こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。
協会や士業会、学会の支部で研修を担当している事務局の方に、先に一つだけ聞いてみたいことがあります。研修1回あたりの仕事のうち、講師との調整や会場の手配ではなく、お金と名簿の突き合わせに使っている時間はどれくらいでしょうか。
申込は専用フォームやメールで受け、参加費は銀行振込でお願いし、入金があったら表計算ソフトの受講者一覧に印をつける。振込名義が会社名で届けば申込者と照らし合わせ、締切を過ぎても入金がない人には催促のメールを送る。当日は紙の名簿で受付をして、終わったら受講証明書をワードで1枚ずつ作る。これを年に10回、20回と繰り返している団体は少なくないはずです。
この記事では、その流れを「申込と決済を一度に受ける」ところから組み直します。会員と非会員の料金、キャンセルと返金、当日の出席記録、受講証明書、そして年間の段取りまで、事務局がそのまま使えるひな形とチェックリストを付けました。3,000円の研修を50名、年12回開いたときの手取りも、実際の料金条件から計算しています。参加費の手数料を自分の条件で試したい方は、イベント手数料計算ツールも使ってみてください。
研修事務局の仕事は、なぜお金の照合に食われるのか
研修の運営がイベント運営と違うのは、同じ事務局が、同じ形の催しを、毎年何度も開くことです。単発のセミナーなら多少手作業が多くても1回で終わりますが、研修は年間計画に沿って繰り返されます。手作業の手間は回数の分だけ積み上がります。
繰り返しが止まらない背景には、資格を持つ人に研修の受講を求める制度があります。税理士法第39条の2は、税理士に対して所属税理士会と日本税理士会連合会が行う研修を受けて資質の向上を図るよう求めています1。日本税理士会連合会の会則はさらに踏み込んで「研修を受けなければならない」と定め、前年度の研修受講時間を日税連のホームページで公開すると規定しています2。近畿税理士会は、税理士は毎年36時間以上の研修を受ける必要があると案内しています3。それでも令和4年度の受講義務の達成率は速報値で69.2%でした4。3割ほどが時間を満たせていない計算で、日税連自身も同じ報告の中で研修の受講機会の拡大を課題に挙げています。受けやすい研修の需要は、まだ埋まっていないということです。
公認会計士も同じ構造です。公認会計士法第28条は日本公認会計士協会が行う研修の受講を定め5、協会のCPD制度では直前3事業年度で合計120単位以上、当該年度に20単位以上の履修が求められます。未達成の場合は履修指示や氏名の公示などの措置があると協会自身が説明しています6。
受講者にとっては義務や要件を満たすための研修で、主催する団体にとっては年間を通じて途切れない事業です。ここで事務局の手を止めているのが、申込と入金が別々の経路で届くことです。申込はフォームで、お金は銀行口座で受けているので、2つをつなぐ作業、つまり入金消込が毎回発生します。振込名義は申込者の氏名ではなく所属事務所や会社名で届くこともあり、同姓の申込者がいれば確認の連絡が必要になります。
振込には受講者側の負担もあります。三菱UFJ銀行のネットバンキングで他行あてに3万円未満を振り込むと154円かかります7。3,000円の参加費なら5.1%です。受講者は手数料を払い、事務局は照合に時間を払っている。どちらも得をしていない形だと私は考えています。
申込と決済を一度に受け、会員と非会員の料金を分ける
解決の方向ははっきりしています。申込の画面で参加費まで払ってもらうことです。申込とお金が最初から同じレコードに入るので、消込という作業が発生しません。未入金の人は申込が完了しないので、催促も要りません。
TIMEWELL BASEで研修ページを作る場合の流れを、事務局の作業として並べてみます。研修名、日時、会場かオンラインか、定員、申込期限とキャンセル期限を入れ、チケットを設定し、申込フォームに必要な設問を足します。当社ではイベントページが60秒ほどで完成すると案内していて、告知文の下書きはAIに相談できます8。
会員と非会員の料金は、1つの研修ページに複数のチケットを並べることで分けられます。「会員 3,000円」「非会員 5,000円」のようにチケットを2種類作り、それぞれに価格と販売期間、在庫(定員の配分)を設定します9。申込フォームには会員番号や資格の登録番号を入れる設問を必須で置いておきます。
ここで正直に書いておくと、BASEが団体の会員名簿と自動で照合して「この人は本当に会員か」を判定するわけではありません。照合は団体側で行います。申込一覧はCSVで出力できるので、名簿と会員番号を突き合わせれば、非会員が会員価格で申し込んだケースは拾えます9。もう一つのやり方は、会員にだけ割引コードを配る方法です。クーポンは割引率か定額かを選べて、使える枚数や有効期限、対象のチケットも決められます10。会報や会員向けメールにコードを載せておけば、一般向けには非会員価格だけを見せられます。
