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中国の改正国防動員法が10月1日施行|日本企業に平時から効く条文

公開2026-10-03濱本 隆太

中国の改正国防動員法(14章82条)が2026年10月1日に施行されました。民用資源の「征収・征用」が注目されていますが、潜在力統計調査への資料提供義務や専門保障チームの編成など、動員の決定を待たずに企業へ効く条文もあります。原文の条番号で整理し、輸出管理と現地法人管理で確認すべき点をまとめます。

中国の改正国防動員法が10月1日施行|日本企業に平時から効く条文
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株式会社TIMEWELLの濱本 隆太です。

中国の改正国防動員法が、2026年10月1日に施行されました。8月28日に全国人民代表大会常務委員会で採択されたもので、2010年に施行された旧法を全面的に書き直し、14章82条の法律になっています12。

施行日の前後、日本の新聞やテレビは「民間徴用」「台湾有事」といった見出しで大きく取り上げました。見出しとしては自然な切り取り方でしょう。ただ、条文を頭から読むと、印象はかなり変わります。動員が決まってからはじめて効く条文と、動員とは関係なく、いまこの時点から企業に義務を課す条文。この二種類が、一つの法律の中に混ざっているのです。輸出管理の担当者が気にすべきなのは後者のほうだ、と私は考えています。

以下、原文の条番号に沿って、何が変わり、誰にいつ効くのかを整理します。中国の輸出管理の全体像は中国輸出管理法と両用品目輸出管理条例の体系図にまとめてありますので、あわせて読んでいただくと位置関係がつかみやすいはずです。自社の輸出管理体制をざっと点検したい方は、3分でできる輸出管理チェックも使えます。

要約: 中国の改正国防動員法(2026年8月28日採択、10月1日施行、14章82条)は、旧法(2010年施行、72条)の全面改正です。民用資源の「征収・征用」と特別措施(商業貿易などの業界管制)は、国が国防動員の実施を決めた後にだけ発動します。一方、潜在力統計調査への資料提供義務(第26条第4項)と違反時の罰則(第79条)、交通運輸・電信・ネットワークセキュリティなどの単位に課す専門保障チームの編成(第60条)は、動員の有無にかかわらず平時から効きます。外国企業を除外する規定はなく、日系の中国現地法人も「企業事業単位」として同じ扱いです。

何が変わったのか:旧法72条から新法82条へ

改正の経緯から見ていきます。旧法は2010年2月26日に採択され、同年7月1日から施行されていました3。2021年10月には、国防動員体制の改革を進めるあいだ一部の規定の適用を一時的に調整する決定が全国人大常委会で採られ、「改革措置が成熟したら、速やかに関係する法律を改正する」とされていました4。今回の改正は、その宿題に応えた形です。2026年4月の常務委員会で初めて審議され、8月の第24回会議で二度目の審議を経て採択されました5。

8月21日の記者会見で、全国人大常委会法制工作委員会の黄海華報道官は、二審稿の主な修正点として四つを挙げています5。「国防動員」の概念を明確にしたこと、先端技術の応用と新興領域の動員力量の発展を加えたこと、潜在力統計調査の対象者の義務を明確にしたこと、そして特別措施は「必要、合理」の原則に従い、状況の変化に応じて速やかに調整すると定めたことです。パブリックコメントでは、定義、動員データの収集、民用資源の征用と補償の実施などに意見が集まったとも説明されています。

