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ECCN番号一覧・カテゴリ別早見表|0〜9カテゴリ×A〜Eプロダクトグループと規制理由コード(NS/MT/AT)の読み方【2026年版】

2026-07-06濱本 隆太

ECCN(輸出管理分類番号)の5文字を、カテゴリ0〜9とプロダクトグループA〜E、規制理由コード(NS・MT・AT等)に分解して読み解く早見表です。15 CFR 738.2の一次情報をもとに、3A090や5A002などAI・半導体で頻出のECCN実例、EAR99の扱い、番号の調べ方と該非判定の実務までまとめました。

ECCN番号一覧・カテゴリ別早見表|0〜9カテゴリ×A〜Eプロダクトグループと規制理由コード(NS/MT/AT)の読み方【2026年版】
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。輸出管理の現場で最初につまずくのが、この「5A002」や「3A090」といった暗号のようなECCNの読み方です。ECCN(Export Control Classification Number、輸出管理分類番号)は米国の輸出管理で品目を特定する背番号のようなもので、たった5文字の中に、その品目がどの分野に属し、なぜ規制されているのかが畳み込まれています。

裏を返せば、この5文字の分解の仕方さえ体に入れておけば、初見のECCNでも「だいたいこういう性質の品目だ」と当たりをつけられるようになります。本稿は、カテゴリ0〜9とプロダクトグループA〜E、そして規制理由コードを一枚の早見表として手元に置けるように整理したものです。数字や制度の内容はすべて15 CFR 738.2などの一次情報にあたって書いていますが、規制は改定が続く分野なので、実務で使うときは必ず最新のeCFR原文で裏を取ってください。番号の構造を体系立てて学びたい方は、姉妹記事のECCN分類の基本ガイドとあわせて読むと理解が早いはずです。

ECCNの5文字はどう読むのか

ECCNは5文字の英数字でできています。並びには意味があって、頭から順に分解していくのが読み方の基本です。先頭の1桁がCCL(Commerce Control List、商務省規制リスト)のカテゴリを表す0から9までの数字、その直後の1文字がプロダクトグループを表すAからEまでのアルファベット、続く2桁目と3桁目がその項目に紐づく規制理由の種類、そして末尾の1桁が同じグループ内での通し番号です[^1]。公式の解説でも例に挙がる「3A001」を分解すると、3がカテゴリ(電子機器)、Aがプロダクトグループ(装置・アセンブリ・部品)にあたり、電子機器の分野の装置類だとひと目で見当がつきます。

CCL本体は、EAR(Export Administration Regulations、米国輸出管理規則)の中の15 CFR Part 774の補足1に収められています。EAR自体は15 CFRのPart 730から774までの一群で、CCLの各項目に共通して効く一般技術ノートやソフトウェアノートは同Part 774の補足2に置かれています[^13]。つまりECCNは、この分厚い規則集の中で個々の品目に振られた住所のようなもので、住所の各桁が地区や番地に対応しているとイメージすると腑に落ちやすいでしょう。

ここで押さえておきたいのは、ECCNを特定しただけでは輸出できるかどうかは決まらない、という点です。ある品目を特定のECCNに分類したら、次にそのECCNの「License Requirements(許可要件)」の欄と、仕向地ごとの許可要否を示すCommerce Country Chart(商務省国別表、Part 738の補足1)を突き合わせて、その仕向地向けに許可が要るかを判断します[^14]。番号を当てるのはスタート地点であって、ゴールではありません。この後の判定の流れは、リスト規制とキャッチオール規制を扱ったリスト規制・キャッチオール規制ガイドで詳しく整理しています。

該非判定の属人化を、AIで解消する。

経産省2024年度データによれば、外為法違反の52%は該非判定起因。TRAFEEDなら、判定時間を約7割削減し、判定根拠を構造化データで保存できます。

カテゴリ0〜9×プロダクトグループA〜Eの早見表

まず縦軸にあたるのがカテゴリです。CCLは全体を10のカテゴリに分けています。0が核物質・関連設備・雑品、1が材料・化学品・微生物・毒素、2が材料加工、3が電子機器、4がコンピュータ、5が電気通信と情報セキュリティ、6がレーザーとセンサー、7が航法と航空電子、8が船舶、9が航空宇宙と推進です[^2]。半導体やAI半導体の話題で名前を聞く3や4、暗号製品の5、航空エンジンの9あたりは、日々のニュースにも顔を出すので覚えておくと便利です。

