグループDの11とは規模も選び方も違います16。同じ国がAとDの両方に載ることもあり、たとえば台湾はA:6とD:3の両方に入っています16。D群に載ることは、規制理由ごとに許可の扱いを分けるための区分で、その国・地域や現地の企業の是非を判断したものではありません。日本はA:1からA:5までのすべてに入っていて、D群には入っていません。

比べる点 日本のグループA〜D 米国EARのCountry Group A〜E
根拠 輸出令別表第3・第3の2・第4と運用通達 15 CFR Part 740 Supplement No. 1
分け方 国ごとに一つのグループ 規制理由ごとの欄に印を付ける形で、一つの国が複数の欄に入る
Dの範囲 11か国・地域 47か国・地域(2026年10月1日時点)
主に効く場面 キャッチオール規制、一般包括許可、少額特例 許可例外(License Exception)が使えるかどうかなど

もう一つ大きな違いがあります。日本のリスト規制は仕向地を問わず全地域が対象ですが、米国では規制理由と仕向国の組み合わせごとに許可の要否が決まり、Commerce Country Chartという表で確かめます12。米国の国グループは、その上で許可例外が使えるかどうかを決める物差しとして働きます。区分が動くのは米国も同じで、2026年7月10日施行の規則でアラブ首長国連邦(UAE)がD:3とD:4から外れ、A:5に移りました17。経緯は米商務省のUAE向け輸出規制緩和の解説にまとめています。日本から米国原産品を再輸出する場面では、日本のグループに加えてEARの国グループも見る必要があります。ECCNとCountry Chartの読み方はECCNの調べ方で解説しています。

初版(2026年7月)から変わったこと、変わっていないこと

この記事は2026年7月7日に初版を公開しました。3か月で何が動いたのかを表にまとめます。

項目 初版(2026年7月7日) 現在(2026年10月4日)
グループA(別表第3) 27か国 27か国のまま。2023年7月21日施行の版から変わっていない
グループD(別表第3の2・第4) 10か国・地域と3か国として記載 中身は同じ。重複を除いた11か国・地域と、それぞれの表の効果を追記
グループA向けのキャッチオール 対象外とだけ記載 2025年10月9日から、インフォーム通知を受ければ許可が要る(輸出令第1条第3項)ことを追記
通常兵器キャッチオールの一般国向け インフォーム要件のみと記載 訂正。インフォーム要件のみは16項(2)の場合で、16項(1)の特定品目は客観要件もかかる
e-Govの現行版 記載なし 2026年6月5日施行版。外為法の改正に伴う条文の整理で、国グループに関わる別表は変わっていない
輸出令の英訳 記載なし 日本法令外国語訳データベースの英訳は令和5年政令第164号までの反映で、別表第3に韓国が載っていない
米国EARの国グループ 記載なし UAEが2026年7月10日にD:3・D:4からA:5へ

訂正の一つ目は、通常兵器キャッチオールの書き方です。初版では、一般国向けの通常兵器キャッチオールはインフォーム要件のみと書いていましたが、2025年10月9日施行の見直し以降、そう言えるのは16項(2)の貨物だけです。工作機械や集積回路のような16項(1)の特定品目は、一般国向けでも客観要件がかかります211。もう一つ書き足したのが、グループA向けのインフォーム要件です。「グループA向けにはキャッチオールが適用されない」と書いたままの解説は、いまも少なくありません。

海外拠点や外国人の同僚に別表を見せるときにも、注意点があります。法務省の日本法令外国語訳データベースにある輸出令の英訳は、最終更新が令和5年政令第164号(2023年4月施行)までの反映で、その別表第3(Appended Table 3)には韓国が載っていません18。2023年7月の復帰も2025年10月の見直しも反映されていないので、英訳は理解の補助にとどめ、照合の根拠には日本語の原文を使ってください。

最後に、変わっていないことも書いておきます。区分は動く、という一点です。グループAの27か国も、グループDの11か国・地域も、政令が改正されれば変わります。だからこそ、国名の一覧を覚えるより、e-Govの現行条文と施行日を確かめる手順を社内に持っておくほうが、ずっと役に立つと私は考えています。仕向地のグループ確認から該非判定まで、輸出管理の実務を体系的に立て直したい方は、個別相談でお声がけください。貴社の取引の実態に合わせて、確認の流れのどこを仕組みにできるかを一緒に整理します。機能の概要はTRAFEEDサービスカタログ(PDF)で確認できます。

