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ホームコラムTRAFEED外為法の改正を初心者向けに解説【2026年2月施行から10月パブコメ案まで】
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外為法の改正を初心者向けに解説【2026年2月施行から10月パブコメ案まで】

公開2026-10-28濱本 隆太
外為法輸出貿易管理令パブリックコメント輸出管理改正該非判定安全保障貿易管理TRAFEED

外為法が数ヶ月後に変わると聞いて、何が変わるのか分からない方へ。2026年2月14日に施行された改正から、10月19日に意見公募が始まった改正案まで、経産省の原文で確認できた事実だけを、用語の説明つきで時系列に整理しました。公布から施行までの期間の実例も載せています。

外為法の改正を初心者向けに解説【2026年2月施行から10月パブコメ案まで】
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こんにちは、株式会社TIMEWELLの濱本です。

「外為法が数ヶ月後に変わるらしい。パブコメも出ているようだけれど、結局、何がどう変わるのか分からない」。そう感じている方は多いのではないでしょうか。無理もないと思います。外為法の改正は、法律の名前だけが報じられ、中身は政令、省令、告示、通達と、いくつもの文書に分かれて出てくるからです。しかも2026年だけで、2月、6月、8月、10月と、別々の改正が別々の日に動きました。

先に結論を書きます。10月19日に意見公募が始まった改正案は、外為法という「法律」を書き換えるものではありません。その下にある政令・省令・告示・通達の改正案で、内容は大きく3つです。規制対象の品目や技術の追加・見直し、許可を受ける前の支払いの禁止に関する例外の追加、外国向け仮陸揚げ貨物の定義の見直しです。施行のタイミングは、省令案の附則に「公布の日から起算して二月を経過した日」と書かれています。ただし公布の日がまだ決まっていないので、カレンダー上の日付は未定です123。

要点(2026年10月28日時点)

  • 意見公募中の改正案は、外国為替令と輸出貿易管理令を改める政令案、貨物等省令の案、告示の案、通達の案の組み合わせ。受付は2026年11月18日(水)必着
  • 中身は「品目・技術の追加や見直し」「承認等前決済の禁止の例外の追加」「外国向け仮陸揚げ貨物の定義の見直し」の3本柱
  • 省令案の施行は「公布から2ヶ月を経過した日」、告示案は「公布の日」。公布の日そのものは未公表。前回(2026年2月施行分)の省令は「公布から3ヶ月」だった
  • 2026年2月14日にはペプチド合成装置など3品目が加わった。外為法本体の改正(対内直接投資)は財務省の別系統で、今回の意見公募とは無関係

2月14日以降にどんな改正が動いたのかは、輸出貿易管理令の改正一覧でも整理しています。この記事では、そこから一歩引いて、初めて外為法に触れる方でも全体の地図が描けるように、原文で確認できたことを順番に書きます。

まず用語の整理:法律・政令・省令・告示・通達の違い

外為法の改正を追うとき、最初のつまずきは「どれが法律の改正で、どれが違うのか」です。日本の規制は、上から下へ、細かさの異なる文書が積み重なってできています。

一番上が法律で、ここでは外国為替及び外国貿易法(外為法)です。国会で決めます。外為法は「国際的な平和及び安全の維持のため、規制対象となる貨物の輸出などについて経済産業大臣の許可を受ける義務を課す」という大きな枠組みを定めていて、どの貨物が対象かまでは書いていません1。

その下の政令は、内閣が決めます。輸出貿易管理令(輸出令)と外国為替令(外為令)がここに当たり、別表第一という長い表に「許可が要る貨物」の大分類が並びます。さらにその下に、経済産業大臣が決める省令があります。貨物等省令は、別表第一の各項に「どんな性能のものか」という仕様、つまり数字の基準を書き込む役割です。そして告示が個別の指定を担い、いちばん実務に近い通達が、用語の解釈や申請書類の扱いを定めます。

料理にたとえると、外為法が「食品の安全を守る」という方針、政令がメニューの大分類、省令が材料ごとの分量、通達が調理場の作業マニュアルです。分量(省令)だけが変わっても、方針(法律)は一文字も変わりません。今回の意見公募もそれと同じで、法律は動かず、下の4種類の文書が動きます。