旧法と新法を、企業に関係する部分に絞って並べると次のようになります。

項目 旧法(2010年施行・72条) 新法(2026年10月1日施行・82条)
定義 規定なし 第2条第2項で「国防動員」を定義。経済と社会の実力を国防の実力に転化する活動
データ・技術 規定なし 第7条で動員のためのデータ保障制度、第8条で先端技術の応用を新設
潜在力統計調査 統計機関が資料を提供(第19条) 調査対象者に真実・正確・完全・適時な提供を義務づけ(第26条第4項)。拒否や虚偽は是正命令、従わなければ強制履行と罰款の対象(第79条第1号)
戦略物資 国務院の主管部門が備蓄を実施(第33条) 政府主導・社会共建・多元互補の体系。企業の実物・技術・生産能力の備蓄を奨励(第40条、第41条第4項)。配送の規定を追加(第43条)
軍品の供給網 規定なし 軍品の産業鏈・供給鏈の安全評価を新設(第46条)
軍品任務での備蓄・優先提供の対象 設備、材料、関連製品、技術(第39条、第41条) 設備、材料、配套製品、技術にデータとソフトウェアを追加(第47条、第49条)
民用資源 「徴用」のみ(第54条) 「征収、征用」(第63条)。資源に交通工具を明記。補償は「公平、合理」(第67条)
特別措施 業界管制など5類型(第63条) 同じ5類型の業界に「無線電」を追加(第73条)。必要・合理の原則を新設(第76条)
企業の法的責任 7項目(第69条) 9項目(第79条)。統計資料の提供拒否、戦略物資を規定どおり備蓄しないことなどを追加

表にすると地味に見えます。それでも、データとソフトウェアが名指しされたこと、統計調査への協力が罰則つきの義務になったことは、企業の実務にとって小さな変更ではありません。もう一つ、条文を検索してみて気づいたことがあります。「外国」「境外」「外商」といった語が一度も出てきません。特定の国や地域の名前もゼロ。外国企業を特別に扱う規定も、除外する規定もないということです。中国で設立された日系の現地法人は、中国企業と同じ「企業事業単位」として読むことになります。

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平時から効く条文と、動員の決定後にだけ効く条文

この法律を読むときにいちばん大事なのは、各条文が「いつ」効くのかを見分けることです。新法は、全国総動員または局部動員の決定を全国人大常委会が行い、国家主席が動員令を出すと定めています(第13条)。国の主権や安全などが直接の脅威を受け、すぐに対応しなければならない場合には、国務院と中央軍事委員会が必要な措置をとり、同時に常務委員会へ報告できるとも書かれています(第14条第2項)。条文の多くは「国家决定实施国防动员后」(国が国防動員の実施を決めた後)という書き出しで始まり、この決定が引き金になります。

報道で注目された民用資源の扱いは、こちらに属します。第63条は、動員の決定後、備蓄物資で需要を満たせないときに、県級以上の人民政府が法に基づいて民用資源を「征収、征用」できると定めます。民用資源とは、組織や個人が所有または使用する施設、設備、交通工具、場所その他の資源です。旧法は「征用」だけでした。では、征収と征用は何が違うのか。中国の法令用語では、征用は一時的に使って返すもの、征収は所有権そのものを移すものを指します。民法典第117条も、公共の利益のために征収・征用するときは「公平、合理」の補償を与えると定めており6、新法第67条の補償の文言はこれにそろえた形です。旧法から引き継がれた規定もあります。返還の義務、損失の補償、そして個人の生活必需品などの免除(第65条)。他方、旧法第57条にあった「改造に必要な経費は国が負担する」という一文は新法第66条には見当たらず、経費は第67条第2項で「国家の関係規定に従う」とされています。

特別措施(第73条)も、動員の決定後にだけ発動します。金融、交通運輸、郵政、電信、報道出版、放送、情報ネットワーク、無線電、エネルギーと水の供給、医薬衛生、食品と食糧の供給、商業貿易などの業界管制、人員の活動区域や物資・輸送手段の出入りの制限、企業事業単位での特別な勤務制度などです。

一方で、動員の決定を待たずに効く条文があります。輸出管理や現地法人の管理部門が見落としやすいのは、むしろこちらです。

第一に、潜在力統計調査です。第26条第4項は、調査の対象者が法律と国の関係規定に従い、調査に必要な資料を真実、正確、完全、適時に提供しなければならないと定めます。企業事業単位が拒否、遅延、不正確な資料の提供をすると、期限を定めた是正命令を受け、期限までに改めなければ義務の履行を強制され、罰款を科されることもあります(第79条第1号)。旧法にはこの義務も罰則もありませんでした。何を調べるのかは条文に書かれていませんが、国防動員の「潜在力」を測る調査ですから、生産能力、設備、在庫、輸送手段、技術者といった情報が中心になると考えるのが自然でしょう。この点は筆者の推測です。