参考

Footnotes

  1. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました(国別カテゴリーの名称見直しを含む)— 経済産業省 — 2019年8月2日 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  2. 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)第1条・第2条・第4条・別表第1の16の項・別表第3・別表第3の2・別表第4 — e-Gov法令検索(デジタル庁)— 2026年6月5日施行版、2026年10月4日確認 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14

  3. 輸出貿易管理令 改正履歴(令和元年政令第71号:2019年8月7日公布・8月28日施行、令和5年政令第232号:2023年6月30日公布・7月21日施行、令和8年政令第194号:2026年6月5日施行)と各版の別表第3・第3の2・第4 — e-Gov法令検索(デジタル庁)— 各版を当社で比較、2026年10月4日確認 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  4. 外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)— e-Gov法令検索(デジタル庁)— 現行条文 ↩

  5. 安全保障貿易管理ガイダンス[入門編]— 経済産業省 — 第3.0版(2026年3月) ↩ ↩2

  6. CISTEC 安全保障貿易情報センター(公式サイト)— CISTEC ↩

  7. 韓国向け輸出管理の運用の見直しに関連する日本の制度運用についての基礎的解説 — CISTEC(安全保障貿易情報センター)— 2019年8月2日 ↩ ↩2

  8. Cabinet Decision on the Bill for the Partial Amendment of the Export Trade Control Order(New Country Categories for Security Export Control)— 経済産業省(METI)— 2019年8月2日 ↩

  9. 安全保障貿易管理(トップページ)— 経済産業省 ↩ ↩2

  10. 補完的輸出規制(キャッチオール規制)— 経済産業省 — ページ最終更新2025年12月23日 ↩

  11. 補完的輸出規制の見直しについて(2025年10月9日施行)— 経済産業省 — ページ最終更新2026年4月15日 ↩ ↩2

  12. 「安全保障貿易管理」早わかりガイド(包括許可の種類、キャッチオール規制、米国再輸出規制のカントリーチャート)— 日本貿易振興機構(JETRO)— 2024年1月 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  13. 韓国向け輸出管理の運用の見直し(経緯まとめページ)— 経済産業省 — 2023年8月4日最終更新 ↩ ↩2

  14. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました — 経済産業省 — 2023年6月27日 ↩

  15. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令案に対する意見 ―韓国のグループA国(旧ホワイト国)への復帰について — CISTEC — 2023年5月29日 ↩

  16. 15 CFR Part 740, Supplement No. 1 "Country Groups" — eCFR — 2026年10月1日時点の最新版で確認 ↩ ↩2 ↩3

  17. Enhanced Favorable Treatment for the United Arab Emirates Under the Export Administration Regulations(91 FR 43034、2026年7月14日掲載・7月10日施行)— Federal Register ↩

  18. Cabinet Order on Export Trade Control(輸出貿易管理令の英訳。最終更新は令和5年政令第164号)— 日本法令外国語訳データベース(法務省)— 2026年10月4日確認 ↩

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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BIS 50%ルール(Affiliates Rule)対応チェックリスト(記入式・2026年版)

米国BISの50%ルール(Affiliates Rule)に備える、輸出管理担当者向けの記入式チェックリスト。名簿に載った企業の持分の合算・リストをまたぐ合算・所有の連鎖・最も厳しい規制の原則という4つの仕組み、ちょうど50%は対象で50%未満も「安全」とは言えない理由、停止中のものといま効いているものの区別、資本関係のデータが途切れる場所、範囲の決定から体制づくりまでの6段階の準備を収録。用語の超入門つき。停止規則は「将来の延長がなければ2026年11月9日に終わる」と条件付きで、米中は2026年9月に2027年1月10日までの延長を発表しましたが、2026年10月5日時点で米国の連邦官報には延長の規則が載っていません。延長される場合・されない場合・規則が修正される場合のどれでも無駄にならない形にしています。米国連邦官報(90 FR 47201・90 FR 50857)・15 CFR・中国商務部の公表にもとづく。規制リストへの掲載は規制上の区分であり企業の是非判断ではありません。最終判断は貴社の輸出管理責任者と当局の最新の公表を正としてください。

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