**パブリックコメント(意見公募)**は、国の機関が政令や省令を決める前に、案を公表して広く意見を集める手続です(行政手続法にもとづきます)。企業でも個人でも出せます。経産省は、いただいた意見を最終的な決定の参考にするとしていて、個別の回答はしないと明記しています1。意見をとり入れて案が直ることもあれば、そのまま公布されることもあります。

2026年2月14日に、何が変わったのか

「今年の2月から」と聞いて思い浮かぶ改正は、おそらくこれです。2025年11月14日に公布され、一部が段階的に施行されたのち、本体が2026年2月14日に施行された、令和7年政令第376号(輸出貿易管理令の一部を改正する政令)などの一式です45。

経産省の説明資料では、改正の柱は4つに整理されています。国際輸出管理レジーム(国際的な合意にもとづく輸出管理の枠組み)の合意などを反映した見直し、無償での持ち帰りを前提とした一時的な武器の持ち出しの特例化、官民対話による技術管理スキームの対象技術の追加、そして輸出許可規制の合理化です4。

いちばん影響が大きかったのは、全地域向けの輸出が許可の対象になる貨物が3つ加わったことです。条文を読むと、ペプチドの合成を行うための装置(別表第一の3の2の項)、「ほぼ等しい割合の複数の元素で構成された合金の粉」(高エントロピー合金の粉)または耐火性のある金属の粉もしくはその合金の粉(5の項)、そして「フィールドプログラマブルロジックデバイスを組み込んだモジュール、組立品又は装置」(7の項)が追加されています6。ペプチドは、アミノ酸がつながった小さな分子です。FPGAは、買った後に利用者が回路の中身を書き換えられるチップのことです。製品の中に入っていれば、該非判定(輸出しようとする貨物が規制対象に当たるかどうかの判断)のやり直しが必要になります。

このほかに、既存の品目でも、2の項の圧力測定器、3の2の項の遠心分離機、5の項の超電導材料や集積回路、10の項のレーザー発振器など、多くの仕様が見直されました。噴霧乾燥器については、東京高裁の判決を踏まえて、省令の「殺菌」を「消毒」に改め、その手法を化学薬剤を使うものに限る整理が行われています。判決は、オーストラリア・グループ(生物・化学兵器の拡散防止を目的とした国際輸出管理レジーム)の合意で定められた内容に従って「殺菌」を解釈するのが合理的だと述べた、と経産省は説明しています7。

規制が緩む方向の改正もありました。国際スポーツ大会に出る選手の銃や弾、警察庁や海上保安庁が要人警護で持ち出す防弾チョッキなど、持ち帰ることが当然の一時的な持ち出しは、許可が不要になりました。政府安全保障能力強化支援(OSA)にもとづく役務の提供、壊れたプログラム記録媒体の同一プログラムの再提供も、許可が不要になっています。防衛装備移転協定を結んだ国に輸出した装備品の維持・補修用の附属品や部品は、包括許可の対象になりました47。

ここで押さえておきたいのは、この1つの改正が施行日の異なる4つの塊に分かれていた点です。

施行日 動いたもの
2025年11月15日 噴霧乾燥器の見直し、持ち帰りを前提とした一時的な武器の持ち出しの特例化、OSA関連の役務の許可不要化、記録媒体の再提供の特例化
2025年12月1日 別表第二の33の項(うなぎの稚魚)の削除など
2026年1月14日 官民対話による技術管理スキームの事前報告の対象技術の追加(4技術)
2026年2月14日 3品目の追加、各項の仕様の見直し、包括許可の拡充

出典は経産省の概要説明資料と、政令の条文・理由です467。政令の附則には「この政令は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する」と書かれていて、ここが次の論点につながります6。

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2月から10月までに、ほかに何が動いたのか

2月14日のあとも、外為法まわりの改正は止まっていません。経産省と財務省の公表をもとに、時系列に並べます。

日付 できごと 所管
2026年1月30日 通達類の改正漏れや誤字を直す改正(公布と同日に施行) 経産省
2026年2月14日 令和7年政令第376号の本体が施行 経産省
2026年6月5日 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律が公布(対内直接投資審査の高度化) 財務省
2026年6月16日 技術管理スキームの事前報告の対象技術を追加する告示を公布(8月16日施行) 経産省
2026年10月9日 対ロシア追加制裁に関する輸出貿易管理令の改正政令などを公布(16日に実施) 経産省
2026年10月19日 外国為替令・輸出貿易管理令の改正案の意見公募を開始(11月18日まで) 経産省