ついでに書いておくと、平時から企業に調査への協力を求める規定は、中国だけのものではありません。台湾の全民防衛動員準備法第16条も、公営・民営の生産事業機構に対し、重要物資と固定施設の調査に協力し、関連する動員能量の資料を提供するよう定めています7。

第二に、専門保障チームです。第60条は、交通運輸、郵政、電信、ネットワークセキュリティ(网络安全)、医薬衛生、食品と食糧の供給、工事建築、エネルギー化学工業、大型水利施設、民生用原子力施設、報道メディア、国防科研生産、市政施設の保障などの単位が法に基づき国防勤務を担うとし、平時から専門保障チームを組織して訓練と演習を行うよう求めています。旧法にもほぼ同じ規定(第51条)がありましたが、業種の列挙に「网络安全」が加わりました。

第三に、教育と協力の義務です。企業事業単位は所属人員に必要な国防の知識と技能を学ばせる(第70条)、後備兵員の儲備に協力する(第34条第2項)といった規定は、平時の話です。中国籍の従業員が国防勤務に就いた場合は、勤務期間中も元の勤務先の賃金、手当、福利厚生を受け続けると定められています(第62条)。国防勤務の対象は18〜60歳の男性公民と18〜55歳の女性公民で(第58条)、外国籍の駐在員は対象に入りません。

輸出管理の実務とどこで交わるのか

ここからが本題です。国防動員法は輸出管理の法律ではありません。それでも、輸出管理の担当者が無関係でいられない接点が、少なくとも三つあります。

一つ目は、最終用途の誓約書です。日本から中国へ機械や部材を出すとき、多くの企業は相手先から「軍事用途には使わない」という誓約書を取ります。誠実な相手であれば、平時はそれで十分に機能します。では、動員が決まった後はどうでしょうか。第49条は、軍品の研究・生産・修理の任務を担う単位にエネルギー、設備、材料、配套製品、技術、データ、ソフトウェアを提供する単位に対し、軍品の需要を優先して満たすよう求めています。第63条の征収・征用も、所有者の同意を前提にしていません(受け入れる義務は第64条にあります)。つまり、相手がどれほど誠実でも、自国の法令に基づく義務は契約上の誓約より優先されます。

これは中国だけの話ではありません。日本の自衛隊法第103条は、防衛出動時に都道府県知事が物資の保管を命じ、またはその物資を収用できると定めています8。国民保護法第81条にも特定物資の収用の規定があります9。米国の国防優先度・配分制度(DPAS)は、平時であっても、格付けされた国防発注(rated order)の受諾を事業者に義務づけています(15 CFR 700.13)10。有事や国防のために民間の資源を動かす法律は、多くの国が持っています。誓約書は相手国の法令の上には立てない。この前提で、許可条件や再移転の制限を組み立てておく必要があります。

二つ目は、米国の輸出管理規則(EAR)との関係です。EARの第744.21条は、中国の軍事用途・軍事エンドユーザー向けに、補則第2号に載る品目を許可なく輸出、再輸出、国内移転(transfer in-country)することを禁じています11。日系の中国現地法人が、米国原産の管理品目や米国の技術を含む装置を持っているとします。動員の決定後にそれが征用され、軍事目的に使われた場合、EAR上どう評価されるのか。強制的な征用が「移転」に当たるのかについて、米国商務省産業安全保障局(BIS)が解釈を示したものは、私が調べた範囲では見つかりませんでした。答えがない以上、少なくとも「中国拠点のどこに、EAR対象の何があるか」を台帳で押さえておくことが最初の一歩になります。

三つ目は、調達の側です。特別措施には商業貿易の管制と、物資や輸送手段の出入りの制限が含まれます(第73条第1号、第2号)。動員の区域からの出荷が止まることは想定しておくべきでしょう。平時の側にも仕組みがあります。2026年4月に公布・施行された「産業鏈供給鏈の安全に関する国務院の規定」(国務院令第834号)は、重要分野で供給の安定が脅かされた場合に、緊急調度や備蓄の放出、生産・輸送・供給の組織といった応急措置をとれると定めています(第11条)12。ガリウム、ゲルマニウム、レアアースなどの両用品目の輸出許可制と合わせて考えると、中国からの調達は、平時の輸出許可、平時の緊急調度、有事の動員という三つの層で止まりうる構造になっています。どの層で止まっても事業が続くよう、調達先の分散と在庫の水準を決めておくことが実務です。レアアースの現状は中国レアアース輸出規制マップで整理しています。