カテゴリ 分野(英語表記の要旨)
0 核物質・施設・設備および雑品
1 材料・化学品・微生物・毒素
2 材料加工
3 電子機器(Electronics)
4 コンピュータ(Computers)
5 電気通信・情報セキュリティ
6 レーザーとセンサー
7 航法・航空電子
8 船舶(Marine)
9 航空宇宙・推進

次に横軸のプロダクトグループです。どのカテゴリも、その内部を5つのプロダクトグループに細分しています。Aが装置・アセンブリ・部品、Bが試験・検査・製造装置、Cが材料、Dがソフトウェア、Eが技術です[^3]。ここが実務で効いてくるところで、同じ半導体という分野でも、完成したチップそのものはグループAに、それを作る製造装置はグループB、設計や製造のノウハウはグループEに散らばります。輸出しようとしているのがモノなのか、装置なのか、ソフトなのか、それとも技術情報なのかで、当たるべきECCNの2文字目が変わるわけです。

グループ 対象(英語表記の要旨)
A 装置・アセンブリ・部品
B 試験・検査・製造装置
C 材料
D ソフトウェア
E 技術

カテゴリ5だけは、少し特別な内部構造を持っています。5は2つのパートに分かれていて、パート1が電気通信、パート2が情報セキュリティです。たとえば5A001が電気通信のシステムや装置、部品を、5A002が情報セキュリティ、つまり暗号のシステムや装置を対象にしています[^8]。カテゴリとプロダクトグループが同じでも、末尾の番号の違いで扱う品目がまったく変わる好例です。この縦横のマトリクスに、後で説明する規制理由コードが重なって、ようやく1つのECCNが立ち上がります。

規制理由コード(NS・MT・ATなど)の読み方

ECCNの2桁目と3桁目が規制理由の種類を示す、と先ほど書きました。この「なぜ規制するのか」を表すのが規制理由コード(Reasons for Control)です。15 CFR 738.2(d)に列挙されている公式のコードは14種類あります。ATが反テロ、CBが化学・生物兵器、CCが犯罪防止、CWが化学兵器禁止条約、EIが暗号関連品目、FCが銃器条約、MTがミサイル技術、NSが国家安全保障、NPが核不拡散、RSが地域安定、SSが供給不足、UNが国連禁輸、SIが重要品目、SLが盗聴機器です[^4]。ネット上のまとめではこの一覧が微妙に欠けていることがあり、特にUN(国連禁輸)が抜け落ちやすいので、原文の14種類で確認する癖をつけるのがおすすめです。

コード 規制理由
AT 反テロ(Anti-Terrorism)
CB 化学・生物兵器
CC 犯罪防止(Crime Control)
CW 化学兵器禁止条約
EI 暗号関連品目(Encryption Items)
FC 銃器条約(Firearms Convention)
MT ミサイル技術
NS 国家安全保障(National Security)
NP 核不拡散
RS 地域安定(Regional Stability)
SS 供給不足(Short Supply)
UN 国連禁輸
SI 重要品目(Significant Items)
SL 盗聴機器(Surreptitious Listening)

このコードが、仕向地との突き合わせで実際の許可要否につながります。Commerce Country Chartの各列の見出しには、規制理由ごとに列の名前と番号が振られていて、たとえば「CB Column 1」のように表記されます[^5]。ECCNのLicense Requirements欄で「この品目はNSとMTで規制されている」と分かったら、国別表のNSの列とMTの列を横に見て、仕向地の行に丸が付いているかを確かめる。丸が付いていれば、その規制理由に基づいて許可が必要という読み方です。個々の規制理由の背後にある許可方針そのものは、EARのPart 742で詳しく定められています。

ひとつのECCNが複数の規制理由を背負っていることは珍しくありません。国家安全保障とミサイル技術の両方で規制される品目なら、どちらか一方でも仕向地に丸が付けば許可が要ります。逆に、規制理由と仕向地の組み合わせによっては許可不要のこともあるので、コードを読み飛ばして「規制品だから全部ダメ」と早合点しないことが大切です。規制の強さは、品目そのものだけでなく、どの理由で、どこへ、という三点セットで決まります。