6月16日の告示は、官民対話スキームの対象となる「重要管理対象技術」の追加です。このスキームは、特に流出リスクが高いと考えられる技術を海外に提供する取引の前に、経産大臣へ事前報告を求めるもので、技術の移転を止めることが目的ではなく、官民の対話を通じて適切な管理を徹底することが狙いだと、経産省は説明しています7。意見公募の資料によれば、このとき加わる案だった技術は、ソルダーレジスト、GaN基板、永久磁石、ペロブスカイト太陽電池、シンチレータの5つです8。2025年11月時点で15技術だった事前報告の対象は、1月14日の4技術で19技術になり、さらにこの追加が加わっています7。

10月9日の改正は、対ロシア制裁の一環で、2月の改正とも、これから説明する意見公募中の案とも別物です。経産省は10月6日に、ウクライナ情勢に関する外為法にもとづく追加措置の実施を発表しています9。同じ政令でも、制裁は公布から1週間ほどで実施される一方、品目の見直しは数ヶ月かけて施行されます。この違いは、後で施行日を考えるときのヒントになります。

10月19日に公示された改正案の中身

ここからが本題です。経産省は2026年10月19日に、「外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令案等」の意見公募を始めました。期間は10月19日から11月18日まで、案の対象は政令、省令、告示、通達の4種類です12。意見公募要領は、改正の趣旨を次の3つに整理しています。

1つ目:品目と技術の追加・見直し

要領は「国際輸出管理レジームの合意及び責任ある技術保有国として、国際的な状況を踏まえた改正」と位置づけています1。政令案の新旧対照表から読み取れる変更を、できるだけ平易に書き直しました。

対象(項) 変更の内容
輸出令別表第一 3の2の項 核酸を合成する装置のうち、「核酸と核酸との結合だけを行う装置」を外し、「合成を行う装置」と「合成を結合とともに行う装置」を対象として書き分ける
同 5の項 爆発装置、火工品、推進装置、爆発物などの成型品を製造する装置で、積層造形(いわゆる3Dプリンター方式)用のものを追加
同 6の項 積層造形用の装置から、5の項に入るものを除くと明記(重複を避ける整理)
同 7の項 「サンプリングオシロスコープ」を「リアルタイムオシロスコープ」に変更
同 12の項 「水中用の照明装置」を削除
外為令別表 5の項 無機繊維などを使った成型品の使用に係る技術を追加
同 9の項 伝送通信装置や、簡易爆発装置への対策装置の無線送信装置などの使用に係る技術を追加
同 12の項 潜水艦の使用に係る技術、船舶用の防音装置の使用に係る技術、エアクッション船などの設計・製造に係る技術を追加
同 15の項 簡易爆発装置を妨害する装置などが本来の機能を実行するための使用の技術を追加。あわせて、現行の15の項(二)は削除され、9の項に(二の二)が新設される

出典は意見公募要領と、政令案の新旧対照表です110。ここで「貨物」の規制は輸出令の別表第一、「技術」の規制は外為令の別表に書かれていることに注意してください。機械やモノの輸出に許可が要るのが前者、設計図や技術指導など、技術の提供に許可が要るのが後者です。

省令案には、仕様の中身が書かれています。たとえば5の項に新設される貨物(省令案では「六の二」)は、エネルギー材料から爆発装置、火工品、推進装置、またはそれらの成型品を製造するために設計または改造された積層造形用の装置で、「超音波押出機又は超音波ノズルを一以上有するもの」と定義されています3。モノの名前だけでなく、どんな構造のものまで対象かが省令で決まる、という典型的な例です。

通達案の新旧対照表には、この3本柱の説明には出てこない、用語の解釈の追加や整理も多く含まれています。たとえば、各項に出てくる「部分品」「附属品」の解釈の置き場所を移す整理が随所にあります11。要領の説明と1対1で対応しているのかは、今回の確認範囲では判断できませんでした。自社の製品に関わる項は、新旧対照表を直接見るのが確実です。