データについても一言添えます。新法は動員のためのデータ保障制度を設け(第7条)、軍品任務を担う単位にはデータやソフトウェアの備蓄まで求めました(第47条)。その一方で、国防動員の業務で知った商業秘密や個人情報を守る義務も明記しています(第11条)。統計調査や任務の要請を受けたとき、提出の範囲と秘密保持の扱いを確かめる手がかりとして、第11条は覚えておく価値があります。中国の情報関連の法令は反スパイ法・国家情報法の記事にまとめています。

同じ時期に出た中国のほかの措置

8月中旬から10月初めにかけて、中国では国防動員法のほかにも、輸出管理や経済安全保障にかかわる発表が続きました。今年の主な法令と並べて、位置関係を確認しておきます。

日付 措置 要点 企業への効き方
2026年4月7日公布 国務院令第834号「産業鏈供給鏈の安全に関する規定」 重要分野の監視と警報、緊急調度(第11条)、外国の組織・個人が正常な市場取引の原則に反して取引を中断した場合の調査と措置(第15条) 平時から。中国企業との取引を打ち切る場面で論点になりうる
2026年4月13日公布 国務院令第835号「反外国不当域外管轄条例」 外国の措置を「不当な域外管轄」と認定し、執行と協力を禁止(第6条)。禁執令(第13条)。輸出管制などは別段の定めに従う(第19条) 平時から。外国当局の調査への協力が論点になりうる
2026年7月22日公布、9月15日施行 国務院令第841号「出境入境管理に関する規定」 輸出管制・技術輸出入の規定に違反し、産業や技術の安全を害するおそれのある中国公民の出国を、商務などの主管部門が認めないことができる(第4条第3項) 平時から。中国籍の技術者の人事と出張
2026年8月19日 司法部公告(EUの外国補助金規則に基づく京東への調査) 835号第3条・第6条に基づき、EUの越境調査のやり方を不当な域外管轄と認定。何人も執行・協力してはならない。5月15日の同方威視の件に続く2例目 公布日から実施
2026年8月28日採択、10月1日施行 改正国防動員法 この記事の前半で整理したとおり 平時と動員後の二層
2026年9月22日 商務部など5部門の公告2026年第40号 特定国向けの易制毒化学品(麻薬の原料になりうる化学品)の管理目録に2品目を追加。米国・メキシコ・カナダ向けは許可が必要 公布日から実施
2026年9月28日 商務部米州大洋州司の解説 2025年10月のクアラルンプールでの合意に基づき双方が停止している一部の関税・非関税措置について、停止期限を、2026年11月10日から2027年1月10日に延ばすことで合意 対米措置の停止が延長

出典は、834号が12、835号が13、841号が14、司法部公告が1516、第40号公告が17、停止期限の延長が18です。841号は技術者の出国制限の記事で、8月5日の対米措置は対米反制とドローン輸出管理の記事で扱いました。停止期限の延長は、11月10日の期限を扱った記事で追っています。なお、表に名前が出る企業は、いずれも外国当局の調査の対象として言及しているだけで、企業の是非を判断するものではありません。

並べてみると、平時の供給網の安全(834号)、外国の措置への対抗(835号)、人の移動(841号)、有事の動員(国防動員法)と、守備範囲の違う法令が半年のうちに相次いで出そろったことがわかります。易制毒化学品の目録調整は、9月の米中首脳会談の成果として薬物取締りの協力が挙げられたことと時期が重なります19。個々の政策の評価はここでは控えます。事実として言えるのは、中国で事業をする企業が参照すべき法令の数が、この半年ではっきり増えたということです。