AI・半導体で頻出のECCN実例

ここからは、近年のニュースでよく登場するECCNを具体的に見ていきます。まず電子機器のカテゴリ3では、3A001が公式解説でも例示される電子機器の装置・部品類にあたり、ECCNの読み方を学ぶ入口としてよく引かれます[^1]。そして今、輸出管理の議論の中心にいるのが3A090です。3A090は先端コンピューティング向けの集積回路を対象としていて、GPU、テンソル処理ユニット(TPU)、ニューラルプロセッサ、インメモリプロセッサ、画像やテキストのプロセッサ、コプロセッサやアクセラレータ、アダプティブプロセッサ、FPLD、ASICといった広い範囲を含みます。中でも3A090.aは、集積回路の「total processing performance(総処理性能、TPP)」が4800以上のものに適用されます[^10]。この4800というしきい値は2025年1月時点で示された値で、性能指標のしきい値やサブ項目の構造は改定が続く領域です。実務で数値を使うときは施行日付きで最新の原文を確認してください。

3A090のチップを組み込んだコンピュータは、カテゴリ4のコンピュータに移って4A090として捉えられます[^10]。つまり、チップ単体はカテゴリ3、それを積んだ計算機はカテゴリ4という具合に、同じAI半導体でも品目の形が変わればカテゴリをまたいで番号が動くわけです。ここに、AI半導体の輸出管理がなぜ複雑になりがちかの一端が表れています。

半導体を作る側の装置も規制の対象です。製造装置はプロダクトグループBに集まり、3B001、3B002、3B090、3B611、3B991、3B992といった番号が並びます。2022年10月のBIS規則では、これらのECCNに記載された部品・コンポーネント・装置を中国で開発・製造するために用いる品目について、用途やエンドユーザーを問わず輸出・再輸出・移転に許可を要求する枠組みが導入されました[^11]。エンドユースを問わない、という点が従来の発想と大きく違うところで、この考え方は後の先端半導体規制にも引き継がれています。米中の規制の時系列を俯瞰したい方は、米中AI半導体規制カレンダーで流れを追えます。

先端コンピューティングをめぐっては、制度が短期間で動いた点にも触れておきます。2025年1月にいわゆる「AI Diffusion(AI拡散)フレームワーク」が導入されましたが、その遵守日とされた2025年5月15日を前に、BISは同年5月12日から13日にかけてこのルールの撤回を発表しました。当面はレッドフラグを含む政策ガイダンスに置き換え、代替となる規則は今後発出するとしています。一方で、3A090や4A090といった先行の先端コンピューティング規制はそのまま残りました[^12]。撤回されたのは拡散フレームワークであって、チップそのものへの規制が消えたわけではない、という区別が実務では効いてきます。この撤回後のBISのガイダンスの読み方は、BIS先端コンピューティングとD5ガイダンスで掘り下げました。

暗号製品のカテゴリ5パート2も、間違えやすい代表格です。5A002は情報セキュリティを主たる機能とする品目を対象にしていて、単に「暗号を使っている」だけでは自動的に5A002になるわけではありません。カテゴリ5パート2のNote 3、いわゆるマスマーケットノートに該当する品目は、5A002ではなく5A992や5D992に振り分けられます[^9]。市販のスマートフォンやアプリのように広く一般に売られる暗号製品の多くは、この分岐で5A992側に落ちます。最後に、暗号や半導体とは畑違いですが、カテゴリ9の9A001は航空用ガスタービンエンジンを対象としていて[^15]、先頭の数字と文字が品目を分野とグループに一気にマッピングする様子が分かりやすい例になっています。

番号の調べ方と該非判定の実務

では自社の製品はどのECCNなのか。BISは調べ方を3つ示しています。ひとつは製造者や開発者に問い合わせること。他社製の部品を組み込んでいる場合は、この確認が一番早いことが多いです。ふたつめは、CCLのOrder of Review(レビューの順序)に沿って自分で分類する自己分類。みっつめは、SNAP-Rというシステム経由でBISに正式な分類請求を提出する方法で、EAR 748.3条に基づく手続きです[^7]。確信が持てないまま出荷して後から誤分類が判明すると重いので、判断に迷うなら正式請求で白黒つけるのが結局は安全だと考えています。

そして忘れてはいけないのがEAR99です。EARの対象ではあるが、CCLのどのECCNの記載にも当てはまらない品目は、EAR99という区分に落ちます。EAR99の品目は多くの状況で許可不要ですが、懸念のあるエンドユーザーや用途、仕向地に向かう場合には許可が必要になることがあります[^6]。「うちの製品はEAR99だから輸出管理は関係ない」という思い込みが一番危うい、というのが現場感覚です。番号がリストに載っていないことと、どこへでも自由に出せることは、まったく別の話です。