2つ目:承認等前決済の禁止の対象から外す項目の追加

名前が難しいので、噛み砕きます。外為法では、許可や承認が必要な取引について、許可・承認を受けないまま代金を支払う、または受け取ることは原則としてできません。ただし、政令で例外が決まっています。外為令第6条第5項は、「許可又は承認を受ける義務が課されている貨物の輸出又は輸入のうち、経済産業大臣が(中略)特に支障がないと認めて告示により指定した」ものについては、この規制の対象外とする、という定めです10。

今回の案は、この例外の入り口に、輸出令第1条第3項に規定する輸出を加えます110。つまり、そうした輸出に係る支払いが、許可を待たずにできるようになる余地が広がる、と読めます。ただし、実際に何が例外になるかは、経産大臣が告示で指定するものだけです。条文だけでは範囲が決まらないので、告示の案も合わせて確認が必要です。

3つ目:外国向け仮陸揚げ貨物の定義の見直し

仮陸揚げ貨物とは、日本の港や空港でいったん荷揚げされるものの、行き先が日本以外の国である貨物のことです。条文は「仮に陸揚げした貨物のうち、本邦以外の地域を仕向地とする船荷証券(航空貨物運送証その他船荷証券に準ずるものを含む。)により運送されたもの」と書いています10。海外から別の海外へ向かう荷物が、乗り継ぎで日本を経由するイメージです。

案は、輸出令第4条第1項第1号にある「外国向け仮陸揚げ貨物」の定義の適用先から、同条第2項第3号を外します。新旧対照表では、現行の「次項第一号及び第三号において」が、改正案で「次項第一号において」に変わっています10。要領は、これを「定義規定の見直し」と呼んでいます1。経由地として日本を通る貨物をどう扱うかに関わる改正なので、航空貨物や海上貨物の通関、フォワーダーの実務に近い方は、新旧対照表の該当部分を読んでおくと安心です。

告示と通達の案

告示の案は、輸出令第4条の「無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物」などの一覧に関するものです。新旧対照表を見ると、本邦から輸出された貨物のうち「本邦において修理された後再輸出されるもの」という項目が、「修理、校正又は検査された後再輸出されるもの」に広がっています。告示は「公布の日から施行する」と書かれています12。要領には、通達案として運用通達、役務通達、提出書類通達、包括許可取扱要領の4本の改正が並びます1。

公布から施行まで何ヶ月かかるのか

「公布から施行まで2ヶ月程度」という感覚は、今回に限ればそのとおりです。意見公募に出ている省令案の附則には、次のように書かれています。

1 この省令は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。 2(準備行為)この省令による改正後の(中略)貨物又は技術について、外国為替及び外国貿易法第二十五条第一項若しくは第三項又は第四十八条第一項の許可を受けようとする者は、この省令の施行の日前においても、当該許可の申請を行うことができる。

出典は省令案の最終ページ(附則)です3。つまり、案どおりに公布されれば、貨物と技術の仕様を決める省令は公布から2ヶ月後に施行され、その前でも改正後の品目について許可の申請を出せます。告示の案は「公布の日から施行する」と書かれています12。一方、政令案は新旧対照表だけが公開されていて、附則の部分が資料に含まれていません10。政令の施行期日は、公布されるまで確認できないということです。

ただし、期間は改正ごとに違います。経産省の「改正情報」ページと、2025年の意見公募の記録から、過去の例を並べました513。

公布 施行 期間 備考
2022年10月6日 2022年12月6日 2ヶ月 国際輸出管理レジームの合意などを受けた改正(政令・省令・通達)
2023年6月30日 2023年7月21日 約3週間 韓国向けの輸出管理制度の見直し(政令)
2025年3月28日 2025年5月28日 2ヶ月 外為令・輸出令の改正(政令)
2025年4月9日 2025年10月9日 6ヶ月 キャッチオール規制の見直しなど(政令)。一部は4月9日に先行施行
2025年11月14日 2026年2月14日 3ヶ月 令和7年政令第376号と貨物等省令。段階施行あり
2026年10月9日 2026年10月16日 約1週間 対ロシア追加制裁(政令)。経産省の発表による

2ヶ月はよくある型の1つで、制裁のように急ぐ措置は短く、準備が要る改正は長く設定されてきました。前回の貨物等省令(令和7年経済産業省令第72号)は、附則に「公布の日から起算して三月を経過した日」と書かれていました14。今回の案は、それより1ヶ月短い2ヶ月です。