支払い方法はカード決済が基本で、条件を満たす研修ではコンビニ払いも選べます11。法人カードで払いたい受講者、現金で払いたい受講者の両方を受けられます。手数料はカード決済で売上の4.8%、コンビニ払いは4.8%に注文1件あたり120円が加わります。受講者に上乗せされる手数料はありません12。
一点、事前に確認しておいてほしいのが領収書です。カード決済のあとは、Stripeから「TIMEWELLからの領収書」が受講者にメールで届きます13。団体名義の領収書や請求書を求める受講者がいる場合、それを団体側で出す必要があるかどうかは、経理の担当者や顧問税理士と先に決めておくと当日慌てません。請求書払いにしか対応できない法人の受講者が一定数いる団体では、その人たちだけ従来の振込で受ける、という併用も現実的です。領収書とインボイスの扱いは有料セミナーの参加費の集め方で詳しく書いています。
キャンセルと返金は、期限の置き方で決まる
研修のキャンセル対応で揉めるのは、ほとんどが「いつまでなら返金するのか」が曖昧なときです。返金の締切を研修日の数日前に置き、その日までは全額返金、以降は返金しない。この形がいちばん運用しやすいと考えています。
BASEでは研修ページごとに申込期限とキャンセル期限を設定でき、キャンセルポリシーはテンプレートから選ぶか自分で書けます8。返金は事務局が参加者管理の画面から、全額でも一部でも処理できます14。
実務で知っておきたい点が3つあります。1つ目は、キャンセルと返金が別の操作になっていることです。チケットをキャンセルしても自動では返金されず、返金しても参加はキャンセルされません14。「返金はするが、欠席扱いにはしない」のような柔軟な扱いもできる反面、片方だけ処理して終わらないよう手順書に両方書いておくのが安全です。
2つ目は、返金にも手数料がかかることです。カード決済の返金は返金額の4.8%、コンビニ払いの返金は1件275円が主催者の負担です12。3,000円の参加費を全額返すと144円が団体側に残ります。年に何件キャンセルが出るかを見て、キャンセル規定に事務手数料を入れるかどうか判断してください。
3つ目がいちばん大事で、売上の振込処理が始まると返金できなくなります14。チケット売上はイベント終了後5営業日以内に振り込まれるので12、キャンセル期限は研修日より前に置くのが基本です。研修そのものを中止した場合も、中止の操作で返金が自動で行われるわけではなく、別途返金の処理が必要です15。
出席の記録と受講証明書
研修が普通のイベントと違うのは、「来た」ことに証明の価値がある点です。受講者は受講時間や単位を所属団体に申告したり、勤務先に報告したりします。事務局は出席の記録を正確に残し、それを受講証明書に落とす必要があります。
会場で開く研修なら、受付をQRコードにすると記録が自動で残ります。申込者にはチケットとしてQRコードが発行され、当日は事務局のスマートフォンのカメラか、USBやBluetoothでつないだバーコードリーダーで読み取ります16。紙の名簿に丸をつける受付より速く、誰が何時に受付を済ませたかがそのまま残ります。研修後はチェックイン率や、参加予定・参加完了・キャンセル・無断欠席の内訳を画面で確認できます17。
一方で、BASEが受講証明書を発行したり、会員ごとの年間受講時間を積み上げて管理したりする機能は、当社では案内していません。受講時間や単位の数え方は資格ごとの団体規則で決まるので、そこは団体側の仕組みで持つのが筋だと考えています。出席データを参加者一覧のCSVで出し、証明書の差し込み印刷や団体の受講記録台帳に流す、という分担が現実的です。オンライン研修の受講確認も、事後アンケートの提出を修了の条件にするなど、団体のルールで決めておきます。BASEには事後アンケートを設計して配信する機能があります8。
以下は、団体がそのまま手直しして使える受講証明書のひな形です。
受講証明書
証明書番号:(例)2026-研-012-0034
氏名:____________ 様
会員番号・登録番号:________
下記の研修を受講したことを証明します。
研修名 :____________________
開催日時 :20__年__月__日(_)__:__〜__:__
開催形式 :会場(会場名:______)/オンライン配信
受講時間 :__時間__分(遅刻・早退を除いた実受講時間)
講師 :________
受講確認 :当日受付記録(受付時刻 __:__)および事後アンケート提出
備考:
・本研修が貴殿の所属団体の研修時間・単位として認められるかは、