日本企業がいま確認しておきたいこと

最後に、輸出管理と現地法人管理の担当者がいま手を付けられることを並べます。どれも、動員という事態を予想するための作業ではありません。平時から効く条文に備え、判断の記録を残すための作業です。

1. 中国拠点の事業を、第60条と第28条の目で棚卸しする。 交通運輸、電信、ネットワークセキュリティ、医薬衛生、エネルギー化学工業、工事建築などに当たる拠点は、平時の専門保障チームの対象になりえます。国防と密接に関わる建設プロジェクトと重要製品の目録(第28条)が公表されているかどうかは、確認した範囲ではわかりませんでした。現地の当局や法律事務所に、自社の事業が対象になるかを照会し、その記録を残しておくのが現実的です。

2. 潜在力統計調査の依頼が来たときの手順を決めておく。 依頼を受ける窓口、提出前の確認者、日本本社への報告ルート、提出物の控えの保管先です。提出義務は第26条第4項に根拠があり、拒否すれば第79条の対象になります。同時に、第11条の秘密保持を根拠に、提出の範囲を確認する余地もあります。

3. 契約の不可抗力条項を見直す。 中国の取引先との供給契約で、国防動員、特別措施、征収・征用が不可抗力として扱われるかを確かめます。日本側が買い手でも売り手でも、納期の優先順位が法令で変わりうること(第43条、第49条)を前提に書いておくほうが、後のもめごとを減らせます。

4. 現地に渡した技術、データ、ソフトウェアの台帳を作る。 第47条と第49条がデータとソフトウェアを名指しした以上、日本から現地法人に何を移したかを、輸出許可の番号や条件とひもづけて把握しておくべきです。米国原産の品目と技術には、EAR第744.21条の観点から別に印をつけておきます。

5. 人事の前提を共有する。 中国籍の従業員が国防勤務に就く可能性と、その間の賃金の扱い(第62条)を、現地の就業規則と照らしておきます。

TRAFEEDは、日本の該非判定と、取引先を各国の規制リストと照合した結果を、判断の根拠とあわせて記録に残すための仕組みです。中国政府が公表したリストも参考として照合しています。国防動員法そのものは照合の対象ではありませんが、取引先ごとの記録に「相手国の法令で生じうる義務」を書き添えておく運用とは相性がよいと考えています。詳しくはTRAFEEDのページをご覧ください。

まとめ

  • 中国の改正国防動員法は2026年8月28日に採択され、10月1日に施行されました。旧法72条を全面改正した14章82条の法律です
  • 民用資源の「征収・征用」と特別措施は、国が国防動員の実施を決めた後にだけ発動します。補償は「公平、合理」と明記されました
  • 潜在力統計調査への資料提供(第26条第4項)と罰則(第79条)、交通運輸・電信・ネットワークセキュリティなどの単位の専門保障チーム(第60条)は、平時から効きます
  • 外国企業を除外する規定はありません。日系の中国現地法人も同じ「企業事業単位」です
  • 輸出管理との接点は、最終用途の誓約書の限界、米国EARの国内移転規制、中国からの調達の三つです
  • 有事に民間の資源を動かす法律は、日本にも米国にも台湾にもあります

報道の見出しだけを追うと、この法律は「いつか来るかもしれない有事の話」に見えます。けれども条文を読むと、統計調査への協力も専門保障チームの編成も、10月1日からすでに始まっている平時の話です。中国だけの特殊な制度として身構えるより、日本、米国、台湾の同種の法律と同じ物差しで読み、自社の取引を法域ごとに整理しておくほうが、次に何が出ても落ち着いて当てはめられます。まずは自社の中国拠点がどの条文に触れるのかを一覧にしてみてください。判断に迷う取引があれば、個別のご相談で一緒に整理します。


Footnotes

  1. 中華人民共和国国防動員法(2010年2月26日採択、2026年8月28日第14期全国人民代表大会常務委員会第24回会議で改正)全文、新華社北京8月28日電。国防部征兵弁公室サイト掲載. https://www.gfbzb.gov.cn/zbbm/zcfg/byfg/202609/20260909/2293944855.html ↩