では、公布はいつか。これは資料のどこにも書かれていません12。前回の流れは、意見公募が2025年9月4日から10月3日まで、閣議決定が11月11日、公布が11月14日でした135。意見公募の終了から公布まで、約6週間です。もし今回も同じ間隔なら、11月18日の締切から約6週間後、つまり年末ごろの公布となり、その2ヶ月後の2027年2月前後が施行の1つの見立てになります。ただし、これは過去の例を当てはめた私の推測で、経産省が示した予定ではありません。案が見直されれば、期間も変わりえます。公式の発表が出るまでは、断定しないでください。

前回も、施行前に許可申請を受け付ける仕組みが使われました。2026年2月14日に施行された改正では、2025年12月15日から許可申請の事前受付が始まっています515。今回の省令案にも、先ほどの「準備行為」の規定があるので、同じ運用になる可能性があります。納期のある案件を抱える会社は、施行日が決まったら、事前受付の開始日を合わせて確認してください。

外為法の本体改正は、別の系統です

「外為法が変わる」という報道には、もう1つの流れがあります。2026年6月5日に公布された「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律」で、こちらは財務省の所管、テーマは対内直接投資の審査です16。

財務省の資料によると、外国法人などを通じた間接的な株式の取得の追加、事前届出の対象外だった投資(非指定業種への投資)に関するリスクへの対応措置の新設、国の安全等を損なうおそれをなくすための措置(リスク軽減措置)を届出事項として明確化することなどが柱です。施行は、一部を除いて「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」とされています1617。この法律が動かす対象は、海外から日本企業への投資で、貨物や技術の輸出ではありません。10月19日の意見公募とは別物ですし、輸出管理の担当者が日常で触れる文書とは、主に所管する役所が違います。対内直接投資の側面は、日本版CFIUSと対内直接投資審査の解説で詳しく扱っています。

会社として、いま何をするか

ここまでの話を、実務に落とします。

まず、自社が輸出する貨物や提供する技術に、上の表の項が関わるかを確かめてください。3Dプリンター方式の製造装置、核酸やペプチドを扱う装置、オシロスコープなどの計測器、船舶や潜水艇に関する技術などです。関わる場合は、新旧対照表と、省令案の仕様を読んでください。省令案は縦書きの文書で、慣れないと読みにくいのですが、仕様の数字はここにしか書かれていません3。今回の確認でも、省令案60ページのうち、主要な箇所を中心に読んでいます。

次に、意見を出すかどうかを考えます。「この定義だと自社の製品が規制対象に含まれるのか分からない」「承認等前決済の例外の範囲が告示で明確になるのか」といった疑問は、意見公募の場で聞くことができます。理由に根拠となる資料を添えられると、受け取る側も扱いやすいはずです。締切は11月18日(水)必着で、e-Govから出せば郵送より確実です1。

そして、施行日が公表された時点で動けるよう、社内の準備を進めておきます。該非判定書の見直しの優先順位、輸出管理内部規程の改定の要否、事前受付の利用の判断です。省令案の施行が公布の2ヶ月後だとすると、判定書の更新に使える時間は、前回の3ヶ月より短くなります。判定の見直しは、施行日の前に終わらせておくのが理想です。

こうした見直し作業を仕組みで支える道具として、弊社の輸出管理AIエージェントTRAFEEDがあります。経産省の基準に準拠した該非判定の支援や、取引先のスクリーニングを行います。最終的な該非判定は、必ず貴社の輸出管理責任者が行うものです。まずは自社の輸出管理の状況を知りたい方は、無料の診断ツールで現状を確かめてみてください。

まとめ

数ヶ月後に変わるのは、外為法という法律ではなく、輸出令・外為令・貨物等省令・告示・通達です。内容は、品目と技術の見直し、承認等前決済の例外の追加、仮陸揚げ貨物の定義の見直しの3本柱で、施行日はまだ決まっていません。

今回の調べものでいちばん勉強になったのは、2月の改正の附則に「三月」とあり、私自身が「2ヶ月」という先入観で見ていたことでした。公布から施行までの期間は、改正ごとに違います。だからこそ、公布の知らせを見たら、まず附則を確かめる習慣が役に立ちます。