所属団体の規則によります。申告の要否は所属団体にご確認ください。
・(自団体で単位を付与する場合)本研修の付与単位:__単位
20__年__月__日
(団体名)
(代表者の役職・氏名) 印
(事務局連絡先)
書き方のポイントは、受講時間を「実受講時間」で書くことと、単位の扱いを団体側と受講者側で書き分けることです。研修時間を所属団体に申告する資格では、遅刻や早退をどう数えるかで問い合わせが来ます。受付時刻を記録しておけば、根拠を示して答えられます。証明書番号は「年度、研修番号、受講者の連番」のように決めておくと、再発行の依頼にも台帳から探して答えられます。
3,000円×50名×年12回で、手元にいくら残るか
ここからは数字です。参加費3,000円の研修を定員50名で年12回開くと、売上は1回15万円、年間180万円になります。この売上から、決済や振込の費用を引いて手元に残る金額を比べました。条件は2026年9月28日に各サービスの公式料金ページで当社が確認したもので、全員がカードで支払い、キャンセルはない前提です。サービス名は伏せ、料金の型で並べています。
| 料金の型 | 1回の手数料 | 1回の振込費用 | 1回の手取り | 年間の手取り |
|---|---|---|---|---|
| TIMEWELL BASE(Free・月額0円) | 7,200円 | 200円 | 142,600円 | 1,711,200円 |
| TIMEWELL BASE(Lite・月額2,980円) | 7,200円 | 200円 | 142,600円 | 1,675,440円 |
| 率+固定費型(4.8%+1申込99円、振込1回210円) | 12,150円 | 210円 | 137,640円 | 1,651,680円 |
| 率+固定費+月額型(6.1%+1枚99円、月額1,650円) | 14,100円 | 記載なし | 135,900円 | 1,611,000円 |
| 定率型(8%) | 12,000円 | 記載なし | 138,000円 | 1,656,000円 |
| 決済リンク型(3.6%、振込無料) | 5,400円 | 0円 | 144,600円 | 1,735,200円 |
BASEの振込費用は、振込手数料が主催者負担で銀行によって異なるため、目安の200円で計算しています。研修1回ごとに振り込まれるので、年12回なら振込も12回です。「記載なし」は公式の料金ページに振込条件が書かれていなかったもので、実際の手取りはこの表より少なくなる可能性があります。
表から読み取ってほしいことは2つです。1つ目は、1申込ごとの固定費が参加費3,000円の研修では重いことです。99円は3,000円の3.3%にあたり、率だけを比べると見落とします。
2つ目は、決済リンク型はBASEより安いことです。お金を受け取るだけならこちらが有利で、ここは隠さずに書いておきます。ただし決済リンク型には、申込フォーム、定員管理、QRコードでの受付、参加者への一斉メール、キャンセルと返金の管理がありません。研修の運営に必要なそれらを別の道具で補うなら、その手間まで含めて比べるのが公平だと思います。
プランの選び方にも触れておきます。料金ページでは、Freeで同時に扱えるイベント(アクティブイベント)は2件、Liteは5件、Proは100件です。参加者へのメール配信はFreeにはなく、Liteで月2,000通、Proで月5万通です12。先の2〜3回分の申込を同時に受け付け、受講者にリマインドや案内メールを送るなら、Liteが現実的でしょう。それでも年間の手取りは表のとおり率+固定費型を上回ります。
銀行振込で受けた場合は、団体に入る金額が満額になる代わりに、受講者が振込手数料を払い、事務局に照合と催促の時間が残ります。この時間は団体によって違うので、1回の研修で消込と催促にかかった時間を一度測ってみてください。その時間に担当者の時間単価を掛けた金額が、振込の本当のコストです。
会員管理システムとの使い分けと、年間の段取り
研修の申込を仕組み化しようとすると、会員管理システムの導入が選択肢に上がります。会員データベース、年会費の請求、会員マイページ、受講履歴や単位の管理、証明書の発行までを1つにまとめた製品で、規模の大きな団体には合っています。反面、導入には名簿の移行や画面の設定が必要で、月額の固定費もかかります。年に数回しか研修を開かない団体や、支部単位で動く事務局には重い道具です。
BASEが向いているのは、**「来月の研修の申込ページを、今日中に立ち上げる」**使い方です。前回の研修を複製すれば、日時とタイトルを直すだけで次回のページが下書きとして作られます。参加者のデータは引き継がれないので、毎回まっさらな状態から受け付けられます18。会員名簿や年間の受講記録は既存の仕組みに置いたまま、申込、決済、受付だけをBASEに任せる。私はこの分担がいちばん無理がないと考えています。