  2. 新華社「全国人大常委会表决通过新修订的国防动员法」(2026年8月28日). http://politics.people.com.cn/n1/2026/0828/c1001-40788289.html ↩

  3. 日本貿易振興機構(JETRO)「中華人民共和国国防動員法(仮訳)」(2010年法、最終更新2026年3月12日). https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/cn/invest_11/pdfs/cn13A060_kokuboudouin_law.pdf ↩

  4. 中国新聞社「中国修订国防动员法 突出新兴领域国防动员工作」(2026年8月28日). https://www.chinanews.com.cn/gn/2026/08-28/10686198.shtml ↩

  5. 全国人大常委会法制工作委員会 報道官記者会見(2026年8月21日)、北京市国防動員弁公室サイト転載「全国人大常委会法工委通报拟审议法律案情况 国防动员法修订草案明确"国防动员"概念」(2026年8月28日). https://gdb.beijing.gov.cn/rf_ywdt/rf_hydt/202608/t20260828_4841424.html ↩ ↩2

  6. 中華人民共和国民法典(2020年5月28日採択、2021年1月1日施行)第117条。 ↩

  7. 台湾「全民防衛動員準備法」(最終改正 民国108年(2019年)6月19日)第16条、全国法規資料庫. https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=F0070013 ↩

  8. 自衛隊法(昭和29年法律第165号)第103条. https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 ↩

  9. 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号)第81条. https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000112 ↩

  10. 15 CFR § 700.13 Acceptance and rejection of rated orders(Defense Priorities and Allocations System). https://www.ecfr.gov/current/title-15/section-700.13 ↩

  11. 15 CFR § 744.21 Restrictions on certain 'military end uses' or 'military end users'. https://www.ecfr.gov/current/title-15/section-744.21 ↩

  12. 中華人民共和国国務院令第834号「国务院关于产业链供应链安全的规定」(2026年3月31日署名、4月7日公布・同日施行). https://www.gov.cn/zhengce/content/202604/content_7064837.htm ↩ ↩2

  13. 中華人民共和国国務院令第835号「中华人民共和国反外国不当域外管辖条例」(2026年4月7日署名、4月13日公布・同日施行). https://www.gov.cn/zhengce/content/202604/content_7065398.htm ↩

  14. 中華人民共和国国務院令第841号「国务院关于出境入境管理的规定」(2026年7月22日公布、9月15日施行)、商務部サイト掲載. https://fec.mofcom.gov.cn/article/ggfw/crjfw/crjzcwj/202607/7209.html ↩

  15. 中華人民共和国司法部「关于欧盟外国补贴调查相关做法构成不当域外管辖的公告」(2026年8月19日). https://www.moj.gov.cn/pub/sfbgw/gwxw/xwyw/202608/t20260819_538687.html (公告本文と報道官の答問は新京報の転載で確認: https://finance.sina.com.cn/tech/roll/2026-08-19/doc-ininwawh8318454.shtml ) ↩

  16. 新華社「司法部发布关于欧盟外国补贴调查相关做法构成不当域外管辖的公告」(2026年5月15日、同方威視の件). http://society.people.com.cn/n1/2026/0515/c1008-40720829.html ↩

  17. 商務部・公安部・応急管理部・海関総署・国家薬品監督管理局 公告2026年第40号「关于调整《向特定国家(地区)出口易制毒化学品管理目录》的公告」(2026年9月22日). https://www.mofcom.gov.cn/zwgk/zcfb/art/2026/art_7dad5aea5c7a40c992c99aedfa7d2ebd.html ↩

  18. 商務部「商务部美大司负责人解读第八轮中美经贸磋商成果」(2026年9月28日). https://www.mofcom.gov.cn/xwfb/sjfzrfb/art/2026/art_cd060e0649964da8ae13216c3bb1a645.html ↩

  19. 新華社「中美达成八点成果共识」(2026年9月25日電、商務部サイト転載). https://www.mofcom.gov.cn/syxwfb/art/2026/art_1de2d87336ce458eb0b7dc77e6529ee2.html ↩

本記事は一部にAIを用いて作成し、公開前に人間が一次情報の確認と編集を行っています。

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