意見公募の締切は、11月18日です。関係する項のある会社は、いまのうちに新旧対照表を開いてみてください。具体的な相談は、個別相談からお気軽にどうぞ。

原文の確認範囲

本稿は、次の資料を直接読んで書きました。経産省の意見公募要領、政令・省令・告示・通達の新旧対照表(省令案は、5の項、7の項、附則などの主要な箇所を画像で確認)、2025年11月14日の改正に関する経産省の概要説明資料と政令の条文、経産省の改正情報ページ、e-Govの意見公募の記録、財務省の改正法に関する資料です。

確認できていないのは、省令案の仕様の全数値、通達案の全文の突合、10月9日公布の政令の原文、6月16日公布の告示の本文です。経産省のサイトが、これらの一部をスクリプトからの取得に応じなかったためです。10月9日の改正については、経産省の発表と報道の概要にとどめています。実務で使う前には、必ず原文で確かめてください。

参考

Footnotes

  1. 外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令案等に対する意見募集について(意見公募要領)— 経済産業省 — 2026年10月19日 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11

  2. 意見募集案件の詳細(案件番号595320041)— e-Govパブリック・コメント ↩ ↩2 ↩3

  3. 輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令の一部を改正する省令案 新旧対照表 — 経済産業省 — 2026年10月19日 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  4. 輸出貿易管理令等の改正の概要について — 経済産業省 — 2025年11月 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  5. 改正情報 — 経済産業省 安全保障貿易管理 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  6. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令(令和7年政令第376号)条文・理由 — 経済産業省 ↩ ↩2 ↩3

  7. 外為法関連の制度改正について(改正概要説明資料その2)— 経済産業省 貿易経済安全保障局 — 2025年11月 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  8. 技術管理スキームの事前報告の対象技術(意見公募の添付資料)— 経済産業省 ↩

  9. ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します — 経済産業省 — 2026年10月6日 ↩

  10. 外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令案 新旧対照条文 — 経済産業省 — 2026年10月19日 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  11. 「輸出貿易管理令の運用について」の一部を改正する通達案 新旧対照表ほか — 経済産業省 — 2026年10月19日 ↩

  12. 無償で輸出すべきものとして無償で輸入した貨物等に関する告示の一部を改正する件(案)新旧対照表 — 経済産業省 — 2026年10月19日 ↩ ↩2

  13. 輸出貿易管理令の一部を改正する政令案等に対する意見募集について(2025年9月4日公示)— e-Govパブリック・コメント ↩ ↩2

  14. 輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令の一部を改正する省令(令和7年経済産業省令第72号)条文・新旧 — 経済産業省 ↩

  15. 施行日前の許可申請の受付について — 経済産業省 安全保障貿易管理 ↩

  16. 「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律」について — 財務省 — 2026年6月5日 ↩ ↩2

  17. 外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案要綱 — 財務省 ↩

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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経済産業省の公開様式・通達・e-Gov法令原文にもとづき独自作成した該非判定書テンプレート。Word版(該非判定書・非該当証明書様式・記入ガイドQ&A)とExcel版(該非判定書・項目別対比明細・キャッチオール確認シート・判定管理台帳の4帳票)のセット。2026年2月14日施行政省令改正対応。なお本セットに「パラメータシート」は含まれません(CISTEC・JMC等が発行・販売する別個の刊行物です)。

BIS 50%ルール(Affiliates Rule)対応チェックリスト(記入式・2026年版)

米国BISの50%ルール(Affiliates Rule)に備える、輸出管理担当者向けの記入式チェックリスト。名簿に載った企業の持分の合算・リストをまたぐ合算・所有の連鎖・最も厳しい規制の原則という4つの仕組み、ちょうど50%は対象で50%未満も「安全」とは言えない理由、停止中のものといま効いているものの区別、資本関係のデータが途切れる場所、範囲の決定から体制づくりまでの6段階の準備を収録。用語の超入門つき。停止規則は「将来の延長がなければ2026年11月9日に終わる」と条件付きで、米中は2026年9月に2027年1月10日までの延長を発表しましたが、2026年10月5日時点で米国の連邦官報には延長の規則が載っていません。延長される場合・されない場合・規則が修正される場合のどれでも無駄にならない形にしています。米国連邦官報(90 FR 47201・90 FR 50857)・15 CFR・中国商務部の公表にもとづく。規制リストへの掲載は規制上の区分であり企業の是非判断ではありません。最終判断は貴社の輸出管理責任者と当局の最新の公表を正としてください。

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