こうした該非判定は、扱う品目が増えるほど人手では回らなくなります。ECCNの5文字を分解し、規制理由コードを国別表と突き合わせ、EAR99なら今度はエンドユーザーや用途を確認する。この一連の流れを製品ごと、取引ごとに繰り返すのは、地道でミスの出やすい作業です。弊社が提供している輸出管理AIエージェントTRAFEEDは、まさにこの反復をAIで支えるために作りました。経済産業省の基準に準拠しつつ、貨物や技術の該非判定、リスト規制やキャッチオール規制の判定、取引先やエンドユーザーのスクリーニングを一気通貫でこなします。米国のECCNと日本の輸出令別表の対応関係を整理しながら判定を進められる点も、実務ではありがたいはずです。

最後にひとつだけ。ECCNは覚えるものというより、正しく引くものです。番号の構造を頭に入れておけば、初見のECCNでも分野と規制理由の見当がつき、原文のどこを読めばいいかが分かる。逆に、丸暗記に頼ると改定に取り残されます。自社の主力製品がどのカテゴリとグループに属し、どんな規制理由を背負っているのか、この機会に一度棚卸ししてみてください。品目ごとの該非判定を仕組みとして回したい方は、個別相談からお声がけいただければ、TRAFEEDでの進め方を具体的にお見せします。

参考

[^1]: 15 CFR 738.2 - Commerce Control List (CCL) structure(ECCNは5文字、先頭桁がカテゴリ、続く文字がプロダクトグループ、例3A001)— Cornell Legal Information Institute / eCFR — 2025 [^2]: 15 CFR 738.2 - CCLの10カテゴリ(0核物質〜9航空宇宙・推進)— Cornell Legal Information Institute / eCFR — 2025 [^3]: 15 CFR 738.2 - 5つのプロダクトグループ(A装置・部品〜E技術)— Cornell Legal Information Institute / eCFR — 2025 [^4]: 15 CFR 738.2(d) - Reasons for Control(AT/CB/CC/CW/EI/FC/MT/NS/NP/RS/SS/UN/SI/SLの14種)— Cornell Legal Information Institute / eCFR — 2025 [^5]: Supplement No. 1 to Part 738 - Commerce Country Chart(各列が規制理由ごとの列名と番号、例CB Column 1、方針はPart 742)— Cornell Legal Information Institute / eCFR — 2025 [^6]: Classify Your Item(EAR99の定義と許可要否)— Bureau of Industry and Security (BIS), U.S. Department of Commerce — 2025 [^7]: Classify Your Item(ECCN特定の3つの方法、SNAP-Rと748.3条)— Bureau of Industry and Security (BIS), U.S. Department of Commerce — 2025 [^8]: Category 5 Part 1 - Telecommunications(カテゴリ5はパート1電気通信・パート2情報セキュリティ、5A001と5A002)— Bureau of Industry and Security (BIS) — 2024 [^9]: 5A002 a.1-a.5 / Encryption controls(5A002.aは情報セキュリティが主機能、Note 3該当品は5A992/5D992へ)— Bureau of Industry and Security (BIS) — 2025 [^10]: Implementation of Additional Due Diligence Measures for Advanced Computing Integrated Circuits(3A090の対象と3A090.aのTPP4800、4A090)— BIS / Federal Register — 2025年1月16日 [^11]: Implementation of Additional Export Controls: Certain Advanced Computing and Semiconductor Manufacturing Items(3B001等の製造装置を中国で用いる場合の許可要求)— BIS / Federal Register — 2022年10月13日 [^12]: Department of Commerce Announces Rescission of Biden-Era Artificial Intelligence Diffusion Rule(2025年5月12〜13日にAI拡散ルール撤回、3A090/4A090規制は存置)— Bureau of Industry and Security (BIS) — 2025年5月13日 [^13]: 15 CFR Part 774 - The Commerce Control List(CCLは補足1、一般技術・ソフトウェアノートは補足2、EARは730〜774)— eCFR / BIS — 2025 [^14]: Commerce Control List Overview and the Country Chart(ECCNのLicense Requirements欄と国別表の突き合わせ)— Bureau of Industry and Security (BIS) — 2025 [^15]: Commerce Control List Category 9 - Aerospace and Propulsion(9A001は航空用ガスタービンエンジン)— Bureau of Industry and Security (BIS) — 2024

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