最後に、年間の研修運営のチェックリストを置いておきます。年度初めに一度作れば、あとは毎回同じ順番で回せます。
【年度初め(年1回)】
□ 年間の研修計画(テーマ・日程・会場・講師)を確定する
□ 参加費を決める(会員価格・非会員価格・学生などの区分)
□ キャンセル規定を決める(返金締切日、返金手数料の扱い)
□ 受講証明書の様式と証明書番号の付け方を決める
□ 領収書・請求書の扱いを経理・顧問税理士と確認する
□ 1回目の研修ページを作り、「原本」として保存する
【各回:6〜8週間前】
□ 原本を複製し、日時・タイトル・講師・定員を直す
□ チケット(会員・非会員)と販売期間を設定する
□ 申込フォームに会員番号・登録番号の設問を入れる
□ 会員向け割引コードを発行する場合は枚数と期限を決める
□ 研修ページを公開し、会報・会員メールで案内する
【各回:締切前後】
□ 申込一覧を名簿と突き合わせ、会員区分の誤りを確認する
□ 定員に達したら販売を締める。キャンセル待ちの扱いを決める
□ キャンセル期限までの返金依頼を処理する(キャンセルと返金は別操作)
□ 前日までにリマインドメールを送る
【各回:当日】
□ 受付用の端末(スマートフォンまたはQR対応リーダー)を準備する
□ QRコードで受付し、遅刻・早退はメモを残す
□ 事後アンケートの案内を送る
【各回:終了後1週間以内】
□ 参加者一覧をCSVで出力し、受講記録台帳に反映する
□ 受講証明書を発行する(実受講時間・単位の扱いを明記)
□ 売上の振込(終了後5営業日以内)を確認し、会計に計上する
【年度末(年1回)】
□ 会員ごとの年間受講時間・単位を集計する
□ 受講が少ない会員への案内を検討する
□ 参加率・キャンセル率・アンケート結果から次年度計画を見直す
まとめ
- 研修事務局の手作業の多くは、申込と入金が別経路で届くことから生まれる入金消込です
- 申込の画面で決済まで済ませれば、照合と催促はまとめてなくなります
- 会員と非会員の料金は、複数チケットと会員番号の設問、または会員向け割引コードで分けられます
- キャンセル期限は売上の振込処理より前に置き、キャンセルと返金は別々に処理します
- 受講証明書と年間の受講記録は団体側で持ち、出席データをCSVで流し込むのが現実的です
- 3,000円×50名×年12回なら、1申込ごとの固定費がない料金体系のほうが手取りは多く残ります
研修の仕組みを全部入れ替える必要はありません。次の1回だけ、申込と決済を同じページで受けてみて、消込にかかっていた時間がどれだけ減るかを測ってみてください。数字が出れば、残りの11回をどうするかは自然に決まると思います。
研修の年間運営や会員区分の設計を具体的に相談したい方は、TIMEWELL BASEのページをご覧いただくか、お問い合わせからご連絡ください。参加費の手数料の比較はイベントの手数料はどこへ消えるのか、ページづくりの手順はイベントページの作り方にも書いています。
参考文献
Footnotes
-
税理士法(昭和26年法律第237号)第39条の2(e-Gov法令検索)。「税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会が行う研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。」 ↩
-
日本税理士会連合会会則。第65条第1項(研修を受けなければならない。平成26年10月15日変更)、第94条第1項第7号(研修の受講時間及び研修の受講義務の免除に関する記録(前年度分)の公開。平成27年4月23日追加)、同条第3項(本会ホームページへの掲載) ↩
-
税理士になるには?(近畿税理士会)。「税理士は、毎年36時間以上の研修を受ける必要があります。」 ↩
-
令和4年度事業活動概況(日本税理士会連合会)。「令和4年度における税理士の研修受講義務の達成率は、速報値ベースで69.2%となった」 ↩
-
振込手数料一覧(三菱UFJ銀行)。個人のお客さま・ネットバンキングの他行あて3万円未満 ↩
-
イベントを作成する(TIMEWELL BASE ヘルプセンター)。申込・キャンセル期限、定員、申込フォーム、キャンセルポリシー、AIサポート、事後アンケート。60秒でのページ作成は当社のTIMEWELL BASE製品ページによる ↩ ↩2 ↩3
-
料金プラン(TIMEWELL BASE)。2026年9月28日確認。振込手数料(主催者負担・銀行により異なる・目安200円)は当社確認による。他サービスの料金条件は同日に各社の公式料金ページで確認 ↩ ↩2 ↩3 ↩4






